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グリッドパリティとは?再生可能エネルギー普及の重要な鍵になる?!ストレージパリティとの違いを解説!

グリッドパリティ(英語:Grid parity)とは、グリッド(Grid、送電網)パリティ(Parity、同等)という単語を合わせた言葉で、太陽光発電などの再エネの発電コストが火力などの既存の電力コストと同等、あるいは、それ以下(安価)になることを意味しています。 グリッドパリティは太陽光発電の自家消費を目的とする分野で導入が進むと考えられています。グリッドパリティのメリットや将来的な動向などについて詳しく解説します。

グリッドパリティ(英語:Grid parity)とは、グリッド(Grid、送電網)パリティ(Parity、同等)という単語を合わせた言葉で、太陽光発電などの再エネの発電コストが火力などの既存の電力コストと同等、あるいは、それ以下(安価)になることを意味しています。

グリッドパリティは太陽光発電の自家消費を目的とする分野で導入が進むと考えられています。グリッドパリティのメリットや将来的な動向などについて詳しく解説します。

グリッドパリティとは

グリッドパリティとは、太陽光発電風力発電水力発電などの再エネ(再生可能エネルギー)による発電コストが、火力発電原子力発電などの既存エネルギーからの電力のコストと同じ、あるいはそれよりも安くなることをいいます。

言い換えると再エネの機器を設置することによって、「普通に電気を購入する場合と同等」若しくは、「普通に電気を購入するよりも安価」という状態になることです。

グリッドパリティが達成された場合には、電力会社から電気を購入するよりも、自分で太陽光発電システムを設置・導入して自家発電したほうが、結果的に電力コストが安くなります。そのため、太陽光発電システムを選択する際には、グリッドパリティを達成可能か、若しくはどれだけグリッドパリティに近付けることが可能か、という点が検討する際の重要なポイントです。

鍵になるのは、1kWあたりのシステム価格、メンテナンス費用、耐用年数、年間発電量になります。特に注意が必要なのは、耐用年数と年間発電量です。どうしてもシステム導入価格に目が向いてしまいがちになりますが、高額な太陽光発電システムは耐用年数が長いため、年間発電量が多くなることでグリッドパリティは低下します。

国によって基準が異なる

日本においては上述したようなグリッドパリティの基準が定められていますが、地域ごとに火力や原子力などの既存の系統による電気料金が異なっているだけでなく、太陽光発電もメーカーによる価格の差異が存在しています。

さらに国・地域によっては発電能力のパフォーマンス(1kWあたりの発電量)が大きく異なっています。したがって、グリッドパリティは環境によって基準が大きく異なっているのです。

一般的に、ベースとなる火力や原子力などの系統の電力整備が進んでいる先進国ではグリッドパリティが、より高い水準での目標となっていることが一般的です。一方で、島しょ国や電化されていない国・地域においては、発電費用が高価で環境や健康に対する悪影響が指摘・懸念されているような動力(ディーゼル発電機など)を電源の根幹として利用しているケースが多いとされています。こうした国・地域と比べて、太陽光発電は費用の面でも注目を浴びている状況だと言うことが可能でしょう。

日本のグリッドパリティの定義

我が国のグリッドパリティは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によって、以下の3つの段階に定義されています。まず、第一段階のグリッドパリティとは、家庭用電力(従量電灯)価格並み(23円/kWh)の状態にあることを意味しており、2013年に既に達成済みです。

次の第二段階グリッドパリティとは、業務用電力(高圧以上)価格並み(14円/kWh)の状態を意味しており、2020年の目標値でした。最後の第三段階グリッドパリティとは、汎用電源(基幹電源)価格並み(7円/kWh)のことで、2030年における目標値となっています。

グリッドパリティが重要視されている背景

グリッドパリティが重要視されている背景としては、以下のようなものを挙げることができます。

地球温暖化対策

世界的に懸念が深刻化している地球温暖化の対策においては、石油などの化石燃料の使用を削減・中止して、再生可能エネルギーへの転換が必要不可欠です。二酸化炭素は温室効果ガスの一種であり、地球温暖化の一因であると考えられているためです。

下のグラフは世界の平均気温の推移です。年々気温が上昇しているのが分かります。

出典:気象庁

地球温暖化は、海水面の上昇や異常気象の増加など多くの問題を引き起こします。

そこで、グリッドパリティが達成された場合には、経済的な面で再生可能エネルギーの採算が取れるようになるため、太陽光発電などの再エネ普及が促されることになるでしょう。

電気料金の低下

電気料金の低下の面でも、グリッドパリティは重要視されています。再生可能エネルギーにおける導入費用が低減・削減されれば、それは電気料金そのものの低下へとつながるからです。電気料金の低下は、一般家庭の家計負担を軽くして、結果的に日本全体の経済成長につながることが期待できるのです。

エネルギー安全保障の強化

最後に、エネルギー安全保障の観点からも、グリッドパリティは非常に重要だと考えられています。再生可能エネルギーは、石油や石炭などの化石燃料に頼っておらず、エネルギー安全保障の強化に貢献します。エネルギー安全保障の強化は、エネルギー価格の急激な変動リスクを軽減することで、安定したエネルギーの供給へとつなげることが可能です。

グリッドパリティが達成するとどういうメリットがある?

グリッドパリティが達成されると、以下のようなメリットがあります。

エネルギー利用の効率化

グリッドパリティを達成することで、再生可能エネルギーの利用頻度が増加し、石油や石炭などの化石燃料に依存する必要が減少します

日本は電源構成における火力発電の割合が72.4%と高く、中でも化石燃料への依存が大きくなっています。

化石燃料はそのほとんどを輸入に頼っています。

そのため、エネルギー自給率も低くなっているのが現状です。

エネルギー自給率が低いと、世界情勢が悪化でエネルギーの安定供給が脅かされる可能性が高くなります。また、燃料価格の高騰によって、2022年度の石油や天然ガスなど鉱物性資源の輸入額は35兆円を超えており、大幅な貿易赤字の原因ともなっています。

太陽光発電などの再生可能エネルギーは、純国産のエネルギーです。使用率を高めることによって、地球の環境に対する負荷を軽くするだけでなく、エネルギーの安定供給を構築することが可能になります。

エネルギー供給の安定化

グリッドパリティが実現すれば、再生可能エネルギーの普及が促進されます。再生可能エネルギーは自然に存在している太陽光、水、風などの天然資源に依拠しているので、自然条件(天候など)によっては供給状態に変動が発生するケースが考えられます。

しかし、地理的に分散させたり、異なる再生可能エネルギーを組み合わせたりすることによって、エネルギー供給の安定性を図ることが可能です。

温室効果ガスの排出量削減

 太陽光などの再生可能エネルギーを利用することで、石油や石炭などの化石燃料を利用する場合と比較すると、温室効果ガスの排出量を大きく削減することが可能になります。

グリッドパリティを達成することによって、化石燃料を利用する機会量が減り、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量も削減することが可能です。

また、こうした利用エネルギーの変更は、気候変動の緩和にも貢献・寄与すると考えられており、持続可能な地球環境への円滑な移行を促すでしょう。

グリッドパリティの計算方法

日本におけるグリッドパリティの計算方法は、以下のとおりです。

  • グリッドパリティ = (発電システムの価格 + メンテナンス費用) / (発電量 × 耐用年数)

上式の発電システムの価格」とは、太陽光パネルやインバーターなどの発電設備の価格のことです。また、「メンテナンス費用」とは、発電設備の保守・点検や修理に必要な費用を言います。そして、「発電量」とは、発電設備が1年間に生み出すことができた電気量のことです。さらに、「耐用年数」は、発電設備が使用できる年数を差しています。

上記の計算式に基づいて、具体的に計算してみましょう。

  • 発電システムの価格:200万円
  • メンテナンス費用:年間10万円
  • 発電量:年間1,000kWh
  • 耐用年数が20年

という条件の場合、グリッドパリティは以下のようになります。

  • グリッドパリティ = (200万円 + 10万円) / (1,000kWh×* 20年) = 0.11円/kWh

この結果、再生可能エネルギーの発電コストは、既存の電力コストよりも11円/kWh安いことになるのです。

なお、kWあたりのシステム価格は各システムメーカーによって公表されています。価格や保証期間は製造メーカーによって違うため、最新の情報を確認することが必要になります。なお、一般的に耐用年数は20年から30年とされています。また、年間発電量は実際に発電しいと正確にはわからないのですが、事例などを参考にすれば、自分の居住地域の平均発電量などは確認することが可能です。

なお、太陽光発電システムを選ぶ際に必要不可欠なのは、メーカー選びと同じくよい施工店と巡り合うことです。実際に太陽光発電システムを設置する場合には、制約が多い住宅の屋根では選択可能なメーカーが意外と少ない、というようなケースもあります。つまり、限定的なチョイスから自分に向いている最適な答えを見つけるためには、メーカーと利用者を上手く繋げられる施工店がとても重要な役割を果たすのです。

(参考:https://standard-project.net/solar/words/grid-parity.html

このように、グリッドパリティは再生可能エネルギーの普及を促すためにも、とても重要な指標です。

グリッドパリティが達成されれば、経済的な観点から再生可能エネルギーの採算が取れることになるので、より普及が促進されるでしょう。その結果、石油や石炭などの化石燃料の使用量を減らして、世界中で深刻な問題を引き起こしている地球温暖化への対策に貢献・寄与することが可能になるのです。さらに、電気料金の低下やエネルギー安全保障の強化にもつながることも期待されています。

太陽光発電は自家消費目的での導入が進むと予想できる

太陽光発電の売電価格(FIT価格)の低下と、電気料金の上昇を受けて、自家消費型太陽光発電設備が増えると考えられます。

太陽光発電はオワコンではない

太陽光発電は売電価格が低下している現状においては「既に意味がない」と言われることもあります。いわゆる「太陽光発電オワコン(終わったコンテンツ)」説です。

確かに、売電価格が低下して、売電による収入が減少すると、太陽光発電システムの導入費用を回収するまでの期間が長期化してしまうリスクがあるのは事実です。

しかし、売電価格の低下と同じく、太陽光発電システムの導入コストにも変化が生じており、太陽光発電システムの性能そのものも向上しているのです。したがって、上手に活用することができれば、投資した費用を回収することも十分に可能だと考えられるようになっています。

重要なことは、売電価格ではなくて、各家庭の実状にマッチした適切な太陽光発電システムの機器類や業者を選択することです。

最も環境に適した設備を整備することで、より効率的な発電に貢献できるようになり、より有益な結果へと導けると期待できるでしょう。

自家消費型太陽光発電は環境対策となる

太陽光発電システムを導入する目的として、電力を自給自足することが可能な環境を構築したいと考えている人も少なくないでしょう。

太陽光発電は、我が国のみならず国際的に大きな注目を浴びている自然エネルギーのひとつです。将来的には、電力会社から購入する電気量が減少して、太陽光発電を活用して自給自足が可能な家庭が増加する可能性が高いと考えられます。

 一日中(24時間)の自給自足は困難かもしれませんが、例えば、日常的に使用している電力消費量の半分が太陽光発電から発電されている、日中だけは自給自足に努める、などの取り組みであれば、不可能ではありません。

太陽光発電システムを上手く利用することが可能であれば、より一層高水準な効果を実感できます。さらに、蓄電池などの機器と組み合わせることによって、さらに電力の自給自足へと近付けるはずです。

つまり、電気は購入する時代から自給自足の時代へ移行しつつあるため、太陽光発電は自家消費目的での導入が進むことが予想できます。

グリッドパリティに関するよくある質問

グリッドパリティを目指す場合に、出てくる疑問についてまとめてみました。太陽光発電の導入前に、確認しておきましょう!

グリッドパリティの日本での現状は?

資源エネルギー庁の計算によると、事業用太陽光発電の発電コストは2020年時点で12.9円/kWhとなっており、2030年までに8.2~11.8円/kWh程度になると試算されています。

汎用電源(基幹電源)価格並みの7円/kWhとなるには、更なる発電効率の向上やコスト削減が求められると言えるでしょう。

参考:資源エネルギー庁

グリッドパリティはいつから?

日本の太陽光発電システムは2013年にグリッドパリティを達成しています。

つまり、現在すでに、電力会社から電気を購入するよりも、太陽光発電システムで自家発電した電気を使った方がお得になっているということです。

今後もグリッドパリティが進展することで、再生可能エネルギー由来の発電事業者がFIT制度から段階的に卒業し、その他の発電事業と同等の競争力を持つこと期待されます。

グリッドパリティとストレージパリティの違いは?

グリッドパリティに似た言葉に「ストレージパリティ」というものがあります。

ストレージパリティとは、太陽光発電システムに蓄電池(ストレージバッテリー)を導入した方が、蓄電池を導入しない時よりも経済的にメリットが出る状態のことです。

太陽光発電システムを導入しても、天候が悪い時や夜間は電力会社から電力を購入しなければなりません。蓄電池を導入して昼間に発電した電力を蓄電できれば、理論上は太陽光発電由来の電力で自宅の電力を全て賄えます。

100%再生可能エネルギー由来の電力で自給自足できるようになれば、二酸化炭素の削減に大きく貢献できます。

グリッドパリティ達成のための補助金はある?

グリッドパリティを達成するためには、太陽光発電システムの導入費用を下げる必要があります。つまり、太陽光発電システムの導入に使える補助金を探すと良いでしょう。

地方自治体では、独自の太陽光発電補助金を用意しているところもあります。例えば東京都では条件を満たす新築住宅に太陽光パネルを設置する場合、補助金を支給しています。支給額は1kWあたり12万~13万円(上限36万~39万円。3.6kW超の太陽光パネルは1kWあたり10万~11万円)です。

太陽光発電システム設置事業者やハウスメーカーに、お住まいの地域に使える補助金があるか確認しましょう。

また、ストレージパリティ促進のための補助金があります。

蓄電池の初期費用がまだ高額なため、環境や災害の備えとしてはメリットがあっても、経済的にはメリットが出ない場合もあるのです。

政府はストレージパリティの達成を促進するため、令和3年~7年で「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」を行い、補助金を出しています。

蓄電池もしくはEV(V2H充放電設備含む)の導入は必須となっています。また、太陽光発電の発電電力を系統に逆潮流しないことという条件があります。これは、太陽光発電由来の電力を売電しないで、全て自家消費に充てるということです。

補助金額は以下のとおりです。

法人 個人
業務用施設 産業用施設 集合住宅 戸建て住宅
PPAリース 5万円/kW 7万円/kW
購入モデル 4万円/kW 対象外

電気のグリッドとはどういう意味?

電力システムにおける「グリッド」とは、発電所から各家庭までに電気を送る送電系統のことです。

グリッドパリティの他にも、以下のような言葉に使われます。

  • マイクログリッド:小規模な発電施設を設置し地域で安定供給を行う
  • スマートグリッド:IT技術を駆使して電力の受給パランスを整えエネルギー効率を向上する
  • オフグリッド:電力系統に接続せずエネルギーの自給自足を行う

蓄電池は何年で元が取れる?

太陽光発電でエネルギーの自給自足を目指す場合、蓄電池の設置は欠かせません。

蓄電池は約15年~25年で元が取れると言われています。電気の使用量が多い家庭ほど、電気料金の削減も大きくなるため、早く元が取れるでしょう。

蓄電池の設置は、経済面だけでなく、災害時の備えや、地球温暖化問題への貢献などさまざまなメリットがあるため、太陽光発電システム設置の際はぜひ検討してみて下さい。

まとめ

グリッドパリティとは、再生可能エネルギーの発電コストが既存の電力コストと同等かそれより安価になることをいいます。グリッドパリティが達成された場合には、経済的に再生可能エネルギーの採算が取れるようになるので、普及促進が期待できます。

グリッドパリティの実現に向けては、再生可能エネルギーの導入コストを削減するための技術開発や政策的支援が重要になります。我が国においては、2030年までに汎用電源(基幹電源)価格並み(7円/kWh)の第三段階のグリッドパリティを達成することを目標としています。

グリッドパリティが達成されれば、化石燃料の使用量を削減して地球温暖化対策に貢献・寄与できる、電気料金の低下につながり家計負担を軽くできる、エネルギー自給率の向上につながりエネルギー安全保障の強化に寄与できる、といったメリットが考えられます。

グリッドパリティは、再生可能エネルギーの普及を促すためにとても大切な指標です。グリッドパリティの達成に向けて、技術開発や政策的なサポートを前向きに進めることで、地球全体の温暖化対策、電気料金の低下、エネルギー安全保障の強化、などさまざまな利点を実現・享受することが期待できるでしょう。

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