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再エネ賦課金とは?価格推移と支払いが必要な理由や計算方法をわかりやすく簡単解説!

公共料金の一つであり、重要なライフラインなのが電気です。電気料金は毎月1回請求される仕組みですが、ある時期から電気料金の明細書に「再エネ発電賦課金」という、今までになかった言葉が記載されるようになりました。

「再エネ賦課金ってなに?」

「なんで毎月電気料金として払わなくちゃいけないの?」

そんな疑問を持つ人も少なくないでしょう。果たして、再エネ賦課金とは、どういった意味合いのものなのでしょうか。

今回は、再エネ賦課金の概要、仕組みや計算方法などについて、わかりやすく解説していきましょう。記事の最後には、再エネ賦課金に関してよく出てくる質問も取り上げています。再エネ賦課金についての疑問を解消したい人は、ぜひ参考にしてみてください。

再エネ賦課金とは

再エネ賦課金とは、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の略称です。再生可能エネルギーとは、非化石エネルギーに分類されるものの中で、半永久的に利用できるものを指し、別名・自然エネルギーとも呼ばれています。

従来のエネルギー源(化石エネルギー)は、以下のものが代表格です。

  • 石油
  • 天然ガス
  • メタンハイドレート
  • 石炭

これら、およびこれらを利用した火力発電は、エネルギー発生量が大きい・貯蔵や輸送が簡単というメリットがありますが、CO2の発生による地球温暖化の促進・枯渇するというデメリットがあります。

そのような化石エネルギーに対して、そのデメリットを解消するのが、以下のような非化石エネルギーと呼ばれているものです。

このうち原子力発電は、CO2の排出はないですが放射性廃棄物が発生するため、それ以外の非化石エネルギーが、再生可能エネルギーと定義づけられています。

従来のエネルギー源の利用は、人間の生活を豊かにしてくれる反面、それによって数十年にわたって発生しているのが、枯渇問題・地球温暖化の悪化・環境汚染などの問題です。

無公害であり枯渇の心配もない再生可能エネルギーは、年々注目を集めていますが、普及・定着させるためには、費用がかかります。

そのための費用として、2012年7月から、すべての電気を使う消費者から請求されるようになったのが、再エネ賦課金なのです。

再エネ賦課金と固定価格買取制度の関係

固定価格買取制度と再エネ賦課金の関係

(出典:制度の概要|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー

再エネ賦課金は、具体的にいうと固定価格買取制度という制度の運営のために、請求されています

固定価格買取制度とは、電力に関して国と電力会社が取り決めた制度です。再生可能エネルギーによって生じた電気は、電力会社に送られて全国に供給されます。

再生エネルギーは、まだ発展段階であるため、発電設備にかかるコストは決して安くはありません。そのため、再生可能エネルギーによる発電を安定させてコストダウンおよびコスト回収をスムーズに行なうためには、安定した資金の導入が必要です。

その再生エネルギー発電を支えるために、電力会社は一定価格で再生エネルギーの電力を買取り、発電設備の運営側に支払っています。その買取料金は、電気を消費している消費者すべてが対象となっているため、電気を使っている人は毎月の電気料金から、賦課金という名目で請求される仕組みです。

この制度のおかげで、再生エネルギー発電はますます設備が安定・充実して、定着していくといえます。

再エネ賦課金がまた上がる…2024年の最新価格はいくら?

再エネ賦課金は、常に金額が一定ではなくその時々によって変動する仕組みです。そして、近年の賦課金の請求金額は、2012年に下降しました。なぜ再エネ賦課金は、このような変動があるのでしょうか。

次より、再エネ賦課金の推移・下がる理由などについて説明しましょう。

再エネ賦課金の推移

再エネ賦課金は10数年でどのような変化をみせているのか、2012〜2024年度の再エネ賦課金の推移を、以下にまとめてみました。

年度 買取単価(kWh) 一般家庭の年・月額(300kWh)
2012 0.22円 年額792円・月額66円
2013 0.35円 年額1,260円・月額105円
2014 0.75円 年額2,700円・月額225円
2015 1.58円 年額5,688円・月額474円​​
2016 2.25円 年額8,100円・月額675円
2017 2.64円 年額9,504円・月額792円
2018 2.90円 年額10,440円・月額870円
2019 2.95円 年額10,620円・月額885円
2020 2.98円 年額10,728円・月額894円
2021 3.36円 年額12,096円・月額1008円
2022 3.45円 年額12,420円・月額1035円
2023 1.40円 年額5,040円・月額420円
2024 3.49円 年額12,564円・月額1,047円

(出典:一般社団法人エネルギー情報センター・新電力ネット「再生可能エネルギー発電促進賦課金の推移」より)

(※2012年度は2012年8月分~2013年3月分、2013年度は2013年4月分~2014年4月分、それ以降は5月〜翌年4月分)

上記の表をみてわかる通り、再エネ賦課金は年々料金が上昇する一方でした。これは、再生可能エネルギー由来の発電所が増え、固定価格買取制度(FIT制度)の対象事業者に支払う売電費用も増えたためです。

2023年度は前年より59%減と半分以上値下げされましたが、2024年にはまた値上げとなっています。

再エネ賦課金がまた上がった理由

2012年度から一度も下がることのなかった再エネ賦課金ですが、2023年度に料金が前年度より半分以上値下げとなり、2024年度に再度値上げとなりました。

2023年度に値下げとなった理由は、化石燃料の市場価格が高騰し、「回避可能費用」が増加したためです。

回避可能費用とは、本来の化石燃料による発電がなくなることによって、支出の必要がなくなった費用を指します。燃料費が高い分、再エネ発電の活用で節約できた費用が増え、電力消費者の負担が減らせたというわけです。

しかし、2024年度には燃料費高騰の影響がなくなり、回避可能費用が約1.5兆円も少なく想定されたため、再エネ賦課金が再度値上げされました。

出典:経済産業省

再エネ賦課金の計算方法については、あとの段落で説明します。

なぜ再エネを普及させる必要があるのか

「再エネ賦課金のおかげで電気代に余計な出費が増えた」と思っている人もいるかもしれません。しかし、再生可能エネルギーおよびその運営に必要な賦課金は、今後ますます重要性を帯びてくる課題なのです。

再エネの普及が重要なのは、以下のような理由があります。

  • 地球温暖化の抑制(ガス削減)
  • エネルギー⾃給率向上(枯渇の心配がない)
  • 化⽯燃料の調達資⾦の流出を防ぐ
  • 産業国際競争⼒の強化(他国に遅れを取らない)
  • 雇⽤の活性化(失業者の増加抑制)
  • 地域の活性化(過疎化を防ぐ)
  • ⾮常時のエネルギー確保

上記の理由は、国際的な問題から国内地方のローカルな問題まで幅広い領域となっています。グローバル・ローカル全ての問題に対応できるのが、再エネの普及・活性化なのです。

再エネ賦課金の仕組みと計算方法

再エネ賦課金は、どのような仕組み・計算方法によって成り立っているのでしょうか。以下よりその仕組みと計算方法を説明しましょう。

再エネ賦課金の仕組み

再エネ賦課金は、以下のような流れで決定されます。

  1. 再生可能エネルギーの発電事業所による発電
  2. 生み出された再生可能エネルギーは、電力会社などが買い取り
  3. 一般消費者に電力を供給
  4. 月々の電気料金の一部として再エネ賦課金を支払い
  5. 費用負担調達機関に納付(機関は買取費用を電力会社に交付)

この流れの中で、国がやることは以下のことです。

  • 電力会社:買取費用・期間の設定
  • 消費者:賦課金の単価の設定
  • 事業所:発電設備の設定

この一連の流れは、固定価格買取制度の規定によって進められます。

再エネ賦課金の計算方法

再エネ賦課金の計算方法は、以下の通りです。

  • エネ賦課金=再エネ賦課金単価 × 電気使用量(月 / kWh)

再エネ賦課金単価は、市場の変動に比例して上下する仕組みで、先述した通り市場価格の高騰などがあった場合、単価は下がります

再エネ賦課金は契約者(一般市民)にとってはデメリット?

未来のエネルギー枯渇・地球温暖化の抑制・地域および雇用の活性化など、多様なメリットが起きる可能性のある再エネ賦課金ですが、賦課金を実際に支払う対象である一般市民にとては、デメリットと感じる点もあります。

では、再エネ賦課金の契約者である一般市民には、どういったデメリットがあるのか、以下より説明しましょう。

いつまで続くのかわからない

2012年7月から請求開始となった再エネ賦課金ですが、中には「請求は一時的なもので、そのうち請求されなくなるだろう」と考えている人もいるでしょう。

しかし、再エネ賦課金および再生可能エネルギーは、まだ歴史が浅いため確実に安定した電力の供給ができるわけではありません。再生可能エネルギーを生み出す設備もまだ発展途上の段階なので、まだ設備にかかる費用が必要といえます。

今後はますます設備の機能充実・飛躍的な発達が見込まれると予想されていますが、しばらくは再エネ賦課金の請求は変わらず続き、いつまでに終わるという見通しが立っていない状態です。

そのため、電力消費の対象である一般人は、今後も再エネ賦課金を払い続けないといけません

以前より電気代が高くなっている

再エネ賦課金は、以前にはなかった電気代支払いの項目なので、再エネ賦課金が導入される以前より、電気代は高くなっています。そのため、電気代の支払いに負担を感じている人もいるでしょう。

将来的にはコストダウンが見込めて、今より値下げされる可能性もあるでしょうが、しばらくは負担に感じる人が少なくない状態が続くと思われます。

毎年、価格が安定していない

再エネ賦課金は、個人の電力消費量に関係なく請求金額が変動します。市場価格の高騰などに影響されて再エネ賦課金の価格も上下する仕組みです。

人によっては、水道・電気・ガスといったライフラインの料金を計画性を持って支払いをしている人もいるでしょう。そのような人は、しっかりと節約体制をとって、毎月これだけの出費といった具合に、計画的な生活を送っています。

そのような人は、月にこれぐらいの消費量であればこれだけの請求額になると計算していても、自分の消費とは関係なく価格が変動する再エネ賦課金に関しては、計算が狂って迷惑に感じるかもしれません。

今後さらに再エネが普及すれば再エネ賦課金は下がる?

再エネ賦課金は、今後普及することによって請求金額が下がると予想されています。再エネ賦課金の請求目的は、再エネを生み出す設備の充実です。

今後研究が進めば、より効率的な発電が可能になり、コストダウンも可能になります

具体的な予想は発表されていませんが、将来的には再エネ賦課金は下がるとみていいでしょう

再エネ賦課金に関するよくある質問

再エネ賦課金についてよく挙がる疑問をまとめてみました。以下より質問とその回答を紹介しましょう。

再エネ賦課金が上昇する理由は?

再生可能エネルギー由来の発電所が普及してきて、固定価格買取制度(FIT制度)の対象事業者に支払う売電費用も増えたためです。

今後も国の政策として再生可能エネルギーの普及が促進されるため、再エネ賦課金の上昇傾向は続くでしょう。

ただし、売電価格(FIT価格)は値下げされ続けており、FIT制度を利用しない自家消費型太陽光発電設備の割合が増えると考えられるため、将来的には下がる可能性もあります。

再エネ賦課金は全国一律?

再エネ賦課金の単価は、電力会社や供給エリアに関わらず全国一律です。

毎年度、再エネ特別措置法に基づき、経済産業大臣が決定しています。

再エネ賦課金はいつまで請求される?

再エネ賦課金は、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)」という国の制度で定められています。いつまで請求が続くのか、いつ終わりになるのかといった公式発表は、今のところありません。

国の政策としては、FITから段階的に卒業し、再生可能エネルギーを競争力のある電源として電力市場・ネットワークに統合するのが最終目標です。

しかし、再生可能エネルギーの発電設備もいまだ改善の余地があり、国による普及促進が必要な状態なので、しばらくは請求が続くでしょう。

再エネ賦課金は誰が払う?

再エネ賦課金は、電気を使っている全ての消費者が支払う義務があります。

これは、国の「再エネ特別措置法」という法律で定められており、契約する電力会社に関わらず、全ての電気料金に加算されています。。

再エネ賦課金の請求対象外になれる?

再エネ賦課金は、電力を消費しているすべての消費者が対象なので、対象外になって支払い免除をすることはできません。もし、免除を主張する場合、未納扱いになって電気を止められてしまいます。

ただし、自分で太陽光発電システム​​を導入して電力を自家消費すれば、支払い免除・減額することは可能です。

自分で再生可能エネルギーでの発電は可能?

再生可能エネルギーは、太陽光発電設備を購入すれば発電が可能です。

発電した電気は自宅や自社で消費すれば、環境に優しい電気を使えるだけでなく、電気代を削減できるという経済的なメリットもあります。

ただし、初期費用が住宅用で100〜200万円ほどかかり、さらにメンテナンス代などもかかるので、自身での設備所有・毎月電気料金として支払い、どちらが経済的か比較してから決めましょう。

 

まとめ

ある時期から電気料金に、「再エネ賦課金」という聞き慣れない言葉の請求が追加されて、戸惑っている人もいるでしょう。以前にはなかった請求項目が増えて、毎月なにか損をしていると感じている人もいるかもしれません。

再エネ賦課金は、将来のことを配慮して生成される再生可能エネルギーのために、必要な料金です。このエネルギー生成が定着すれば、グローバルな環境から地域に根ざしたローカルな問題まで、幅広い解決が可能になります。

  • 地球温暖化の抑制
  • エネルギー枯渇問題の解消
  • 事業の定着・拡大(失業問題を解決)
  • 事業拡大における地方の活性化

上記のようなあらゆる問題が、再生可能エネルギーの定着によって、解消されるのです。これらを促進させるためには、再生可能エネルギーの生成を安定させる設備の充実が第一に挙げられます。そのために必要なのが、再エネ賦課金です。

再生可能エネルギーがいかに重要であるか、今回の記事でわかりやすく解説をしてみました。再生可能エネルギーおよび再エネ賦課金が、将来の日本および世界のためにいかに重要であるか、今回の記事で理解していただけたら幸いです。

参考サイト

再生可能エネルギー発電促進賦課金とは何ですか。 [関西電力]
賦課金等について|再生可能エネルギーの固定価格買取制度|東京電力エナジーパートナー株式会社
制度の概要|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー
再エネ賦課金が大幅に低下、買取価格の低減と卸電力価格の高騰で | 連載コラム | 自然エネルギー財団
環境省
調達価格等算定委員会「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」について(METI/経済産業省)

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