エシカル消費とは?環境と社会に与えるメリット・デメリットと私たちにできること

  • 再生可能エネルギー
  • 公開日:2026.01.07
  • 更新日:2026.01.07
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エシカル消費の取り組み事例、問題点について分かりやすく解説します。SDGsとの関係や、自分たちにできることも紹介していきます。

エシカルとは「倫理的・道徳的な消費」を意味する言葉です。人や地球環境、社会、地域に思いやりのある消費をエシカル消費といいます。

地球環境と、供給するための労働に配慮した消費行動であるエシカル消費について、私達が配慮し、選択した消費行動が地球環境にどのように還元されるか一緒に考えてみましょう。

参考:エシカル消費とは?考え方やSDGsの関係・個人ができることも

エシカル消費とは?わかりやすく解説

エシカルとは、直訳で倫理的・道徳的な消費を意味する言葉です。具体的には人や地球環境、社会、地域に思いやりのある消費を指します。

また、エシカル消費は、英語では 「Ethical Consumption(エシカル・コンシュンプション)」 と呼ばれます。直訳すると「倫理的な消費」という意味です。

価格や利便性だけでなく、環境負荷の低減や公正な労働、地域社会への貢献といった観点を重視する点が特徴です。

なぜエシカル消費が注目されるの?

注目される背景のひとつに、環境問題への意識の高まりがあります。近年の地球温暖化・沸騰化ともいわれる異常気象は、森林破壊や温室効果ガスの排出が原因と言われています。エシカル消費で環境負荷を減らす製品を選ぶ人が増えているのです。

また、SDGsの広がりも大きな要因です。課題とされている環境問題や人権問題、貧困、食料危機を解決する手段として注目されています。

さらに、未だ、途上国の生産に関わる人々の貧困が解決されていない点があげられます。日本が輸入している製品の中には発展途上国が輸入元となっている物が少なくありません。

エシカル消費とSDGs

エシカル消費は購入者が生産者の生産背景を知った上で製品の選択をする場面がほとんどですので、SDGs 目標12「つくる責任 つかう責任」の目標を達成する1つの手段として有効です。

持続可能な消費と生産パターンを確保する理念です。製品をつくる生産者はもちろん、購入者にも購入する責任があるという考え方です。18世紀後半、産業革命以降私達は地球環境に負荷をかけながら発展をしてきました。

需要量を大幅に上回る大量生産・大量消費。その後には大量廃棄が続きます。すべての人類とは言い切れないですが、この活動を続けると地球温暖化などを加速させる要因の1つになります。

エシカルとCSR

CSRとは、「Corporate Social Responsibility」の略称で、「企業の社会的責任」という意味です。

CSRの国際標準規格であるISO26000では、企業が社会的責任を果たすための7つの原則を示しており、その中の1つに「倫理的な行動」があります。

つまり、エシカル消費や、エシカル製品の生産はCSRを果たす行動の1つであると言えます。

個人でできるエシカル消費の具体的な取り組み例

エシカル消費の具体的な取り組みを、消費者庁が定める3つの柱に沿って紹介します。

人・社会への配慮

  • フェアトレード製品を選ぶ
  • 障がい者施設や地域の作業所で作られた製品を選ぶ

ただ必要な製品を選ぶのではなく、どのような背景で作られた製品であるかを考慮して選ぶことが、エシカル消費につながります。

例えば、「フェアトレード製品」の購入です。フェアトレード製品とは、原料の生産・加工・製造をへて、完成品になる各工程で国際基準が守られている商品を指します。具体的には、コットン製品やコーヒー豆、チョコレートなどがあります。

発展途上国では生産に関わる人たちが未だに貧困から抜け出せず、児童労働が蔓延しているという悲しい現実があります。公正な取引をすることで発展途上国の生産者の生活を支援でき、子供立ちは教育を受けられるようになり、産業の持続が可能です。

また、障がい者施設や地域の作業所で作られた製品の購入も、社会貢献につながります。

国際フェアトレード認証マーク

引用:FAIRTRADE

フェアトレード製品には、国際フェアトレード認証マークが貼られています。

この認証マークは、社会的・環境的・経済的基準を満たした商品にのみつけられるマークで、生産者にとってフェアな価格で貿易をしているという意味があります。

地域への配慮

  • 地産地消をする
  • 商店街や地域の小規模店舗で買い物する
  • 被災地の特産品や生産物を購入する

地産地消とは、地元の農家さんが野菜や精肉を地元で販売し、消費者が購入することです。商品の輸送にかかるエネルギーが削減でき、環境負荷が軽減できます。スーパーで買い物するときでも、できるだけ国産や産地が近い商品を選べばエシカル消費と言えます。

また、なるべく地元のお店で製品を購入することを意識することによって、地域の活性化になるでしょう。

また、地震などの自然災害に見舞われた被災地の特産品や生産物を購入することも、エシカル消費の一環です。地域の復興や経済支援につながります。

環境への配慮

  • マイボトルやエコバッグを持参する
  • エコマークなど認証マークがついた製品を選ぶ
  • 再生可能エネルギー由来の電力を使う

エシカル消費を意識するうえで、環境に配慮することも忘れてはいけません。

マイボトルやエコバッグを使用して、プラスチックの使用を減らすことも1つ。また、環境にあまり負荷がかからない商品を意識的に購入することもエシカル消費といえます。

環境負荷の低い製品は、認証マークで確認可能です。例えば、エコマークや「FSC認証」などが挙げられます。

水産物においては、海洋資源の保護に配慮されて獲られた水産物を示す「MSC認証」や、環境負荷に配慮された水産物を示す「ASC認証」のラベルが付いたものを選ぶといいでしょう。

また、電力会社の契約を再エネ由来の電気を使えるプランに変更したり、自宅に太陽光パネルを設置したりすれば、環境に優しい電力を使えます。

参考:エシカル消費とは|消費者庁

企業ができるエシカル消費の具体的な取り組み例

企業は、個人よりも大きな影響力と経済的な余裕を持つため、より効果的で持続的なエシカル消費への取り組みが可能です。

ここでは、企業が実践できる具体的な取り組み例を紹介します。

サプライチェーンの見直し

サプライチェーンとは、原料から製造・流通まで、製品が消費者に届く一連の流れを指します。取引先をエシカル消費の観点から選べば、自社だけで取り組むより効果的です。

例えば、森林破壊につながる原料を避けたり、労働環境が守られている工場を取引先に選んだり、環境負荷の高い航空便を避け鉄道を利用したりするなどの取り組みが挙げられます。

再生可能エネルギーの導入

社屋や工場の屋上に太陽光発電パネルを設置することで、二酸化炭素の排出量0の電気を使えるようになります。

近年、自家消費型の太陽光発電設備を促進されています。最初の4年間は売電価格が高くなる「初期費用支援スキーム」の開始で、屋根上に設置する場合には初期費用を早く回収できるようになり、さらに導入しやすいです。

蓄電池と合わせて導入し、売電は行わないことで、使える補助金が増える場合もあります。

初期費用をかけたくないなら、PPAモデルの採用もおすすめです。

関連記事:

法人企業が太陽光発電を導入するメリット・デメリットとは?注意点も解説

オフサイトPPAとは?オンサイトPPAとの違いや使える補助金・導入事例を解説

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新たなサービスや商品の開発

リサイクル素材を使った商品や、長く使える設計の製品、シェアリング・サブスクリプション型のサービスなど、環境・社会に配慮した新しいビジネスモデルを開発することもエシカルな取り組みの一つです。

エシカル消費に対する意識を高めている消費者・企業が増えている近年、エシカル消費をサービスや商品に取り入れることが企業の利益につながります。

エシカル消費を企業の新たなサービス創出や商品開発に取り込むことにより、新たな顧客や取引先を獲得できるような新たな商品・サービスを生み出すきっかけにもなり、現状よりも市場を拡大することが可能です。

エシカル消費に企業が取り組むメリット

エシカル消費を意識した取り組みは、企業側にもメリットがあります。

企業イメージの向上

エシカルやSDGsなどに取り組んでいる姿勢は、社会問題・環境問題に真摯に向き合って取り組んでいるというイメージを消費者や他企業に与え、信頼を得ることができます

SDGsに対する意識が高まっている現在、地球や社会の環境をより良くしていきたい」と取り組む企業であることを消費者・他企業に示すことは非常に大切です。

企業イメージの向上に繋がり、地球や社会の改善を図ると同時に自企業の改善にもつながるからです

新しい顧客を獲得

エシカル消費は年を追うごとに認知度が高まっており、エシカル消費に前向きに取り組みたいと考える人も増え続けています。

そのため、エシカル消費に関連したサービスや商品を提供することにより、エシカル消費を重視している消費者を獲得することもできるでしょう

近年は、小中学生を対象に環境・社会問題の教育が進んでいるため、若年層ほどエシカル消費への関心や意欲が高くなっています。

そのため、若年層をターゲットにしたサービスや商品開発も大きな効果を生むことが期待できます

エシカル消費の3つの問題点・デメリット

エシカル消費に取り組む場合に、デメリットと思われる点もあります。

①コストが高くなる

エシカルな製品は他製品と比べて割高になることが多く、消費者の手が届きにくくなってしまいます。フェアトレードでは取引先に適正な報酬が支払われているので、どうしても値上げせざるをえません。

フェアトレード製品に限らず、認証制度が関わる製品は全体的に価格が高くなりがちです。

その理由の一つが「認定マーク取得」にかかる手間とコストです。フェアトレードでは、製品や企業が基準を満たしているかを証明するために、「ライセンス料」と「認証料」という2種類の費用が発生します。

ライセンス料は、製品の小売価格(税抜)の約1%(または卸売価格の2.5%)が原則。

認証料は、企業の年間総売上高や取扱製品数によって異なり、年間ライセンス認証料として、100億円以上の企業で年間20万円、1億円未満の企業で5万円などの基本料金がかかります。

これらのコストが積み重なり、結果として製品価格が高く設定される傾向にあります。

しかし、逆に考えると今までの価格が安いということはフェアではなかったといえるのではないでしょうか。

②エシカル消費の認知度が低い

エシカル消費(倫理的な消費)を意識して商品を選ぶ人はまだ少なく、結果として「良い取り組みをしている企業」や「環境に配慮した製品」が目立たないまま埋もれてしまうケースも多いです。

消費者は、購入前に製品のマークや店内のポップをチェックすることで、エシカルな選択をすることができます。

また、インターネットで実際に購入した人のレビューを参考にし、価格に見合った価値が提供されているかを見極めることも、エシカル消費を広げる一歩になります。

販売者は、製品のバックボーンを消費者に伝える努力が必要です。原料の仕入れ先や、製品の製造工程などを積極的にアピールしてください。

③グリーンウォッシュに注意

グリーンウォッシュとは、本当は環境に配慮していないにもかかわらず、配慮しているかのように見せかけたサービスや商品を言います。

環境問題に興味関心を持っている人がこのような商品やサービスを利用すると、環境問題の解決に貢献できないだけでなく、グリーンウォッシュをしている悪徳企業が成長してしまいます。

となると、エシカルとはかけ離れた事態になってしまうので、消費者はグリーンウォッシュをしている企業や商品に注意を払う必要があるのです。

関連記事:グリーンウォッシュとは?問題視される理由や有名企業の過去の事例を解説

エシカル消費に関するよくある質問

エシカル消費について考える時に、気になる点についてまとめました。

エシカルとサステナブルの違いとは?

エシカルは「倫理的であること」を重視するのに対し、サステナブルは「持続可能であること」に焦点を置いています。

サステナブルな製品を選ぶことは、地球環境の保護に繋がるエシカル消費の1つであると言えます。

そして、サステナブルな社会を実現するためには、ひとりひとりのエシカルな行動が欠かせません。

エシカルとサステナブルの違いとは?

SDGsとは、2015年の国連総会で採択された「持続可能な開発目標」のことです。サステナブル(持続可能)な社会の実現を目指して、17の目標を169の具体目標が示されています。

エシカル消費は、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」に含まれる考え方です。目標12「つくる責任つかう責任」には、食品ロス・廃棄物問題や、リサイクルなどについて記載されています。

エシカル消費を実践することで、SDGsアクションを取ることができるでしょう。

エシカル消費ができる商品についているマーク一覧は?

エシカル消費を行うためには、信頼できる認証マークを参考に選ぶのがおすすめです。記事内で紹介した「国際フェアトレード認証」の他にも、以下のようなものがあります。

エコマーク
生産から廃棄まで環境負荷が少なく、環境保全に役立つと認証
グリーンマーク 紙製品が、原料に既定の割合以上の古紙を使用したリサイクル製品であると認証
GOTS認証 コットン・ウール・麻・絹などの繊維製品がオーガニックであることを保証
FSC認証 紙製品や家具などに使われる木材が、適切な管理を受けた森林由来であると証明
MSC認証 水産物が、水産資源を守るための厳格な規格に適合した漁業で得られたことを認証
ASC認証 養殖水産物が、環境問題にも配慮した世界的な基準を満たして生産されたことを認証

これらの認証マークは一例であり、他にもさまざまなマークがあります。製品のラベルを見てみて、確認してみてくださいね。

日本でのエシカル消費の普及は?

2020年に電通が行った意識調査によると、「エシカル消費」を意味まで理解している人は、対象者全体の5.7%にとどまっており、世間一般的に浸透しているとは言えない状況です。

参考:エシカル消費 意識調査2020 電通

エシカル消費が、言葉だけでなく行動として広まるには、ひとり一人の意識改革と、企業の取り組みが必要になるでしょう。

エシカル食品とはどんな食品?

エシカル食品と呼ばれるのは、以下のような特徴を持つ商品です。

  • 過剰な添加物を避けている
  • オーガニック栽培された原料を使用している
  • 廃棄物を最小限に抑えている
  • 製造過程の労働環境が守られている
  • 消費者の健康維持に役立つ

明確な基準はありませんが、ただ価格を安くすることを追及するのではなく、人権問題・環境問題などに配慮された製品がエシカル食品と呼ばれます

エシカルファッションとは?

エシカルファッションとは、倫理的・道徳的なファッションという意味で、人と地球環境にやさしいファッションを表す言葉です。

素材の選定に始まり、生産や販売までのプロセスでも人と地球環境に配慮して作られているのがエシカルファッションの定義です。

環境問題が大きく取り沙汰されている現代社会では、SDGs・サステナビリティと共にエシカルという言葉もクローズアップされるようになっているので、エシカルファッションはますます増えていくと見られています。

まとめ

日常生活を送っていく上で、消費行動をなくすことは不可能です。今までに何気なく買っていた商品。日本国内で生産者が商品の特徴を紹介、PRしている姿は目にしたことがあると思います。

しかし、島国で産業も限られている日本では輸入に頼る面が多いですよね。原材料、製品を発展途上国から輸入している事実を考えてみてください。

日本同様、途上国の生産者にも生活が、国には発展があります。先進国の欲を満たす都合だけで、過酷な労働・低賃金などを強いる世の中は近い将来変わらないといけません。

環境破壊も同様です。例えば途上国では工業排水を処理しないまま河川に排水していたとして、「途上国は環境意識が低い」と思ったとします。しかし、製造された製品を輸入し、私達が買っていたらどうでしょうか。巡り巡って私達が地球環境を破壊しているといえませんか。

今の私達にはできる範囲で取り組む姿勢が求められています。

参考:エシカル消費とは?考え方やSDGsの関係・個人ができることも

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この記事を書いた人

ikebukuro

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