太陽光発電投資20年後の出口戦略はどうする?10年後、FIT終了後の対策も解説
- 公開日:2026.07.27
- 更新日:2026.07.27
太陽光発電投資が20年後・10年後にどうなるのか、FIT終了後にどのような出口戦略を用意しておくべきかについて解説します。
太陽光発電は国が定めた固定価格買取制度(FIT制度)のもと運用できるため、比較的安定した投資方法です。
さらに、二酸化炭素の排出量が削減でき、カーボンニュートラル達成に貢献できます。
しかし、産業用太陽光発電の固定価格買取期間(FIT期間)は20年間ですので、その期間を終えた後まで考慮して投資計画を立てる必要があります。
太陽光発電投資の出口戦略の具体的な対策について、投資プランをご提案していきます。
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・太陽光発電はFIT期間が終了する20年後も、売電の継続・自家消費・売却・撤去から運用方法を選べます。
・太陽光発電の出口戦略は、発電量や設備の状態、修繕費、FITの残存期間を踏まえて早めに検討することが重要です。
・太陽光発電事業を終了する場合は、撤去費用を負担する前に、設備や土地を売却できるか確認するのがおすすめです。
目次
太陽光発電はFIT制度が終了した20年後どうなる?

国が定めた固定価格買取制度(FIT制度)が終了した20年後は、太陽光発電設備や売電価格はどうなるのか解説します。
大手電力会社への売電価格が一桁代に下がる

出典:資源エネルギー庁
太陽光発電の売電価格は、FIT期間終了により値段が下がる傾向にあります。
FIT制度では、大手電力会社に市場価格より高い固定価格で、一定期間電力を買い取ることが義務付けられています。産業用太陽光発電システム(10kW以上)の場合、買取期間は20年間です。
FIT期間が満了した20年後は、電力会社は固定価格で電力を買い取る義務がなくなります。売電を続けたい場合は契約を継続させることができますが、売電単価は下がると考えられます。
以下の表は、住宅用太陽光発電が固定価格買取制度終了後に、引き続き大手電力会社に売電する場合の売電価格です。(2026年現在)
| 電力会社 | 卒FIT後売電価格(税込) |
| 北海道電力 | 8円/kWh |
| 東北電力 | 9円/kWh |
| 東京電力 | 8.5円/kWh |
| 中部電力 | 8円/kWh |
| 北陸電力 | 8円/kWh |
| 関西電力 | 8円/kWh |
| 中国電力 | 7.15円/kWh |
| 四国電力 | 7円/kWh |
| 九州電力 | 7円/kWh |
| 沖縄電力 | 7.7円/kWh |
2025年の住宅用太陽光発電のFIT価格が15円であることを考えると、かなり価格が下がっていると言えます。
しかし、2026年からは最初の4年間は24円/kWh(税込)、その後6年間は8.3円/kWh(市場連動型)となっており、極端な下がり方ではありません。
産業用太陽光発電の場合でも、7円程度の売電価格となるでしょう。しかし、7円という売電価格でも、利益が全く出ない・赤字になるという状況にはならないと考えられます。
現在すでに太陽光発電を始めている方は、20年間のFIT期間中にローンの支払いを終えるように計画していることが多く、FIT期間終了時点では設備費のローンは支払い終わっているためです。
太陽光パネルの寿命は20〜30年程度
太陽光パネルの寿命は、一般的に20〜30年程度とされています。
使用年数が長くなるにつれて発電性能は徐々に低下しますが、適切な点検やメンテナンスを行えば、30年以上発電を続けられる場合もあります。
また、FIT期間中は地域の大手電力会社(東京電力など)に買取義務がありますが、FIT終了後は買取義務がなくなります。
太陽光パネルに寿命がきてしまうと、故障による発電停止や発電効率低下による売電収入や自家消費量の減少といった事象につながります。
20年後は発電量が低下する可能性がある
太陽光パネルは長期間使用できますが、設置当初と同じ発電量を維持できるとは限りません。紫外線や雨風、温度変化などの影響を受け、時間の経過とともに発電性能が少しずつ低下するためです。
太陽光発電協会(JPEA)によると、太陽光パネルの発電性能は年間0.5%前後低下し、25〜30年後には出力が当初の80%以下になる場合もあります。
ただし、実際の劣化率はパネルの品質や設置環境、メンテナンス状況によって異なります。
ただし、劣化の程度はパネルの品質や設置環境、点検状況によって異なります。20年後も発電事業を続ける場合は、実際の発電量や修繕費を確認し、売電の継続、設備の更新、撤去などを判断しましょう。
パワーコンディショナーは10〜15年で交換が必要になる
パワーコンディショナーは、太陽光パネルが生み出した直流電力を、家庭や電力会社で使える交流電力に変換する機器です。太陽光パネルより耐用年数が短く、一般的には10〜15年程度とされています。
そのため、FIT期間が20年間の事業用太陽光発電では、期間中に一度は交換が必要になる可能性が高いでしょう。
故障すると発電した電気を売れなくなるため、修理や交換までの期間は売電収入が減少します。交換費用を事前に収支計画へ組み込み、異音やエラー表示、変換効率の低下が見られた場合は、早めに点検を依頼することが大切です。
太陽光発電の需要は高まる予想
太陽光発電の需要は今後、高まると予想されます。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて国が促進しているからです。
環境省は、2050年カーボンニュートラルや2030年度の温室効果ガス削減目標の実現、そして地域脱炭素を通じた地方創生の実現に向けて、地域資源である再エネの最大限の導入拡大が重要であると考えています。
具体的な取り組みとしては、下記のようなことが挙げられます。
- 公共施設での太陽光発電導入
- 地域共生型再エネの導入
- 民間企業による自家消費型太陽光の導入
- 風力発電促進のための環境アセスの最適化など
- 太陽光パネル等の廃棄・リサイクルなど
参考:環境省
国の政策で太陽光発電が促進されていくため、今後も太陽光発電の電力買取が止まることはないと考えられます。
太陽光発電は20年後に必ず撤去されるわけではない

太陽光発電は20年後に必ず撤去されるわけではありません。詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
売電継続・自家消費・売却・撤去から選択できる
FITの買取期間が終わっても、太陽光発電設備を必ず撤去する必要はありません。設備が正常に発電できる状態なら、電力会社と新たに契約して売電を続ける方法があります。
蓄電池や電力を使用する設備を導入し、発電した電気を自家消費することも可能です。また、発電所を土地や設備ごと第三者へ売却する方法や、事業を終了して設備を撤去する方法も選べます。
どの選択が適しているかは、発電量、売電価格、維持費、設備の状態などによって変わります。FIT終了が近づいたら収支を試算し、複数の選択肢を比較しましょう。
撤去費用がかかる前に売却できるか確認するのも選択肢
発電事業を続ける予定がない場合でも、すぐに太陽光発電設備を撤去するのではなく、発電所として売却できるか確認してみましょう。
発電実績や設備の状態、土地の権利関係などに問題がなければ、FIT終了後でも買い手が見つかる可能性があります。売却できれば、撤去工事や廃棄物処理にかかる費用を避けながら、発電所を現金化できる点がメリットです。
ただし、設備の老朽化が進むほど修繕費が増え、査定額や買い手の判断に影響する場合もあります。撤去を決める前に専門会社へ査定を依頼し、売却価格と撤去費用を比較することが大切です。
太陽光発電を設置してから20年後の対策

太陽光発電を設置してから20年後に考えられる手段を7つ紹介します。
①大手電力会社と引き続き契約し売電を続ける
太陽光発電を設置してから20年後に考えられる手段として、これまでと同じように電力会社と引き続き契約し、売電する方法が挙げられます。
固定買取期間が10年間の住宅用太陽光発電設備の中には、2021年時点でFIT制度終了となった設備もあります。
このような設備に関しては、電力会社は引き続き電力売電契約を結べるよう、プランを作成したり、提供したりしています。
20年以降も継続した売電契約したいと考えている場合は、定期的に電力会社の対応方針を調べておく必要があります。
メリット
- 新たなプランを電力会社が用意していることがある
- 電力会社の対応方針の理解が深まる
FIT制度終了になった場合、電力会社は新たなプランを用意している場合が多いです。
また、太陽光発電設置から20年以降も売電を継続したいと考えている場合は、定期的に電力会社の対応方針について情報を収集しておくことが重要です。
デメリット
- 市場価格に連動し売電価格は下がる傾向がある
- 売電金額とメンテナンス費用、その他の経費とのバランスを慎重に検討する必要がある
20年以降も売電を継続したいと考えている場合は、市場価格に連動し売電価格は下がる傾向を認識をしておく必要があります。
また、売電金額とメンテナンス費用、その他の経費とのバランスを慎重に検討することも忘れないようにしてください。
②新電力と契約しなおし売電を続ける
大手電力会社と自動契約を行わない場合は、新電力会社と売電契約を新たに結べる可能性が高いです。
住宅用太陽光発電の場合では、新電力会社の方が売電価格を高く設定しており、大手電力会社よりも売電収入を高くできています。
産業用太陽光発電のFIT買取期間は20年間です。
FIT制度が始まった2012年度の認定案件でも、買取期間の満了は2032年前後からとなるため、2026年時点では卒FIT後の産業用太陽光を対象とした買取サービスは、住宅用ほど一般化していません。
今後、FIT期間を満了する産業用太陽光発電所が増えるにつれて、新電力会社などが新たな買取プランを提供する可能性があります。売
電の継続を検討する場合は、FIT満了前に複数の事業者へ相談し、買取条件や契約期間を比較しましょう。
メリット
- 自分にあった電力会社を自由に選べる
- 大手電力会社よりも高い価格で買い取ってくれる
デメリット
- 蓄電池を設置する場合、維持費がかかる
- 最適な条件を選ばないと損をする場合もある
③自家消費型へ切り替える
これまで行っていた売電をやめ、自家消費型へ切り替えるといった方法もあります。
自家消費型太陽光発電は、逆潮流という売電の回路を遮断して発電した電気を全て自家消費していく設備を行うことを指します。
自家消費型太陽光発電なら、発電した電気をすべて自社の設備に常時補給でき、基本料金の抑制やBCP対策につながります。
BCP対策とは、有事の際に事業活動の速やかな回復や継続を行うための対策のことです。
メリット
- 夜間も太陽光の電気を使用することができる
- 電気代の大幅な削減が可能
太陽光に蓄電池を併設できれば、夜間も太陽光の電気を使用することができます。また、太陽光を工場や倉庫、店舗などで自家消費できる場合は、電気代の大幅な削減が可能です。
デメリット
- 売電価格は市場価格と連動するため、価格は下がる
- 買電価格は物価高騰のため、価格が高くなる
買取期間が終了すると、売電価格は市場価格と連動するので、価格は下がる傾向にあります。また買取価格は物価高騰のため、価格が高くなる傾向があります。
⑤太陽光発電整備を撤去する
固定価格買取制度(FIT)適用期間が終了した時点で、太陽光発電システムの設備を撤去し、土地を更地にして売ったり貸したりすることで利益を出すことができます。
太陽光発電設備を撤去する際は、パネルや架台の解体、運搬、廃棄物処理などの費用がかかります。
資源エネルギー庁が示す廃棄等費用積立制度の水準を参考にすると、撤去・処分費用の目安は、設備容量1kWあたり約1.1〜1.4万円です。
この水準で試算した場合、10kWでは約11〜14万円、20kWでは約22〜28万円が目安となります。ただし、基礎の種類や設置場所、設備の状態、廃棄物の運搬距離などによって実際の費用は変動します。
積立額だけでは撤去費用をすべて賄えない場合もあるため、撤去前に専門業者から見積もりを取りましょう。
太陽光発電システムが設置されている土地は、都心部から離れた比較的地価の安い場所にあるケースが多いです。
そのため、太陽光発電設備を撤去して土地を売ったり貸したりするのは難しい可能性が高くなります。
メリット
- 撤去後は維持費の負担がかからない
- 太陽光発電をやめた後の土地や売却したり貸し出したりできる
デメリット
- 撤去・処分費用として、設備容量1kWあたり約1.1〜1.4万円が目安になる
- 基礎の種類や立地条件によっては、積立額を超える費用がかかる
⑥土地を借りている場合は返却・相談
太陽光発電の土地を借りている場合は、原則として契約期間終了後もしくは太陽光発電をやめた後に返却する必要があります。
太陽光発電をやめる場合は、まず地主と太陽光発電投資をやめる理由を伝えて、具体的な運用終了時期と終了後の土地に関する取り扱いなどを確認する必要があります。
メリット
- 設備の処分や土地の管理に関わる必要がなくなる
- 無料で相談が可能
デメリット
- 手元になにも残らない
- 太陽光発電設備の撤去手続きを進める必要がある(撤去費用は負担)
⑦太陽光発電設備を土地ごと売却する
太陽光発電設備は、FIT期間が終了した後でも、設備の状態によっては発電を続けられる可能性があります。そのため、発電所を設備や土地ごと第三者へ売却することも出口戦略のひとつです。
売却価格は、FITの残存期間や売電単価、年間の売電実績、設備の劣化状況、土地の権利関係などによって大きく異なります。
設備費用に対する一定の割合で判断するのではなく、専門会社へ査定を依頼し、現在の市場価値を確認しましょう。
それ以外にも年々拡大傾向にある太陽光パネルのリサイクル市場で、太陽光パネルを売却するという方法もあります。
メリット
- 設備と土地の売却が一回で済む
- 設備維持やその他のコスト負担を0にできる
デメリット
- 売却が完了するまでに時間がかかる
- 停止条件付売買が設定される場合もある
太陽光発電を20年後撤去するのにかかる費用

ここでは、太陽光発電を20年後撤去するのにかかる費用を紹介します。
太陽光発電のFIT制度はFIP制度に移行していく
太陽光発電のFIT制度はFIP制度に移行していくと予想されます。ここからは、FIP制度について・今後Non FIT案件が増えていく見通しについて詳しく解説していきましょう。
FIP制度とは

引用元:経済産業省
FIP制度とは、「フィードインプレミアム(Feed-in Premium)」の略称です。再エネの導入が進む欧州などでは、すでに取り入れられている制度のことでもあります。
FIP制度では、FIT制度のように固定価格で買い取るのではなく、再エネ発電事業者が卸市場などで売電した際、その売電価格に対して一定のプレミアム(補助額)を上乗せすることで再エネ導入を促進していくのが特徴です。
2026年度の事業用太陽光発電では、地上設置型のうち出力250kW以上の設備は入札制度の対象となり、原則としてFIP制度が適用されます。
地上設置型の50kW以上250kW未満はFIT制度とFIP制度を選択でき、10kW以上50kW未満は地域活用要件を満たすことでFIT制度を利用できます。一定の条件を満たす場合は、50kW未満でもFIP制度を選択可能です。
なお、屋根設置型の事業用太陽光発電は、出力250kW以上であっても入札制度の対象外です。設備容量だけでなく、地上設置か屋根設置かによっても適用区分が異なるため、申請前に最新の制度を確認しましょう。
今後Non FIT案件が増えていく見通し
今後は、Non FIT案件、つまり、FIT制度に登録しない太陽光発電設備が増えていくと考えられます。発電コストが安くなることと、脱炭素化社会の実現にRE100基準の電気がこれまで以上に求められることがその理由です。
再生可能エネルギー由来の電気は発電コストが高いため、それを補うためにFIT制度があります。
しかし、技術革新による発電効率の向上や、設備が増えることによる初期費用の低下によって、発電コストが下がってきています。
資源エネルギー庁が2025年に取りまとめた発電コスト検証では、2040年に新設する事業用太陽光発電の発電コストは、政策経費を含めて1kWhあたり7.0〜8.9円と試算されています。
設備価格の低下などによって発電コストが下がれば、FIT制度による固定価格での買い取りに頼らないNon-FIT案件も、採算性を確保しやすくなると考えられます。
2020年のLNG火力発電の発電コストが10.7円/kWhですから、同等レベルです。
発電コストが下がることで、FIT制度を利用しなくても再生可能エネルギーの発電所で採算が取れるようになると考えられます。
また、FIT認定されている発電所の電気は、100%再生可能エネルギーとしては認められません。FIT認定発電所の電気が持つ環境価値は、再エネ賦課金を支払っている人に帰属するとみなされるからです。
FIT認定をされていないNon FIT発電所で発電された電気は、その環境価値が発電所に付与されるため、100%再生可能エネルギー由来と認められます。
Non FIT発電所を所有したり、Non FIT発電所由来の電気を購入することで、国際的イニシアチブ「RE100(Renewable Energy 100%)」基準を満たすことができ、日本の脱炭素社会の実現に貢献することができます。
全量買取終了後は売電条件の見直しが必要になる
FITによる全量買取期間が終了すると、国が定めた固定価格での買取は受けられなくなります。発電を続ける場合は、電力会社や新電力などと新たに契約し、売電単価や契約期間、手数料、受け入れ条件を確認する必要があります。
FIT終了後の売電価格は市場環境や契約先によって変わるため、これまでより収入が減る可能性もあるでしょう。
そのため、売電を継続するだけでなく、自家消費への切り替えや蓄電池の導入、発電所の売却も含めて比較することが大切です。
契約満了が近づいたら複数の事業者から条件を集め、維持費を差し引いた収益を試算しましょう。FITは一定価格・一定期間の買取を保証する制度であり、期間終了後も発電自体は継続できます。
太陽光発電投資を20年以内で運用するメリット

ここからは、太陽光発電投資を20年以内で運用するメリットを紹介します。気をつける点として、投資開始前や投資中から考えておく必要があります。
FIT期間中は設備を売却しやすい
FIT期間が残っている中古太陽光発電設備は人気が高く、高値で売却しやすくなっています。
太陽光発電投資を新たに始めようと考えるとき、発電実績があり、高いFIT価格で売電収入をすぐに得られる中古の物件はとても魅力的なのです。
FIT期間が終わった後にも売却は可能ですが、売電価格が下がってしまうため、どうしても設備売却価格は下がります。
老朽化に伴うメンテナンス費用の増加を避けられる
20年以内で運用するメリットとして、老朽化に伴ってメンテナンス費用の増加を避けられるといったことも挙げられます。
太陽光発電はメンテナンスを怠ると故障しやすくなるため、事業を長く続けるほど故障や不具合が増え、出費もかさみます。
具体的には、架台・配線・パワーコンディショナーなどの周辺機器や、本体の太陽光パネルなど、定期的に交換や修理が必要です。
売電収入があまりよくなかったり、事業を継続するのが難しい場合は、早めに売却できるようメンテナンスの運用方式も決めておくようにしてください。
撤去費用積立を避けられる
20年以内に運用するメリットとして、撤去費用積立を避けられるといったことも挙げられます。
通常のFIT契約の場合、買取期間終了前の10年間で積立てとなります。積立単価は、買取単価の算定において想定されている廃棄等費用(買取単価によって異なる)です。
また、費用積立を避けられるのは、積立期間が「調達期間/交付期間の終了前10年間」であるためです。稼働後10年以内に売却すれば積立を避けられます。
参考:資源エネルギー庁
太陽光発電投資を5年後・10年後に売却するとどうなる?

ここでは、太陽光発電投資を5年後・10年後に売却するとどうなるかについて解説します。
太陽光発電を5年後に売却すると節税効果が高い
太陽光発電を5年後に売却する場合、売却益の課税対象額が1/2になるため節税効果が高いです。
土地・建物・株式以外の譲渡所得である太陽光発電は、総合課税の対象となります。総合課税には累進課税制度が適用されるため、譲渡所得金額が高いほど税率もアップします。
設備購入5年以内の売却の場合、売却額の全額が課税対象であるため、節税をしたいのであれば5年を超えてから売却することをおすすめします。
また、当然ながら設置してから5年後であればFIT期間が残っているうちであるため、より高い価格で売却できます。
太陽光発電を10年後に売却するとFIT終了後より高値がつきやすい
FIT期間が終了する20年後に太陽光発電を売るよりも、10年後に売る方が高く売れます。FIT期間が残っている方が需要が高い上に、設備も新しいためです。メンテナンスの手間や費用も抑えられるでしょう。
太陽光発電投資に興味があるものの運用を手間だと思っている方や、高騰している保険代・経年劣化による修理費用を払いたくない方にもおすすめできます。
FIT期間終了後、太陽光発電の土地と設備はどうなる?

土地付きの分譲太陽光発電にはメリットが多いため人気が高いです。
しかし、20年が経過し固定価格買取制度(FIT)が適用されなくなった場合には、太陽光発電システムや太陽光発電システムを設置していた土地は、どうなるのでしょうか。
土地と設備の所有者が誰であるかということに分けて、土地と設備のその後の利用方法などについて解説していきます。
土地・太陽光発電設備がともに自己所有の場合
土地と設備の双方がともに自己所有である場合、太陽光発電システムの設置から20年経過した後も所有権は変わることなく、土地や太陽光発電設備を使用することができます。
メンテナンスの必要性や今後かかるランニングコストを綿密に計算しておく必要はありますが、太陽光発電システムの設置から21年以上経過した場合にも売電ができるのであれば、収益を上げることができます。
売電ができない場合でも、さまざまな方法で土地や太陽光発電設備を活用することが可能です。また、土地と太陽光発電システムの双方を売却してしまうという手段を取ることもできます。
土地は借地・太陽光発電設備は自己所有の場合
土地を借りて太陽光発電を行っている場合、FIT終了後は土地の賃貸契約内容に従って設備の扱いを決める必要があります。
契約期間を延長して発電事業を継続することも可能ですが、買取単価が下がるため、収益性の再シミュレーションが不可欠です。
契約が満了した場合は、原則として「原状回復義務(=設備撤去)」が発生することが多く、撤去費用は発電容量に応じて数十万円〜数百万円程度かかります。
そのため、FIT終了の数年前から地主と今後の方針を相談しておくことが大切です。
自己所有の土地を貸し出し、他者が太陽光発電設備を設置した場合
土地を第三者に貸して太陽光発電事業を行ってもらっている場合、FIT期間終了後は契約を終了するか、借地契約をしなおすことになります。
多くのケースでは契約満了時に設備を撤去し、更地に戻して土地を返却する取り決めになっています。
ただし、事業者が非FITでの発電を継続したい場合は、賃貸料を見直して契約を延長することもあります。
撤去費用の負担や放置トラブルを避けるためにも、契約書で「撤去責任者」「原状回復の範囲」「撤去期限」を明確にしておくことが重要です。
太陽光発電の20年後に関するよくある質問

ここでは、太陽光発電の20年後に関するよくある質問に回答します。
太陽光発電は20年後に撤去されますか?
設置から20年が経過しても、太陽光発電設備が自動的に撤去されるわけではありません。事業用太陽光発電では、20年間のFIT買取期間が終わるだけであり、設備が正常に動いていれば発電を続けられます。
FIT終了後は、電力会社との自由契約による売電、自家消費、設備の売却、撤去などから今後の方針を選びます。ただし、太陽光パネルや架台、配線の劣化状況によっては、修繕や交換が必要になるでしょう。
20年目を迎える前に点検を行い、発電量や維持費、売電条件を比較して判断することが大切です。太陽光パネルは20~30年程度、またはそれ以上発電できる場合があります。
太陽光パネルの2030年問題とは何ですか?
太陽光パネルの2030年問題とは、2010年代に急速に普及した設備が2030年代以降に寿命や交換時期を迎え、使用済みパネルの排出量が増えると懸念されている問題です。
2030年になった瞬間に大量の設備が使えなくなるわけではありません。パネルの寿命や撤去時期には差がありますが、廃棄量の増加によって処分場が圧迫されたり、不法投棄が起きたりする可能性が指摘されています。
そのため、発電事業者には適切な撤去と処分が求められます。設備を手放す際は、売却やリユースの可能性も確認し、廃棄する場合は専門業者へ依頼しましょう。
なお、資料によっては本格的な排出増加を2030年代半ば以降と見込んでいます。
太陽光発電は15年後にどうなりますか?
設置から15年後も、太陽光発電設備が正常であれば発電を続けられます。ただし、設備の修繕や今後の運用方法を考え始める時期です。
特にパワーコンディショナーは一般的な耐用年数が10~15年程度とされているため、故障や交換が必要になる可能性があります。太陽光パネルも経年劣化によって、設置当初より発電量が少なくなっている場合があるでしょう。
事業用FITの買取期間が20年間であれば、残り期間は約5年です。売電を続けた場合の収入と交換費用を比較し、売却やFIT終了後の運用も含めて計画を立てましょう。
太陽光発電は何年で元が取れますか?
太陽光発電の投資回収期間は、設備価格や発電量、売電単価、借入条件などによって異なるため、一律には決められません。住宅用では自家消費による電気代の削減効果も含め、一般的に10年前後が一つの目安になります。
ただし、日照条件がよく導入費用を抑えられた場合は早まり、設備故障や出力制御、想定を下回る発電量が続けば長引くでしょう。
事業用では土地代や保険料、点検費、固定資産税なども収支に影響します。売電収入だけを見るのではなく、20年間の収入から維持費や修繕費を差し引いた金額で回収期間を試算することが大切です。
太陽光発電の20年後の発電量はどのくらいですか?
20年後の発電量は、太陽光パネルの製品性能や設置環境、点検状況によって変わります。
20年経過しただけで発電量がゼロになるわけではありませんが、紫外線や熱、湿気などの影響を受け、設置当初より出力が低下している可能性があります。
メーカーの出力保証では、20年後や25年後に一定割合の出力を維持する条件を設けていることもありますが、保証内容は製品ごとに異なります。
また、汚れや影、配線の不具合による発電量低下は、パネル自体の劣化とは限りません。実際の発電量を過去の記録と比較し、低下が大きい場合は点検を依頼しましょう。
10kW以上の太陽光発電にはどのようなデメリットがありますか?
10kW以上の太陽光発電は売電量を確保しやすい一方で、設備費や維持費が高くなりやすい点がデメリットです。設置場所によっては除草や清掃、定期点検、保険などの費用もかかります。
また、発電した電気をすべて予定どおり売れるとは限らず、地域によっては出力制御の影響を受ける場合があるでしょう。FIT・FIP認定を受けた10kW以上の設備は、原則として廃棄等費用積立制度の対象となる点にも注意が必要です。
さらに、現在の10kW以上50kW未満の事業用FITには、一定の自家消費などを求める地域活用要件があります。制度や税務上の扱いを確認してから導入を判断しましょう。
一条工務店の太陽光発電は20年後どうなりますか?
一条工務店の太陽光発電も、設置から20年が経過しただけで使用できなくなったり、自動的に撤去されたりするわけではありません。設備が正常であれば、自家消費や自由契約による売電を続けられます。
ただし、実際の状態は設置した時期や製品、発電実績、点検状況によって異なるため、定期的な確認が必要です。
工務店では屋根一体型の太陽光パネルも採用しているため、交換や撤去を検討する際は、屋根への影響を含めて施工会社へ相談しましょう。
保証期間や対象部品も契約時期によって異なる可能性があります。保証書や契約書を確認し、FIT終了前に今後の運用方法を検討することが大切です。
中古の太陽光発電ならSOLSEL(ソルセル)に相談

太陽光発電所の売却を考えているなら、FIT期間が終了する前の方が高額で売却できます。まだ売却を決めていなくても、物件の査定だけすることもできるので、まずは連絡してみましょう。
投資用太陽光発電設備の売却なら、中古太陽光発電設備の売買件数No.1のSOLSEL(ソルセル)をおすすめします。
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SOLSELでは、出力制御で売電収入が減ったり、破損したりしている太陽光発電設備でも取り扱いしています。
また、SOLSELでは、買取と仲介の2種類から売却方法を選べます。とにかく早く売りたい方は買取を、できるだけ高額で売却したい方は仲介と、お客様のニーズに見合った方法で売却ができます。
まとめ
ここまで、太陽光発電の20年問題ともいえる固定価格買取制度(FIT)という電力の買取制度と、この固定価格買取制度(FIT)が将来どうなるのかという予測、20年後に土地と太陽光発電システムをどうするかといった出口戦略について解説してきました。
太陽光発電投資を行う際には、20年後を見据えた戦略を立てて投資を始める必要があることがお分かりいただけたと思います。
その戦略を立てる際に重要になるのが、固定価格買取制度(FIT)。
この制度の内容をしっかりと把握し、また20年経過以降に太陽光発電システムと土地をどうするかということを考えておくことが、太陽光発電投資を成功させるカギとなります。

