太陽光発電のピークカットとは?過積載の効果や蓄電池との連携、ピークシフトとの違いを解説
- 公開日:2026.01.20
- 更新日:2026.01.20
太陽光発電システム関連でよく聞かれる「ピークカット」と「ピークシフト」について詳しく解説します。
太陽光発電におけるピークカットとは、パワコンの容量を超えて発電された電力が、変換できずにカットされてしまうことです。過積載をした太陽光発電設備では、計画的にピークカットが発生します。
またピークシフトとは、電気の使用量のピーク時間をずらすことを指します。
過積載のメリット・デメリットについても解説していきますので、太陽光発電事業を検討している方はぜひチェックしてください。
目次
太陽光発電におけるピークカットとは

ピークカットの意味には、太陽光発電の過積載で起こる「発電量のピークカット」と、節電における「電力消費量のピークカット」との2種類があります。
節電におけるピークカットについては、後の章で解説します。
太陽光発電におけるピークカット
太陽光発電投資におけるピークカットとは、太陽光パネルをパワコン容量より多く設置する「過積載」を行うことで、日射量がピーク時の発電量がカットされる状態のことです。
太陽光発電投資についてを行う上では、「発電量のピークカット」という意味で使われます。
パワコンは、太陽光発電システムを利用して発電した直流の電力を交流の電力に変換して、家庭内などに供給する変換装置です。
パワコンの容量を超えて太陽光パネルを設置すると、発電量が最大値になる時間帯には電力がカットされます。
過積載でピークカットが発生しても発電量は増える

太陽光発電を行う際には「過積載」をするケースが非常に多くなっています。
過積載とは、太陽光発電の容量がパワーコンディショナ―の容量より大きくなるような設計で設置することです。
太陽光発電は日の出から日の入りまでの時間に太陽光を利用して発電を行います。日照量が多すぎてピークカットが発生する時間は、1日のうち2~3時間程度であると言われています。
そのため、過積載を行うことにより発電量を多くしておくことで、パワーコンディショナの出力を100パーセントかそれに近い状態で発揮することができるようになり、太陽光発電全体の発電量を底上げすることができるようになります。
特に、曇りの日などの日照量が少ない日には、過積載により多くの電力を発電できるようになります。
\50分で太陽光投資が丸わかり/
ピークカットが起きても太陽光発電で過積載を行うメリット
- 全体の発電量が増える
- 日照量が少ない日でも多く発電できる
- 50kW以上のパネル出力でも低圧で契約できる
全体の発電量が増える
晴れの日であっても日照量が少ない朝や夕方の時間帯でも、発電量を上げることができパワーコンディショナの稼働時間が長くなるため、費用負担を分散させることが可能です。
それ以外には産業用太陽光発電を行っている場合に、低電圧の範囲内であれば発電量を増やすことができます。
日照量が少ない日でも多く発電できる
過積載には、前述したようにピークカットにより捨てられてしまう電力を補うほどの電力を発電したり、曇りの日など日照量が少ない日でも多くの電力を発電できたりというメリットがあります。
50kW以上のパネル出力でも低圧で契約できる
電力には「低圧電力」と「高圧電力」の2種類があり、高圧電力の契約が必要となるのは50kW以上の大口利用者です。
そのため、80kWの太陽光発電パネルを50kW未満のパワーコンディショナに接続すると、50kW未満の低圧電力のまま売電による収入を増やすことが可能となります。
太陽光発電で過積載を行うデメリット
- 初期コストがかかる
- パワコンのメーカー保証外になることがある(メーカーによる)
過積載はメリットだらけのように思われる方もいらっしゃると思いますが、デメリットもあります。
初期コストがかかる
太陽光パネルの容量を高くして過積載をする場合には準備しなければならない太陽光パネルが増えるので、初期コストが増えます。初期コストがかかる場合には、売電で投資資金を回収できるまでの期間も長くなるというデメリットもあります。
過積載をしたい場合には、初期コストとその回収期間を計算した上で決めましょう。
パワコンのメーカー保証外になることがある(メーカーによる)
デメリットは、パワーコンディショナの容量を超過したパネルを設置した場合、パワーコンディショナのメーカー保証が付かなくなる可能性があるということです。
最近ではパワーコンディショナ―に20年もの長期に渡るメーカー保証が付いていることも珍しくありません。ですが、その期間内にパワーコンデショナが故障してしまう可能性は十分にあり得るでしょう。
そのような場合にメーカー保証が付かずに修理ができず太陽光による発電ができなくなったり、修理費用を支払わなければならなかったりすると、収益を得るどころか収支はマイナスになってしまうことも考えられます。
過積載が可能なパワコンメーカー
パワコンメーカーの中には、条件付きで過積載をした場合でもメーカー保証をつけているメーカーもあります。
その条件とは、入力電流と入力電圧の条件を満たしていることであったり、過積載の上限を定めていたりといったこと。
太陽光発電を行う際に過積載を行うことを想定している場合には、過積載に対するメーカー保証がついているメーカーのパワーコンディショナを選ぶことをおすすめします。
オムロン・ファーウェイ・安川電機で過積載率の比較をしてみました。下記の表をご覧ください。
| メーカー名 | 過積載率 |
| オムロン | 200% |
| ファーウェイ | 300%以上まで可能 |
| 安川電機 | 200% |
オムロン・安川電機は、どちらも過積載率が200%となっています。また、ファーウェイは、300%以上の過積載が可能です。
2025年時点では300%以上の過積載率は必要としていませんが、発電所に蓄電池を併設する場合は、過積載率が高いパワコンを使用するほうが、将来的な発電所の価値を高める可能性があるでしょう。
太陽光発電の適切な過積載率は?

太陽光発電には過積載率と呼ばれる数値があります。ここでは、その数値の意味と計算方法について解説しましょう。
太陽光発電の過積載率計算方法
過積載率とは、パワーコンディショナの容量と太陽光パネル容量の比をパーセントで表したものです。
その計算式は、過積載率=太陽光パネル容量÷パワーコンディショナ容量となります。
そのため、容量が49.5kWのパワーコンディショナに対して、容量が54.5kWの太陽光パネルを設置した際には、54.5kW ÷ 49.5kW=1.101010…となり、これをパーセントで表した110%が過積載率となるのです。
過積載率とピークカット率の関係
太陽光発電システムでは、パワーコンディショナ(PCS)の容量を超えてパネルを設置する「過積載設計」により、年間発電量を増やすことができます。しかし、過積載率を上げすぎると、発電ピーク時にPCSの処理能力を超える電力が発生し、一部が出力制限される「ピークカット」が起こるのです。
両者には一定の相関があり、過積載率160%でピークカット率約4%、170%で約6%、200%では約12%と、過積載率が10%上がるごとにピークカット率も約2%増加する傾向がみられます。
したがって、過積載率を上げて発電量を増やすことで収益は拡大しますが、同時にパネル設置費用も増加するため、経済性のバランスを取ることが重要といえるでしょう。最適な設計を行うには、シミュレーションを活用し、収益性と損失の両面から検証するのがおすすめです。
\50分で太陽光投資が丸わかり/
節電におけるピークカット・ピークシフトとは

節電におけるピークカットは、太陽光発電でいうピークカットとは違う意味で使われます。ピークシフトの役割と合わせて解説していきます。
節電におけるピークカット

節電におけるピークカットとは、言葉の通り「使用する電力量がピークになる時間帯の使用電力量をカットすること」です。
ピークカットを行うことで、電気代が削減できる理由は以下の通りです。
- 使用電力量を減らして従量料金を下げられる
- 契約容量を下げて基本料金を安くできる
ピークカットを行うことにより、電力の需要の大幅な差を均等化することが可能です。また、高圧電力の契約はピーク時の容量で基本料金が決まるため、ピークカットで基本料金が安くできます。
節電におけるピークカットを行い最大電力需要を低くすることで、電気料金のうちの基本料金を低く抑えることができる以外にも、節電につながり継続的に電気料金を低く抑えることができるというメリットがあります。
節電におけるピークシフトの役割

電力使用量のピークを、使用量が少ない時間にずらすことをピークシフトと呼びます。工場やオフィス、一般家庭などで消費する電力量は、昼間に多く深夜に少ないのが一般的です。
ピークシフトを行うことで、電気代が削減できる理由は以下の通りです。
- 単価の高い昼間の使用電力量が減らせる
- 単価の安い夜間電力を活用できる
- 最大使用電力量を抑え基本料金を下げられる
電力会社の料金設定は、電力需要が多い夏の昼間や冬の朝夕などは高く設定され、需要の少ない夜間には安く設定される傾向です。夜間電力が安い電気料金プランを契約すれば、ピークシフトを行うことで、電気料金を下げることができます。
また、高圧の電気契約の場合、直近12ヶ月での最大使用電力量によって基本料金が決まります。つまり、一度に多く電力を使えば使うほど、基本料金が高くなってしまうのです。
ピークシフトを行って最大使用電力量を下げられれば、毎月支払う基本料金が安くなり、電気代が削減できます。
蓄電池導入でピークカット・ピークシフトができる
蓄電池を導入することで、ピークカット・ピークシフトが可能となり、電力コスト削減と系統安定化を同時に実現できます。
施設に設置された蓄電池は、ピーク時の電力消費量を削減し、同時にコスト削減と系統安定化に貢献します。 最大電力消費量を削減する方法はピークシェービングと呼ばれ、電力需要がピークとなる時間帯に蓄電池に蓄えた電力を放電することで実現します。
夏の日中は、事前に充電された電力を消費することで、電力会社から購入する電力を削減できます。 一方、ピークシフトは、電気料金が安い夜間に充電し、電気料金が高い日中に放電することで電気料金を削減します。
太陽光発電と併用することで、自家消費率を高め、余剰電力を有効活用できるのが特徴です。 また補助金制度により、企業は大幅なコスト削減を実現し、家庭は投資回収期間を短縮できます。
太陽光発電におけるピークカットに関するよくある質問
太陽光発電のピークカットについて考える時、疑問を持つ方が多い点についてまとめました。
太陽光発電のピーク時は?
太陽光発電の発電量が一番多くなる時間は、晴れの日の正午です。1年の中では、4~5月が最も発電量が多くなります。
過積載を行うと、4~5月の正午前後では太陽光発電のピークカットが発生しますが、他の季節や天候が悪い時の発電量が増えるので、メリットが大きいでしょう。
太陽光発電の過積載率は?
過積載の割合は通常120%程度です。しかし、積載率が150~200%程度のスーパー過積載と呼ばれるタイプのものもあります。
積載率が150%のスーパー過積載では、積載率100%のものと比較して、年間発電量が25%程度増加すると期待できます。
エアコンのピークカットの意味とは?
エアコンのピークカットとは、節電におけるピークカットの1つです。エアコンの設定温度を下げたり、太陽光発電システム由来の電力を使用したりして、ピーク時の使用量を減らすことを指します。
一般的にエアコンが最も稼働するのは、真夏の昼間です。ピークカットすることによって、電気代を安くしたり、環境負荷を抑えたりすることができます。
\50分で太陽光投資が丸わかり/
まとめ
本記事では、太陽光発電におけるピークカットの考え方を中心に、ピークシフトや過積載の意味、そして過積載のメリット・デメリットについて解説しました。
太陽光発電におけるピークカットとは、パワコン容量を超えて太陽光パネルを設置する「過積載」によって、日射量が最大となる時間帯の発電量が抑えられる現象を指します。
一方で、朝夕や日射量の少ない時間帯の発電量が増えるため、年間を通じた総発電量の向上が期待できます。
ただし、過積載はメリットが多い太陽光発電手法の一種ですが、デメリットについてもしっかりと把握して過積載を行うかどうか決めるようにしましょう。
この記事を書いた人
ikebukuro



