カーポートで太陽光発電ができるソーラーカーポートのメリット・デメリット|後付けでもOK!

世界中の国々が脱炭素社会を目指しています。今後は、クリーンな再生可能エネルギーである水力や風力などの自然エネルギーを活用した電気の利用が、一般的になると考えられます。
水力・風力・太陽光などの自然エネルギーを利用した発電システムでは、二酸化炭素をほとんどまたは全く排出しません。そのため、地球温暖化の大きな原因となっている二酸化炭素の排出量を削減することができます。
しかし、風力や水力を利用した発電システムは大掛かりなものなので、一般の家庭で発電は難しいでしょう。
ただし、太陽光発電であれば家屋やカーポートの屋根に太陽光パネルを設置して発電することができるため、自家消費用の電力を発電することができます。
家屋の屋根に太陽光パネルの設置を行うのは徐々に広がりを見せてきています。しかし、カーポートに設置する場合には、固定資産税の問題やメリットデメリットなどの点において家屋の屋根に設置する場合とは異なる知識を持っておく必要があります。
ここでは、ソーラーカーポートを設置する場合に知っておくべき事柄について詳しく解説していきます。
ソーラーカーポートとは?
ここでいうカーポートとは、柱と屋根でできたガレージに設置する車を雨などから守る建物です。
ソーラーカーポートとは、そのカーポートの屋根に太陽光パネルを設置して太陽光発電を行えるようにしたものを言います。
ソーラーカーポートを設置することで、車を守りながら太陽光による発電を行うことができ、自家消費用に充てたり売電を行ったりすることができます。
ソーラーカーポートの種類
ソーラーカーポートには、3つの種類があります。
ここでは、それぞれの種類のソーラーカーポートの特徴について解説していきます。
①太陽光発電システム搭載型
太陽光発電システム搭載型のカーポートとは、カーポートの屋根に太陽光発電パネルを搭載したものを言います。
この太陽光発電システム搭載型のカーポートは、金属の屋根材を使用した折板屋根と言われるカーポートの上に架台を設置して、太陽光パネルをその架台の上に固定したものです。
最大のメリットは、架台の角度を太陽光発電を行うのに最適な角度に調節することができるという点です。
その場合、架台の重量が重くなることもあります。架台の従量に耐えられる強度のカーポートが必要だと覚えておいてください。
また、太陽光発電システムが使用できなくなった場合に、パネルを取り外して一般的なカーポートとして利用できるという点も、メリットのひとつです。
現在あるカーポートの上に、太陽光発電システムを「後付け」することも可能です。
しかし、太陽光発電システムの設置に適していないポリカーボネートを使用したカーポートの場合には、後付け設置ができないため注意が必要です。
②太陽光発電システム一体型
太陽光パネルを設置するために設計されたカーポートのことです。一般的な曲線状の屋根のカーポートとは異なり、屋根がフラットな形状になっています。
屋根の上に太陽光パネルを設置する際に、スペースを無駄なく利用して設置できるため、小さなスペースでも効率よく発電量が得られます。
③オーダーメード型
カーポートを設置する場所の敷地の広さや駐車する車の高さなどに合わせて設計し、その上に太陽光パネルを設置するものです。
車の駐車スペースにぴったり合ったサイズのソーラーカーポートを設置することが可能になりますが、設置費用が高額になるというデメリットもあります。
ソーラーカーポートを設置するメリットとデメリット
ソーラーカーポートの設置には、メリットとデメリットがあります。
ここでは、そのメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
ソーラーカーポートを設置するメリット
ソーラーカーポートを設置するメリットには、次のようなものがあります。
①売電で利益を得ることができる
太陽光発電システムが付いていないカーポートを購入した場合、初期費用はソーラーカーポートを導入するより低く抑えることができます。しかし、利益を得ることはできません。
ソーラーカーポートを導入すれば電気を発電することができ、自家消費用に使わなかった電気は電気会社に売電を行うことができます。
この売電による利益を挙げることができるため、ソーラーカーポートの設置にかかった導入費用を上回る収入を得ることができる可能性もあります。
太陽光発電による売電価格は年々下降していますが、太陽光発電システムのコストパフォーマンスは向上しているため、この点はあまり心配しなくて良いでしょう。
そのため、売電価格が下降している今からソーラーカーポートを導入しても、十分に元をとることは可能です。
②電気代を削減することができる
ソーラーカーポートの太陽光発電システムで発電した電気を利用すれば、電気料金の削減を行うことができます。
太陽光により発電することができるのは、日光が太陽光パネルに当たる時間帯だけですが、昼間は電気料金が高額な電力購入プランを選択している場合には、さらに大幅な電気料金の削減を行うことが可能です。
③住宅の屋根に設置する太陽光発電システムよりコストパフォーマンスが高い
住宅の屋根に設置する太陽光パネルの多くは結晶シリコン系の物です。対して、ソーラーカーポートに使用されているのは「CIS系(銅、インジウム、セレンを使用して作られた太陽光パネル)」なので、高温に強く、発電効率も高くなっています。
そのため、高温に弱い車を直射日光から守り、太陽光を受け止めてしっかりと発電可能です。
また、住宅用に用いられる結晶シリコン系の太陽光パネルと比較した場合、高温時の電力りロスが少ないため、電力の無駄を少なくできます。
ソーラーカーポートは家屋用の太陽光発電システムより、コストパフォーマンスが高いといえます。
④電気自動車の充電に使うことができる
電気自動車(EV車)を所有している方や電気自動車の購入を検討している方に、ソーラーカーポートは特におすすめです。
ソーラーカーポートに電気自動車対応のプラグインスタンドを設置すれば、自宅で発電した電気で電気自動車の充電を行え、経済的に電気自動車を利用することができます。
現在のところ、電気自動車の充電ステーションはガソリンスタンドのように多く設置されていません。自宅で電気自動車の充電を経済的にできるという点は、ソーラーカーポートの大きなメリットであるといえます。
⑤使っていないスペースを活用することができる
カーポートは車を雨などから守る役割がありますが、その屋根何にも利用されていません。ソーラーカーポートをカーポートの屋根に設置すれば、このスペースを有効活用することができます。
ソーラーカーポートを設置するデメリット
ソーラーカーポートを設置するデメリットには、以下のようなものがあります。
①発電量がシミュレーションを下回ることもある
ソーラーカーポートも住宅用太陽光発電システムと同様に、導入前に発電量のシミュレーションを行うのが一般的です。
しかし、ソーラーカーポートの設置を行う場所の条件によっては、シミュレーション通りの発電量を得ることができないこともあります。
原因としては、「近所にマンションの建設予定があり日陰の時間帯が増える」「街路樹がソーラーカーポートに影をつくる時間帯がある」などといったものが考えられます。
発電量の低下を防ぐためには、ソーラーカーポートの設置前に周囲に日影を作るものがないかなど、発電量低下の要素になるものがないか、設置業者にチェックしてもらうようにしましょう。
②導入のための初期費用が高額
ソーラーカーポートを導入する場合には、カーポートのみではなく架台や太陽光パネル本体、そしてそれらの設置費用が必要になります。
そのため、一般的なカーポートを設置するよりも初期費用が高額になってしまいます。
ソーラーカーポートの支払いは、ローンを組むこともできます。家計の大きな負担となることがないよう、設置費用の支払い方法についてもよく検討しておきましょう。
費用相場については後述していきます。
③増築のための許可を都道府県や市区町村からとる必要がある
ソーラーカーポートを導入する場合には、容積率や建蔽率の関係から建築確認申請が必要です。
この建築確認申請は、必ずソーラーカーポートの設置前に行ってください。
設置の後に建築確認申請を行って許可が出なかった場合、せっかく設置したソーラーカーポートを撤去しなければならない可能性もあるためです。
確認や申請は、設置場所を管轄する管轄の役場の都市計画課でできます。設置業者に相談してみましょう。
カーポートよりも屋根への設置がおすすめ?初期費用0円で太陽光発電を導入する方法
ここまで、カーポートに太陽光パネルを設置する場合について解説してきました。しかし、実は家の屋根の方が太陽光パネルの設置にはおすすめなんです!
家の屋根はカーポートよりも広く、多くの太陽光パネルを設置できます。さらに、高い位置にあり遮る物が少なく、日光が多く当たります。そのため、より多くの発電量が得られるんです。
自宅屋根に太陽光発電を導入するなら、初期費用0円で始められる太陽光リース「ハチドリソーラー」がおすすめです。以下のようなメリットがあります。
初期費用 | 0円 |
契約期間 | 10~15年 |
保守修理費用 | 0円 |
発電した電気 | 契約者のもの |
家庭で消費する電気 | 太陽光発電した電気は使い放題 不足分は電力会社(指定なし)から購入 |
余剰電力 | FIT制度期間中も 売電収入を契約者が得られる |
毎月の支払 | 月々定額のリース料金 不足分は購入し、電気料金が発生 |
契約終了後 | 太陽光発電システムが契約者に譲渡される |
ハチドリソーラーなら、本来120万円前後かかる初期費用が0円となります。ソーラーカーポートを設置するよりも、負担が抑えられますね。契約期間中は保守点検費用も0円で、面倒なメンテナンスはおまかせできます。
さらに、ハチドリソーラーの太陽光リースなら、月々定額のリース料金を支払うことで、発電した電気は契約者のものになります。売電価格が保証される「FIT制度期間中」にも売電収入を得ることができるのは嬉しいポイントです!
シンプルな太陽光リース「ソーラープラン」だけでなく、蓄電池とセットで導入できる「ソーラー+蓄電池プラン」と、電気自動車を走る蓄電池として使える「ソーラー+V2Hプラン」も用意。ニーズに合ったプランを選べます。
契約終了後、太陽光発電システムは無償で契約者に譲渡されます。もちろんその後も太陽光発電はできますから、リース料金なしで地球に優しいエネルギーを使い続けることができますよ。
ただし、電気使用量が少ない(160kWh/月以下)の家庭にはおすすめできません。現在の電気料金よりリース料金が高くなってしまうためです。電気の使用量は少ないけれど、初期費用0円で太陽光発電を使用したい方は、後で解説する屋根貸し・ソーラーPPAモデルの0円ソーラーを検討してみてくださいね。
初期費用0円で太陽光発電を始めたい方・FIT期間中に売電収入が得たい方・昼間の電気使用量が多い方に、ハチドリソーラーはぴったりです!
ソーラーカーポートを設置すると固定資産税がかかる?
ソーラーカーポートを設置すると、固定資産税の課税対象となるのでしょうか。
ここでは、ソーラーカーポートと固定資産税の関係について解説していきます。
固定資産税がかかるソーラーカーポートの条件
固定資産税が必要になるソーラーカーポートとは、屋根と太陽光パネルが一体化している、発電量が10kW以上であるという2つの条件を満たしているものです。
ソーラーカーポートの固定資産税の計算方法とは
ソーラーカーポートの固定資産税は、どのように計算すればよいのでしょうか。
ソーラーカーポートの固定資産税の計算方法は
- 購入額(取得額)×(1-原価率)=価格(評価額)
となり、この価格(評価額)に1.4%の税率を掛けた金額が固定資産税として毎年課されます。
ただし、評価額が150万円以下の場合には課税対象にはなりません。
具体的にソーラーカーポートにどの程度の固定資産税が必要になるかを例に挙げると、400万円のソーラーカーポートを導入した場合、、初年度は
- 400万円×(1-0.064)=374.4万円(評価額)
となり、この評価額に固定資産税の税率である1.4%を掛けた52,416円が固定資産税として課されます。
初年度のみ原価率が0.064と計算され、2年目以降には原価率が0.127となるため、2年目以降のソーラーカーポートの固定資産税は
- 400万円×(1-0.127)=349.2万円(評価額)
となり、この金額に固定資産税の税率である1.4%を掛けた48,888円が固定資産税として課されます。
ソーラーカーポートの設置費用・価格相場はどのくらい?
ソーラーカーポートの設置費用は、台数によって異なりますが、車2台が止められるソーラーカーポートの場合の設置費用は約200万円です。
当然止められる車の台数が増えれば増えるほど、パネルの枚数が多くなるので発電量も増えます。
駐車台数 | 価格 |
2台 | 180~240万円 |
3台 | 250~300万円 |
4台 | 300~380万円 |
ソーラーカーポート設置の際には太陽光パネルだけでなく、電気を家庭で使えるように変換するためのパワーコンディショナーや柱、工事費用が必要になります。
ご家庭の駐車場の面積によって費用にブレが生じるので、まずは無料見積もりサイトでシミュレーションを行うことをおすすめします。
ソーラーカーポート設置時に申請できる補助金制度はある?
民間企業や自治体、社団法人を対象にした補助金制度はありますが、個人・一般家庭で自宅にソーラーカーポートを設置する際は補助金制度の対象外となります。
できるだけ費用を抑えて設置するには、複数の施工会社で相見積もりをとり、価格や大きさ、発電量で比較して決定するのがおすすめです。
ソーラーカーポートの設置を実質的に無料で行う方法はある?
ソーラーカーポートの設置を、実質的に無料で行うことができる方法には、2つの方法があります。
ここでは、その2つの方法について解説していきます。
①ソーラーPPA
ソーラーカーポートの設置を実質的に無料で行う方法のひとつに、ソーラーPPAがあります。
ソーラーPPAとは、電気購入契約とも呼ばれ、ソーラーカーポートを設置業者が用意した資金を利用して太陽光発電システムの導入を希望しているカーポートの屋根に取り付けるサービスのことを言います。
業者は太陽光発電システムをカーポートに設置する費用を、一般の個人ではなく金融機関や投資家から集めます。
初期費用は業者が負担するため、カーポートを提供している人に対しては契約期間中の売電収入は一切入ることはありません。
しかし、契約期間を過ぎると設置された太陽光発電システムは、カーポートの所有者に無償で譲り渡されます。
ソーラーPPAの最大の特徴は、初期費用やメンテナンス費用が契約期間の間全くかからないということです。
デメリットとしては、電気代も契約で決められた金額を支払う必要があるため、電気代の節約効果は自費でソーラーカーポートを設置した場合に比べると、限定的になってしまうということです。
契約期間内であっても、停電時などの昼間に電気を使うことができるというメリットがあります。
また、契約期間が終了したら太陽光発電システムがそのまま譲渡されるため、その後は太陽光によって発電した電気を売電を行って収入を得たり、自家消費用に使用して電気代の削減に役立てることができます。
ソーラーPPAを申し込むためには、下記の3つの条件を満たす必要があります。
- ・低圧で50kWh以下の太陽光発電システムを設置すること
- ・事業及び契約期間は10年としその間の所有権は設置者にあること
- ・配線は余剰配線という方法で行われるため家庭用と売電用の配線が設置当初からセットになっていること
この3つの条件に加えて、業者は提示する契約内容に同意して初めてソーラーPPAを開始できます。
②屋根貸し
屋根貸しとは実質無料でソーラーカーポートを設置するもう1つの方法で、文字通りカーポートの屋根を業者へ貸し出す方法です。
屋根貸しを行うためには3つの条件があります。
- ・カーポートに10kWh以上の太陽光発電システムを設置することができる
- ・契約期間は20年
- ・配線方法は全量配線であること
屋根貸しの場合も、初期費用の全てが業者の負担となり、カーポートの屋根を提供する側は初期費用を全く負担することなく太陽光発電システムを導入できます。
契約期間中の太陽光発電システムの所有権は業者にありますが、カーポートの屋根を貸している側は、その契約期間中に売電収入の一部をカーポートの屋根の使用料(賃料)として受け取ることができ、太陽光発電システムを設置するカーポートの屋根を提供するだけで安定した収入を得るることが可能になります。
屋根貸しを行う場合の太陽光発電システムの初期費用やメンテナンス費用などは全て業者の負担となるため、カーポートの屋根を貸し出す側は一切の費用の負担がないというメリットがあります。
この屋根貸しで高収入を得ることはできませんが、長期的に業者と契約を結び続けることで安定した収入を得ることができるというメリットがあります。
しかし、条件によっては発電した電気をカーポートの屋根を貸した側が使用できないこともあり、その場合には電気料金の削減効果はありません。
まとめ
ソーラーカーポートの種類や設置するメリットとデメリット、固定資産税がかかるソーラーカーポートの条件と、その課税額のシミュレーションなどについて解説してきました。
ソーラーカーポートには建物用の太陽光発電システムとは異なる特徴や、メリット・デメリットがあることがお分かりいただけたと思います。
また、条件によっては固定資産税がかかるケースもあるため、太陽光発電を行う際にランニングコストの計算に組み込み、収支がマイナスにならないかをしっかりとシミュレーションしておきましょう。
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