太陽光発電システムが故障するとどうなる?原因・事例とトラブル対処法を解説

  • 公開日:2026.08.09
  • 更新日:2026.08.09
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実際の事例を踏まえ、太陽光パネルの故障原因を一つずつ検証します。また対策についても説明します。

太陽光パネルは野立てや屋根の上など、屋外の自然環境にさらされて稼働するため、さまざまな外的要因が故障を引き起こすことがあります。

また、システムの耐用年数を超えた劣化はもちろん、予期せぬ事象による物理的損傷、さらには製造上のミスも考えられます。

この記事の概要

・太陽光発電システムの故障は、発電量の低下やパワコンのエラー表示、異音・異臭、設備の破損などから気付けます。異常を見つけたら設備に触れず、安全を確保して施工業者やメーカーへ連絡しましょう。
・太陽光発電システムが故障する主な原因は、自然災害、施工不良・初期不良、経年劣化、メンテナンス不足です。故障を放置すると、発電量や売電収入の低下だけでなく、火災や感電、修理費用の増加につながる可能性があります。
・故障時はメーカー保証や施工保証、保険の対象になるかを確認し、DIYで修理せず専門業者へ依頼することが大切です。修理と売却のどちらを選ぶかは、故障範囲や修理費用、残りの売電期間、今後の収支を比較して判断します。

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太陽光発電システムが故障したときの対処手順

太陽光発電システムの異常に気付いたら、自分で分解や修理をせず、安全を確保したうえで状況を確認することが大切です。次の手順に沿って、施工業者やメーカーへ点検を依頼しましょう。

①安全を確保し発電設備にむやみに触れない

太陽光発電システムの故障が疑われる場合は、最初に人や建物の安全を確保しましょう。破損したパネルや配線、パワーコンディショナには触れないでください

太陽光パネルは、ブレーカーを切っても日光が当たっている間は発電を続けるため、感電するおそれがあります。焦げたにおいや煙、火花が確認できる場合は設備から離れ、必要に応じて消防へ連絡しましょう。

台風や地震の後にパネルが外れかけていても、自分で屋根に上がって確認してはいけません。周囲への立ち入りを避け、状況を安全な場所から確認したうえで、施工業者や専門業者へ連絡することが重要です。

②発電量やパワコンのエラーコードを確認する

安全が確認できたら、発電モニターや管理アプリで現在の発電量を確認しましょう。晴れているのに発電量がゼロになっている場合や、過去の同じ時期と比べて大幅に低下している場合は、設備に異常が生じている可能性があります。

パワーコンディショナやリモコンにエラーコードが表示されているときは、コードの文字と数字を正確に控えてください。取扱説明書やメーカーの公式サイトを確認すると、エラーの内容や利用者が行える対処方法が分かる場合もあります。

ただし、何度も電源を入れ直したり、本体を開けたりするのは避けましょう。表示画面や発電量を撮影しておくと、業者へ状況を伝えやすくなります。

③保証書を確認し施工業者・メーカーへ連絡する

発電量やエラーコードを確認したら、保証書や設置時の契約書、取扱説明書を用意しましょう。太陽光発電システムには、パネルの製品保証や出力保証、パワーコンディショナの保証、施工保証などが設けられている場合があります。

ただし、保証期間や対象となる故障、連絡先は製品や契約内容によって異なります。まずは設置工事を担当した施工業者へ連絡し、倒産や廃業などで連絡できない場合はメーカーの相談窓口へ問い合わせてください

その際は、設置年月、製品の型番、エラーコード、発電量の変化、異常が起きた日時を伝えましょう。保証対象か確認する前に別の業者へ修理を依頼すると、保証を受けられない可能性があるため注意が必要です。

太陽光発電システムの故障でよくある症状

太陽光発電システムの故障は、発電量の変化やエラー表示、音やにおいなどに表れることがあります。普段と異なる状態を見つけたら放置せず、早めに原因を確認しましょう。

発電量が大幅に低下する

晴天時にもかかわらず発電量が以前より大幅に低下している場合は、パネルや配線、パワーコンディショナなどに異常が起きている可能性があります

主な原因として、パネルの汚れや影、落ち葉、積雪のほか、パネル内部の劣化、配線の断線、接続部分の緩みなどが挙げられます。

ただし、発電量は天候や気温、季節、日照時間によっても変化するため、一日分の数値だけで故障とは判断できません。

前年の同じ月や、天候が近い日の発電実績と比較すると異常を見つけやすくなります。複数日にわたって発電量が低い状態が続く場合や、一部の設備だけ発電していない場合は、専門業者による点検を依頼しましょう。

パワコンにエラーコードが表示される

パワーコンディショナにエラーコードが表示された場合は、機器の故障だけでなく、停電や電力系統の電圧変化、温度上昇、絶縁異常などが検知されている可能性があります

コードの意味や対処方法はメーカーや機種によって異なるため、取扱説明書やメーカーの公式サイトで確認しましょう。一時的な停電や電圧変化が原因であれば、自動的に通常運転へ戻ることもあります。

一方、同じコードが繰り返し表示される場合や、運転が再開しない場合は点検が必要です。自己判断で本体を分解したり、説明書に記載されていない操作を行ったりしてはいけません。コードと型番、表示された日時を控え、施工業者やメーカーへ伝えましょう。

異音・異臭・外観の破損が見られる

パワーコンディショナから普段とは異なる大きな音がする、焦げたようなにおいがする、煙や変色が見られる場合は、内部部品の故障や過熱が起きているおそれがあります

また、パネルのひび割れや変形、架台のずれ、ケーブルの垂れ下がりなども放置してはいけない症状です。特に焦げたにおいや煙、火花が発生している場合は、火災につながる可能性があるため、設備に近づかず安全な場所へ移動しましょう。

危険が迫っている場合は消防へ連絡し、その後に施工業者やメーカーへ相談してください。外観を確認するときも屋根へ上がったり、破損部分に触れたりせず、安全な場所から写真を撮る程度にとどめましょう。

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太陽光発電設備の故障原因

太陽光発電設備の故障原因の中でもメジャーなものを3つ紹介します。

自然災害

台風や強風でパネルが飛来物に当たると、ガラス割れや配線の断線が起きます。落雷ではパワーコンディショナが故障しやすく、停電がなくても発電が止まることがあります。

豪雨や積雪は架台のゆがみや浸水につながるため注意が必要です。特に沿岸部や積雪地域では被害が出やすく、設置環境によっては想定以上の負荷がかかるでしょう。

定期点検で異常の早期発見を心がけましょう。

施工不良・初期不良

配線の締め付け不足やコネクタの差し込み不十分があると、接触不良で発電量が落ちたり、熱を持って停止したりします

屋根の防水処理が甘い場合は雨漏りの原因になります。初期不良は導入直後に出やすいので、早めに点検すると安心です。

施工基準を守らない工事は後から不具合が表面化することもあります。引き渡し後も発電量の推移を確認しておきましょう。

メンテナンス不足

パネル表面の汚れや鳥のフンが残ると、光が遮られて発電が下がります。雑草や樹木の影でも同じことが起きるため、清掃と除草を定期的に行うと効果的です。

周辺機器のフィルター詰まりや通気不足も故障につながるので、放置しないほうが良いです。

落ち葉の堆積や配線周りの劣化にも注意が必要でしょう。点検契約を活用するのも一つの方法です。

太陽光パネルの故障事例・原因

太陽光パネルの寿命は、25~30年と言われています。しかし、面積が広く、屋外で雨風にさらされているため、外部からの影響を受けやすくなっています。

太陽光パネルが故障する原因・事例として、以下の要因があります。

  • 飛来物が衝突したことによる故障
  • 地盤沈下にパネルのたわみによる故障
  • 汚れを放置したことによる故障

飛来物が衝突したことによる太陽光パネルの故障

太陽光パネルの表面は強化ガラスでできています。その特性上、一面にかかる均等な荷重には耐えられますが、局所的な衝撃には弱く割れやすいです。

例えば、野鳥が落とした石や台風などの強風で飛来した小石や木の枝が、太陽光パネルに穴を開けたりひびを入れたりする可能性があります。

そのため、太陽光パネルの外観に異常がないかを定期的に目視で確認することが重要です。

地盤沈下による太陽光パネルのたわみから起こる故障

雨による土砂崩れでメガソーラーが崩壊し、下流の住民に大きな被害を与えた事件が話題になりました。

この事件は、山林を伐採して大規模な太陽光発電設備を設置した際に、適切な造成や地盤補強が行われなかったことが原因です。

例えば、地盤の強度や地形に合わせた適切な造成や整地、地盤補強対策を行わないと、地盤沈下が進んで架台が不安定になり、太陽光パネルにたわみが生じる可能性があります。

これは太陽光発電の性能低下や故障のリスクを高めます。最も危険なのは、漏電によって火災を引き起こす可能性があることです。

太陽光パネルの汚れを放置したことによる故障

太陽光パネルは、定期的に清掃することが重要です。なぜなら、汚れが原因で発電効率が低下したり、ホットスポット現象が起こったりする可能性があるからです。

ホットスポット現象とは、ソーラーパネルの一部に障害物があることで、その部分の発電が停止し、周囲のパネルに過剰な電流が流れて発熱する現象を指します。この状態が続くと、火災が発生し大変危険です。

例えば、落ち葉や鳥のフンなどの汚れはホットスポット現象の大きな原因です。汚れを放置せず定期的に除去することで、ソーラーパネルの発電量を安定させ、故障や事故を防ぐことができます。

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パワコンの故障事例・原因

パワコンが故障する原因は以下の通りです。発電量の低下やエラーコードに気付いた場合は設置業者やメーカー相談窓口などの専門業者に連絡してください。

  • 経年劣化
  • 自然災害
  • 高温
  • メンテナンス不足

パワコンの経年劣化による故障

パワコンの寿命は、一般的な電化製品と同様10~15年程度です。

経年劣化が起きると、内部の電子部品や回路が劣化し故障してしまいます。また、過負荷状態での運転が長期間続くと、劣化が早まり故障してしまいます。

自然災害によるパワコンの故障

太陽光パネルは大雨による浸水や落雷、地震などの自然災害で故障することがあります。

例えば、パワコンの内部に水が入ると、ショートを起こしてしまいます。他にも落雷による電圧サージがパワコンに発生すると、内部回路が破損する可能性が高いです。

地震の強い揺れが原因で、パワコン内部の部品が壊れたり、配線が切れたりすることもあります。

高温が原因のパワコンの故障

パワコンは熱に弱い機器です。例えば直射日光が当たる場所や通気性が悪い場所に設置してしまうと、内部の部品が傷んで故障しやすくなります。

設置場所は、屋内の通気性が良い場所を選んでください。

パワコンのメンテナンス不足による故障

定期的なメンテナンスを怠って、故障する前の異常や劣化に気付かず放置してしまうと、急にパワコンが動かなくなったという事態になりかねません。

パワコンの通気口がホコリで詰まることも故障の原因ですので、清掃を定期的に実施する必要があります。

関連記事:太陽光のパワコンが故障する原因は?寿命や対処法、交換費用について解説

その他の太陽光発電システムの故障事例・原因

太陽光発電システムは、以下のような設備から成り立っています。

  • 太陽光パネル:太陽光を電力に変換する
  • 架台:太陽光パネルを支える
  • パワーコンディショナ:直流電力を交流電力に変換する
  • 配線・ケーブル:各設備を繋いで電力を流す
  • 接続箱:太陽光パネルの電力をまとめてパワコンに送る

この他にも、蓄電池を一緒に設置して発電した電力を貯められるようにしたり、遠隔監視装置を導入して離れた場所でも発電状況を確認できるようにしたりする場合があります。

これらの設備をもつ太陽光発電システムが、故障する原因について解説していきましょう。

発電量不足

パネルを支える金具の強度が不足していたり、ケーブルやパワーコンディショナー、蓄電池、室内用機器送配電ケーブルの配線が間違っていたりすると、発電効率が低下してしまいます

発電量が不足してしまうと、せっかく太陽光パネルを設置しても意味がなくなってしまうので、注意が必要です。

これらの故障を防ぐためには、太陽光発電システムの設置を専門的な知識と技術を持った業者に依頼することが重要です。

火災・感電

悪質業者や知識や技術不足の業者が雑に設置したりなどで、正しく太陽光パネルが設置されていなかった場合は、火災や感電の危険が高まります

火災や感電が起こってしまえば、近隣に燃え移ってしまい大火災につながってしまう可能性もあるため、必ず信頼できる業者に設置工事を依頼しメンテナンスも欠かさないようにしましょう。

クラスタ故障

太陽光発電における「クラスタ故障」とは、1つの太陽光パネルやパワーコンディショナーの故障が原因で、連携した複数のパネル(クラスタ)や、太陽光発電システム全体に影響が及んでしまうことです

例えば、1枚の太陽光パネル内で断線が起こると、一緒に繋がれている他のパネルで発電した電気をパワーコンディショナーに送れなくなり、発電量が大きく低下します。

また、パワーコンディショナーが故障すると、それに繋がっている太陽光パネルで発電した全ての電気を変換できなくなってしまいます。

経年劣化による故障

太陽光パネルは、一般的に25~30年ほどの耐用年数があります

しかし、太陽光発電設備のシステムは、経年によって変化し故障する可能性があります

その主な原因は以下のとおりです。

  • 太陽光パネルのホットスポットによる発電効率の低下
  • パワーコンディショナーのフィルター詰まりによる冷却機能の低下、過熱による基板故障
  • 鉄骨架台のサビによる強度低下、破損

早期に不具合を見つけて発電量を維持することが大切です。

定期的なメンテナンスは、より長く使用する上で欠かせません。

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太陽光パネル・パワコンの寿命は何年?

太陽光発電システムは、機器によって寿命の目安が異なります。交換時期を把握し、故障する前から点検や費用の準備を進めておきましょう。

太陽光パネルの寿命

太陽光パネルの寿命は、一般的に20〜30年程度が目安とされています。ただし、一定の年数を過ぎた瞬間に発電できなくなるわけではなく、経年劣化によって発電性能が少しずつ低下していくのが特徴です。

設置環境や施工品質、点検状況によっては、30年以上稼働するケースもあります。一方、長期間使用すると、パネル内部のひび割れや層の剥がれ、配線の腐食などが起こりやすくなります。

また、製品保証や出力保証が終了した後は、修理や交換費用が自己負担になる可能性もあるでしょう。発電量の変化を定期的に確認し、異常が見つかった場合は早めに専門業者へ点検を依頼することが大切です。

パワーコンディショナーの寿命

パワーコンディショナーの寿命は、一般的に10〜15年程度とされており、太陽光パネルよりも早く交換時期を迎える傾向があります

内部にはコンデンサや冷却ファンなどの部品が使われているため、温度や湿気、ほこりの影響を受けながら少しずつ劣化します。

寿命が近づくと、エラーコードが頻繁に表示される、運転が停止する、発電量が安定しないなどの症状が現れることがあります。

ただし、設置場所や運転状況によって使用できる年数は異なるため、年数だけで交換を判断する必要はありません。保証期間や点検結果を確認しながら、修理と本体交換のどちらが適しているか施工業者へ相談しましょう。

太陽光発電システムの故障を放置するリスク

太陽光発電システムの異常を放置すると、収入の減少だけでなく、事故や修理費用の増加につながる可能性があります。小さな変化でも軽視せず、早めに点検を受けましょう。

発電量・売電収入が低下する

太陽光パネルやパワーコンディショナーの故障を放置すると、本来発電できるはずの電力をつくれず、売電収入が低下する可能性があります

パワーコンディショナーが停止した場合は、パネルが発電していても家庭や電力会社へ電気を送れません。また、一部のパネルや配線だけに異常がある場合は、完全に停止せず、発電量が少ない状態のまま運転が続くこともあります。

そのため、モニターを見ていなければ故障に気付くまで時間がかかり、売電機会を長期間失うおそれがあります。天候や季節による変動と区別するためにも、前年同月の発電量などと比較し、大幅な低下が続くときは点検を依頼しましょう。

火災・感電など重大事故につながる

故障した太陽光発電設備を使い続けると、火災や感電などの重大事故につながるおそれがあります。たとえば、配線の損傷や接続部分の緩み、絶縁性能の低下によって異常な発熱や漏電が起こる可能性があります。

パワーコンディショナーの内部部品が故障し、発熱や発火につながった事例もあるため、異臭や異音、煙、変色を放置してはいけません。

また、太陽光パネルはブレーカーを切っても日光が当たる限り発電を続けるため、破損部分へ触れると感電する危険があります。異常を見つけた場合は設備から離れ、自分で分解や修理をせず、施工業者やメーカーへ連絡しましょう。

修理費用が高額になる可能性がある

軽微な故障を放置すると、異常がほかの部品へ広がり、修理費用が高額になる可能性があります

たとえば、配線や接続部分だけの修理で済んだ故障でも、運転を続けたことでパワーコンディショナーやパネルまで損傷すれば、複数の機器を交換しなければなりません。

また、故障によって雨水が入り込んだ場合は、腐食や漏電が進み、設備全体の点検が必要になることもあります。

保証期間内であっても、故障を長期間放置したことや不適切な使用が原因と判断されると、無償修理の対象外になる場合があります。発電量の低下やエラー表示を見つけた段階で相談することが、費用の拡大を防ぐポイントです。

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太陽光発電システムの修理にかかる費用

太陽光発電システムが故障した際にどのくらいの費用がかかるか解説します。

太陽光パネルの交換費用

太陽光パネルが故障したら1枚まるごと交換が必要です。交換費用は、パネルの容量や作業場所によって異なりますが、だいたい20〜50万円ぐらいかかるでしょう。

パネルを1枚だけ交換する場合、新設時よりも費用は割高になります。初回設置時には大量注文で割引が適用されますが、交換時には少量注文で割引が適用されないからです。

また、太陽光パネルは技術革新のスピードが早い業界ですので、古い型のパネルは在庫が少なく、特注品になってしまうこともあります。

屋上に設置されている場合には高所作業となり、足場の設置などで作業費が高くなる傾向です。

パワコンの修理・交換費用

パワコン本体の交換の場合は、メーカーやパワコン容量によって異なります。例えば、低圧(50kW未満)の太陽光発電システムの場合では、工事費を含め20~50万円程度の費用が掛かるでしょう

パワコンの部品交換だけの場合は、数万~10万円程度で済む場合もあります。しかし、パワコンの寿命が近づいている場合には、修理せずに交換することも検討してください。

新品のパワコンは発電効率を上げ、メンテナンスコストを減らすことが可能です。

その他の設備(配線・接続箱など)の修理費用

太陽光発電システムでは、パネルやパワコン以外にも、配線や接続箱、ブレーカー、架台などが故障することがあります。配線の劣化や断線を修理する費用は、数万円から十数万円程度が目安です

接続箱の部品交換や本体交換も、数万円から10万円程度かかる場合があります。ただし、配線の長さや故障箇所、設備の規模によって金額は変わるため、一律には判断できません。

屋根上や高所での作業には、足場代や高所作業費が追加され、修理費が高くなる可能性もあります。見積もりを確認するときは、部品代だけでなく、点検費、工事費、出張費、足場代が含まれているか確認しましょう。

太陽光パネルの故障に使える保証・保険

太陽光パネルの故障に適用できる保証や保険にはどういった種類があるのかを見てみましょう。

メーカー保証

太陽光発電メーカーでは、基本的に太陽光パネルとパワーコンディショナーにメーカー保証をつけており、どこのメーカーでも日本工業規格(JIS)において最低10年間無償保証するシステムです。

メーカー保証では、製造工程が理由で発生した故障だけではなく、通常仕様での故障も対象にしているので、太陽光パネルの故障については無償のメーカー保証で十分対応可能です。

また、台風や豪雪などの自然災害によって太陽光パネルや関連設備が損傷した際に補償される自然災害補償もあります。カナディアン・ソーラーのように有料で自然最大保障を提供しているメーカーもあるため、気になる方は利用してみましょう。

保険

メーカー保証が想定していないタイプの故障やトラブルは、保険で対応できます

太陽光パネルの故障の際に使える保険と適用範囲は、以下のとおりです。

保険 適用範囲
住宅用火災保険 台風、暴風、ひょう、雪、積雪などによるパネルの破損や、落雷による設備故障
住宅総合保険 火災、落雷、風災(台風・突風)、ひょう災、雪災など
火災保険 自然災害(風災、雪災、落雷など)、盗難、水災、火災、または電気的・機械的事故など、太陽光発電設備に生じた損害
動産総合保険 火災や台風などの自然災害に加え、盗難や運搬中の事故など
賠償責任保険 パネルの破損や飛散が原因で、第三者の身体や物に損害を与えてしまった場合の損害賠償金

メーカー保証が対応しない火災・落雷など補償する際は「住宅用火災保険」「住宅総合保険」などでカバーできます。賠償責任保険に加入すれば第三者の身体や物に損害を与えてしまった場合でも保険金が支払われ、多額の賠償金を支払うリスクを抑えられます。

メーカー保証だけで不十分と感じる場合には保険にも加入するのがおすすめです。

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太陽光発電システムの修理業者の選び方

太陽光発電システムの修理では、故障箇所を正しく診断し、安全に作業できる業者を選ぶことが重要です。保証や保険を使える可能性もあるため、依頼先を決める前に契約内容を確認しましょう。

まずは施工会社・販売店へ相談する

太陽光発電システムに異常が見つかったら、まずは設置工事を担当した施工会社や購入した販売店へ相談しましょう

設置時の配線や使用機器、保証内容を把握している可能性が高く、原因の確認から修理の手配までスムーズに進めやすいためです。連絡する際は、発電量が低下した時期、パワコンのエラーコード、異音や破損の有無などを伝えます。

モニター画面や設備の状態を安全な場所から撮影しておくと、状況を説明しやすくなるでしょう。施工会社が廃業している場合や連絡が取れない場合は、機器メーカーの相談窓口や太陽光発電設備に対応した専門業者へ問い合わせてください。

メーカー保証・保険が使えるか確認する

修理を依頼する前に、太陽光パネルやパワコンのメーカー保証、施工保証、加入している保険の補償内容を確認しましょう。製品の不具合であればメーカー保証、施工ミスが原因であれば施工保証の対象になる可能性があります。

また、台風や落雷、雹、盗難などによる損害は、火災保険や動産総合保険などで補償される場合もあります。ただし、経年劣化や自然消耗、免責金額を下回る損害などは対象外となることがあるため、契約内容の確認が必要です。

先に修理を進めると保険金を請求できないケースもあるので、故障箇所の写真や見積書を用意し、修理前にメーカーや保険会社へ連絡しましょう。

DIY修理は避け専門業者へ依頼する

太陽光発電システムのDIY修理は、感電や火災、設備の損傷につながる危険があるため避けましょう。太陽光パネルはブレーカーを切った後も、日光が当たっている間は発電を続けます。

見た目には停止しているようでも、配線や接続部分に電気が流れている可能性があるため、専門知識がない状態で触れるのは危険です。また、パワコンを分解したり配線を変更したりすると、保証の対象外になることもあります。

修理業者を選ぶ際は、太陽光発電設備の点検・修理実績や保有資格、見積もりの内訳を確認してください。原因や修理方法を分かりやすく説明し、作業後の保証にも対応する業者へ依頼しましょう。

太陽光パネルの故障に気づくための対策

太陽光パネルの故障に気づくための対策を次に説明します。

  • 毎日の発電量をこまめに確認する
  • 太陽光パネルの定期清掃を行う
  • 太陽光パネルの定期点検を業者に依頼する

それでは詳しく見ていきましょう。

毎日の発電量をこまめに確認する

太陽光発電装置の発電量は定期的に確認することが重要です。

発電装置に何らかの故障が発生している場合、発電量が低下してしまう可能性があります。

故障を早めに見つけて対処することで、発電効率を高めることができます。

発電量を確認する際には、パネルだけでなく、パワーコンディショナーや接続箱などの機器の状態もチェックしましょう。

また、発電量の変動をグラフなどで視覚的に把握することもおすすめです。監視システムの仕組みを理解しておくことで、発電量のモニタリングにも役立ちます。

太陽光パネルの定期清掃・除草を行う

パネルの清掃は、安全性と効率性の面から故障対策におすすめです。パネル上の汚れを放置すると発電効率が悪くなるだけでなく、特定の箇所に太陽光が当たらなくなり、異常な高温が発生するホットスポット現象を引き起こす可能性があります。

しかし、定期的に清掃を行えば汚れを落とせるため、太陽光が故障するリスクを抑えられます。

産業用太陽光発電の場合、地面に設置されたパネルの周囲には雑草が繁茂しやすいです。雑草は、設備の隙間から中に入り込み故障の原因となります。また、小動物の住みかとなってしまい、ケーブルかじりや、鳥の営巣などで故障が発生することもあります。

この問題に対処するためには、定期的な草刈りや除草が必要です。パネルの清掃と同時に依頼することで、手間を省くことができます。

太陽光パネルの定期点検を業者に依頼する

太陽光発電設備は、遠隔地に設置されることが多く、所有者が自分で管理するのは困難です。そのため、専門の保守サービス業者に委託することがおすすめです。

保守サービス業者は、発電量を監視するだけでなく、定期的に現場を点検して問題を早期に発見してくれます。

また、台風などの災害時にも迅速に対応してくれる業者もあります。保守サービス業者は、発電設備の種類や状況に応じて選ぶことが大切です。

最近では、ドローンを使った太陽光発電のメンテナンスも行われています。

これは、赤外線カメラを装備したドローンでパネルを撮影し、異常箇所を特定する方法です。

太陽光パネルには、ホットスポットやクラスタ異常、パワーコンディショナーのフィルターの詰まりなどが起こりやすく、温度異常が生じます。赤外線カメラの画像から、その位置を把握できます。

保守サービス業者を選ぶ際には、ドローンによる点検の可否を問い合わせてみましょう

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修理と売却はどちらがよい?判断ポイント

故障した太陽光発電設備は、修理して運用を続ける方法だけでなく、現状のまま売却する選択肢もあります。修理費用だけで判断せず、残りの売電期間や将来の収支、設備全体の状態を踏まえて検討しましょう。

修理した方がよいケース

故障箇所が限定されており、修理後も安定した発電や売電収入が見込める場合は、修理して保有を続ける方法が向いています

特に、FIT・FIPによる売電期間が十分に残っている場合や、修理費用を今後の収益で回収できる場合は、売却を急ぐ必要はないでしょう。メーカー保証や保険を利用でき、自己負担を抑えられるケースも修理を検討する価値があります。

ただし、故障した部品だけでなく、パネルやパワコン、架台、配線など設備全体の状態を確認することが大切です。修理費用、年間の売電収入、維持管理費を整理し、運用を続けた場合に利益が残るか試算したうえで判断しましょう。

売却を検討した方がよいケース

修理費用が高額で回収までに長い期間がかかる場合や、設備全体の老朽化が進んでいる場合は、売却を検討してもよいでしょう

パワコンだけでなく、パネルや配線、架台などにも不具合があり、今後も修理が続くと予想される設備は、保有コストが収益を上回る可能性があります。

また、管理の負担を減らしたい場合や、相続した発電所を運営する予定がない場合も売却が選択肢になります。

ただし、故障した設備は査定額が下がったり、買主が見つかりにくくなったりすることがあります。故障内容を隠さず、現状のまま売る場合と修理後に売る場合の査定額を比較して判断しましょう。

産業用太陽光発電にはメンテナンスが重要!

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太陽光発電システムの故障に関するよくある質問

太陽光発電システムの故障について、症状や修理費用、故障原因、寿命に関するよくある疑問をまとめました。異常が疑われる場合は自己判断で修理せず、施工会社や専門業者へ相談しましょう。

太陽光パネルが故障したらどうなりますか?

太陽光パネルが故障すると、発電量が低下したり、一部またはすべての発電が停止したりすることがあります。パネルのひび割れや内部配線の断線があっても、すぐに発電量がゼロになるとは限りません。

そのため、モニターを確認していなければ異常に気付かず、売電収入が減少した状態が続く可能性があります。また、破損箇所から水分が入り込むと、絶縁性能の低下や腐食、漏電につながるおそれもあります。

発電量の大幅な低下、焦げたにおい、変色、パネルの破損などを見つけた場合は、設備に触れないでください。安全な場所から状況を確認し、施工会社や専門業者へ点検を依頼しましょう。

太陽光パネルの修理費用はいくらですか?

太陽光パネルの修理費用は、故障箇所や交換する枚数、設置場所によって異なります。パネルを1枚交換する場合でも、製品代だけでなく、故障診断費、取り外し・設置工事費、出張費などがかかります

屋根上での作業に足場が必要になれば、合計費用が高くなることもあるでしょう。また、古いパネルと同じ製品が販売されていない場合は、代替品との相性確認や周辺設備の調整が必要になる可能性があります。

正確な金額を知るには、現地調査を受けたうえで見積もりを取ることが大切です。製品保証や施工保証、火災保険などを利用できる場合もあるため、修理前に確認しましょう。

ソーラーパネルが壊れる原因は何ですか?

ソーラーパネルが壊れる原因には、経年劣化のほか、台風や強風、雹、積雪、落雷、飛来物などがあります。施工時や運搬時に生じた小さなひびが、温度変化や長期間の使用によって広がり、発電性能が低下するケースもあります。

また、配線やコネクターの接続不良、架台の緩み、鳥のふんや落ち葉による局所的な発熱も故障につながる可能性があるでしょう。

地上設置型では、草木の成長や小動物によるケーブルの損傷、盗難にも注意が必要です。原因を外観だけで特定するのは難しいため、発電量の低下やエラー表示が続く場合は、測定機器を使った専門業者の点検を受けましょう。

太陽光パネルは何年で壊れますか?

太陽光パネルの寿命は、一般的に20〜30年程度が目安とされています。ただし、一定の年数を迎えると突然壊れるとは限りません。

太陽光パネルは長期間の使用によって発電性能が少しずつ低下し、設置環境や施工品質、メンテナンス状況によって劣化の進み方も変わります。適切に管理されていれば、30年以上稼働するケースもあります。

一方、台風や雹、飛来物などによって、設置から間もない時期に破損する可能性もあるでしょう。使用年数だけで状態を判断せず、発電量や外観の変化を定期的に確認することが大切です。保証期間が終了する前には、点検の実施も検討しましょう。

まとめ

太陽光パネルの故障には様々な原因があり、それぞれに対応策が必要です

この記事では、太陽光パネルの故障の種類と原因、そしてその対処法について紹介しました。

太陽光発電設備は発電所と同じように運営されるため、故障箇所を見逃すと発熱や漏電などの危険があり、火災を招く恐れがあります。

太陽光パネルの発電性能を維持し安全に運用するためには、毎日の発電量をチェックして異常を速やかに発見することが大切です。また、同時に定期的な設備点検とメンテナンスをきちんと行うことは安全な使用に欠かせません。

太陽光発電設備を導入する際には、故障を充分に念頭に置き対策を事前に講じることが肝要でしょう。

当記事の監修者
当記事の監修者
曽川拓夢

曽川 拓夢(Sogawa Takumu)
SOLSEL Unit フィールドマネージャー

【専門分野・領域】
・太陽光発電所の仕入れ・調達業務・資産価値評価
・プロジェクトマネジメント

【経歴】
2021年、再生可能エネルギーの普及と市場の透明化を目指し、SOLSEL(ソルセル)に参画。
現在はフィールドマネージャーとして、太陽光発電所の仕入れ業務を統括。
年間数多くの案件に携わり、現場視点での緻密な物件評価と、売主・買主双方の利益を最大化するマッチングを得意とする。

【メディア掲載・登壇実績】
2025.08.29:Forbes Japanに掲載(掲載記事

【編集・監修ポリシー】
当メディアでは、太陽光発電所のメンテナンスや売却を検討されているオーナー様へ、透明性の高い市場情報と実務知識の提供を徹底しています。
自社で太陽光関連事業を多角的に展開しているからこそ、売却価格の妥当性だけでなく、税務上の注意点や手続きにおけるリスクなど、見落としがちな前提条件を明示しています。
最新の市場相場に基づいた「後悔しないための出口戦略」を正しくお届けすることを約束します。

執筆者

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ikebukuro

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「太陽光投資の運用」
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