分散投資は意味ない?デメリット・メリットやおすすめポートフォリオを解説
- 公開日:2024.11.29
- 更新日:2024.11.29
分散投資とは投資の基本中の基本と言われる投資で、リスクを軽減して安定したリターンを目指せる投資と定評があります。
しかし、中には「意味ない」「ポートフォリオを組まないと失敗しがち」という声も。ポートフォリオを組まず、無計画に資産を分散して投資をすれば、意味ない投資になってしまいかねない投資なのです。
分散投資を意味ない投資にしないための方法を確認してから始めましょう。
分散投資の基本や進め方、メリットやデメリット、気をつけるポイントなどを解説します。
目次
分散投資とは
分散投資とは、その名の通り資産を複数の商品に分散して投資をする方法です。
株価暴落などのリスクを低減しながら安定したリターンを目指す方法で、性質の異なる商品に分散投資しておけば、どちらか一方の損失をカバーできます。
分散投資の種類
分散投資には以下に挙げる3つの方法があります。自分のスタイルに合った方法で分散投資を行いましょう。
- 投資地域を分散する
- 投資対象を分散する
- 投資のタイミングを分散する
①投資地域を分散する
分散投資には、投資地域を分散する方法があります。
例えば、米国や日本、欧州、全世界など複数の地域に分散させることで、国や地域ごとに異なる経済状況や景気動向による値動きもカバーできます。
現在保有している資産が日本株や日本国債のみであれば、米国や欧州などの他の地域の株にも挑戦してみると良いでしょう。
②投資対象を分散する
分散投資には、投資対象を分散するという方法もあります。
投資対象には、「株式」、「債券」、「不動産」、「金」などがあります。株式のみに投資をするのではなく、他の「債券」「不動産」「金」にも分散投資をすることで、リスクも分散できるのです。
複数の金融商品や銘柄に分散させることで、いざという時に被る損失を最小限に抑えられます。例えば、株式だけだとリスクが大きいですが、値動きが安定している債券に投資をすることで、安定した利益を得続けることができるのです。
③投資のタイミングを分散する
投資をするタイミングを分散することも有効です。投資で利益を得るためには、適切な商品を選ぶことはもちろん、投資をする時間を分散することも大事です。
株式や投資信託などの商品の価格は日々変動しています。投資の基本は「安い時に買って高い時に売る」です。投資初心者は投資のタイミングが分からずに損失を被るリスクが高くなります。
そこで、一度に大金を投入するのではなく、少しずつ複数回に分けて投資をすることで高値掴みのリスクを低減できるのです。
例えば、つみたてNISAなどで毎月一定の金額を積み立てる方法でも時間分散のやり方になります。時間分散は、「ドルコスト平均法」とも呼ばれ、基本的な投資方法の一つです。投資初心者なら特に、時間を分散して投資をするのがおすすめです。
分散投資は意味ない?注意点・デメリット
ここからは、分散投資をする際の注意点・デメリットについて解説していきます。
- 大きな利益を見込めない場合がある
- 投資先の管理が煩雑になる
大きな利益を見込めない場合がある
分散投資では、安定的な収益を得られる可能性がありますが、大きな利益が見込めるような投資方法ではありません。
分散投資は基本的に、リスクを分散して長期間運用することで利益を狙う投資方法です。
分散投資は大きな損失を防げるというメリットがありますが、逆に大きく稼ぐことは難しいという性質も持ちます。
そのため投資で大きく儲けたいと考えているなら、分散投資は向いていないかもしれません。
しかし、分散投資でも長期的に資産運用していれば、複利効果で大きく稼ぐことも可能です。
投資先の管理が煩雑になる
分散投資では複数の投資商品に資産を分散することから、投資先を管理する必要があります。
例えば、株式投資で複数の銘柄に分散した場合、それぞれの銘柄の値動きを把握する必要があるため手間がかかります。
また、せっかく利益が出ても適切な売却タイミングが分からなければ売却のタイミングを逃してしまう可能性もあるのです。
株式投資だけでなく、債券も不動産も金も同様です。
どの投資方法でも最終的には売却することになると思います。
そのため、分散投資をしても定期的に値動きをチェックしたり、自分が投資している非商品の価格動向は常にチェックしておきましょう。
“”必ず安心””というわけではない
分散投資は収益が安定しているという声が多いのですが、必ず安心というわけではない点に注意しましょう。
利益もリスクも少しずつなら大きな得がない代わりに大きな損をしないで済むという安心感がありますが、貴重な利益を得たときにすぐ確認できるよう投資先のチェックを怠らないようにする必要があります。
また、リスクについても、投資先の状況を監視して、リスクが生じた時にすぐ対処しなければなりません。
分散投資を行うメリット
ここからは、分散投資を行うメリットを紹介します。
- 投資のリスクを軽減できる
- 売却時期を気にせず資産運用ができる
- 時間を分散できる
- 長期投資でメリットを最大限にできる
投資のリスクを軽減できる
分散投資の最大のメリットは、投資のリスクを軽減できることです。
資産を分散させることで、一つの商品で万が一損失が発生してしまっても他の商品でカバーできます。
また、値動きの異なる資産を分散投資することで、平均の値動きの幅が小さくなり、リスクを低減できます。
長期投資ならさらに安定的な利益に期待できるでしょう。
売却時期を気にせず資産運用ができる
分散投資には、売却時期を気にせずに資産運用できるというメリットもあります。
分散投資をする際は、基本的に短期的なリターンを狙うのではなく、中長期的に安定した資産運用を行う際に使われます。
そのため、短期的な価格変動によるリスクを受けずに、売却時期を気にすることなく資産運用ができるのです。
「投資を始めたけどいつ売却すればいいか分からない」という不安を抱える必要もなく、本業に集中しながら資産運用ができます。
そのため、日々仕事や家事・育児で忙しいサラリーマンや主婦でも気軽に投資を始めやすい投資方法でもあるのです。
時間を分散できる
分散投資における時間の分散というのは、一度にまとまった金額を投資せず、毎月10,000円程度の少額投資を継続的に行って購入時期を分散させることです。
時間を分散させることで、市場環境が社会情勢などで大きく変化した場合にも、価格変動のリスクを分散させられます。
長期投資でメリットを最大限にできる
長期投資を行うことにより、安定的な運用ができる分散投資のメリットを最大化できます。長期間継続的に投資を行うと複利効果を活用できるからです。
単利と福利では、福利の方が運用期間が長いほど利益が大きくなるので、高い運用効果を得られるのです。
分散投資におすすめのポートフォリオ
分散投資を始める前に作成するポートフォリオの一例をご覧ください。こちらはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が公式サイトで紹介しているポートフォリオを元に作成した図です。
上表は4種類の分散投資を均等に行うタイプのポートフォリオですが、他にも、個人のライフスタイルに合わせた投資方法ごとにおすすめのポートフォリオがあるので、ネットなどで検索して探してみましょう。
投資地域を分散する投資
投資地域を米国・ヨーロッパ・アジア・オセアニアなどの地域の株式・債権に分けて投資する際にもポートフォリオが必須です。
それぞれの地域の経済状況をチェックした上で投資の割合を定め、ポートフォリオを作ってそれに基づいた運用をすることでリスクを最低限にできます。
投資対象を分散する投資
章のトップに記載した図はGPIFのポートフォリオですが、こちらが投資対象を分散して投資するタイプのポートフォリオの一例です。
このポートフォリオは、市場運用を開始した2001年度から2021年度の第1四半期までに、収益率が年率3.7%、累積収益額が約100兆円という成果を表しています。
(出典:2024年度の運用状況)
投資のタイミングを分散する投資
投資をまとめて行うのではなく、タイミングを分散させて投資する場合にも、ポートフォリオをあらかじめ作っておけば失敗が少なくなると共に投資の効率を上昇させられます。
投資信託・株式などを月ごとに決まった日に一定額購入することで、購入価格を平均化すると共に平均購入価格を抑えられます。
このドルコスト平均法を運用する際のポートフォリオも用意しておきましょう。
分散投資におすすめなのは投資信託
分散投資といっても、「株式」「投資信託」「債券」「不動産」「金」などの方法がありますが、おすすめな投資信託です。
投資信託とは
投資信託は、投資家から集めたお金を一つの大きな資産として運用のプロが株式や債券などに投資・運用する商品です。
投資信託は「投資信託運用会社」で作られ、証券会社が銀行などが投資家から集めたお金を信託銀行に保管してもらい、集めたお金を運用する仕組みです。
運用会社はさまざまデータを収集・分析して専門家があらゆるノウハウを活かしながら運用していきます。
経済や金融に関する知識があるプロが投資家の代わりに運用するため、利益が得られるチャンスが大きいのが特徴です。
投資信託のおすすめポイント
- 少ない金額から始められる
- 自動的に分散投資ができる
- 売買がしやすい
投資信託なら最低1万円から投資を始められるのは大きなメリットで、投資の第一歩としてもおすすめの商品で、「国内株式投資信託」「外国株式投資信託」などのさまざまなジャンルがあるのも特徴です。
投資信託は、一つの銘柄だけでなく複数の銘柄に投資でき、自動的に分散投資ができるので、リスクを低減しながら利益を狙える点や、いつでも自分のタイミングで売買できる点もメリットです。
投資信託をする際、つみたてNISAで運用するのも一つの方法です。つみたてNISAは毎年40万円の枠の中で、コツコツ投資するNISA制度です。
1日100円から申込できるので、少額から投資を始めたい、という人には特におすすめです。また、通常投資で得た利益には20.315%の税金がかかってしまいますが、NISAでは非課税で運用できる点もメリットです。
投資信託を始めるのにおすすめの証券会社3選
投資信託を始めるという方におすすめの証券会社3選を紹介します。
SBI証券
口座開設数 | 1,000万件以上(2023年12月現在) |
投資信託取扱本数 | 2,633本 |
買付手数料 | 0円 |
ポイント制度 | Tポイント・Vポイント・Pontaポイント・dポイント・JALマイル |
専用アプリ | あり |
SBI証券はグループ全体として国内初の口座開設数1,000万件以上を達成している大手証券会社です。
取扱商品の豊富さが魅力となっており、投資信託に関しても業界最多水準の2,655本(2023年10月末現在)を取り揃えています。買い付け手数料も0円となっているためお得に投資が可能です。
また、投資信託の残高に応じてTポイントをはじめとした5種類のポイントのうち好きなものを選んで貯めることができます。
クレカ積立を利用することで購入金額に対して最大5%のポイント還元を受けられることも人気の理由です。
松井証券
口座開設数 | 145万口座(2022年度末現在) |
投資信託取扱本数 | 1,600本以上(2022年8月現在) |
買付手数料 | 0円 |
ポイント制度 | PayPayポイント・dポイント・Amazonギフトカード |
専用アプリ | あり |
松井証券は創業100年を超える老舗の証券会社です。
当初は対面取引をメインとしていましたが、現在はネット証券として営業しています。
口座開設数や投資信託の本数はSBI証券よりも少ないものの、老舗ならではの質の良いカスタマーサポートを受けたいという人に人気があります。
松井証券でも投資信託の残高に応じてポイントなどを貯めることができ、中にはポイント還元率が1%を超える銘柄もあるため、対応しているポイントサービスをよく利用している人であれば他の証券会社を利用するよりもお得です。
マネックス証券
口座開設数 | 222万口座 (2023年7月現在) |
投資信託取扱本数 | 1,000本以上(2023年12月現在) |
買付手数料 | 0円 |
ポイント制度 | マネックスポイント |
専用アプリ | あり |
マネックス証券はマネックスグループが運営する大手ネット証券です。
ほとんどの投資信託が100円から購入できることが特徴となっており、まずは少額から始めたいという人におすすめできます。
投資信託の購入やクレカ積立の利用でたまるマネックスポイントは、dポイントなどの他社ポイントに交換したり新たに購入する投資信託の購入資金に充てることが可能です。
使いやすいスマホアプリも用意されているので、パソコンを持っていなくても手軽に投資信託が始められます。
分散投資で気を付けるポイント
最後に、分散投資で気を付けるポイントを紹介します。
- 投資前にポートフォリオを組む
- 中長期的な運用が利益に繋がることを理解する
- 定期的に投資商品の見直しを行う
投資前にポートフォリオを組む
分散投資をする際は、投資前にポートフォリオを組みましょう。
分散投資におけるポートフォリオとは、「投資対象になる金融商品の組み合わせ」です。
ポートフォリオは投資の資産クラスの構成を決めることで、リスクを分散できます。
ポートフォリオを組むことで、相対的に価格の変動が小さい商品やジャンルを見つけることもできます。
中長期的な運用が利益に繋がることを理解する
投資信託では、中長期的な運用が利益に繋がるということを理解することもポイントです。
投資信託では短期的に大きな利益を得ることは難しいです。
投資信託は「複利」で利益を積み重ねていく運用方法なので、短時間で稼ぐのは難しいです。
中長期的な運用が利益に繋がることを理解していれば、リスクを低減しながら安定した利益を得ることもできます。
決まった期間はありませんが、短くても数か月~数年かけて運用していくことが多いです。
定期的に投資商品の見直しを行う
投資信託を購入した後は、ライフステージや相場環境の変化にあわせて定期的に投資商品を見直すことも大事です。
投資信託にはさまざまなメリットがありますが、あくまでも”投資”です。
そのため、場合によっては損失が出てしまうリスクもあります。
定期的に投資商品を見直すことで、ライフステージや相場環境の変化に合った最適な運用ができるようになります。
投資信託は相場の状況によっても価格が日々変化していくので、定期的にチェックをして必要であればメンテナンスをしていきましょう。
分散投資に関するよくある質問
分散投資を始めたばかりの人、これから始めようと思っている人から寄せられている分散投資関連の質問を紹介します。その回答とあわせてご覧ください。
分散投資をする理由は何ですか?
分散投資をする人は、投資のリスクを下げる目的で行っています。
国内株式と国内証券と外国株式等の複数の資産を少しずつ所有する資産分散と、購入時期を分散する時間分散と、値動きが似ている銘柄を避ける銘柄分散の3つの方法で投資分散をするのがベストとされています。
投資信託と分散投資の違いは何ですか?
投資信託は、小口のお金をまとめて1つの大きな資金として運用するタイプの投資で、資産を複数に分けてリスクを分散させるのが分散投資です。
分散投資は何銘柄からですか?
分散投資をしていると言える銘柄の目安は20銘柄以上とされています。20銘柄以上に分散すれば利益とリスクを最適化できる分散投資ができると言われているからです。
まとめ
分散投資には、「投資のリスクを軽減できる」「売却時期を気にせず資産運用ができる」などのメリットがあります。
分散投資は投資の基本で、投資のプロも必ず投資先を分散しています。
投資信託であれば初心者でも簡単に分散投資が実践できます。
また、つみたてNISAを利用すれば利益が出ても非課税になるため、受け取れる利益も分も大きくなります。
投資初心者は、つみたてNISAでまずは投資信託を始めて長期的に資産運用で資産を増やすことを検討してみるのが良いでしょう。
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この記事を書いた人
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