太陽光発電のメンテナンスに必要な維持費用はどのくらい?
- 公開日:2024.11.22
- 更新日:2024.11.22
太陽光発電の設置や太陽光発電投資を始めようと思い立ったものの、「維持費はいくらかかる?」「そもそもメンテナンスは必要なの?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。
太陽光発電において、メンテナンス業者や点検内容まで知っておくと安心して投資を始められます。
この記事では、住宅用(家庭用)太陽光発電の維持費から撤去費に至るまでのランニングコストを詳しく解説します!
目次
太陽光発電にメンテナンスが必要な理由
太陽光発電はよくメンテナンスフリーだと言われていますが、決してそういうわけではありません。
しかし、不動産や風力発電と比較すると、メンテナンスにさほど手間がかからず、すべてを業者に任せることもできるので煩わしさを感じることはありません。
それでもメンテナンスには費用がかかるので、できれば費用も手間も抑えたいという人も多くいます。実際になぜメンテナンスが必要なのか理由をご紹介します。
メンテナンスをすることが法律で義務と定められているから
太陽光発電のメンテナンスの義務化は、2017年の改正FIT法で新しく追加されました。
太陽光のメンテナンスは法律で義務化されていますが、すべてではありません。メンテナンスが義務なのは、非FITで50kW未満以外の太陽光発電所です。
システム所有者は,電気事業法第 39条又は第 56 条に基づき,所有する発電設備を,経済産業省令で定める技術基準に適合させる義務があり,技術基準に適合していないことが判明した場合,自主的に補修等を行う必要がある。 |
(引用:太陽光発電システム保守点検ガイドライン)
ただし「50kW未満」で「非FIT」の場合は、法律でメンテナンスが義務化されているわけではありません。完全に自宅で発電した電気をすべて消費するタイプの、住宅用太陽光発電は対象外です。
万が一メンテナンスを怠ってしまうと売電の権利が失権されてしまう可能性もあります。
発電効率が落ちることがあるから
太陽光発電は、パネルに光が当たることで、パネルの内部にある半導体と呼ばれるセルが動き、電気を作り出す仕組みとなっています!
そのため、パネルの表面が砂や鳥のフンといった何らかの原因で汚れていると、光が内部まで伝わりづらくなるので、十分に発電できなくなってしまい、その結果発電効率が落ちてしまうのです。
また、メンテナンスを定期的に行わないと発電効率が落ちるだけでなく、パネルの故障や破損に早期に気づくことができません。
最悪の場合、火災が起こってしまい、収益どころか被害額を支払わなければいけなくなる可能性もあります。
損害を与えるリスクを避けるため
もっとも恐ろしいのは、メンテナンス不足によって他社に損害を与えてしまうことです。
太陽光パネルの設置個所のボルトが緩んでしまっていたのにもかかわらず、メンテナンスを行わずにいると、太陽光パネルが落下してしまったり強風で飛ばされてしまうことが、起こる可能性があります。
落下した太陽光パネルが、他者にぶつかってしまったり他者の車や家などに傷をつけてしまうなどの、損害を与えてしまう可能性があります。
定期的にメンテナンスをしないと、太陽光パネルやパワコンといった設備機器が期待寿命を迎えるよりも早くに故障してしまったり、発電効率が低下し発電量がグッと落ち込んでしまう可能性があるんです。
なぜメンテナンスを疎かにすると発電量が減ってしまうのかについて次の章で説明していきます。
太陽光発電生じる不具合とは
太陽光発電で生じることのあるトラブルを5つ紹介します。
経年劣化
太陽光発電のガラスの表面が風化してしまい、細かい傷が付いてガラスが曇ると太陽光の浸透率が悪くなってしまい、発電量が低下してしまう原因になります。
太陽光パネルの寿命は20〜30年と言われています。また、各メーカーの保証期間は10年・15年ほどのものが多いのが特徴です。
太陽光パネルの故障
出典:堀瓦工業有限会社
太陽光を設置している部分に鳥などが巣を作ることがあります。石や落ち葉、木の枝などが溜まることで配線をかじられて発電しない場合があるので、定期的に点検するようにしましょう。
断線
断線はクラスタ故障(クラスタ断線)と呼ばれており、ソーラーパネル内部の線が断線している現象のことです。パネル1枚の3分の1もしくは、3分の2の発電が低下している可能性があるでしょう。
クラスタ故障(クラスタ断線)は、メーカー保証になる場合とならない場合があるので、精密な点検が必要です。
パワコンの故障
出典:日経BP
パワコンが故障すると、パワコン自体に電源が入らず動作していないことが多いでしょう。再起動しても電源が入らない場合は、故障している可能性が考えられます。
ほかにも、エラーメッセージが表示されていたり、パワコンから異音がある場合も、パワコンが故障していると考えられます。定期的に点検しておくようにしましょう。
自然災害による被害
地震・雷・土砂災害・強風などの影響を受けてしまうことで、太陽光発電の稼働に影響が出てしまう場合があります。
例えば、雷が落ちると、地面から電柱・電線・蓄電池まで流れてしまいショートしてしまう場合もあるでしょう。自然災害が起こったあとは、必ず点検するようにしてください。
太陽光発電のメンテナンス事項と必要な費用
住宅用太陽光発電の年間維持費が0.5万円/kWだったのに対し、住宅用太陽光発電は0.3万円/kWという価格が相場と言われています。
種類 | 費用 |
定期点検 | 7,000~8,000円/年 (4年に1回30,000円) |
メンテナンス | 必要があれば実施。基本定期点検のみ |
パワーコンディショナー | 22,500円/年 |
保険 | 5,000円/年 |
住宅用(家庭用)太陽光発電が3kW~5kWといった小さな規模であることが理由でこの差が生まれますが、同じように同じように維持費はかかってくるため、その項目や価格を紹介します。
メンテナンスに必要な費用
規模が小さいとは言えど住宅用太陽光発電も、定期点検を行う必要があります。しかし産業用のものと異なり、法律で義務付けられていないため、あくまで4年に1度の定期点検を推奨しているという形になります。
その定期点検の費用ですが、令和2年度の経済産業省の最新データによると、1回当たり2.9万円が相場です。器材の故障が発見されたり、修理を行う場合は保証の範囲内の故障であれば無料で直してもらえる場合もあります。
太陽光発電のメンテナンス
具体的なメンテナンスの内容は以下のようなものがあります。
- 定期点検
- 清掃
- 除草作業
産業用太陽光発電の場合、定期点検が義務化されています。また、発電効率を保ち、故障を防ぐため、年に1~2回程度の清掃・除草作業が必要です。
住宅用太陽光発電では、4年に1度は定期点検が必要です。ソーラーパネルの汚れは基本的に雨で落ちるようにできており、加えて住宅用太陽光発電の多くは屋根に設置されているため、除草作業も不要です。
太陽光発電のメンテナンス時の点検内容
太陽光発電のメンテナンスは、10kw未満を住宅用、10kw以上を産業用で区別されています。
電気事業法によって、50kw未満が低圧、50kw以上が高圧の連係になっているのが特徴です。
点検は、下記の3つに分かれています。
- 竣工時点検・・・目視による外観検査と測定を行う(竣工時)
- 日常点検・・・目視による外観検査(毎月1回以上)
- 定期点検・・・目視による外観検査と測定を行う(4年に1回)
それぞれの点検は時期が異なります。
太陽光発電のメンテナンス以外に必要な費用
太陽光発電のメンテナンスで、点検そのもの以外に発生する費用を紹介します。
点検時の足場費用
住宅用太陽光発電の場合は屋根にパネルが設置されているため、点検に足場が必要になる場合があります。
足場代は点検費用とは別に、8~10万円程度かかります。
メンテナンスで不具合が見つかった時の修理費
点検時に不具合が見つかれば、別途修理代が必要です。
メーカー保証の対象内であれば、修理代・交換代はメーカーに対応してもらえます。メーカー保証の期間を過ぎている場合には、自費での修理となります。
また、自然災害が原因の故障などメーカー保証の対象外となる故障は、保険に入っておくことで賄える可能性が高いです。
ただし、地震被害や盗難被害など、保険の範囲外となる故障の場合は自費での修理となります。
太陽光パネルのメンテナンスに関するよくある質問
太陽光パネルのメンテナンスについてよくある質問をまとめました。
メンテナンスは素人がやっても大丈夫?業者に依頼したほうがいい?
自分が行なっても違反にはなりませんが、太陽光パネルの点検やメンテナンスは専門の業者に依頼することをおすすめします。
太陽光パネルの表面は基本的にガラスで覆われています。
パネルはちょっとした衝撃で割れる可能性も大いにあり、メンテナンス方法について精通していない素人が手を出してしまうと、発電効率をあげるどころかかえって修理代がかかってしまった…ということになりかねません。
それでもメンテナンスに関わりたいというのであれば、毎日発電量をモニタリングするようにしましょう。
発電量を毎日確認していると異変に気付きやすく、故障などのトラブルを早期発見することができますよ。
万が一故障していたら修理費は全額負担?
太陽光パネルのメーカー保証の適用期間であれば無償で保証が受けられます。
メーカー保証には、システム保証と出力保証の2種類あります。
システム保証は、製造上の問題で破損や故障をした場合や、説明書通りに使用していたのに故障してしまった場合に保証を受けることができます。
一方出力保証は、パネルの出力がパネルメーカーが定めている最大出力を下回った際の保証です。
保証期間はメーカーによって異なりますが、一般的にはシステム保証は10〜15年、出力保証は10〜25年となっています。
ただしメーカー保証では保証を受けられないケースもあります。
例えば、地震や台風などの自然災害で太陽光パネルが破損してしまった場合はメーカー保証の対象外です。
そのため自己負担となってしまいます。
自然災害で設備が故障してしまった際には、別途で保険に加入して、保険で修理費を補償してもらう必要があります。
保険については、以下の記事で詳しく解説しているので併せてチェックしてみてくださいね。
メンテナンスが必要なのは太陽光パネルだけ?他の設備は?
メンテナンスは太陽光パネルだけではなく、パワコンやケーブル、接続器なども行う必要があります。
パワコンから異常な音がしていないか、ケーブルが切断されていないかは、素人でも目視などで確認することができます。
ただし、実際に触ると危険なので異常を発見したら、専門業者に点検を依頼するようにしましょう。
ソルセルでも修繕工事についての相談が可能です。ぜひお気軽にお問い合わせくださいね。
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まとめ
最後に維持費についてまとめたいと思います。
住宅用太陽光 | 事業用太陽光 (パネル容量:70kW、システム容量50kWの発電所:1区画あたり) |
|
定期点検 | 7,000~8,000円/年 | 電気的点検(精密点検):80,000円 目視点検:40,000円 |
メンテナンス | 200,000円/年 | 50〜200万円 / 年 |
パワコン | 25,000円/年 1kWにつき500円/年 ※保証対象外期間の交換には20万~30万円 |
20〜40万円/年 |
保険 | 35,000円~45,000円/年 1kWにつき600円~700円/年 |
賠償責任保険:約7,000円 売電補償:約10,000円 火災保険:50,000円~80,000円(動産総合保険非加入の場合) |
撤去費 | 50,000円/年 1kWにつき1000円/年 |
1kWあたり2万円 |
税金は規模と評価価格によって変動するため一概に価格を出すのは難しいです。ですが1kWあたり0.5万円の維持費が年間にかかるというのは目安として覚えておくべきです。
十分に料金シュミレーションを重ねて、損をしない太陽光発電を見極めましょう。
この記事を書いた人
ikebukuro