太陽光パネルは掃除の必要性はある?洗浄するメリットや注意点を紹介
太陽光発電の普及が進む中で、効率良く運用するためにはパネルの定期的な洗浄が欠かせないといわれています。
しかし、実際にどれほどの頻度で、どのような方法で掃除を行えば良いのでしょうか。
日々太陽の光を浴び続ける太陽光パネルには、ほこりや汚れが蓄積し、それが発電効率に大きく影響を及ぼすことが明らかになっています。
太陽光パネルの汚れが発電効率に与える影響や、掃除の必要性について解説していきます。
また、効率的な洗浄方法やその頻度についても考察し、太陽光パネルを最適な状態で維持するためのヒントもお伝えしましょう。
太陽光パネルは掃除の必要性がある
太陽光パネルの掃除は不可欠です。とはいえ、ある程度の汚れは雨で落ちるのでは? と考える方も多いでしょう。しかし固まった黄砂や鳥の糞のように、雨では落ちにくい汚れも存在します。
太陽光パネルの汚れは基本的には雨で落ちる
太陽光パネルは、雨水によって表面の汚れを洗い流す機能を備えていることが一般的です。雨が降る国や地域においては、自然による清掃が基本となり、太陽光パネルを設置するメーカーや業者の中には、人工的な洗浄に否定的な立場を取る者も存在します。
このような自然による清掃により、特に定期的なメンテナンスを必要とせずに太陽光パネルが機能し、継続して電力を供給することができる訳です。
しかし、鳥の糞や落ち葉などの目に見える汚れがある場合は洗浄を行うことが必要で、完全にメンテナンスフリーであるとは限りません。
固まった黄砂や鳥の糞は雨では落ちにくい
花粉や黄砂といった微細な粒子は、空中を舞いやすく、表面が粗い太陽光パネルに容易に付着することがあります。
それらは雨水だけでは簡単には落とせず、太陽光パネルの性能にマイナスの影響を及ぼす場合があります。
たとえば、日本における春季は花粉が飛散しやすく、また黄砂が中国大陸から飛来することで、瀬戸内海周辺のように雨が少ない地域や、内陸部では粉塵が太陽光パネルに付着しやすいです。
このような場所では、雨だけでは十分に清掃ができないので洗浄作業が必要です。
また、設置場所が山間部だと、鳥糞や虫の残骸、森林からの落ち葉などが太陽光パネルの表面を覆い隠すことがあります。
これらの汚れは、時間と共に硬く固着し、やがて自然の雨では洗い流すことが困難となります。
汚れがこびりつくと、太陽光パネルが太陽から得るエネルギーの量が減少し、発電効率が落ちるため、定期的なメンテナンスと洗浄が不可欠です。
太陽光パネルを掃除しないと何が起こる?
太陽光パネルを掃除しないと、以下のようなトラブルが発生します。
- 発電量が著しく低下する
- 故障の原因となる
それでは詳しく見ていきましょう。
発電量が著しく低下する
太陽光パネルは屋外に設置されているため、黄砂や鳥の糞、落ち葉などが付着する可能性があります。
太陽光パネルは直列に接続されていることが多いので、一部のパネルに異物による影ができると、その影の部分だけでなく全体の発電量に悪影響を及ぼします。
これは乾電池を直列につないだときに、一つの電池が弱くなると全体の電圧が下がるのと同じ原理です。
パネルの掃除は発電量が著しく低下することを防止し、一定の発電能力を維持するために欠かせません。
発電量低下の原因「ホットスポット」とは?
「ホットスポット」とは、太陽光パネルが局所的に発熱してしまう不具合のことです。パネルの一部分のみが発電できなかったり、故障したりしている場合に発生します。
太陽光パネルに鳥の糞や落ち葉が付着し、部分的に発電ができなくなると、そのセルの電気抵抗が大きくなって熱くなってしまい、ホットスポットが発生します。
ホットスポットができると、電気の流れが止まってしまうので、発電量が著しく低下します。さらに、火災の原因となる場合もあるため、定期的な清掃・メンテナンスで発生を防ぐことが必要です。
故障の原因となる
パネルの一部に遮蔽物や付着物があると、その部分が電流の流れを妨げて抵抗となり、過熱する危険性が高いです。
これをホットスポット現象と呼びます。
ホットスポット現象はパネルの損傷だけでなく、火災のリスクも高めます。
早期に発見して掃除を行うことが必要です。
太陽光パネルの掃除を行うメリット
太陽光パネルを定期的に掃除すると、主に2つのメリットを得られます。詳しく見ていきましょう。
発電量の低下を防げる
太陽光パネルの性能を十分に保つためには、外部環境にさらされているパネル表面を綺麗に保つ必要があります。
表面のホコリや汚れは微細ながらも太陽光の受け入れ効率を著しく損ねる要因となります。これを放置すれば発電性能が低下し、エネルギー収支に悪影響を及ぼす可能性が高まるのです。
特に、山間部に設置されるメガソーラーでは、落ち葉や野鳥の糞などが原因でパネルがおおわれることが多々あります。
こうした自然由来の付着物を取り除き、発電量の低下を防ぐためには、定期的な掃除が欠かせません。
下がっていた発電量を元に戻せる
太陽光発電パネルの効率を最大限に保つためには、パネル清掃が極めて効果的な手段とされています。
時間と共に堆積する汚れや異物は、パネルが太陽の光を受けて電力を生み出す過程を直接妨げ、期待される発電量の減少へと繋がります。
もし発電設備からの電力供給に異変を感じたら、まずはパネル表面の清潔状態を点検しましょう。
日々の発電データを観察することで、出力の変動傾向を早期に把握し、掃除が必要なタイミングが分かります。
適切な時期に汚れを取り除くことで、低下していた発電効率を以前の水準に戻すことが可能となり、貴重なエネルギー資源を有効に活用することができます。
発電量の確実な測定方法や、汚れ除去の最適な対処法に関しては、太陽光発電に精通した専門業者に相談を行うと良いでしょう。
専門家のアドバイスに従うことで、発電システムの長期的な健全性を守り、持続可能なエネルギー供給に寄与することができるのです。
太陽光パネルの掃除方法
太陽光パネルの掃除方法には機器を使うか、手作業で行うかの2種類があります。詳しく見ていきましょう。
洗浄機器で洗浄する
太陽光発電システムの効率を最大限に保つための一つの手段が、洗浄機器を利用してのパネル掃除です。
高い水圧を利用してブラシを動かし、太陽光パネルの表面に付着した汚れや塵を強力に除去します。
洗浄機器のブラシ部分が、精密にパネルに接触し、ゆっくりと回転することで緻密な掃除を行い、目に見えない微細な汚れまで洗浄可能です。
洗浄機器を使用すると、人力による手洗いと比べ圧倒的な速さと均一性で汚れを落とせます。
水の使用量を抑えつつ効果的な掃除が実現できるエコロジカルな面も見逃せません。
デメリットとして、初期投資の負担や設備の保守、そして洗浄に必要な水の利用が難しい場所で使えない点が挙げられます。
市場には様々な洗浄機器が出回っており、その使い勝手は多岐にわたります。
コンパクトな作りのものは軽量で、女性や高齢者でも容易に操作できます。
商業施設やメガソーラーなどの大量のパネルを掃除するには、大型の産業用機器があり、時間をかけずに素早く洗浄し効果的です。
洗浄する太陽光パネルの範囲や面積、設置場所の特性などを考慮し、目的に適した洗浄機器を選択することが必要です。
マイクロファイバーモップで洗浄する
太陽光パネルの洗浄でもっともシンプルでコストを抑える方法は、マイクロファイバーモップで洗浄することです。
この手法は、機器に頼ることなく人の手によって行います。
微細な繊維の組み合わせによって形成されたマイクロファイバーモップは、水分や油分をしっかり弾き、汚れを効果的に除去できる性質を持っています。
機器による自動洗浄に比べれば、人手による掃除作業は時間と労力を要します。
それに伴う人件費も無視できません。
しかし、小範囲のパネル掃除、例えば個人宅や小規模施設の太陽光発電システムにおいては、大掛かりな機器を導入するよりも、この手法が効率的かつ経済的です。
マイクロファイバーモップは10kW未満の家庭用や、低圧で運用されている50kW未満の中小ビジネス向け太陽光発電に適しています。
マイクロファイバーモップによる綿密な手洗いは、発電効率を損なうことなく充分な洗浄効果をもたらし経済的です。
太陽光パネルの掃除を行う際の注意点
太陽光パネルの掃除は手作業で行うことができますが、注意深く行わないとパネルに傷をつけたり、故障の原因になったりする可能性があります。
目立つ汚れだけを掃除する
太陽光パネルは環境に左右されずに自然の降雨によって一定の自浄作用ができるようにデザインされています。
こびりついた黄砂や鳥の糞など目立つ汚れが発生した際にのみ水洗いを行うことが適当と言えます。
洗浄作業をする際には、太陽光パネルの発電能率に影響を与えないように、汚れている箇所だけにとどめましょう。
無闇に全面をきれいにしようとする行為は、場合によってパネル表面のマイクロスクラッチを引き起こすとともに、効率も落とす可能性があり逆効果です。
梅雨明けの暑くなる前に掃除を行う
太陽光パネルの洗浄は、適切なタイミングの見極めが重要です。
多くの場合、梅雨明けのまだ暑くなっていない時期が最適であると考えられます。
春に洗浄を実施すると花粉や黄砂などの汚れがパネルを覆い、手強い清掃作業を強いられることになります。
梅雨の時期は雨が頻繁に降り、さまざまな付着物が流れていくため、その後の清掃作業が格段に容易になります。
また、真夏になる前の時期は、作業者にとって体の負担が少なく済むでしょう。
この時期を狙い専門の清掃サービスに依頼すると、料金の節約にも繋がる可能性があります。
ガラス用洗剤を薄めて掃除する
太陽光パネルの掃除を行う際に、日常生活で使用している水道水をそのまま使用するのはおすすめしません。
水道水に含まれる塩素をはじめとする化学物質は、太陽光パネルの表面に白い斑点を残す原因となります。
太陽光パネルの性能を長期間にわたって維持するためにも、ガラス表面に適した洗浄剤を利用し、それを適切な濃度に調整して使うことが重要です。
弱アルカリ性あるいは中性の製品は、パネルに損傷を与えず安全に汚れを取り除くことができます。
屋根に設置した太陽光パネルは危険なので自分で掃除しない
太陽光パネルの洗浄は、設置されている場所によって危険度が高まります。
特に家屋の屋根に設置された太陽光パネルの場合は、高い場所での作業が伴うためリスクが高いでしょう。
掃除の経験が少ない人が屋根で作業を行うと、転落や滑落事故を引き起こす可能性があり危険です。
リスクを回避するためにも、太陽光パネルの洗浄は自己で行おうとするのではなく、プロフェッショナルな業者に任せるのが望ましいでしょう。
専門業者は適切な機器を用いて、安全かつ効果的に作業を完遂します。
まとめ
太陽光発電の効率を最大限に維持するためには、パネル表面の清潔さが重要です。
太陽光パネルには雨水を利用したセルフクリーニング機能が組み込まれており、表面のほこりを洗い流します。
しかし雨だけでは鳥の糞や厚いゴミ、強固な汚れは除去しきれません。
定期的なメンテナンスとして、実際の発電データを活用し、発電効率が低下していないか確認しましょう。
突然の発電量の減少はしばしばパネルの汚れに起因しています。
視覚的に汚れをチェックすることも同様に重要で、透明度の低下や目に見える汚れの蓄積が見受けられた場合は、パネルの清掃が必要です。
ただし、自分で掃除することに自信がなかったり、パネル設置場所が屋根の上など安全上の問題がある場合は、太陽光発電システムの専門業者に依頼するのがよいでしょう。
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