太陽光の発電量は天候に左右される?曇り・雨の日との比較や効率を上げるポイントを解説
- 公開日:2025.11.20
- 更新日:2025.11.20
太陽光を利用して電気を作り出す太陽光発電システムは、天候に大きく影響されます。雨や曇りの日は、太陽の光が遮られるため、晴天の日に比べると発電量は10~30%ほどに低下することも。
曇りの日、雨の日の発電効率は以下の通りです。
- 曇りの日:本来のスペックに対して40%〜60%程度
- 雨の日:本来のスペックに対して10%〜20%程度
太陽光発電を設置しようとしている方は、導入効果を上げるためにも太陽光発電と天候の関係を理解することが重要です。
太陽光発電の発電量は天候に左右される
太陽光をエネルギー源とする太陽光発電の発電量は、天候に左右されます。雨や曇り、雪など日光が出ていない日は、晴れの日と比べて発電量が約30%以下まで低下します。

さらに、日照時間の長さや日射量、パネルの設置向きなどによっても発熱量は変わります。
平常時の太陽光発電の発電量と、天候が悪い日の発電量は以下の通りです。
天気に応じて発電量は10%〜80%変動する
曇りと雨など天候が悪い日は日射量が減り、発電量にも影響を及ぼします。
曇りの日の太陽光発電の発電量は、本来のスペックに対して40%〜60%程度、そして雨の日は10%〜20%程度です。
また、雪が積もった場合や、気温上昇によって発電効率が低くなる夏場も発電効率が下がります。
太陽光発電の発電量が下がるその他の原因には、以下4つがあります。
- 気温
- 日照時間
- パネルの設置位置や角度
- パネルの汚れや破損
関連記事:【太陽光発電のメリット・デメリット】住宅用太陽光パネルの設置や効果を解説
気温・パネル温度も発電量に影響する

太陽光発電は熱に弱く、暑いときには発電量が落ちる特徴があります。
夏場が一番暑く発電量が多いと思われている方が多いですが、パネルの表面温度が高くなると発電量は下がります。
温度上昇の耐性はメーカーによって異なるものの、夏場はだいたい10%程度、発電できる電力量が低下します。
メーカーによって温度が出力に与える影響は変わってきますが、現在多く利用されている結晶シリコン型太陽電池では、25℃が最適なパネル温度です。温度が上がれば電流量は増加するものの、電圧が減少するため結果的に出力が落ちてしまいます。
一般的にパネル温度が1℃上昇すると発電効率は約0.4%低下すると言われています。
日照時間は季節によって変動する

太陽光発電は太陽光エネルギーで電力を発生させるため、季節の日照時間や天候の違いによって発電量が多い月と少ない月があります。
1年を通して発電量が多いのは夏です。
前述したように夏は高温により太陽光パネルの出力が低下しますが、日照時間が長いので、発電量は期待できます。
反対に、日射時間が短くなる冬は発電量が低下し、最も少なくなります。また、梅雨時期に悪天候が続くと、その分発電量は下がるでしょう。
関連記事:ソーラーパネルは熱に弱い?太陽光発電の発電効率を上げる熱対策・冷却方法
年間発電量は変動が少ないため収入は安定
天候や季節で発電量は変わりますが、年間の発電量は変動は少なくなっています。そのため、太陽光発電投資の場合は収入の変動はあまりありません。
毎日・毎月でみると変動はありますが、年間ベースでは10%以内のブレに収まるのが一般的です。
この安定性が、太陽光発電が長期投資先として選ばれる大きな理由の一つとなっています。
太陽光パネルも発電量を左右するので重要

太陽光パネルの設置方法や種類でも発電量は変わってくるため、詳しく解説します。
太陽光パネルも発電量を左右します。太陽光パネルの変換効率は20%前後が一般的です。発電効率が高いハイエンドモデルでも、23%程度となっています。
太陽光パネルの設置位置や角度
パネルの設置位置や角度によっても発電量は左右します。
もっとも効率良く太陽光エネルギーを作り出す為には、太陽光パネルが真正面から光を受ける状態が理想です。
そのため、設置する屋根ができるだけ太陽の光に対して真正面になる、南を向いていることが理想の位置になります。
間違えて真反対の北側に設置してしまうと、南向きに設置した場合に比べ発電量は66%も減少してしまうため、注意しましょう。
また、屋根に設置することが多く、周辺に高層ビルなどがない場合は気にする必要はありませんが、太陽光パネルが影になってしまうと発電量は低下してしまうため注意が必要です。
屋根の勾配などを配慮し、より真正面から太陽光を受けられるように調整することが大切になります。
屋根の勾配や地域・天候によって左右されるものの、一般的には太陽光パネルの角度は30度あたりが理想です。
太陽光パネルの種類・メーカー
太陽光パネルのメーカーによっても発電量が変わってきます。
特に設置場所の限られる住宅用太陽光の場合、多少設置費用が高くなっても高性能の太陽光パネルを選ぶことで、高い発電量が期待できます。
例えば、「パナソニック」のHITは、高温に強い単結晶型のシリコン太陽光電池です。夏場でも発電量が落ちにくくなります。また、アモルファスシリコンを掛け合わせることで、曇りや雨の弱い光でも発電量を保つことが可能です。
また、ドイツのメーカー「Qセルズ」の太陽光パネルは、低照度発電性能を研究開発されており、少ない光でも発電量が保てると定評があります。
太陽光パネルの汚れ
パネルの汚れも、発電効率が下がる理由です。
太陽光パネルが汚れていると、パネルの汚れが付着している箇所で太陽光がパネルに届かないため、発電効率が悪くなります。
太陽光パネルは屋外に設置するため、基本的に雨風の影響を受けたり、鳥がフンを落としたりと汚れることが多いです。
多少の砂埃であれば、傾斜も付いているため雨が洗い流してくれますが、長年使用していると、汚れが蓄積し発電効率が徐々に低下してしまいます。
そのため、一定の頻度でパネル表面の清掃を依頼するようにしましょう。年に1~2回程度の清掃がおすすめです。
関連記事:太陽光パネルは定期的な掃除が必要!洗浄時の注意点や自分で行う方法を解説
ホットスポットによる太陽光パネルの破損
汚れだけでなくパネルの破損も、発電効率の低下に影響を及ぼします。
破損や汚れがあると、ホットスポットにより発電ロスが増加するだけでなく、故障による事故リスクも高くなってしまいます。
ホットスポットとは、正常に発電している部分と日陰や汚れ、破損などで部分的に発電していない部分の間で電流値の差が生じ、発電していない部分が発熱してしまう現象のことです。
発熱量が大きければ大きいほど、太陽電池の故障や太陽光パネル全体の破損に繋がる可能性も高くなります。
太陽光発電の発電効率を高める方法

太陽光発電の発電効率を高める方法は、以下3つです。
- 太陽光パネルのストリングの組み方を工夫する
- 太陽光パネルの種類を工夫する
- 定期的なメンテナンスを行う
太陽光パネルのストリングの組み方を工夫する
太陽光パネルのストリングの組み方を工夫することで、太陽光発電の発電効率を高められます。
ただ闇雲に、たくさんのモジュールを並べるだけでは、発電効率を高めることはできません。
一般的に、発電ロスを少なくし発電効率を高めるための組み方では、以下2点を押さえることが大切になります。
- ストリングが複数の場合、直列数を揃える
- モジュールを多く結んだストリングにする
ストリングの組み方で発電効率を良くするには、一部分の悪影響をパネル全体に波及させないことが大切です。
そのためには、ストリングの配線を縦向きと横向きのものを組み合わせるなどの工夫が求められます。
周辺環境などによって、最適な組み方はそれぞれ異なりますが、ストリングの組み方は発電量を左右する大事な要素のため、しっかり施工会社に相談しましょう。
関連記事:太陽光パネルのストリングとは?組み方による発電効率の違いと計算方法
太陽光パネルの種類を工夫する
太陽光パネルの種類を工夫することでも、太陽光発電の発電効率を高められます。曇りや暑さに強い太陽光パネルの種類を紹介します。
特に住宅用太陽光発電の場合、設置場所が限られているので、悪天候でも発電効率の良い太陽光パネルを選ぶことが重要です。
ただし、発電効率の高い太陽光パネルは価格が高いので、産業用太陽光発電の場合は安価なパネルで枚数を増やした方が効率が良い場合もあります。費用対効果を考慮して選んでください。
ヘテロ接合太陽電池は悪天候でも安定して発電可能
シリコン系太陽電池には、単結晶型・多結晶型・アモルファス(非晶質)型の3種類があります。
ヘテロ接合太陽電池は、単結晶型とアモルファス型のシリコンを接合した太陽光パネルです。お互いの欠点を補完しあえるため、高温などの悪天候でも安定して発電することが可能です。
また、曇りや雨などでも異なる性質のシリコンが利用されている性質を活かし、安定した発電ができます。
ヘテロ接合太陽電池は、パナソニックや長州産業の太陽光パネルに採用されています。
CIS太陽電池は一部が日に当たっていれば効率的に発電できる
CIS太陽電池とは、主原料が銅銅(Cu)・インジウム(In)・セレン(Se)で製造されている太陽電池です。曇りなどの低照度下では、他の太陽電池と比較し発電効率が高いメリットがあります。
また、CIS太陽電池は薄膜で形成できるため、少ない原料で量産化できます。前述したシリコン系と比べると、パネルを製造する際に発生するCO2排出量が少なく済みます。
しかし、CIS太陽電池は、シリコン系太陽電池と比べ、発電効率が悪いというデメリットがあります。シリコン系太陽電池では20%以上の発電効率を誇るパネルがある中、約14〜15%と低めなのがCIS太陽電池です。
他の太陽電池に比べ新しい種類のため、これからの開発や改善が期待されています。
定期的なメンテナンスを行う
前述したように、太陽光パネルは汚れが付着したり、ごみが堆積したりすることで効率が低下します。
また暴風時の飛来物などによって破損することもあり得ます。
そのため、太陽光パネルを設置した後は、定期的な点検や清掃をしましょう。
しかし、屋根の上に設置されている太陽光パネルを自分で清掃するのは非常に危険です。
安全に行うためにも、安全対策や技術をしっかり持っている信頼できる会社に点検作業を依頼するようにしましょう。
関連記事:太陽光発電のメンテナンスにかかる費用相場は?義務化されている点検内容や必要性を解説
メンテナンスや定期点検は義務付けられている?
FIT認定を受けている太陽光発電設備の場合、産業用・住宅用ともに法律で点検が義務化されています。4年ごとの点検が推奨されており、点検ができていないとみなされるとFIT認定の取り消しもあり得ます。
初期不良を見つけるために導入後1年目に点検を行い、その後は5年目、9年目と4年おきに定期点検をしていくことが多いです。
太陽光発電と天候に関するよくある質問
天候が太陽光発電に与える影響について、疑問に思う方が多い点についてまとめています。
太陽光発電は雨天でも発電できる?
太陽光発電は、雨の日でもある程度発電可能です。
発電量は、晴れの日に比べると10~20%になってしまいます。ただし、年間の発電量でみると、予想発電量を大きく下回ることは少なくなっています。
太陽光発電の発電量が天候に左右される問題の解決策は?
天候が原因の発電量低下を防ぐために、以下のような対策を取ることができます。
- 悪天候でも発電可能なパネルを選ぶ
- 熱に強いパネルを選ぶ
- パネルの過積載をする
- こまめな清掃を行う
弱い光でも発電可能なパネルや、高温に強いパネルを選べば、発電量の低下を抑えることができます。
また、パワコンの容量を超えてパネルを設置する「過積載」をすると、パワコンの容量を超えて発電した電力は無駄になりますが、朝夕や悪天候時の発電量を増やすことができます。
パネルやパワコンによって性能は異なりますので、複数のメーカーを比較するようにしてください。
天候に左右されない再生可能エネルギー発電はある?
地熱・バイオマスは、再生可能エネルギーの中でも天候に左右されにくいエネルギーです。
反対に、太陽光・風力は、天候によって発電量が増減してしまいます。水力も多少ではありますが、水不足などで発電量が変動する可能性があります。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、バランスよく普及を促進することが重要です。
まとめ
太陽光発電の発電量は、天候に大きく左右されます。
曇りや雨に比べれば、日射量の多い晴れの方が、発電量が多いことは当然ですが、日射時間の一番長い夏が最も発電量が多いわけではありません。
気温などによっても太陽光パネルの発電効率が変化するため、季節によっても発電量は変化します。
また、発電効率を上げるためには、太陽光パネルを定期的に点検したり、掃除したりする必要があります。
少しでも効率良く発電するために、当記事で紹介した発電効率を高める方法を覚えておきましょう。
この記事を書いた人
ikebukuro



