太陽光発電を途中でやめたい時の対処法は?よくある原因やクーリングオフの手順を解説

  • 公開日:2026.07.26
  • 更新日:2026.07.26
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太陽光発電を途中でやめる際の注意点やクーリングオフをする方法、太陽光パネルなどを撤去する方法について解説します。

太陽光発電を設置したものの、売電収入の減少や、FIT期間の終了、メンテナンスコストの増大といった理由で、途中でやめたいと考える人が少なくありません。

そこで、太陽光発電事業や太陽光発電投資を途中でやめる方法や、注意点を紹介していきます

この記事の概要

・太陽光発電を途中でやめられるかは契約内容によって異なり、産業用設備では売却、契約直後ではクーリングオフなどの方法があります。
・太陽光発電をやめたい場合は、撤去や廃棄を決める前に、契約条件・ローン残高・売電実績を確認して売却できるか検討することが重要です。
・太陽光発電の撤去には廃棄費用や各種手続きが必要ですが、発電所として売却できれば費用負担を抑えながら設備を手放せる可能性があります。

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太陽光発電を途中でやめられるかは契約によって異なる

太陽光発電 やめたい

運用を途中でやめられるかは、契約の種類によって異なります。基本的には、契約を途中でやめたり、なかったことにしたりするのは難しいので、新たに太陽光発電設備の売却や廃棄といった手続きが必要です。

ケース 手続き
屋根貸しで太陽光発電を設置 賃貸契約を結んでいる企業と契約解除
(違約金がかかる可能性あり)
産業用太陽光発電(投資用太陽光発電)を運用 太陽光発電設備の売却
太陽光発電を契約した直後 8日間以内ならクーリングオフ可能な場合あり

産業用太陽光発電(投資用太陽光発電)を運用している場合

太陽光発電設備を売却し、事業運用を終わらせるのが最も一般的です。

FIT認定を受けていることを前提として融資を受けているため、ローンの残債が残ったままの太陽光発電設備を勝手に撤去することはできません。

売却価格がローン残債を上回れば、損失を出さずに太陽光発電をやめることができます。

屋根貸し・PPAの場合

屋根貸しやPPAの場合、契約者(屋根の所有者)は太陽光発電設備の所有者ではないため、自由にやめることはできません。

また、契約期間は15~20年と長く、どうしても途中解約したい場合には、高額な違約金が発生する可能性が高いです。

特にPPAは契約スキームが案件ごとに異なり、電力の購入条件や小売契約の扱いも一律ではありません。途中解約の可否、違約金、現在の小売電気契約への影響は、PPA契約書の条項を個別に確認する必要があります。

契約前に内容を理解し、途中でやめられないことを理解したうえで採用するようにしてください。

関連記事:太陽光発電の屋根貸しとは?無料設置の仕組みやメリット・デメリットを解説

太陽光発電を契約した直後

訪問販売や電話による勧誘販売で契約した場合や、悪質な営業に騙されて契約させられてしまった場合は、クーリングオフが可能です。クーリングオフ期間は契約後8日間となっています。

訪問販売や電話勧誘販売に当たる契約で、クーリングオフの要件を満たす場合は、工事が始まっていてもクーリングオフできることがあります。

一方、通常の任意キャンセルが認められるか、違約金が発生するかは、契約条項や工事の進捗によって異なります。まずは契約書面と解約条項を確認しましょう。まずは契約書を確認し、設置業者に相談するようにしてください。

FIT終了後に売電だけやめたい場合

FITの買取期間が終了した後は、太陽光発電を続けながら売電だけをやめることも可能です。買取期間の満了後は、電力会社の卒FIT向けプランへ自動的に移行する場合があるため、まずは現在の契約内容を確認しましょう。

売電をやめる際は、余剰電力の買取契約について電力会社へ解約を申し出ます。ただし、契約を解約するだけでは、使い切れなかった電気が送電網へ流れる可能性があります。

蓄電池やエコキュートを導入して自家消費を増やすほか、余剰電力を送電網へ流さない設定や工事が必要か、電力会社や施工業者へ確認してください。太陽光パネルを撤去しなくても、発電した電気を家庭内で使い続けられます。

太陽光発電をやめたい人によくある理由

太陽光発電をやめたいのに続けるリスクやデメリットを下記で詳しく見ていきましょう。

悪徳業者と契約してしまった

悪徳業者と契約してしまった場合には、契約自体を取り消したいと思うでしょう。

太陽光発電設備の新設や、中古太陽光発電所を購入した後に、契約内容がおかしいと気づく場合があります。悪徳業者は、販売価格が極端に高く設定したり、発電量が現実よりも水増ししてシミュレーションしたりして、消費者を騙すことがあるのです。

特に、訪問販売で「この値段で購入できるのは今だけ」と急かされて契約してしまうと、悪徳業者に騙される可能性が高くなってしまいます。

関連記事:太陽光発電の詐欺に騙されるな!悪質業者が行う営業の怪しい特徴を解説

売電収入が減少した(出力制御・経年劣化)

もう一つの要因が、経年劣化による発電量の低下です。太陽光パネルは使用年数に応じて少しずつ性能が低下し、太陽光発電協会(JPEA)では、発電性能の劣化率を年間0.5%前後としています。

実際の低下幅はパネルの種類や設置環境、メンテナンス状況などによって異なりますが、20年、30年と運用を続ける中で、経年劣化が発電量や売電収入に影響する可能性があります。

このように、出力制御と経年劣化の両方が重なることで、長期的には売電収入が減ることがありますが、適切なメンテナンスや設備の見直しによって影響を最小限にすることも可能です。

参考:JPEA「FAQ」

関連記事:太陽光発電の出力制御とは?対象地域と今後の見通し・対策を解説

メンテナンスや維持にお金がかかる

メンテナンスや維持に想定以上にコストがかかるため、太陽光発電をやめたいという声が聞かれます。

太陽光発電は比較的維持に手間や費用が掛からない設備です。しかし、年に数回の点検や清掃・除草作業は必要ですし、故障などのトラブルへの対応などにはお金が掛かります。

特に、自然災害で大きな被害を受けてしまうと、修理費用が高額になるだけでなく、復旧するまでは売電収入が得られません。

関連記事:太陽光発電のメンテナンスに必要な維持費用はどのくらい?

FIT期間が終了する

出力が10kW以上の産業用太陽光発電設備は、FIT期間が20年です。FIT期間中は相場よりも高い固定価格で売電ができます。

太陽光パネルの寿命は一般的に20〜30年程度とされているため、設備の状態によってはFIT期間終了後も発電を続けられます。ただし、FIT期間終了後は売電単価が下がる可能性があります

FIT期間終了時に投資の収益を十分に得たと判断した投資家は、売電価格が下がるタイミングで太陽光発電事業を終わらせたいと考えるのです。

近隣とトラブルになった

近隣トラブルが原因で太陽光発電をやめたいと考える場合もあります。具体的な例は以下の通りです。

  • パネルの反射光が住宅に差し込み眩しい
  • 大規模太陽光発電設備が景観を損ねている
  • 雑草が放置され害虫・害獣が発生している
  • 強風でパネルが他人の敷地に飛ばされる
  • 地面の処理が不十分で土壌流出や土砂崩れを起こす

パネルの角度を変えたり、適切なメンテナンスを行ったりすることで、トラブルを解消することはできます。

しかし、太陽光発電投資のメリットを、トラブル解決のための手間やコストが上回ると感じる事業者は、太陽光発電事業から撤退を検討するのです。

関連記事:太陽光発電でよくあるトラブルとは?対処法や事前の予防方法を解説

太陽光発電をやらなきゃよかったと後悔している

太陽光発電を導入したものの、想定していたほど電気代が下がらない、売電収入が少ないなどの理由から、やらなければよかったと後悔する人もいます

営業担当者の説明だけを参考に契約し、発電量や維持費を十分に確認していなかったケースもあるでしょう。ただし、後悔しているからといって、すぐに設備を撤去する必要はありません。

まずは発電量や売電額、電気代の削減額、今後かかる費用を整理し、運用を続ける場合と手放す場合を比較しましょう。

自家消費を増やしたり、メンテナンス方法を見直したりすることで、収支が改善する可能性もあります。売却や撤去を検討する際は、残っているローンや契約条件も確認することが大切です。

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太陽光発電をやめた方がいい人・やめる前に再検討すべき人

太陽光発電をやめた方がいい人・やめる前に再検討すべき人について詳しく解説します。

やめた方がいい人

設備の故障や老朽化が進み、修理費や維持費が今後の収益を上回る見込みなら、太陽光発電をやめることも検討しましょう

発電量が大きく落ちている場合や、土砂崩れ・強風などによる事故の危険が高い場合も、安全を優先する必要があります。

また、近隣トラブルが解決できない人や、ローン返済と維持費によって生活や事業の資金繰りが苦しくなっている人も、運用を続けることが最善とは限りません。

ただし、撤去には工事費がかかり、設備の売却や契約解除にも手続きが必要です。撤去だけでなく、発電所の売却や第三者への譲渡も含めて比較し、損失を抑えられる方法を選びましょう。

やめる前に再検討すべき人

売電収入が想定より少ないという理由だけで、すぐに太陽光発電をやめようとしている人は再検討した方がよいでしょう。一時的な天候不良や出力制御によって、特定の月だけ収入が減っている可能性があります。

発電量の低下も、パネルの汚れや雑草、機器の不具合を改善すれば回復するかもしれません。また、住宅用太陽光発電では、売電単価が下がっても発電した電気を自宅で使うことで、電気代を抑えられます。

まずは年間の発電量や売電収入、電気代の削減額、維持費を確認しましょう。撤去費用やローン残高まで含めて比較すると、続けた方が経済的なケースもあります。

太陽光発電をやめたい時はどうすればいい?

ここからは、太陽光発電をやめて手放す方法を解説します。

クーリングオフする

太陽光発電の契約でも、訪問販売や電話勧誘で購入した場合、クーリングオフが適用できます。

クーリングオフの対象となる契約であれば、法律で定められた契約書面を受け取った日から8日以内は、違約金を支払うことなく無条件で契約を解除できます

最初は太陽光発電を契約するつもりはなかったけれど、訪問販売の営業マンに乗せられて契約してしまった…。

こんな方でも、契約後一定期間後であれば解約可能な制度がクーリングオフです。

クーリングオフの詳しい方法はこちら

太陽光発電を廃棄する

FIT期間が終了したり、設備が老朽化したりして、売電収入が見込めなくなった場合には、太陽光発電設備を廃棄することが1つの方法として考えられます。

廃棄する際は、産業廃棄物を取り扱う専門業者への依頼が必要です。リサイクル可能な部品はリサイクルし、廃棄物は埋め立て処理されることになります。

資源エネルギー庁の資料によると、地上設置型の太陽光発電設備にかかる廃棄等費用の中央値は、スクリュー基礎で約1.1万円/kW、コンクリート基礎で約1.4万円/kWです。

また、土地の契約や設備の状態によっては、原状回復工事や運搬などの追加費用がかかる場合があります。

参考:資源エネルギー庁「太陽光発電設備の廃棄等費用積立制度について」

産業用太陽光発電なら買取もしくは仲介で売却できる

太陽発電所は、廃棄する時期になる前に売却するという手もあります。現在太陽光発電所の市場では、中古太陽光発電のニーズが高まっているのです!

買取とは、買取業者などに設備を直接買い取ってもらうことです。仲介との比較としてのメリットは、すぐに現金化できることが挙げられます。一方、価格が安くなってしまう場合があるので、気を付けてください。

仲介とは、間に仲介業者が入ることです。買取との比較としてのメリットは、希望する価格で売れやすいことが挙げられます。一方、売却に時間がかかってしまう可能性が高いので注意しましょう。

中古太陽光発電所は新規の太陽光発電所に比べると価格が安く、初期投資を抑えて購入できます。また、明確な発電実績があるため、利回りのシミュレーションもより精密に行えます。さらに、FIT価格が高額なので、早く採算をとることが可能です。

売電契約のみを解約して自家消費に切り替える

太陽光パネルを撤去せず、売電契約だけを解約して、発電した電気を自宅や事業所で使う方法もあります。電気の購入契約と売電契約は別の契約なので、売電をやめても電力会社から電気を購入できます。

日中に家電を動かしたり、蓄電池やエコキュート、電気自動車を活用したりすれば、自家消費率を高められるでしょう。

ただし、使い切れなかった電気を送電網へ流さないために、パワーコンディショナーの設定変更や機器の追加が必要になる場合があります。

契約先の電力会社と施工業者へ連絡し、解約手続きだけでなく、設備側の対応や費用も確認してから切り替えましょう。

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太陽光発電にもクーリングオフは適用できる

太陽光発電 やめたい

太陽光発電は、訪問販売や電話勧誘で契約した場合、クーリングオフで契約を取り消すことができます。詳しい実施方法を解説します。

クーリングオフ期間は「契約書面を受け取った日」から8日間

太陽光発電の契約が訪問販売や電話勧誘販売に当たる場合、クーリングオフ期間は法律で定められた書面を受け取った日から数えて8日以内です

たとえば、2月10日に太陽光発電の契約を書面で締結した場合は、2月18日中がクーリングオフの期限です。

クーリングオフの期限までは限られているため、契約の解除を検討している方は、なるべく早く手続きを進めましょう。

クーリングオフは必ず記録が残る方法で行う

クーリングオフは、後日の証拠を残すため、書面または電磁的記録(メール、専用フォーム等)で行うのが重要です

書面で行う場合は、特定記録郵便、書留、内容証明郵便など、発送の証拠が残る方法が推奨されます。電磁的記録で行う場合も、送信メールや受付画面のスクリーンショットを保存しておきましょう。

クーリングオフには、次のような事項を記載します。

クーリングオフに記載する事項
  • 契約年月日
  • 商品名
  • 契約金額
  • 販売会社

など

また、太陽光発電設置に伴ってクレジットカードの契約を締結している場合は、カード会社にも同様に連絡します。

クーリングオフ通知に記載する内容

クーリングオフの通知には、どの契約を解除するのか特定できる情報を記載します。主な項目は、契約年月日、商品名または工事名、契約金額、販売会社名、契約者の住所・氏名、通知日です。

そのうえで、契約を解除する意思を明確に伝えましょう。すでに代金を支払っている場合は返金を求め、商品を受け取っている場合は事業者の負担で引き取るよう記載できます。

ローンやクレジットを利用しているときは、販売会社だけでなく信販会社にも通知してください。はがきなら両面をコピーし、メールや専用フォームなら送信内容や完了画面を保存しておくと安心です。

クーリングオフを妨害された場合は消費生活センターに相談する

事業者からクーリングオフはできないと言われたり、違約金を請求すると脅されたりしても、すぐに諦める必要はありません。

事業者が事実と異なる説明や威圧的な言動をしたため、消費者が誤解・困惑して手続きできなかった場合は、通常の期間を過ぎてもクーリングオフできる可能性があります。

担当者とのメールやメッセージ、通話日時、説明された内容など、妨害を示す記録を残しましょう。

そのうえで、消費者ホットライン188へ電話すると、最寄りの消費生活センターなどを案内してもらえます。自分だけで事業者と交渉せず、できるだけ早く専門窓口へ相談することが大切です。

太陽光発電を撤去・廃止する時の手続き

ここでは、太陽光発電を撤去・廃止する時の手続きを紹介します。

撤去業者に見積もりを依頼する

太陽光発電を撤去すると決めたら、まずは専門業者へ現地調査と見積もりを依頼しましょう。費用はパネルの枚数や設置場所、足場の有無、屋根や架台の状態などによって変わります。

見積書では、パネルやパワーコンディショナーの撤去費だけでなく、運搬費、処分費、足場代、屋根の補修費まで含まれているか確認してください。使用済みの設備は、廃棄物処理法などに従って適切に処理する必要があります。

金額だけで決めず、産業廃棄物を適正に扱えるか、処分先や処理方法を説明してもらえるかも比べましょう。複数社から見積もりを取り、作業範囲と追加費用の条件を確認すると安心です。

電力会社に売電契約の解約を確認する

設備を撤去する場合は、売電先の電力会社や送配電事業者へ連絡し、売電契約を終了する手続きを確認しましょう。撤去業者へ依頼しただけでは、売電契約が自動的に解約されるとは限りません。

必要な申込書や解約希望日、電力量計の撤去、系統連系を終了するための工事について確認してください。手続きの名称や提出方法は、設備の容量や契約先によって異なります。

電気を購入する契約と売電契約は別に扱われる場合があるため、自宅の電気まで停止しないよう注意が必要です。工事日が決まる前に問い合わせ、撤去業者とも日程を共有しておくと、解約や設備撤去をスムーズに進められるでしょう。

FIT認定を受けている場合は廃止届の提出が必要になる

FITまたはFIPの事業計画認定を受けた発電設備を完全に廃止する場合は、売電契約の解約とは別に、国へ廃止の届出を行う必要があります

原則として、再生可能エネルギー電子申請システムのFITポータルから手続きを進めます。設備の情報や廃止日などを入力し、状況に応じて必要書類を提出しましょう。

手続き方法は設備容量や申請区分によって異なり、登録者と認定事業者が別の場合は、認定事業者による承諾が必要になることもあります。

単にFITの買取期間が満了しただけなら、発電事業そのものを廃止したことにはなりません。撤去して運転を終了するときは、売電先への連絡と国への廃止届出をそれぞれ行いましょう。

撤去後の屋根・土地の状態を確認する

撤去工事が終わったら、太陽光パネルがなくなったことだけでなく、屋根や土地が適切な状態に戻っているか確認しましょう。住宅の屋根では、取り付け金具を外した部分の防水処理が不十分だと、雨漏りにつながるおそれがあります。

ひび割れや瓦のずれ、配線を通していた穴なども点検してください。地上設置型では、架台や基礎、ケーブル、フェンスなどが残っていないかを見ます。

土地を売却したり別の目的で使ったりする場合は、整地や杭の撤去まで必要になることもあるでしょう。

工事前後の写真を残し、不具合があれば引き渡し時に業者へ伝えてください。保証の範囲や補修期限についても、書面で確認しておくと安心です。

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太陽光発電の廃棄にかかる費用

2021年9月の経済産業省「太陽光発電設備の廃棄等費⽤積⽴制度について」によると、太陽光発電の廃棄費用はおおむね次の通りです。

太陽光発電設備の廃棄費用(目安)

資源エネルギー庁の「太陽光発電設備の廃棄等費用積立制度について」によると、地上設置型の太陽光発電設備にかかる廃棄等費用の中央値は、スクリュー基礎で約1.1万円/kW、コンクリート基礎で約1.4万円/kWです。

設備容量や基礎の種類によって、必要な費用は異なります。

たとえば、20kWの産業用太陽光発電設備を廃棄する場合、スクリュー基礎では約22万円、コンクリート基礎では約28万円が目安です。

廃棄する設備 廃棄費用の目安
スクリュー基礎の太陽光発電設備 約1.1万円/kW
コンクリート基礎の太陽光発電設備 約1.4万円/kW
太陽光パネルのみ 約0.59万円/kW

参考文献:太陽光発電設備の廃棄等費⽤積⽴制度について 資源エネルギー庁太陽光発電設備の廃棄等について 資源エネルギー庁

※1:スクリュー基礎…杭を地面に打ち込んで、その上に架台を載せるような太陽光発電設備の設置方法
※2:コンクリート基礎…地面にコンクリート基礎をつくって、その上に架台を載せるような太陽光発電の設置方法

太陽光発電の太陽光パネルは、家庭ごみのように簡単に捨てられるものではありません。

一般ごみは「一般廃棄物」に分類されますが、太陽光パネルなどは「産業廃棄物」と呼ばれます。

関連記事:太陽光パネルの廃棄・撤去にかかる費用は?積立義務化に関しても解説

産業廃棄物については、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に則って適正に処理する必要があり、また廃棄するにも費用がかかります。

廃棄費用を確保するための積立金制度が開始している

太陽光 積立

出典:太陽光発電設備の廃棄等費⽤積⽴制度について 資源エネルギー庁

廃棄費用の積立金制度は、2022年7月1日から開始しました。太陽光発電を捨てる際に費用面での心配が軽くなったといえるでしょう。

廃棄費用として積み立てる積立金と、元となる廃棄費用の想定額は以下のとおりです。

太陽光発電 やめたい

出典:太陽光発電設備の廃棄等について 資源エネルギー庁

太陽光発電所のkWあたり廃棄費用は、FIT認定年度が後になるほどに下がっています。これは、太陽光発電システムの発電効率が年々上がっており、少ない設備で多くの発電量が得られるようになったためです。

撤去費用を抑えたいなら売却できるか先に確認する

産業用太陽光発電をやめたい場合は、設備をすぐに撤去せず、発電所として売却できるか先に確認しましょう

土地や設備、売電契約などをまとめて引き継げれば、撤去費用を負担せずに済むだけでなく、売却代金を受け取れる可能性があります。FITやFIPの認定を受けている発電所を売却する際は、事業者名の変更など所定の手続きが必要です。

また、廃棄等費用の積立金がある場合は、原則として事業とともに新しい所有者へ引き継がれます。

設備の状態や残りの売電期間、土地の契約条件によって査定額は変わるため、撤去を依頼する前に太陽光発電所の買取業者や仲介会社へ相談しましょう。

太陽光発電をやめたいときは売却がおすすめな理由

太陽光発電をやめたいときに売却がおすすめな理由について、下記で詳しく解説します。

廃棄費用がかからない

太陽光発電所を設備ごと売却できれば、自分で撤去・廃棄する場合に比べて、費用負担を抑えられる可能性があります

資源エネルギー庁の資料によると、地上設置型の太陽光発電設備にかかる廃棄等費用の中央値は、スクリュー基礎で約1.1万円/kW、コンクリート基礎で約1.4万円/kWです。

たとえば、50kWの設備では、スクリュー基礎で約55万円、コンクリート基礎で約70万円が目安となります。

ただし、実際には設備の状態や設置場所、運搬費、土地の原状回復工事などによって費用が変わります。撤去を決める前に、発電所として売却できないか確認しましょう。

太陽光発電を専門業者や第三者へ売却する際、廃棄処理の費用はかかりません。

また、解体工事や廃棄処理・事務手続きなどの負担を背負う必要もないでしょう。

設備を手放せる

太陽光発電を売却すると、設備を手放せるといったメリットも挙げられます。

買取実績がある業者に頼むと、スムーズに手放せる可能性が高いでしょう。

太陽光発電を売却できれば、部品の交換・修理・清掃・点検・固定資産税・所得税といった負担を0にできますよ。

売却益を得られる

太陽光発電を売却すると、ローンの残債と相殺しても売却益が得られる場合があります。

中古太陽光発電所の市場は活発です。太陽光発電の規模にもよりますが、売却額は出力50kW台で1,000万円台、出力100kW台で1,700万円や2,000万円といった価格で販売されています。

現金収入があれば、住宅購入や資産運用のための資金にすることが可能です。

おすすめは5年で売却

太陽光発電設備を取得の5年後に売却すると、多くのメリットがあります。

  • 高い価格で売却しやすい
  • メンテナンス費用がかからないうちに売却できる
  • 設備廃棄費用の積立開始前に売却できる場合がある
  • 減価償却による節税効果を得たうえで売却できる場合がある
  • 資産の種類や所有期間によっては、税負担を抑えられる可能性がある

現在は低圧(50kW未満)の太陽光発電設備を全量売電目的で新設することはできないので、FIT期間が残っている全量売電の低圧太陽光発電設備は、高額で売れる可能性が高くなっています。

また、設備が老朽化すると、発電量を保って安全に運営するためには、追加のメンテナンス費やリパワリング費などが必要です。万が一自然災害に遭ってしまうと、莫大な修理費が発生して利益を圧迫してしまいます。

さらに、太陽光発電設備のFIT期間終了10年前には、設備廃棄等費用の積立が開始されます。廃棄費用としてFIT価格の3~4%が天引きされ、売電収入が減ってしまうのです。廃棄費用積立開始前に設備を売却すれば、売電収入が減ることもありません。

太陽光発電設備や土地の売却にかかる税金は、売却するのが土地なのか、設備なのか、事業用資産なのか、個人か法人かによって扱いが異なります。「5年を超えると一律に半額課税」とは限らないため、売却前に税理士へ確認することが重要です。

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太陽光発電をやめたいときの注意点・ポイント

太陽光をやめたいときの注意点やポイントをまとめてみました。

屋根貸し・PPAの契約解除は違約金が発生する恐れがある

屋根貸し・PPAは、どちらも設置費用は0円ですが、15〜20年契約の縛りがあります。途中で解約してしまうと、多くの違約金が発生してしまう場合がほとんどです。

屋根貸しとは、自宅や社屋の屋根を貸し出して、太陽光発電設備が設置される方式です。契約者は賃料を収入として得られます。発電設備は屋根貸し業者の所有物で、太陽光発電由来の電力は使えません。

PPAでは、PPA事業者所有の太陽光発電設備を、契約者の屋根に設置します。太陽光発電由来の電力をPPA事業者から購入でき、脱炭素や電気代の削減に役立ちます。

現在使っている太陽光発電が他者のものである場合は、必ず契約書を確認し違約金について確認しておくようにしてください。

住宅用太陽光発電は設備のみの売却は難しい

住宅用太陽光発電設備の場合、発電システムのみの売却はできない場合が多いです太陽光発電システム付きの家としての売却はできますが、パネルやパワーコンディショナーを取り外して売却するというケースは一般的ではありません。

業者に依頼すればできる可能性もありますが、取り外しや屋根の補修に出費がかさむでしょう。

定期的なメンテナンスをしておく

太陽光発電を売却する際、破損や汚れがあると、売却価格が大きく下がってしまいます。

破損や汚れがあまりにもひどい場合は、買取を断られる可能性もあります。

定期的なメンテナンスをしておくのはもちろん、売却する前は破損や汚れがないか、必ず確認するようにしてください。

太陽光発電設備の売却益には税金が発生する

太陽光発電設備を売却して利益が生じた場合は、所得税や住民税、法人税などがかかる可能性があります

ただし、税務上の扱いは、売却する資産が土地か設備か、個人所有か法人所有か、事業用資産に該当するかなどによって異なります。

個人が所有する資産の中には、所有期間が5年を超えることで譲渡所得の計算上、特別な取り扱いを受けられるものもあります。

しかし、太陽光発電所を5年以上所有していれば、売却益が一律で半分だけ課税されるとは限りません。売却前に税理士へ相談し、土地・設備それぞれの所得区分や課税額を確認しましょう。

個人による土地売却は分離課税になる

個人で土地を売却する場合は、分離課税になる可能性があります。

分離課税とは、給与所得や事業所得などの総合課税とは別に、その所得のみに独自の計算式や税率を適用して所得税を計算することです。

売却して利益が出た場合、住民税や所得税に影響すると、利益が大きければその分税率が上がるので、覚えておくようにしましょう。

クーリングオフ逃れをする悪徳業者に注意する

悪徳業者の中には、クーリングオフを利用できないように妨害するところもあります契約時に嘘の情報を教えられたり、消費者からの連絡を無視したりなどのケースがあるようです。

ただし、業者と連絡がつかなくても、書面でクーリングオフ通知をすることで一方的に契約取り消しすることができます。

また、事業者から法定書面が交付されていない場合や、クーリングオフに関する重要事項の記載に不備がある場合は、通常の8日間の起算が始まらないことがあります。

事業者が虚偽説明や威迫でクーリングオフを妨害した場合も、通常どおり8日で一律に打ち切られない可能性があります。個別事情が重要なため、迷ったら消費者ホットライン188に相談しましょう。

撤去・売却前に契約書と売電実績を確認する

太陽光発電を撤去・売却する前に、設備の契約書やローン残高、土地の賃貸借契約、売電契約の内容を確認しましょう。契約期間の途中で解約すると、違約金や残債の一括返済が必要になる場合があります。

売却を検討するなら、毎月の検針票や入金記録、発電量のデータ、点検・修理の履歴も整理してください。これらは発電所の収益性や設備状態を示す資料となり、査定を受ける際に役立ちます。

また、FIT・FIP認定を引き継いで売却する場合は、認定事業者の変更など所定の手続きが必要です。必要な費用と売却見込み額を比べてから、撤去と売却のどちらが適しているか判断しましょう。

太陽光発電をやめたい場合によくある質問

太陽光発電をやめたい人がネット掲示板などに寄せている質問の一部を紹介します。

FIT認定を受けた太陽光発電を途中でやめるには?

FIT認定を受けた太陽光発電を途中でやめたい(廃止・撤去・処分)するときは、あらかじめ届け出る必要があります

認定発電設備を設置した後に廃止する場合は、添付書類の準備が完了した段階で追加提出しましょう。

出典:資源エネルギー庁「よくある質問」

太陽光発電の契約解除すると違約金がかかる?

太陽光発電の契約解除は、クーリングオフ期間内なら違約金がかかりませんが、リース契約をしている場合、FIT期間内だと違約金が発生する可能性があります

違約金発生の有無や違約金の金額は契約内容によって異なるので、契約書の内容をご確認ください。

太陽光発電でクーリングオフ期間が過ぎたら解約できない?

太陽光発電のクーリングオフ期間が経過した後の解約は難しいですが、太陽光発電の施工・販売業者に不備などがあれば契約解除や返金や設備の解体撤去をしてもらえる可能性があります

それ以外の事情で解約したい場合は、消費者ホットライン「188」へ相談しましょう。188へ電話すると、原則として最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口につながります。

土日祝日も利用でき、地域の相談窓口が開所していない場合は、原則として国民生活センターの休日相談窓口につながります。ただし、一部地域や年末年始、施設の点検日などは利用できない場合があります。

太陽光発電をやめる費用はいくらですか?

太陽光発電をやめる費用は、設備容量や設置場所、足場の有無、基礎の種類、屋根や土地の補修範囲によって異なります。

資源エネルギー庁の資料によると、地上設置型の太陽光発電設備にかかる廃棄等費用の中央値は、スクリュー基礎で約1.1万円/kW、コンクリート基礎で約1.4万円/kWです

たとえば、50kWの設備では約55万〜70万円が目安となります。

ただし、住宅用設備では足場代や屋根の防水・補修費が加わるなど、この単価をそのまま当てはめられない場合があります。

撤去費、運搬費、処分費、補修費を含む総額について、複数の専門業者から見積もりを取りましょう。

出典:資源エネルギー庁「太陽光発電設備の廃棄等費⽤積⽴制度について」

太陽光発電を止める方法はありますか?

太陽光発電は停止できますが、一時的に止めるのか、売電だけをやめるのか、設備を完全に廃止するのかによって対応が異なります

一時停止では、取扱説明書に従ってパワーコンディショナーを停止しますが、感電や故障を防ぐため、分電盤や配線をむやみに操作してはいけません。

長期間止める場合や撤去する場合は、施工業者や電気工事店へ依頼し、売電先や送配電事業者にも連絡しましょう。自家消費を続けながら売電だけをやめる方法もありますが、逆潮流を防ぐ設定や契約変更が必要になることがあります。

太陽光発電をやめた方がいい人は?

故障や老朽化によって安全性に問題があり、修理しても十分な発電が見込めない人は、運用の終了を検討した方がよいでしょう

維持費やローン返済が収入を大きく上回る場合や、災害リスク・近隣トラブルを解決できないケースも同様です。ただし、売電収入が一時的に減っただけで、すぐに撤去するのはおすすめできません。

発電量の低下が汚れや雑草、機器の不具合によるものなら、点検や修理で改善する可能性があります。撤去費用やローン残高、売却価格まで比較し、専門業者に設備を確認してもらったうえで判断しましょう。

太陽光発電を撤去するには廃止届が必要ですか?

FITまたはFIPの事業計画認定を受けた設備を撤去・処分して発電事業を終了する場合は、原則として廃止届出が必要です。資源エネルギー庁は、認定設備を廃止する際には、撤去や処分を行う前に届け出るよう案内しています。

続きは再生可能エネルギー電子申請システムなどから行い、設備IDや廃止理由、撤去後の扱いなどを申請しましょう。

一方、FITの買取期間が終了しただけの場合や、設備を残して自家消費を続ける場合は、直ちに発電事業の廃止となるわけではありません。設備の認定状況を確認し、不明点は施工業者や申請窓口へ相談してください。

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まとめ

太陽光発電を途中でやめる場合、契約内容に注意しましょう。

契約途中での解約には違約金が課されているケースが多く、思わぬところで高額な費用が発生するケースがあります。

発電容量にもよりますが、産業用太陽光発電で数十万円の費用がかかります。そのため、太陽光発電を途中でやめる場合は、費用面と相談して慎重に決めるようにしたいですね。

ただし、訪問販売などで太陽光発電を契約した場合は、契約から8日以内の場合、クーリングオフで無条件に解約することが可能です。

産業用・投資用太陽光発電設備の場合は、売却すれば太陽光発電をやめられます。

まだ売却を決めていなくても、今後の計画を立てるために、中古太陽光発電設備仲介業者の査定を受けて、現在の売却価格を知っておくのがおすすめです。

当記事の監修者
当記事の監修者
曽川拓夢

曽川 拓夢(Sogawa Takumu)
SOLSEL Unit フィールドマネージャー

【専門分野・領域】
・太陽光発電所の仕入れ・調達業務・資産価値評価
・プロジェクトマネジメント

【経歴】
2021年、再生可能エネルギーの普及と市場の透明化を目指し、SOLSEL(ソルセル)に参画。
現在はフィールドマネージャーとして、太陽光発電所の仕入れ業務を統括。
年間数多くの案件に携わり、現場視点での緻密な物件評価と、売主・買主双方の利益を最大化するマッチングを得意とする。

【メディア掲載・登壇実績】
2025.08.29:Forbes Japanに掲載(掲載記事

【編集・監修ポリシー】
当メディアでは、太陽光発電所のメンテナンスや売却を検討されているオーナー様へ、透明性の高い市場情報と実務知識の提供を徹底しています。
自社で太陽光関連事業を多角的に展開しているからこそ、売却価格の妥当性だけでなく、税務上の注意点や手続きにおけるリスクなど、見落としがちな前提条件を明示しています。
最新の市場相場に基づいた「後悔しないための出口戦略」を正しくお届けすることを約束します。

執筆者

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ikebukuro

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