太陽光発電が雨漏りする確率は?原因・対策や保証が使えるかどうかを解説

  • 太陽光発電投資
  • 公開日:2024.11.25
  • 更新日:2024.11.25
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住宅用太陽光パネルを設置すると、雨漏りがするようになったという話を散見します。

住宅用太陽光パネルを設置する際には屋根に穴を空ける必要があるため、何らかの理由で雨漏りがするようになってしまうことがあります。

もちろん雨漏りを修繕することもできますが、修繕費用などを誰かが負担しなければなりません。

また、住宅用太陽光パネルを設置したときに発生する雨漏りを防ぐ方法は考慮する必要があります。

ここでは、住宅用太陽光パネルを設置したときに発生する雨漏りトラブルへの対処法について解説していきます。

太陽光パネルの設置後に雨漏りしてしまう理由・原因

太陽光 雨漏り

住宅の屋根に太陽光発電設備を設置したために雨漏りすることがあるのは、残念ながら事実です。ただし、なんらかのミスが原因となっていることがほとんどで、通常雨漏りが起こることはありません。

太陽光パネル設置後に雨漏りしてしまう確率は、2020年以降、国民生活センターによると太陽光発電システム全体のトラブル報告件数は2000件程度。雨漏りに限定すれば、相談件数はごくわずかなのが特徴です。

雨漏りの原因としてよくあるものを紹介します。

施行者の技術不足

住宅用太陽光パネルを設置した後に起こる雨漏りの最も多い原因は、施工者の技術不足です。

住宅用太陽光パネルの設置時に最も重要なことは安全に設置することですが、屋根に穴を空けて設置するため雨漏りや防水加工に関してもしっかりとした技術を持った施工者が設置しないと、雨漏りが起こってしまう原因になります。

また住宅用太陽光パネルには、屋根一体型と屋根置き型の2種類があり、屋根一体型住宅用太陽光パネルの場合には屋根に穴を空けずに設置することができます。

しかし、屋根置き型住宅用太陽光パネルは屋根と屋根の下の防水シートに穴を空けて固定し設置するため、施工不良の場合に雨漏りが起こる可能性があります。

設置する屋根の強度不足

設置場所の屋根が太陽光発電システムの設置に耐えうる強度を持っていない場合、雨漏りが起こってしまうことがあります。

具体的には、住宅用太陽光パネルの設置に向いていない構造が入り組んでいる屋根や経年劣化が激しい屋根、小さすぎる屋根に無理やり住宅用太陽光パネルを設置したケースです。

設置前に、屋根や住宅をしっかりチェックしてくれる業者に依頼する必要があります。

経年劣化による雨漏り

太陽光パネルは、経年劣化によって雨漏りが発生する場合があります。経年劣化による雨漏りを防ぐためには、定期的な点検とメンテナンスが必要不可欠でしょう。

とくにパネルの表面に汚れが溜まると発電効率が低下するため、定期的に清掃を行う必要があります。

また、劣化のリスクを少なくするためには信頼性の高いメーカーのパネルを選ぶことも重要です。

太陽光パネルの施工不良による雨漏りを避ける対策

太陽光 雨漏り

雨漏りなどの施工不良が起こらないようにするためには、どのような対策を取れば良いのでしょうか。

ここでは施工不良を避けるための対策について解説していきます。

①施工業者が保険に入っているかを確認する

住宅用太陽光パネル施工業者が保険に入っていれば、雨漏りが発生した場合にも対応してくれるケースがほとんどです

この保険とはリフォーム瑕疵保険のことで、住宅用太陽光パネルの設置だけではなく住宅のリフォームやその他の工事が原因となる不具合や被害を受けた場合に保証を受け取れる保険のことを言います。

住宅用太陽光パネルの設置後に、雨漏りなどが発生した場合には(修理費用ー10万円)×80%の金額を負担してもらうことができます。

太陽光発電パネルの設置業者に対しては、国土交通省によりリフォーム瑕疵保険への加入が義務付けられています。

そのため、リフォーム瑕疵保険に加入していない業者は「もぐり」であるといえるので、このような業者に施工を依頼することがないよう気を付けましょう。

リフォーム瑕疵保険を取り扱っている保険法人は、以下の法人です。

②施工IDを所有している業者を選ぶ

太陽光発電における施工IDとは、太陽光パネルの施工や販売を行うために各メーカーが独自に付与する資格のことを言います。

太陽光パネルのメーカーは国内では10以上、海外の太陽光パネルのメーカーも合わせると20以上もあります。

施工IDを取得するためには、各メーカーが行う研修に参加し座学を受講するとともに実技試験に合格しなければならず、取得後にそのメーカーの太陽光パネルの施工が可能になります。

しかし、メーカーAの施工IDを取得していればA社の太陽光パネルの施工は可能になりますが、その他のメーカーの施工にはそれぞれのメーカーのIDが必要になるため注意しましょう。

設置する住宅用太陽光パネルのメーカーを決めたら、そのメーカーの施工IDを取得している業者を選んで設置を依頼することで、施工不良のリスクを低く抑えられます。

③相見積もりをして優良な業者を探す

住宅用太陽光パネルを設置する際に依頼する業者を選ぶ場合は、IDを持っている複数の業者に相見積もりを出してもらうことも大切です。

相見積もりは、住宅用太陽光パネルの設置に必要な業者ごとの費用を比較するためにも重要ですが、それ以外にも出してもらった見積書があまりに簡略化されていないかという点をチェックする点も大切です

簡略化されすぎた見積書の場合には、どのような作業を行いその作業に対してどの程度の費用がかかるかといったことを確認することができないため、不当に高額な費用を請求される可能性もあります。

複数の業者に相見積もりを取り、見積書の内容を比較・検討してから、施工を依頼する業者を決めましょう。

④定期的にメンテナンスを実施する

住宅用太陽光パネルの設置後に発生する雨漏りを防ぐためには、定期的なメンテナンスを行うことも重要です。

メンテナンスの主な点検項目はパワーコンディショナーや太陽光パネルに汚れや破損がないか、配線に傷がないか、配線の端子の接続が誤った方法でなされていないかまた緩んでいないか、固定金具や架台に錆や破損がないかといった4点に加えて太陽光パネルの動作試験を行うというものになります。

このようなメンテナンスは自分で行うのではなく、施工してもらった業者やメーカーなどのプロに依頼することをおすすめします。

特に多くの太陽光パネルのメーカーではメンテナンス保証を行っているため、住宅用太陽光パネルを設置する前に設置に関わるだけではなく、その後のメンテナンスについても確認しておきましょう。

太陽光発電の雨漏りで保証は受けられる?

住宅用太陽光パネルを設置後に雨漏りが発生した場合、メーカー保証により修理はできるのでしょうか。

施工業者の保証をまずは確認しよう

雨漏りの原因は、施工不良であることがほとんどです。まずは、取付を依頼した施工業者に修理を依頼し、保証を確認しましょう。

太陽光発電システム設置の契約をする際に、雨漏りやその他の瑕疵が発生した場合の保証をしている施工業者を選ぶようにしてください。

メーカー保証は対象外が多い

住宅用太陽光パネルメーカーの保証期間内であれば、住宅用太陽光パネルが故障したり、災害により破損したりした場合に保証対応などの様々なサポートを受けることが可能です。

ただし、住宅用太陽光パネルのメーカー保証は、あくまで住宅用太陽光パネルの故障や初期不良を対象としたものであり、工事の過程で発生した雨漏りなどに関する保証や補償は義務付けられていないため、メーカーにより設置後の雨漏りへの対応は異なります。

そのため、購入した住宅用太陽光パネルのメーカーによっては、メーカ保証の対象外となり、自腹で雨漏りの修理を行う必要が出てくるケースもあります。

住宅用太陽光パネルを設置する場合には、そのメーカーに雨漏りなどの修理に関する補修が補償内容に含まれているかを確認しておくとよいでしょう。

ちなみに雨漏りの保証を行っているメーカーは、サンテック・長州産業・シャープの3つのメーカーです。

太陽光発電で雨漏りした時の修繕費用は自分で負担するの?

太陽光 雨漏り

住宅用太陽光パネルを設置した際の工事の不備により雨漏りがするようになってしまった場合、修繕費用は自分で負担しなければならないのでしょうか。

結論から言うと「施工業者の保証期間内であれば保証を受けることが可能」です。

取り扱いメーカーの正規の資格を持っており、なおかつ施工保険に加入している業者に住宅用太陽光パネルの設置を依頼すれば、保証期間内に雨漏りが発生してしまった場合には無償で修理を行ってくれます。

しかし、保証期間を過ぎている場合や施工保険に加入していない業者に住宅用太陽光パネルの設置を依頼した場合には、自分で修理費用を負担しなければなりません。

この時の費用は、雨漏りの修理費用が5万円から30万円程度、瓦など屋根材の交換が1平方メートルあたり3万円程度、天井の雨漏りの修理費用が15万円程度になります。

太陽光パネルによる雨漏りに関するよくある質問

太陽光発電を家庭に導入する際に、気になる点をまとめました。

太陽光パネルの設置費用はどれくらいで元が取れる?

10年程度で元が取れると言われています。

太陽光発電システム導入の初期費用は130~200万円程度です。設置後は売電収入が得られるのに加え、電気代が削減できます。

電気の使用状況や太陽光パネルの容量によって、どれくらいで元が取れるかは異なります。太陽光パネル設置業者に、シミュレーションを依頼すると良いでしょう。複数の業者に依頼すると、より正確な結果が得られるのでおすすめです。

太陽光パネルの耐用年数は?

太陽光パネルの法定耐用年数は17年です。しかし、メンテナンスの頻度やパネルの種類によっては、30年以上発電し続けられます。

ただし、太陽光パネルで発電した電気を家庭で使えるように変換する「パワーコンディショナー」は、耐用年数が10~15年です。太陽光パネルほど寿命が長くないので、交換が必要になると思っておきましょう。

太陽光パネルを0円で設置できる方法があるって本当?

太陽光リースを利用すると、初期費用が0円で自宅に太陽光パネルを設置できます。

月々定額のリース料金を支払えば、発電した電気は使い放題で、余剰電力の売電で収入を得ることも可能です。

メンテナンスはリース業者に任せられ、費用はかかりません。

10~15年の長期契約となりますが、契約終了後は太陽光発電システムが契約者に無料譲渡されます。

初期費用を抑えて太陽光発電システムを設置したい方におすすめです!

太陽光発電は屋根を傷める?

屋根材の上に架台を設置する屋根置き型の場合でも、正しく施工すれば屋根を痛めることはほとんどありません。

むしろ、太陽光パネルが直射日光や風雨を遮り、屋根が傷みにくくなるメリットもあります。

ただし、築年数が長いなど、太陽光パネルの設置に耐えられない家屋の場合、ソーラーパネルの重さが屋根や柱に負担をかけて、耐震性が下がったり、劣化が進んだりする原因になることもあります。

事前の調査が重要です。

太陽光発電は雨でも発電する?

晴れの日よりは発電量が落ちますが、曇りや雨の日でも発電はできます。

晴れの日に比べると、曇りの日の発電量は40~60%程度、雨の日は5~25%程度とされています。

毎日の発電量でみると上下がありますが、年間発電量ではシミュレーションと大きく差が出ることはない傾向です。

太陽光発電を陸屋根に設置すると雨漏りする?

他の形状の屋根と同様、正しく施工ができれば雨漏りの可能性は低いです。

陸屋根(ろくやね)とは、地面と水平に1面で設置される屋根のことです。平坦なので、太陽光発電の設置がしやすくなっています。

ただし、太陽光パネルは角度をつけて設置した方が発電量が多いため、追加で専用の架台が必要になる場合があり、費用が増えることがあります。

まとめ

ここまで、住宅用太陽光パネルを設置する際に雨漏りがする理由や、それを防ぐ方法、そしておすすめの太陽光発電一括見積サイトについて解説してきました。

住宅用太陽光パネルの設置に伴う雨漏りを防ぐための方法がお判りいただけたと思います。

ここで記述した内容をもとに、施工業者やソーラーパネル業者をよく吟味して、失敗のない住宅用太陽光パネルの設置を行いましょう。

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この記事を書いた人

ikebukuro

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