余剰売電と全量売電の違いは?太陽光発電の売電方法や買取制度について解説
- 公開日:2025.11.15
- 更新日:2025.12.04
太陽光発電における余剰売電とは、太陽光発電した電力を自家消費し、余った電力を電力会社に売電する方法です。それに対して、太陽光発電の全量売電は、太陽光発電した電力を全て電力会社に売電することです。
余剰売電と全量売電どちらの対象になるかは、太陽光発電設備の出力によって決められています。以前までは10kW未満の住宅用太陽光発電のみが余剰売電の対象でした。
しかし、2020年度からは10kW以上50kW未満の産業用発電所でも適用されることになっています。
余剰売電の意味、全量売電との違いと共に、余剰売電の仕組みや税金に関する情報を詳しく説明していきます。太陽光発電投資を始める前に、必要な情報をおさえておきましょう。
目次
太陽光発電の売電制度とは
売電制度とは、太陽光発電設備で発電した電力を電力会社に売る制度のことです。一般的に売電制度というと、FIT制度(固定価格買取制度)のことを指します。
FIT制度では一定期間、相場よりも高い固定価格で売電をすることができます。
FIT制度(固定価格買取制度)とは
FIT制度とは、再生可能エネルギー源(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)で発電した電気を、国が定める価格で一定期間電気事業者が買い取ることを義務付ける制度です。
価格は毎年エネルギー庁が決定し、住宅用(10kW未満)は10年間、産業用(10kW以上)は20年間、固定価格での買取が保証されます。
FIT制度の目的は、再生可能エネルギーの普及促進による温室効果ガスの削減です。売電収入を保証することで、再生可能エネルギーの発電事業に参入しやすくしています。
電気事業者とは東京電力などの大手電力会社で、その買取費用には再生可能エネルギー促進賦課金が充てられています。
関連記事:FIT制度(固定価格買取制度)の終了後はどうなる?太陽光発電の売電価格推移【2025年】
太陽光発電における余剰売電・全量売電とは

余剰売電と全量売電の意味をはじめ、余剰売電と全量売電は選べるのか、余剰売電と全量売電はどうやって確認するのかなどを見ていきましょう。
余剰売電とは?
余剰売電とは、太陽光発電で発電した電気を自家消費した上で余った電気を電力会社に売電することです。電力会社から購入する電力を減らして電気料金を安くでき、さらに売電収入も得られます。
余剰売電の対象となる太陽光発電は、10kW未満の住宅用太陽光発電と10kW以上50kW未満の産業用太陽光発電です。対象の発電設備は、発電した電力を全て売るということはできません。
10kW以上50kW未満の発電設備は、以前は全量売電も可能でしたが、2020年度以降にFIT認定される設備は家庭や企業で自家消費できるよう設備を整える必要があります。
全量売電とは?
全量売電とは、太陽光発電で発電したすべての電気を売電することができる仕組みのことです。余剰売電よりも、売電収入が多く得られます。郊外の野立て太陽光発電設備や、メガソーラーはこの全量売電の対象です。
投資目的で太陽光発電を購入する方は、全量売電ができる産業用太陽光発電を選ぶことになります。
2020年3月までにFIT認定されている10kW以上の産業用太陽光発電設備は、全量売電が可能です。2020年度以降は50kW以上の発電所が全量売電の対象となります。
余剰売電と全量売電の確認方法
余剰売電と全量売電は、太陽光発電設備の容量によって決まります。以下の項目で確認できます。
- 太陽光発電設備の容量
- 買取期間
- 自家消費の可否
| 容量 | 売電方法 | 売電期間 |
| 10kW未満(住宅用) | 余剰売電 発電量の50%まで |
10年間 |
| 10kW以上50kW未満(低圧) | 20年間 | |
| 50kW以上(高圧) | 余剰売電・全量売電 どちらも選べる |
20年間 |
50kW未満の太陽光発電設備は余剰売電です。50kW以上の設備は余剰売電・全量売電どちらも選べます。
社屋や工場の近くに50kW以上の産業用太陽光発電設備を設置する場合は、自家消費をできるようにすることで、電力会社からの電力購入を減らせてコスト削減可能です。
余剰売電の発電設備容量は家庭用が10kW未満で産業用なら10~50kW未満で、全量売電は50kW以上です。
余剰売電と全量売電は選べる?
今後新設する場合、出力が10kW未満の住宅用太陽光発電設備と、10kW以上50kW未満の産業用太陽光発電設備は、余剰売電のみとなります。全量売電は選べません。
ただし、50kW以上の産業用太陽光発電設備は、余剰売電と全量売電を選ぶことができます。
2025年の売電単価と売電条件の変化

売電価格の推移と太陽光発電所の規模ごとの売電条件は以下の通りです。
| 住宅用太陽光発電 | 産業用太陽光発電 | |
| 2020年 | 21円(出力抑制関係なし) | 13円(10kW以上50kW未満) 12円(50kW以上250kW未満) |
| 2021年 | 19円(出力抑制関係なし) | 12円(10kW以上50kW未満) 11円(50kW以上250kW未満) |
| 2022年 | 17円(出力抑制関係なし) | 11円(10kW以上50kW未満) 10円(50kW以上250kW未満) |
| 2023年 | 16円(出力抑制関係なし) | 10円(10kW以上50kW未満) 9.5円(50kW以上250kW未満) |
| 2024年 | 16円(出力抑制関係なし) | 10円(10kW以上50kW未満) 9.2円(50kW以上250kW未満) 12円(10kW以上 屋根設置) |
| 2025年上半期 | 15円 | 10円(10kW以上50kW未満) 8.9円(50kW以上250kW未満) 11.5円(10kW以上 屋根設置) |
| 容量 | 条件 |
| 10kW未満 | 余剰売電 買取対象は発電量の50%まで |
| 10kW以上50kW未満 | |
| 50KW以上250kW未満 | 全量売電・余剰売電 どちらも選べる |
| 250kW以上 |
2020年度から低圧産業用太陽光発電は余剰売電
これまで10kW以下の太陽光発電のみが余剰売電の適用だったのが、2020年度からは10kW以上50kW未満の太陽光発電も余剰売電が適用されることになりました。
しかも、売電の上限は発電量の50%と決められています。
このような背景には、再エネ賦課金によって国民に負担がかかりすぎているということや、自家消費型太陽光発電の普及促進が考えられます。
初期投資支援スキームで屋根設置太陽光はFIT価格が大幅増額

2025年10月からスタートした国が進める「初期投資支援スキーム」により、建物の屋根上に太陽光発電を設置するケースへ優遇措置が拡大しています。
とくに注目されているのが、FIT価格の増額です。これまで地上設置型が主流だった産業用太陽光は、土地取得コストや環境景観の問題が課題となっていましたが、屋根設置型はこれらの課題を回避できるため、政策として強く後押しされています。
住宅用はもちろん、工場・倉庫・商業施設などの産業用でも導入ハードルが下がり、FIT価格が上乗せされることで投資回収の見通しも立てやすくなりました。
さらに、FIP制度へ移行が進む中でも、屋根設置型は安定した売電収入を確保できる貴重な手段として位置づけられています。電力の自家消費を組み合わせれば、工場や店舗の電気代削減にも直結するため、売電収入と電気代削減を同時に叶える二重のメリットが期待できます。
今後、Non-FIT案件の増加が見込まれる中でも、初期投資支援スキームによるFIT増額は、屋根設置型の太陽光投資をさらに加速させる重要な要因となるでしょう。
参考:初期投資支援スキームについて2025年1月資源エネルギー庁
再エネ賦課金とは?
再エネ賦課金は、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取る際に必要な費用のことです。
電気代を払う全ての国民が負担しています。

このように電気料金の明細にも記載されているので、ご家庭の明細を確認してみましょう。
再エネ賦課金の負担が始まったのは2014年からですが、当時1kWhあたり0.22円だった再エネ賦課金が年々値上がりしており、家計の負担となっています。
再エネ賦課金が値上がりしている背景には、太陽光発電や風力発電の普及に伴い、再生可能エネルギーを利用した発電所で発電した電気を電力会社が買い取る量が増えていることがあげられます。
2023年5月に再エネ賦課金は一時値下げされたものの、その後値上げを続けています。

再エネ賦課金低下の背景には、ウクライナ侵攻による化石燃料の高騰が挙げられます。
化石燃料由来の電力が高くなることで、再生可能エネルギーへの変換にかかる費用が相対的に安くなり、国民の負担額が下がっていました。
しかし、2024年度からは再度値上げとなり、2025年度には最高額となっています。
参考:再エネ賦課金とは?制度についてわかりやすく解説!【2025年最新】
太陽光発電の売電収入を増やす方法

売電収入を増やすには、以下のような方法があります。
- 太陽光発電に適した土地を選ぶ
- 発電効率の良いパネルを選ぶ
- 変換効率の良いパワコンを選ぶ
- 過積載をする
- リパワリングを行う
太陽光発電で売電収入を増やすためには立地が重要です。日当たりが良く地盤が丈夫で、自然災害に遭う可能性が低い土地を選びましょう。ハザードマップの確認は必須です。
発電効率の良いパネルや、変換効率の高いパワコンを選ぶことで、同じパネルの枚数でも発電量が多くなります。また、パワコンの容量以上のパネルを設置する「過積載」を行えば、曇りの日など天候があまり良くない日にも発電量を確保できます。
すでに稼働済みの太陽光発電設備の場合、経年劣化による発電効率低下が起こります。設備を新しくする「リパワリング」を行えば発電効率を上げられ、売電収入を増やせますが、設備費もかかるため費用対効果を試算してから検討してください。
中古太陽光発電設備なら低圧でも全量売電できる
2021年以降に新規で事業認定された50kW以下の太陽光発電所は全量売電できませんが、中古太陽発電設備ならら低圧でも全量売電できます。
FIT期間が続く限りは、従来の利回りを維持できるのです。FIT期間が終わってからも、買取価格は下がるものの全量売電できます。
そのため、現在では多くの投資家から中古太陽光発電設備が注目を集めています。
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蓄電池設置で自家消費率を高めるのもおすすめ
蓄電池とは、充電式で何度でも使用できる電池のことです。
太陽光パネルを設置するだけでも発電することはできますが、貯めておけるものがないため電気を貯めるには蓄電池が必要になってきます。
蓄電池を設置することで、発電できない夜間帯や電気代の高い昼間に家庭内で使用することができます。
台風などの災害で万が一電気が止まってしまっても、蓄電池があれば電気を使用することができます!
さらに、電気プランの契約を大手電力会社から新電力に乗り換えることで、より電気代が節約でき、太陽光発電をより効果的に活用できます。
関連記事:家庭用蓄電池はやめたほうがいいと言われる理由は?メリット・デメリットや後悔しないポイントを解説
まとめ
余剰売電は自家消費を優先し、余った電力だけを売る方式です。全量売電は発電分をすべて売る方式です。
どちらを選べるかは設備容量や地域のルールで変わるため、最新の制度と買取単価を必ず確認しましょう。収益は日射量や設計、運用で大きく差が出ます。
導入前に発電量と自家消費比率、将来の電気代や蓄電池活用まで含めてシミュレーションすることが大切です。戸建ては余剰が主流、事業用は事業計画に合わせて選ぶのが基本です。
売電単価だけでなく設置費や保守費、保険や税、出力制御の影響まで見積書に反映させ、複数社を比較して納得できる条件を選びましょう。自治体の補助金や工事スケジュールも早めに確認しておくと安心です。
ぜひ、本記事を参考にして、太陽光発電投資に挑戦してみてください。
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この記事を書いた人
ikebukuro



