住宅ローンの団体信用生命保険とは?入れない病気や月々いくらかかる?
住宅ローンの団体信用生命保険とは、住宅ローンを組む際に提供される保険の一種です。
団信は借り手(住宅ローンの借り手)と貸し手(銀行などの金融機関)の双方によって契約し、借り手の保護やリスク軽減などの目的で加入します。
一軒家でもマンションでも、不動産を購入する際はこの団信に加入するのが一般的です。
これからマイホームの購入を検討している人は、事前に団体信用生命保険の基本的なことや加入条件、シミュレーションについて理解しておくことが大事です。
住宅ローンの団体信用生命保険とは
住宅ローンの団体信用生命保険にはどのような特徴があるのでしょうか。
まずは、住宅ローンの団体信用生命保険の特徴について解説していきます。
- 特徴①万が一の際にローン残高が0円になる
- 特徴②団体信用生命保険の契約者は金融機関
- 特徴③ほとんどの金融機関で加入が必須
特徴①万が一の際にローン残高が0円になる
住宅ローンの団体信用生命保険は、住宅ローンの契約者に万が一のことがあった時に、住宅ローンの支払い残高が以降0円になるという保険です。
住宅ローンの返済は30年以上になることが多く、基本的には長期的にローンを返済していきます。
しかし、住宅ローン返済中に死亡や高度障害などの万が一のことが起きてしまう可能性も0ではありません。
そんな時に住宅ローンの団体信用生命保険がないと、遺された家族が残りの住宅ローンの返済をしなければいけなくなります。
団信に加入しておけば、このようなリスクにも備えられます。
告知義務違反をすると保険金がおりない点に注意
住宅ローンの団体信用生命保険に加入していれば、契約者に万が一のことがあった場合、借入残高をゼロにできるのが一つのメリットです。
ただし、住宅ローンの団体信用生命保険は誰でも加入できるわけではありません。
加入にはいくつかの条件があり、全てクリアする必要があります。
また、仮に住宅ローンの団体信用生命保険に加入できたとしても、告知義務違反が発覚すると保険金はおりません。
よって、契約者に万が一のことが起きた場合でも、ローンの残債を支払わなければいけなくなるケースもあるので、注意してください。
団信告知の際は、以下の点に注意して違反に気を付けるようにしてください。
- 病歴・健康状態を記憶で書かない
- 疑問点は必ず引き受け保険会社に確認する
- 病歴が複雑な場合は曖昧にしない
告知義務違反をすると、自分だけでなく家族にも迷惑をかけてしまうので、必ず慎重に告知をするようにしてください。
特徴②団体信用生命保険の契約者は金融機関
団体信用生命保険の契約は、銀行や信用金庫などの金融機関と結びます。
団信は被保険者である借り手に万が一のことがあった場合に、加入している生命保険会社が保険金の受取人である金融機関に対して、住宅ローンの残高に相当する分の保険金を支払う仕組みです。
よって、団信の保険料は金融機関が保険会社に支払うことになります。
ですが、住宅ローンを利用している被保険者が何も負担なしで団信に加入できるわけではありません
金融機関や保険会社に支払う保険料は、実質的に住宅ローンの契約者が支払っています。
そもそも、住宅ローンを組む際は金融機関からの融資を受ける必要があります。
その際に、団信への加入が必須になるケースがほとんどです。
特徴③ほとんどの金融機関で加入が必須
団信への加入は、ほとんどの金融機関で必須です。
メガバンクはもちろん、信用金庫、都市銀行などでも団信の加入はほぼ必須です。
もちろん、団信に加入せずに住宅ローンを借りられる金融機関も存在しますが、あまり期待しない方が良いでしょう。
そのため、住宅ローンを検討する際は、団信に加入できるかどうかも重要な要素の一つになります。
そもそも団信に加入できなければ、住宅ローンの利用ができないケースも多いです。
団体信用生命保険は月々いくらかかるのか
では、団体信用生命保険は月々いくらかかるのでしょうか?
団信の保険料は保険のタイプによっても大きく前後します。
ここでは、以下3つの種類の保険料を実際に比較していきます。
- 金利上乗せタイプの保険料
- 保険料支払型保険料
- 事務手数料型
金利上乗せタイプの保険料
金利上乗せタイプの保険料を、以下の条件でシミュレーションしてみました。
- 借入年数:35年
- 借入金額:3000万円
- 借入:金利0.8%
- 上乗せ金利(団信保険料):0.4%
保険料(年) | |
1年目 | 104,400 |
2年目 | 102,400 |
3年目 | 99,800 |
4年目 | 97,100 |
5年目 | 94,400 |
6年目 | 91,700 |
7年目 | 88,900 |
8年目 | 86,100 |
9年目 | 83,400 |
10年目 | 80,500 |
15年目 | 66,100 |
20年目 | 51,000 |
25年目 | 35,300 |
30年目 | 19,000 |
借入期間全体の保険料の目安は、1,953,600円です。
保険料は借入期間が長いほど支払う保険料総額も高くなります。
よって、保険料負担を抑えたいなら、借入期間を短くするという選択肢もあります。
保険料支払型保険料
保険料支払型は、いかなる業務にも従事できない状態が30日を超えて継続した場合、毎月のローン返済額を補償してくれるタイプです。
例えば、三菱UFJ銀行の「7大疾病保障付住宅ローン ビッグ&セブン〈Plus〉」の場合、毎月の保険料は高くても2,000円前後です。
加入して5年程度は、500円以下になります。
事務手数料型
事務手数料型は、融資額に対して数%の手数料を設定している代わりに保証料が不要になるのが一般的です。
金融機関によっても手数料の割合は異なりますが、一般的には3万円~5万円前後の事務手数料を採用していることが多いです。
低率型の住宅ローンと比べて、適用金利が高く設定されていることが多いので、金利だけでなく返済総額に注目して検討するようにしましょう。
団体信用生命保険の種類
ここからは、団体信用生命保険の種類を紹介します。
それぞれの特徴について詳しく解説していきますので、参考にしてください。
- 一般団信
- ワイド団信
- がん保障団信
- 3大疾病保障団信
- 全疾病保障団信
一般団信
一般団信は、住宅ローン返済中に契約者に万が一のことがあった場合に住宅ローン残高が0になる保険です。
団信への加入では、この一般団信に加入することが多いです。
死亡だけでなく高度障害に陥った場合でも保険金がおります。
ワイド団信
ワイド団信は、健康上の理由で一般団信に加入できない人のために用意された団信です。
ワイド団信は住宅ローンに適用金利である数%が上乗せされますが、一般団信に加入できない人でも条件を満たせば加入できる可能性があります。
持病をお持ちの人や、現在治療中の病気がある場合でも団信に加入できる可能性があります。
ワイド団信で引受できる病気は金融機関によっても異なりますが、心臓に関連した病気(狭心症、心筋梗塞、不整脈など)や脳に関連した病気(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳動脈)でも加入することは可能です。
がん保障団信
がん保障団信は、一般団信と同じ保障を受けられるほか、がんと診断された時に保険金が支払われるタイプの団信です。
がん保障団信は基本的にがん保障に特化していますが、中にはがん以外の病気やケガが対象になるタイプもあります。
がん保障団信には、住宅ローンの50%が保障されるタイプや、100%保障されるタイプもあります。
ただし、がん保障団信は金利年0.1%~年0.2%程度上乗せになる金融機関が多いです。
3大疾病保障団信
3大疾病保障団信は、死亡や高度障害のほか、3代疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)が診断された場合でも、住宅ローンの残債が0になる団信です。
一般団信では3代疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)が含まれていませんが、3大疾病保障団信なら含まれています。
他にも、8,11大疾病の団信もあります。
幅広く備えたいなら、8,11大疾病の団信も検討してみましょう。
全疾病保障団信
全疾病保障団信は、病気やケガによる就業不能状態を保障する住宅ローンです。
特定疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)以外の病気やケガで就業不能になってしまった場合に、住宅ローンの残債が減る仕組みの団信になります。
条件は各金融機関によっても異なりますが、就業不能状態が24カ月継続した場合、ローン残高が0になるケースが多いです。
団体信用生命保険に加入するための条件
ここからは、団体信用生命保険に加入するための条件について解説します。
団信は全ての人が加入できるわけではありません。
これから住宅ローンを利用を検討している人は、以下の条件を必ず把握しておきましょう。
- これから住宅ローンを借りようとしている人
- 健康状態などに問題がない人
これから住宅ローンを借りようとしている人
団信は、これから住宅ローンを借りようとしている人のための保険です。
そのため、そもそも住宅ローンを借りない人は対象外です。
例えば、住宅ローンを使わず一括でマイホームを購入する場合は、団信への加入はできません。
団信は原則加入から完済まで続くので、金利だけでなく総返済額も確認しておきましょう。
健康状態などに問題がない人
団信は、健康状態などに問題がない人しか加入できません。
健康状態に問題があったり、障害・持病を持っていると加入時の審査で落ちてしまう可能性が高いです。
また、病気の治療中でも場合によっては加入できない可能性もあるので、注意してください。
団体信用生命保険に入れない場合の対処法
ここからは、団体信用生命保険に入れない場合の対処法を紹介します。
- ワイド団信に加入する
- フラット35の利用を検討する
ワイド団信に加入する
団信に加入できない場合は、ワイド団信への加入を検討しましょう。
ワイド団信は一般団信と比べても、保険会社の引き受けの基準が広くなっています。
一般団信の審査に落ちてしまった人でも、加入できる可能性があります。
フラット35の利用を検討する
フラット35は、そもそも団信の加入が任意となっているので、団信に加入しなくても住宅ローンを利用できます。
団信に加入せずに住宅ローンを利用する場合、通常よりも低い金利が適用されるなどのメリットがあります。
団信の必要性を感じていないなら、加入が任意になっているフラット35の利用も検討してみてください。
団体信用生命保険に関するよくある質問
団信への加入を考える時に、気になる点についてまとめました。
団体信用生命保険がおりないことはある?
団体信用保険に加入していて、死亡または働けなくなっても、保険金が支払われない場合があります。
- 保障の開始日から1年以内の自殺
- 健康状態について事実を告げなかった
- 故意により高度障害状態になった
- 保障の開始前の障害等が原因で高度障害状態になった
- 戦争・その他の変乱により死亡または所定の高度障害状態になった
- その他
基本的に、健康状態を正しく申告し、原因が自殺や故意でなければ、保険金が支払われるでしょう。
また、住宅ローンに生命保険料が含まれている場合、ローン返済が滞っていると保険料も未払いとなり、失効してしまいます。保険が失効していれば、当然保険金は支払われないため注意が必要です。
団体信用生命保険は住宅ローンの借り換え時も加入できる?
住宅ローンの借り換えをする場合、新たに借り換え先の金融機関で団信の加入ができます。
ただし、審査を受け直す必要があるため、年齢が上がっていたり、病歴が増えていたりして、審査に通らない可能性もあります。
借り換え前に、団信の加入条件を満たせるか確認してみてください。
団体信用生命保険に加入しなくても住宅ローンを組める?
年齢や病歴が原因で団信に入れない方もいるでしょう。また、すでに入っている生命保険の死亡保障に住宅費用が入っている場合は、団信の保証は必要ないことがあります。
団体信用生命保険に加入していなくても、住宅ローンを組むことができる金融機関もあります。
金融機関によってルールが異なりますので、よく確認してください。
まとめ
団体信用生命保険は、住宅ローンを組む際に原則として必須の保険です。
団信に加入しておけば、契約者に万が一のことが起きた際でも残りの住宅ローンの返済は免除となります。
これからマイホームを購入しようと検討している人は、この団信の知識を付けておくことが大事です。
もし審査に通らない場合でも、対処法があります。
少しでも悩んだり困りごとがあったら、金融機関に相談してみてください。
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