安川電機パワコンの特徴とメリット・デメリットを解説!納期や保証期間なども紹介
温室効果ガス削減にむけて、日本で最も期待が集まる太陽光発電。
その太陽光発電において、注目されるのが日本企業の技術力と企業努力です。
今回は、太陽光発電のパワーコンディショナーの大手企業である安川電機と、そのパワーコンディショナーを紹介します。
安川電機のパワーコンディショナーの特徴やメリット、デメリット、「CEPT-P2HA29P9B」の詳細情報や、その保証期間などを解説していきます。
安川電機の会社概要
株式会社安川電機は、電気用品の開発と製造をする目的で、大正4年・北九州市に創業しました。
設立当初は炭鉱用電気品の生産から始まり、電動機とその応用に事業を定め、社会インフラを支える技術や製品を開発してきました。
1949年には東証1部に上場し、海外にも各地に拠点を持つグローバル企業です。
安川電機はモーター制御技術のパイオニアとして知られ、高い技術力で世界的認知度を高めました。
2020年には、半導体製造装置などに使うACサーボモーターの累計販売台数が世界第1位、産業用ロボットは世界第4位のシェア率です。
現在は、産業用ロボットなどメカトロニクス製品を主に製造する他、FIT・自家消費用のパワコンも国内外問わず販売しています。
産業用ロボットでの知名度から安川電機のパワコンを好んで使用する業界人は多く、「パワコンなら安川電機」と、多くの企業から求められています。
安川電機のパワコンの特徴とメリット
安川電機のパワーコンディショナーの特徴は、高い技術力を活かした高効率な製品であることです。
特徴は他にも、
- 発電量が多い
- 耐久性が高い
- メンテナンスが簡単
- 納品までが早い
などが挙げられます。
ここでは、特徴やメリットの詳細を解説していきます。
メリット①「発電量が多い」
パワコン選びの重要なポイントに「過積載率」があります。
太陽光発電における「過積載」は、ソーラーパネルの容量がパワコンの容量を上回っている状態を指します。
太陽光発電における過積載のメリットは、発電量が増えること、設備コストの無駄が少ないことです。
つまり、過積載率の高いパワコンは収益や費用対効果が高い傾向にあり、メリットが大きいといえます。
過積載の中でも過積載率が150%を超えるものをスーパー過積載と呼びますが、安川電機のパワコンは過積載率200%です。
これにより、発電量を最大化できます。
メリット②「耐久性が高い」
パワコンは10〜15年と長期の使用になるため、耐久性の高さは非常に重要です。
安川電機のパワコンの長所に、耐久性の高さが挙げられます。
安川電機のパワコンは、外気が電子基盤に入らないよう二重構造になっており、故障しづらく設計されています。
また、万が一故障してしまった場合、保証期間内であれば無償で修理に対応してもらえます。
メリット③「メンテナンスが簡単」
太陽光発電の耐用年数は10〜15年と一般的な電化製品と比べると長く使用することができます。長期の利用にあたって欠かせないのがメンテナンスです。
ファンやフィルタのメンテナンスは5年毎に実施するものと推奨されているため、手短に済ませられるに越したことはありません。
安川電機のEnewell-SOL P2シリーズは、定期的に清掃が必要なファンやフィルターを簡単に着脱できるため、メンテナンスがしやすいという特徴があります。
メリット④「納品までが早い」
一般的なパワコン注文から納期までの期間は3ヶ月から6ヶ月ですが、安川電機のパワコンは最短で2週間の納品です。
パワコンは交換せずに使用し続けると、劣化して発電量や売買収入の低下につながってしまいます。
故障してしまった場合には、数ヶ月発電できないリスクもあります。
また、パワコンを交換すると、最新モデルの性能を享受できたり、費用対効果が高まったりする可能性が高く、メリットは大きいです。
安川電機のパワコンのデメリット・問題点
先ほど、安川電機のパワコンの過積載率の高さを記載しましたが、実際には過積載率がより大きいパワコンメーカーもあります。
安川電機のパワコン過積載率は200%と高い数字を誇ります。
しかし競合他社であるオムロンは約250%、ファーウェイは300%と、安川電機以上に高い過積載率を出しているのです。
安川電機の過積載率は決して低い数字とは言えないものの、過積載率だけを見ると見劣りする部分があるのはデメリットと言えるでしょう。
安川電機のパワコン「CEPT-P2HA29P9B」の特徴
安川電機のパワコンには「塩害オプション」があるため、海岸沿いにある塩害地域にも導入可能です。
また、マイナス20℃までの寒さにも対応できるため、寒冷地域にも導入できます。
太陽光発電には急激な出力低下を起こす「PID現象」というものがあります。
PID現象は、太陽電池を高電圧化で使用した場合に起こる一種の劣化現象で、発電出力が20〜30%低下してしまうものです。
本機種は、太陽電池の出力低下にも対応しており、これまで接続できなかった太陽電池にも接続が可能となりました。
さらには、高周波トランス絶縁方式を採用することで、外部の商用トランスを別途設置することなく連系が可能となり、費用のコストダウンにも成功しています。
以下の表は「CEPT-P2HA29P9B」の仕様です。
定格入力電圧 | DC400V |
運転可能電圧範囲 | DC150〜DC570V |
入力回路数 | 7(1回路あたり最大10A) |
定格容量 | 9.9kW |
電圧変換効率 | 93.5%(直接入力の場合) |
系統出力方式 | 三相3線式 |
周囲温度範囲 | 〜20℃〜+50℃ |
外形寸法(W×H×D) | 650×540×310mm |
質量 | 約64kg |
安川電機のパワコンの価格相場|他社と比べると高い?
メーカー | 価格 |
安川電機 | 45万円前後 |
ダイヤゼブラ電機 | 42万円前後 |
オムロン | 16万円前後 |
ファーウェイ | 10万円前後 |
安川電機のパワコンの1台の価格は45万円前後と、他の競合メーカーと比べ価格が高い傾向にあります。
他の競合メーカーのパワコンは、ダイヤゼブラ電機42万円前後、オムロン16万円前後、ファーウェイ10万円前後と、安川電機のパワコンが比較的高いことが分かります。
価格が高い主な要因に、安川電機のパワコンが主に「三相式」を採用していることが挙げられます。
三相式パワコンは単相式に比べ、1台当たりの価格が割高です。
パワコンは電気の供給方法により「単相式」と「三相式」に分類され、電気を送る方法が違います。
単相式は家電製品のような小さな電気製品を扱う際に利用するもので、三相式は産業用など大型電気製品に用います。
しかし、三相式パワコンは単相式よりも設置台数が少なくて済むため、設置工事費用を節約できるのがメリットです。
安川電機のパワコンの保証期間
安川電機のパワコンの保証は原則1年ですが、それとは別に10年保証のオプションもあります。
10年保証を受けるには「10年保証ラベル」をパワコン本体に貼り付ける必要があり、ラベルが貼られていない場合は保証対象外です。
一般的にパワコンの寿命は10〜15年と言われています。
そのため、保証期間の10年間に何らかの不備が起こる可能性は高いと考えられるため、10年保証に入っておくと安心です。
海岸付近の塩害エリアでは、塩害オプションを付属して設置することも可能です。
本体が錆びにくいステンレス仕様のモデルも別途料金で提供されているので、沿岸部に太陽光発電システムを設置する場合でも安心して利用できます。
また、パワコンの故障時には保証期間内であれば修理に出すことが先決です。
しかし、保証期間を過ぎている場合は修理が高額になる場合が多く、新しいパワコンへ交換する必要があります。
製品の注文から納品までの期間は、3ヶ月から6ヶ月ほどかかってしまうため、故障前に新しいパワコンに交換するなどの対応が求められます。
安川電機のパワコンに関するよくある質問
安川電機のパワコン導入を検討している方がよく気になる点についてまとめました。
安川電機がパワコン事業から撤退することはある?
近年、海外メーカーとの競争が激化し、太陽光事業から撤退するメーカーがでるというような噂を耳にすることもあります。
しかし、安川電機がパワコン事業から撤退するといったニュースはありません。メーカー保証も受けることができますので、安心して選択肢の一つとしてください。
安川電機のパワコンについて問い合わせ窓口はある?
安川電機では、電話とメールで問い合わせをすることができます。
電話による問い合わせでは、問い合わせ内容によって受付時間が異なります。
電話番号:0120-502-495
問い合わせ内容 | 受付時間 |
技術(製品の使い方・機能・仕様など | 平日 9:00 ~ 12:00 13:00 ~ 17:00 (土・日・祝祭日・当社休業日は除く) |
資料(カタログ・マニュアル・外形図など) | |
アフターサービス相談 | 24時間365日 |
メールによる問い合わせは、受付日より2営業日以内に対応されます。詳しくは、以下の公式サイトを確認してください。
パワコンの修理は購入業者・設置業者経由の対応となりますので、取付工事を依頼した業者への相談してください。
安川電機のパワコンのメンテナンス頻度は?
一般的に、家庭用の太陽光発電システムのメンテナンスは、設置1年目に点検し、その後は4年ごとに点検を行います。安川電機のメーカー機器保証は10年なので、3回目の点検となる設置9年目には、劣化箇所をしっかり修理しましょう。
日常的に家庭でできるメンテナンスとしては、ファンやフィルターの目詰まりの掃除があります。
まとめ
安川電機は近年、太陽光発電事業に注力しているグローバル企業です。
安川電機のパワーコンディショナーは、その高い技術力から世界トップレベルの性能を持ち合わせています。
安川電機のパワコン「CEPT-P2HA29P9B」は、耐久性が高く、メンテナンスが容易で、納品が早いという利点があります。
また、塩害地域や寒冷地域でも利用できるのもメリットです。
特徴を把握した上で、パワーコンディショナーの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
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