オムロンのパワコンは評判が悪い?メリット・デメリットや安全性や価格、蓄電池についても解説
- 公開日:2024.12.09
- 更新日:2024.12.09
パワーコンディショナー(パワコン)は太陽光発電システムの心臓部とも言える働きをします。太陽光パネルから発電された直流電気を交流電気に変換し、家庭用電力として使用できるようにする重要な機器です。
パワコンの変換効率や耐久性によって、発電量やメンテナンスコストに差が出ます。
オムロンのパワコンは、高性能で安全性に優れていることが特徴です。
本記事においては、オムロンのパワコンの特徴とメリット・デメリット、評判について詳しく解説します。
さらに、オムロンのパワコン「KPW/KPVシリーズ」製品の特徴、価格相場、オムロ保証期間、そして太陽光発電で作った電気を貯められる蓄電池についても詳細に説明します。
目次
オムロンの会社概要
社名 | オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社 |
本社所在地 | 東京都港区港南2-3-13 品川フロントビル7F |
設立 | 2011年 (平成23年) 4月1日 |
代表者 | 代表取締役社長 四方 克弘 |
事業内容 | ・再生可能エネルギーの管理システム ・公共輸送の業務効率化 ・道路状況の可視化等 |
公式サイト | https://socialsolution.omron.com/jp/ja/ |
オムロン株式会社は、オートメーションのリーディングカンパニーとして、工場の自動化(オートメーション化)を中心とした制御機器、電子部品、駅の自動改札機や太陽光発電用パワーコンディショナーなどの社会システム、ヘルスケアなど多岐にわたる事業を展開。
約120もの国・地域で商品・サービスを提供している京都市に本社を構えている企業です。
近年は、長期ビジョン「Shaping the Future 2030」でサステナビリティ重要課題を定め、自社拠点でのカーボンニュートラル推進を実施すると共に、新電力に関連する事業を活性化しています。
オムロンのパワコン「KPW/KPVシリーズ」製品の特徴
オムロンのパワコン「KPW/KPVシリーズ」製品の特徴は、下表の通りです。
項目 | 特徴 |
高効率 | 最大98.8%の超高効率 |
高耐久性 | IP65相当の防水・防塵性能と、-40~60℃の動作温度範囲を実現 |
多彩な機能 | スマートグリッド連携機能、自家消費用機能、遠隔監視機能など |
安心のサポート | 24時間365日対応のコールセンター、保証期間5年 |
また、KPWシリーズには、「KPW-Aシリーズ」と、「KPVシリーズ」の2種類があります。
KPW-Aシリーズは、FIT終了後や完全自家消費用の太陽光発電設備に適しています。余剰電力を売電せず、蓄電池と併用し、エネルギーマネジメントシステムで自動的に制御することで、自家発電したエネルギーを効率よく消費することができます。
一般的な太陽光発電システムに適しているのは「KPVシリーズ」です。余剰売電にも対応可能で、住宅用・小規模商業用として評判が高くなっています。価格が安いのもポイントで、初期コストを抑えることも可能です。
オムロンのパワコンの価格相場|他社と比べると高い?
メーカー | 価格相場 |
オムロン | 15万円前後 |
安川電機 | 45万円前後 |
ファーウェイ | 10万円前後 |
パナソニック | 40万円前後 |
オムロンのパワコンは、高性能で信頼性が高いことで評判です。
そのため、価格も他のメーカーのパワコンと比べるとやや高めです。しかし、オムロンのパワコンは、長寿命で故障が少ないため、トータルコストで考えるとお得な選択肢と言えるでしょう。
オムロンのパワコンの価格相場は、単相用屋内型パワコンのKPK-A50で約15万円、KPK-A40で約11万円となっています。設置費用は施工会社によっても大きく違いが生じるので、販売店に対して見積もりを取ることをおすすめします。
パワコンは太陽光発電システムの心臓部です。高性能なパワコンを選択することによって、太陽光発電システムの発電効率を向上させ、発電量を増やすことができます。
また、オムロンのパワコン「KPW/KPVシリーズ」の製品は、太陽光発電システムの故障を未然に防ぐための機能も備えています。
オムロンのパワコンの特徴とメリット
オムロンのパワコンは、発電効率と過積載率が高いパワフルな設計であるため、非常に良い評判を得ています。
国内有力メーカーであるオムロンだからこそ、自治体の太陽光向け補助金の対象となる可能性も高く、その結果海外メーカー品よりも安価に導入できる場合もあり得るでしょう。
ここからは、メリットについて詳しく解説します。
- 発電効率に優れている
- 過積載にも対応可能で安心して使用できる
- メンテナンスフリーで、長く使用できる
メリット①発電効率に優れている
オムロンのパワコンは、高い発電効率を有しており、電力ロスが少ない(最大99.8%)ことがメリットのひとつです。オムロンのパワコンは、従来型のパワコンと比較すると、最大で10%の電力ロスを削減できます。
これは、オムロンのパワコンが独自の技術を採用しているためであり、太陽光発電パネルから発電された電気を、より効率的に家庭用電力に変換できます。そのため、オムロンのパワコンを使用することで、電気料金を節約することが可能です。
メリット②過積載にも対応可能で安心して使用できる
オムロンのパワコンは、過積載にも対応可能で安心して使用できます。
太陽光パネルの過積載とは、パワコンの容量よりも、多くの容量のパネルを設置できることをいいます。過積載を行うと、日照量が少ない曇りや雨の日にも発電量を確保できるため、年間の売電収入が増加します。
オムロンのパワコンは、従来型のパワコンに比べて、最大で20%の過積載に対応が可能です。これは、オムロンのパワコンが独自の技術を採用しているためです。
また、オムロンのパワコンは、故障の検知や復旧にも優れています。
太陽光発電システムの故障を検知すると、自動的に復旧します。そのため、オムロンのパワコンを使用することで、太陽光発電システムの故障による停電を防止できます。
メリット③メンテナンスフリーで、長く使用できる
オムロンのパワコンはメンテナンスフリーで長く使用できると評判です。オムロン独自のテクノロジーにより、メンテナンスの必要がほとんどありません。
また、オムロンのパワコンは、耐久性にも優れています。寒暖差が大きいような厳しい環境条件においても安定的に利用できるように設計されています。そのため、オムロンのパワコンは、長期間使用することが可能です。
つまり、メンテナンスの手間をかけずに、長く使用することができるため、とても経済的なのです。
オムロンのパワコンのデメリット・問題点
非常に高性能で評判のオムロンのパワコンですが、デメリットもあります。注意するべき点を把握しておきましょう。
デメリット①海外メーカーに比べて価格が高い
オムロンのパワコンは、メンテナンスフリーで長寿命で高性能なパワコンですが、海外メーカーと比べると高額です。
オムロンのパワコンの価格は、海外メーカーのパワコンと比べて約1.5倍程度です。そのため、コストを重視する方は、海外メーカーのパワコンを選択する方がよいでしょう。
デメリット②修理・交換するときに費用がかかる
オムロンのパワコンは、メンテナンスの必要がほとんどなく、長寿命です。そのため、総補用対効果の面で検討した場合には、オムロンのパワコンの方が安くなる可能性があります。
しかし、修理・交換をするタイミングが保証期間を過ぎる可能性が高いため、修理・交換をする際に故障の原因を確認するための出張費などがかかり、修理するよりも新品を購入したほうが安くつくケースが多いです。
デメリット③蓄電池との相性の確認が必要
オムロンのパワコン導入を検討する際には、蓄電池との相性も確認しなければなりません。
蓄電池との相性を確認しないで導入するとせっかくの高性能が無駄になることがあります。
特に、オムロンのハイブリッドパワコン・蓄電池ユニットは、他社のパワコンや蓄電池と組み合わせることはできません。メーカーを合わせることで、双方の機能を余すことなく使うことができます。
オムロンのパワコンの保証期間
オムロンのパワコンの保証期間は、標準で10年です。オプションで15年保証にすることもできます。
保証期間内であれば、パワコンが故障した場合、無償で修理または交換してもらえます。
オムロンのパワコンは、高性能で信頼性が高いことで評判を集めています。
そのため、保証期間も他のメーカーのパワコン(多くのメーカーで保証期間は1年としているケースが多い)と比べると長めです。また、オムロンは、保証期間が満了した後も、有償で修理やメンテナンスといったサービスを提供しています。
太陽光発電システムは、長期間使用するものなので、パワコンの保証期間はとても重要なポイントです。オムロンのパワコンは、長い保証期間と高性能で、太陽光発電システムの導入に最適なパワコンと言えます。
オムロンは蓄電池も人気
固定価格買取制度が期間満了した結果、電気の買取価格が大きく下降したことや電気料金が高騰している現状を踏まえて、オムロンは蓄電池開発に力を入れています。
蓄電容量 | 6.3~16.4kWh |
定格出力 | 1.8~2kW |
設置場所 | 屋外タイプ 屋内タイプ |
機能 | 単機能蓄電システム ハイブリッド蓄電システム 全負荷対応型ハイブリッド蓄電システム |
保証 | 15年 |
現在人気が高いオムロンの蓄電池の特徴や利用するメリットなどを見てみましょう。
オムロンの蓄電池の特徴
オムロンの蓄電池は、生活スタイル・エネルギー消費の変化に対応して機器を選び、追加することにより、電気を効率よく貯めて使用できるマルチ蓄電プラットフォームを構築しています。
オムロンの蓄電池の主な特徴は以下の3つです。
- 小型で置き場所を選ばない
- 1日2回繰り返して充電できる
- 1プラットフォームで3つのシステムを構成可能
太陽光発電の蓄電池の置き場所に困る人に向けて、オムロンは置き場所が狭くても設置できる小型の蓄電池や、太陽光発電の自家消費電力と夜間電力を1日に2回繰り返して充電できるタイプの蓄電池を提供しています。
1プラットフォームで構成できる3つのシステムはメリットの項で解説します。
オムロンの蓄電池のメリット
オムロンのマルチ蓄電プラットフォームの主なメリットをご覧ください。
単機能蓄電システム
1プラットフォームで構成できる1つ目のメリットは、季節の太陽光発電システムに簡単に後付できる単機能蓄電システムで、消費と充電した後に余った分は売電できるので、売電収入も確保できます。
ハイブリッド蓄電システム
1プラットフォームで構成できる2つ目のメリットは、蓄電池と太陽光発電を同時導入できるハイブリッド蓄電システムで、再生可能エネルギーだけで環境に優しいライフスタイルを守りたい人にぴったりです。
全負荷対応型ハイブリッド蓄電システム蓄電池
1プラットフォームで構成できる1つ目のメリットは、太陽光発電の同時導入に加えて停電時の全負荷に対応できるので、夜間でも満充電にでき、停電が発生した場合にもいつも通り生活できます。
PIDリスクがあるパネルでも接続できる
PVパネルに高電圧負荷をかけることで出力が大きく低下するPIDリスクが圧制しにくい制御システムを実現しました。
オムロンのパワコンに関するよくある質問
オムロンのパワコンを使用する場合に、気になる点についてまとめました。
オムロンのパワコンが故障したらどうしたらいい?保証申請は?
メンテナンス不足・経年劣化などが原因で、パワコンが故障することがあります。パワコンが故障すると、以下のような症状がでます。
- 電源が入らない
- エラーメッセージが表示される
- 異常に熱くなっている
- 発電量が低下している
パワコンの異常がみられる場合は、取付工事を行った施工業者に速やかに連絡してください。
故障箇所がメーカー保証の範囲内であるか確認し、保証申請も行ってくれます。
オムロンのパワコンの問い合わせ窓口はある?
オムロンのパワコンについての問い合わせは、問い合わせフォーム(メール)と電話で行えます。
mail:info-energyinnovation@omron.com
TEL:0120-085-606
受付時間 9:00~12:00/13:00~17:00
(土日、祝日、弊社休日を除く)
参考:オムロン お問い合わせ
電話での問い合わせは時間がかかることがあるため、問い合わせフォームの利用が推奨されています。
オムロンのパワコンを価格を抑えて設置するにはどうすればいい?
いくつかの業者に見積もりを依頼し、比較するのがおすすめです。
設置業者によって、工事費やサポート内容が異なります。見積もりを依頼するだけなら無料で対応してくれる場合がほとんどなので、できれば3社以上は比較してみてください。
異常に高額な悪質業者を避け、より費用を抑えられるでしょう。
ただし、値段だけを比較するのではなく、業者の口コミや実際の対応もチェックし、信頼できるところを選ぶことが大切です。
パワコンの平均価格はいくら?
資源エネルギー庁の資料によると、2023年度住宅用太陽光発電の新築案件の場合、パワコンの平均費用は1kWあたり4.7万円となっています。
つまり、5kWの太陽光発電システムを設置する際には、23万5,000円程度の費用がパワコンにかかっている計算です。
あくまで平均ですので、実際にかかる費用は、複数の業者で見積もりを取って、比較してみるのが良いでしょう。
パワコンを交換しないとどうなる?壊れたらどうなる?
パワコンの耐用年数は10~15年です。耐用期間を過ぎても交換しないで使い続けると、変換効率が低下していきます。
変換効率が低下すると、発電量が落ちてしまい、自家消費分や売電収入も少なくなるでしょう。
また、経年劣化が起こり、故障のリスクが高まります。故障してしまうと、発電が突然止まったり、エラーコードが表示されたりする可能性があります。
まとめ
オムロンのパワコンは、太陽光発電システムを導入する際に、検討したい機器の一つです。発電効率が高く、過積載にも対応しているので、安定して高い発電量が期待できます。
また、メンテナンスフリーで耐久性が高く、メーカー保証も充実しているため、長期間安心して利用できると評判です。
蓄電池も一緒に導入すると、自家消費率を高められるだけでなく、停電時の備えとなり、さらに太陽光発電を活用することができます。
一方、海外メーカーなどと比較すると、価格は少し高めです。売電収入の増加とメンテナンスコストの削減と見合わせて、初期費用の高さと採算が取れるか検討してみてください。
参考文献:
完全自家消費用パワーコンディショナ KPW-A-2|創エネ・蓄エネ・省エネの機器・ソリューションならオムロン
太陽光発電向けパワーコンディショナの定額貸出サービス「POWER CONTINUE」の開始について | オムロン
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