太陽光発電の事業用地として土地貸しするメリットやデメリット、賃料など解説

土地を相続などにより取得したけど、使い道がわからず持て余している方もいるのではないでしょうか。
何も使わずに放置していると、固定資産税が掛かるだけです。
土地を活用するにはアパートやマンションに活用する方法もありますが、今回紹介するのは「太陽光発電へ土地貸すこと」です。一見使い道のないような土地でも、太陽光投資なら有効活用できることがあります。
そこで本記事では、太陽光発電へ土地を貸すメリットやデメリット、ぴったりな土地などを解説します。土地をどう活用するかお困りの方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
太陽光発電投資とは?
まずは、太陽光発電投資について簡単に理解しておきましょう。
太陽光発電投資とは太陽光によって発電した電力を電力会社へ売ることで収入を得る投資のことです。
太陽光発電設備は、太陽光エネルギーで発電した電力(直接電流)を電力会社が使える電力(交流電流)に変換しています。
交流電流に変換した電力は電力会社が買い取るので、太陽光発電に投資する場合、売電収入が投資のリターンとなります。
太陽光発電投資が他よりも優れているのは、その安定性です。
電力会社が太陽光発電設備の所有者から、「一定期間」「一定の単価」で買い取ることを、国が義務付けているからです。
つまり、太陽光発電によって発電する限りは収入がある程度保障されているのです。
この制度をFIT制度(固定価格買取制度)といいます。FIT制度についてはのちほど詳しく解説します。
太陽光発電用に土地を貸す3つのメリット
太陽光投資に土地を貸せば、どのようなメリットがあるのでしょうか?
①安定して収入を得られる
太陽光発電に土地を貸す最も大きなメリットは、安定して賃料収入を得られる点です。
賃料収入について理解する前に、まずは太陽光発電の運営側のメリットについて見てみましょう。
FIT制度では、太陽光発電設備で発電した電力を、電力会社が「一定期間」、「一定価格」で買い取ることを義務付けています。
具体的には、投資に使われる10kW以上の産業用太陽光発電の場合、設置から20年間は一定の単価で買い取るようになっているのです。
また、太陽光で発電した電力は、つぎの買取単価で電力会社が買い取ることになっています。
太陽光発電に投資する方にとって、安定した収入を得られるメリットがあるのですが、この恩恵は土地の所有者にもあります。
土地の所有者にとっても、20年間は賃貸収入が保障されることになるのです。
アパートやマンション経営の場合、空室が増えると一定の収益を見込めなくなります。
一方で太陽光発電の場合、20年間は太陽光発電の買取単価が変動することはないので、回りまわって土地所有者も安定した賃料収入を得られるのです。
10kW以上50kW未満 | 50kW以上250kW未満 | 250kW以上 | |
2019年度 | 14円 | 14円 | 【500kW未満】14円 【500kW以上】入札により決定 |
2020年度 | 13円 | 12円 | 入札により決定 |
2021年度 | 12円 | 11円 | 入札により決定 |
2022年度 | 11円 | 10円 | 入札により決定 |
②利用価値のない土地も活用できる
太陽光発電に活用する場合、一見すると利用価値のないような土地の場合でも事業者に貸せることがあります。
人里離れた農耕地や休耕地の場合、アパートやマンション建てたとしても収益を見込めないことがあります。
とはいえ、何もせずに土地を放置していると、固定資産税が掛かってしまうだけです。
そこで、利用しようのないような土地でも、太陽光発電ならば土地を活用できる可能性があります。
実際に、太陽光発電の多くは郊外の土地を活用しています。
そのため、利用価値のないような土地を相続した場合でも、太陽光発電への土地を貸すことで、有効活用できる可能性を秘めているのです。
③土地の雑草を処理してくれる
太陽光発電に土地を貸せば、土地の草木をメンテナンスする必要がなくなります。
なぜなら太陽光発電の事業者が、草木の手入れしてくれるからです。
農耕地や休耕地などをそのまま手入れせずに放置していると、土地によっては草木が生い茂ってきます。
手入れせずに放置しても問題ないこともありますが、ほかの土地まで伸びたり景観に影響を与えたりする場合は、手入れが必要です。
特に高齢の方が草木をメンテナンスするにも、広大な土地だと骨が折れるでしょう。
一方で太陽光発電の運営側にとって、草木が伸びて太陽光パネルまで覆ってしまうと、発電効率を妨げることになります。
そのため、事業者は定期的に土地をメンテナンスします。
土地の所有者にとっては副産物のようなメリットですが、特に広大な土地を所有している人ほど、貸すことによる恩恵を受けられるのです。
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太陽光発電の事業用地として土地を貸すデメリット
続いて、太陽光発電に土地を貸すデメリットについても見てみましょう。
①大きな収益を見込めない
太陽光発電へ土地を貸せば安定的な賃料収入を得られるものの、大きな収益を見込めないのが難点です。
太陽光発電は安定した投資であるので、どうしてもアパートやマンション経営と比べるとリターンでは劣ってしまいます。
ただ収益性の低さが必ずしも悪いわけではありません。
なぜなら、ほかに土地を活用できない所有者にとって、太陽光発電へ貸せることは十分な活用手段と言えるからです。
先にも述べたとおり、人里離れた農耕地や休耕地の場合、アパートやマンションなどを建てたとしても収益を見込めないでしょう。
一方で太陽光発電ならば、いくら不便な土地であっても、条件を満たせば活用できる魅力があるのです。
②長期間ほかの用途に使えない
太陽光発電に土地を貸せば、その期間中はほかの用途に使えません。
特に太陽光発電投資の場合、契約期間を20年間で締結する事が多く、その間は土地を利用できません。
土地を貸した後に「アパートを建てたい」「やっぱり自分で太陽光発電を始めたい」と思っても、契約期間中に用途を変更することは困難です。
そのため、太陽光発電に土地を貸す場合は、収入見込みやほかの用途の可能性などを考慮しながら、慎重に判断しましょう。
仮に、資金に余裕のある場合は、自分で太陽光発電を運用する方が売電収入で大きな収益を得られます。
③農地を転用するための手続きが煩雑
農地を借りて太陽光発電を設置する場合は、所有者が「農地転用許可」を受ける必要があります。
農地転用は都道府県知事が許可を出しており、審査が厳しく、かつ手続きに手間がかかります。
なぜかというと、日本は国土面積が狭いことから土地の希少性が高く、国が厳しく制限を掛けることで保護しているからです。
農地転用許可の手続きには「土地利用計画書」や「工事計画書」のほか、近隣住民の同意がいる場合は「同意書」が必要になることもあります。
また都道府県によって、許可を受けた後に工事進捗状況の報告が必要です。このように、厳しい審査と手間の掛かる手続きなどが、農地転用のネックとなります。
しかし、そこまで悲観する必要はありません。
なぜなら、行政書士が農地転用の許可申請や届出などをサポートしてくれるからです。
必要に応じて、行政書士に任せるようにしましょう。
土地貸しの賃料相場はどれくらい?
太陽光発電の賃料相場はどれくらいなのでしょうか?
発電容量や事業者によって変わるので一概にはいえませんが、1つの基準としてあるのが「1㎡あたり150円」です。
これは経済産業省の「平成27年度調達価格及び調達期間に関する意見」より、2014年度の土地賃料の中央値を参考にしています。
たとえば、3,000㎡の土地で200kWの太陽光発電に貸した場合、年間45万円の収入になります。
150円×3,000㎡=45万円
ただし先にも述べたように、賃料は太陽光発電設備の発電容量によっても異なります。
つぎの図表は、2015年の発電容量ごとの土地賃借料中央値を示しています。
土地賃借料(1㎡あたり、年間)の中央値
10~50kW未満 | 155円 |
50~500kW未満 | 150円 |
500~1,000kW未満 | 145円 |
1,000kW以上 | 153円 |
全体 | 152円 |
上の図表のように、土地賃借料は太陽光発電の発電容量によって異なるものの、おおむね1㎡あたり150円であることがわかります。
太陽光発電にぴったりな土地の特徴
太陽光発電を設置するにも、土地によって向き・不向きがあります。
そこで、太陽光発電にぴったりの土地を3つ紹介します。
①日照時間長い
日照時間の長い土地ほど発電量は多くなります。
年間の日照時間が長い都道府県として、「山梨県」「群馬県」「愛知県」が挙げられます。
②電柱が近い
電線が近くにある土地は、太陽光発電の土地に向いています。
なぜなら、太陽光発電設備から送配電線までの接続工事は事業者負担になるため、電柱の近い土地の方が、費用が掛からず設置しやすいからです。
太陽光発電設備で発電した電力は、電力会社の配電線へ流れるようになっています。
新たに太陽光発電設備を接続するときは、電力系統へ接続するための送配電線工事が必要になります。
この工事費用は公共性がないので、電力会社ではなく、太陽光発電の事業者負担になるのです。
そのため、電柱から近い場所にある土地ほど、業者にとっては活用しやすい土地となります。
ただし、電柱を一見しただけでは接続できるかどうかわからないので、業者へ相談しましょう。
③ある程度大きな広さがある
太陽光発電には、ある程度広大な土地が必要です。
1つの基準として、発電容量1kWあたり15㎡の土地の広さが必要です。
この基準を参考にすると、10kWの太陽光発電設備を設置するにも、150㎡の広さが必要ということになります。
150㎡といえばコンビニの売場面積ほどの大きさです。
10kW以上が産業用太陽光発電に該当するので、土地を貸すにも最低限コンビニの広さが必要ということです。
さらに、発電容量が10kWの太陽光発電は少なく、ほとんどが数百kW単位となっています。
そのため、太陽光発電へ土地を貸すには、コンビニ10店舗以上の広さが必要になってきます。
あまりにも狭い土地だと、太陽光発電に活用できない点について理解しておきましょう。
土地を貸す際に起こりうるトラブル
太陽光発電に土地を貸す際には、起こりうるトラブルについても知っておく必要があります。
そこで、想定されるトラブルについて見ていきましょう。
災害で近隣に被害が出ると責任が生じることも
豪雨や台風などの災害によって太陽光パネルが破損すると、最悪の場合近隣に被害を及ぼす可能性があります。
災害は不可抗力であるものの、土地の所有者としての立場が厳しくなることも考えられます。
まず前提として、太陽光発電の災害対策は、太陽光発電事業者の責任です。事業者は、想定される災害を考慮し、強固に設置することが求められます。
ただし、対策をきちんと講じていても、災害の規模が大きければ太陽光発電設備が倒壊することもあります。
敷地内だけで被害がおさまればよいのですが、地域の住宅などに被害が出てしまうと、土地の所有者が責任を負う可能性もゼロではありません。
なぜなら地主は、借主が収益を得るために必要な保全対策を取る必要があるからです。
太陽光発電に土地を貸す以上、災害リスクが自分にあることも承知しておきましょう。
太陽光発電にかかわるトラブルについては、こちらの記事でも解説しているので参考にしてください。
中には悪質な業者がいる
知識がないことに漬け込んで、土地を安く借り上げようとする業者もいるので注意しましょう。
先にも述べたように、太陽光発電に土地を貸した場合の賃料相場は、おおむね1㎡あたり150円です。
しかし悪質な業者は、土地所有者の知識不足に漬け込んで、賃料相場よりもかなり安く借りようとします。
当然、今まで太陽光発電に関わったことがなければ、損かどうかもわかりません。
そこで、太陽光発電の土地貸しを検討している場合は、最低でも2~3社で相見積もりを取りましょう。
もともとの悪条件の土地で賃料が低い可能性もあるので、数社から見積もりを取ることで適切な相場を知れます。
まとめ
土地の活用方法の1つとして、太陽光発電投資への土地貸しを解説しました。
安定した賃料収入が得られ、また一見利用価値の内容な土地でも有効活用できる魅力があります。
一方で、賃料収入は低く、農地転用の手続きの煩雑さがネックとなっています。
太陽光発電投資に活用するにもメリット・デメリットがあるので、内容をしっかり理解してから検討してみましょう。
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