太陽光発電の遠隔監視システムとは?メリット・デメリットや選び方を解説
- 公開日:2024.11.21
- 更新日:2024.11.21
遠隔監視システムは、太陽光発電投資を成功させるために必要不可欠です。
毎日の発電量をスマホやPCで確認できるだけでなく、発電量の異常時にアラートを通知してくれます。
設備の異常をリアルタイムで把握でき、現地に行かずに売電収入の損失を最小限に抑えられるのは、居住地から離れたところに太陽光発電設備を持つ方にとって大きなメリットです。
この記事では、遠隔装置システムの種類・メーカー・選び方について解説します。
また、複数の太陽光発電所で複数の遠隔監視装置を使用しているオーナー様におすすめの一括管理システムについてもご紹介しています!
目次
太陽光における遠隔監視装置とは
遠隔監視システムは、所有している太陽光発電の発電量を監視するツールです。
太陽光パネルやパワコンから発電量・電圧・電流といったデータを集め、専用のクラウドサーバーで解析し、急な発電量低下などの異常があればアラートを送信します。
また、監視カメラを設置していれば、台風・地震・積雪・盗難などの被害を目視で確認可能です。
遠くの太陽光発電所でも遠隔で監視できるので、故障などの異常事態や発電量低下にいち早く気付くことができ、売電収入の損失に繋がるリスクを最小限まで抑えられます。
太陽光発電投資を行う方にとっては遠隔監視システムは必要不可欠なアイテムと言えます。
太陽光発電に遠隔監視装置が必要になった背景
太陽光発電の遠隔監視装置が求められるようになったのは、発電量が減少したことによるトラブルに迅速に対応するためです。
- 太陽光発電システムの異常・トラブルの早期発見
- 遠隔地から発電量を確認可能
- パワーコンディショナーの状態確認
太陽光発電システムの発電量を常時チェックするために遠隔監視装置を設置することにより、上記の対処が可能になりました。
太陽光の遠隔監視装置は2パターンある
太陽光発電所を遠隔装置で監視する方法は以下の2パターンです。
- パワコンとの通信で監視
- CTセンサーの計測で監視
上記について具体的に説明していきます。
パワコンとの通信で監視する方法
RS485方式の通信方法で、通信機能付きのパワコンと通信することでデータを監視する方法です。
パワコンを使った遠隔監視装置のメリット
- データが正確
- データを回路ごとに収集できる
- パワコンの故障も監視可能
- 自動制御と連携可能
パワコンに直接接続するため、発電量・電圧・電流などの正確なデータを、回路ごとにリアルタイムで取得できます。パワコンの故障を監視することも可能です。
また、異常を発見したときに、自動でパワコンを停止させると言った対応策を取ることもできます。
パワコンを使った遠隔監視装置のデメリット
- 導入費用が高額
- パワコンが故障すると監視もできなくなる
パワコンと連動する監視システムは、後ほど説明するCTセンサーで計測する遠隔監視システムに比べて、導入費用がやや高くなります。
また、パワコンが故障すると、監視ができなくなってしまう点もデメリットと言えるでしょう。
CTセンサーの計測で監視する方法
CTセンサーでの計測は、パワコンから電力系統へ送電するための電線に電流量を測る器具を取り付けることで発電量を計測する方法です。
CTセンサーの計測を使った遠隔監視装置のメリット
- 低価格で導入できる
- パワコンに通信機能が付いていなくても使用できる
- パワコンが故障してもデータ収集可能
パワコンとの通信で監視する方法と比較すると低価格での導入が可能です。
通信機能がついていないパワコンや遠隔監視装置に対応していないパワコンを設置している場合でも使用することができます。
万が一パワコンが故障しても、電流データを収集し続けることができる点もメリットです。
CTセンサーの計測を使った遠隔監視装置のデメリット
- データ量が少ない
- 異常の原因特定が難しい
全体的な発電量はチェックできますが、回路ごとの発電量や異常などのデータは得られません。収集できるデータ量はパワコンを使ったRS485方式の通信方法よりも少なくなります。
また、データが少ないため異常の原因が特定できず、別途点検を行う必要があります。
太陽光の遠隔監視システムを導入するメリット
太陽光発電設備に遠隔監視システムを設置すると、発電時用の運営にメリットが多くあります。
発電状況をリアルタイムで確認できる
遠隔監視システムでは、発電量や消費電力をリアルタイムでスマホやPCで確認できます。
現地から離れた場所からでも、順調に発電していたり、急に発電量が低下したりといった状況を詳しく把握することが可能です。
もし複数の太陽光発電設備を所有している場合でも、一元的に管理運用することができ効率的です。
現地に行かなくても異常を発見できる
太陽光発電設備の遠隔監視システムがあれば、急激な発電量低下をすぐに察知して対応することが可能です。 売電収入の低下や設備の故障を最低限に抑えることができます。
現地を訪問の頻度も減らすことができ、メンテナンスコストも削減できるでしょう。
また、異常が発生した場合にアラート送信を設定できるシステムなら、逐一システムを確認する必要はありません。
発電量のデータを分析できる
遠隔監視システムでは、太陽光発電のデータをまとめて長期的に管理することができます。年間・月間での発電量推移や、季節による発電量の変化、発電効率の低下などを確認可能です。
太陽光発電投資の収益を予想しやすくなったり、さらに発電効率を高める方法を検討したりなど、運用に役立つでしょう。
防犯対策になる
近年、太陽光発電設備のケーブル盗難が問題となっています。
防犯カメラを含む遠隔監視システムの場合、窃盗犯も手を出しにくくなり、盗難を防ぐことができます。証拠を残すこともでき、警察への通報に役立つでしょう。
また、万一盗難に遭ってしまっても、発電量低下のアラートで被害に即座に気付くことが可能です。
太陽光の遠隔監視システムを導入するデメリット
太陽光発電設備の効率的な運用に不可欠な遠隔監視システムですが、知っておくべきデメリットもあるので確認しておきましょう。
コストが必要な場合がある
遠隔監視システムを導入する場合、通信設備や防犯カメラの設置に初期費用がかかります。
また、データ通信やサービス利用料は毎月発生することになり、ランニングコストも増加します。
遠隔監視システムの内容やサポートが充実すればするほど、かかる費用も高くなるため、利益を圧迫しすぎないよう必要十分なサービスを選ぶことが重要です。
定期確認・メンテナンスが必要
遠隔監視システムも定期的なメンテナンスが必要です。システムのアップデートや、通信機器の故障対応などの業務が発生するため、本業が忙しい方や複数の発電設備を所有している方は負担に感じる可能性があります。
ただし、基本的には、遠隔監視システムの導入で太陽光発電設備全体の管理業務は効率的になります。
太陽光の遠隔監視システムの選び方
遠隔システム装置の選び方・基準は下記の通りです。
①発電量が正確に分かるシステムを選ぶ
太陽光発電の遠隔監視で最も重要なのは、発電量が正確に分かることです。発電量の異常に早く気付くことでトラブルに対処でき、売電収入の減少を阻止できます。
実測値との誤差ができるだけ少ないシステムを選んでください。計測誤差が1~3%程度であれば高水準と言えるでしょう。
②コストパフォーマンスで選ぶ
太陽光発電設備の運営は20年以上の長期に渡ります。遠隔監視システムの料金も長く支払っていくことになるため、月々の負担はあまり変わらなくても、最終的には大きな差となります。
遠隔監視システムは機能が多いほど価格も上がります。まずは、自分に必要な機能がどのようなものかを考え、必要十分なサービスを選びましょう。
③必要なサービスがついているか
遠隔監視システムは発電量の監視と異常時のアラートが基本ですが、次のようなサービスがついていたり、有料でつけられたりします。
- トラブル時の駆け付けサービス
- パワコン単位での細かい監視
- 毎日・毎週・毎月・毎年のレポート
- 監視カメラの設置
太陽光発電設備が居住地より遠隔であるなら、駆け付けサービスやメンテナンス会社との連携ができるシステムが必要でしょう。また、パワコンごとに異常が計測できると、修理箇所の発見が早くなります。
前述の通り、サービスを増やせば費用も上がり、利回りが下がりますので、売電収入のシミュレーションと同時に検討が必要です。
④スマホで管理できるシステムを選ぶ
太陽光発電は太陽が昇っている時間帯は発電し続けます。24時間いつでもスマホで発電量を確認できれば、トラブルや故障に早く気付くことができます。
特に、副業として太陽光発電投資を行っていて本業が忙しい方の場合、毎日のチェックをスマホでできると、負担にならないのでおすすめです。
3G回線対応の遠隔装置システムは使えなくなる…!4Gへの切替を忘れずに!
遠隔監視システムは3G回線か4G回線、もしくは3Gと4G両方に対応しているシステムがあります。
しかし、3G回線2026年末に停波することが決まっています。現状3G回線しか適応していない遠隔監視装置の場合、2026年末をすぎるとデータの獲得ができなくなってしまいます。
これから遠隔監視システムの設置を検討する場合は、はじめから4G回線対応の遠隔監視装置を選択しましょう。
現状で3G回線のみ対応の遠隔監視システムを使用している場合は、4G回線への切り替えを忘れずに行ってください。
発電量などのデータが取得できないと、太陽光発電所の異常事態や発電量が低下していることに気づけず、太陽光発電投資で失敗してしまう可能性があるので要注意です。
4Gへの切り替え方法
3Gの遠隔監視装置を使用している場合、以下の方法で4Gに切り替える必要があります。
遠隔監視システムの契約先を変更する
遠隔監視システムを契約している企業ごと変更する方法です。
契約期間がちょうど終了する場合には、違う企業のサービスを検討してみるのも良いでしょう。もちろん、4GやLTE対応となっているプランを選ぶようにしてください。
4G対応の遠隔監視システムに切り替える
同じ企業のサービスで、4G対応の遠隔監視システムに切り替える方法です。こちらも、契約期間が終了するタイミングで行います。
4G対応ルーターに変更する
遠隔装置全体の交換をしなくても、ルーターのみの交換で済む場合もあります。
企業によっては、無料でルーターの交換を行っていたり、価格の安い中古のルーターを販売していたりするところもあります。
まずは使用中の遠隔監視システムサービスの企業に確認してみてください。
太陽光の遠隔監視装置は「まとめてソーラー」がおすすめ
まとめてソーラーは、太陽光発電仲介サイト・SOLSEL(ソルセル)が開発した発電量監視ツールで、スマホで太陽光発電の発電量をチェックできるだけではなく、収支状況や発電予測が可能です。
また、想定売却額の査定機能も搭載されているので、離れた場所にある太陽光発電をスマホで簡単に管理できるという手軽さが利用者の高評価を得ています。
SOLSEL以外から購入した物件も登録してデータ管理を行えるので、太陽光発電の所有台数が一基でも複数でも安心して利用できるサービスです。
運営会社 | エレビスタ株式会社 |
収支状況・発電予測 | 確認可 |
アプリでの物件管理 | 可 |
LINEでの状況確認 | 可 |
想定売却額 | 可 |
公式サイト | https://matomete.solar/ |
遠隔装置に関するよくある質問
太陽光発電の遠隔監視装置について、気になる点についてまとめました。
遠隔監視システムは太陽光発電設備が近隣にある場合には必要ない?
太陽光発電の遠隔監視は、太陽光発電設備が住んでいる場所の近所にあったとしても必要です。
毎日発電設備を見回ったり、発電量を日ごと・月ごと・年ごとに比較したりするのは、たとえ近くに住んでいても難しいでしょう。発電量をシステムで監視すると、外目には分からない配線やシステムの異常にも早く気付くことができ、売電収入の損失を抑えられます。
太陽光発電投資では売電価格が一定額で保証されているため、利益を上げるには発電量を増やす・減らさないための運用が大切です。
遠隔監視システムの耐用年数は?
遠隔監視システムの法定耐用年数は5年です。
ただし、5年で使えなくなるというわけではありません。太陽光発電システムの点検時に一緒にメンテナンスを行い、異常がないか確認しましょう。また、保証がついているサービス・メーカーを選ぶと、故障時の出費を抑えられます。
遠隔監視システムが故障したらどうなる?
メーカーや管理会社によって対応が異なります。契約時には、故障時の対応についても比較するようにしてください。
例えば、エコめがねでは10年保証付きです。保証期間中メーカー側責任の故障は無償で修理・交換対応を行います。(メーカーの責任でない故障には実費が発生)
遠隔監視システムが故障すると、監視モニターで異常が分かるため、メーカーに連絡を行いましょう。
太陽光発電の遠隔監視は義務?
遠隔監視システムの導入は義務ではありません。
2017年4月のFIT法改正により、太陽光発電設備の定期メンテナンスが義務化されています。しかし、遠隔監視システムの設置義務は記載されていません。
ただし、遠隔監視システムがあれば、維持管理を適切に行うのに役立ち、故障による損害を最低限に抑えられるため、設置するのがおすすめです。
太陽光発電の遠隔監視システムは自作できる?
小型のパソコン・スマホ・Webカメラなどを使用し、簡易的な遠隔監視装置を自作することはできるようです。
しかし、パワコンのデータ受信や、発電量の異常を検知した場合のアラート、発電状況をまとめたレポート出力など、細かな部分まで遠隔で監視するには、よほど専門的な知識がない限り自作は難しく、費用もかかってしまうでしょう。
まとめ
遠隔監視装置は太陽光発電投資を成長させるためには必要不可欠のツールです。
現状3G通信の監視システムを設置している場合は4Gへの切り替えを忘れずに行いましょう!
また、複数台所有していて管理が大変!面倒!という方はまとめてソーラーに登録し、より売電収益を増やしませんか?
この記事を書いた人
ikebukuro