太陽光発電は中小企業経営強化税制で即時償却もできる!申請方法や条件を解説

  • 公開日:2026.02.26
  • 更新日:2026.06.05
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中小企業経営強化税制は自家消費型太陽光発電の導入でも適用され、太陽光発電で節税をしながら電気代を削減し、利益を増やすことができます

中小企業経営強化税制は、中小企業の設備投資による企業力強化や生産性の向上を支援するための制度です。中小企業経営強化税制の対象となれば即時償却ができるため、経費として計上する分を増やして、利益を圧縮できます。

しかし、中小企業経営強化税制は誰でも利用できるというわけではありません。中小企業経営強化税制の基本概要から適用条件、対象設備、申請方法などを詳しく解説します。

この記事でわかること

・太陽光発電は、自家消費型または50%以上を自家消費する余剰売電型であれば、中小企業経営強化税制の対象設備になり得ます。
・中小企業経営強化税制は、対象設備の取得価額について即時償却または最大10%の税額控除を選べる制度です。
・中小企業経営強化税制の適用を受けるには、原則として設備取得前に証明書や確認書を取得し、経営力向上計画の認定を受ける必要があります。

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太陽光発電は中小企業経営強化税制で即時償却できる?

太陽光発電は中小企業経営強化税制で即時償却できるかについて詳しく解説します。

中小企業経営強化税制とは対象設備の即時償却・税額控除を受けられる制度

中小企業経営強化税制とは、青色申告をしている中小企業者等が、経営力向上計画の認定を受けたうえで対象設備を導入した場合に使える税制優遇制度です

対象設備を取得し、事業に使い始めることで、即時償却または取得価額の10%の税額控除を選択できます。

なお、資本金3,000万円超1億円以下の法人は、税額控除の割合が7%になります。設備投資の負担を軽くしながら、生産性向上や収益力アップを目指せる制度と考えると分かりやすいでしょう。

即時償却とは初年度に取得費用の全額を経費計上できる制度

即時償却とは、設備を取得した年度に、取得費用の全額をまとめて経費として計上できる仕組みです。通常、太陽光発電設備のような高額な設備は、数年に分けて減価償却していきます。

しかし、即時償却を使えば初年度に大きな経費を計上できるため、その年の課税所得を抑えやすくなります。ただし、支払う税金を将来に先送りする側面もあるため、税額控除とどちらが有利かは、利益の状況や資金計画を見ながら判断しましょう。

中小企業経営強化税制の即時償却はいつまで使える?

中小企業経営強化税制の適用期限は、2027年3月31日までです。期限までに対象設備を取得し、事業のために使い始める必要があります。

また、制度を利用するには、設備の取得前に工業会等の証明書や経済産業大臣の確認書を取得し、経営力向上計画の認定を受ける流れが基本です。

設備を購入してから準備を始めると間に合わない可能性があるため、太陽光発電設備の導入を検討している場合は、早めにスケジュールを確認しておきましょう。

太陽光発電設備も条件を満たせば対象になる

太陽光発電設備も、中小企業経営強化税制の条件を満たせば、即時償却や税額控除の対象になります。ただし、すべての太陽光発電設備が自動的に対象になるわけではありません。

たとえば、自社の工場や店舗などで使う電気をまかなう自家消費型の設備は対象になりやすい一方、売電だけを目的とする設備は対象外となる場合があります。

導入目的や設備の内容、経営力向上計画とのつながりが重要になるため、事前に税理士や設備会社へ確認して進めると安心です。

中小企業経営強化税制で受けられる即時償却と税額控除について

中小企業経営強化税制 即時償却

中小企業経営強化税制で受けられる優遇措置には、「減価償却」と「税額控除」の2つの優遇措置が受けられます。

即時償却

即時償却

即時償却とは、簡単に言うと経費を前倒しで計上することです。

経費計上を前倒しすることで、その年度の利益を圧縮し、法人税の課税対象所得を抑えられます。

しかし、逆に即時償却を利用した場合は翌年以降の経費計上ができなくなるので、注意してください。

一括で経費計上をして利益を圧縮し、支払う税金負担を減らしたいなら即時償却がおすすめです。

初年度に一気に大きな経費を計上してしまえば、当面の間事業資金を大きく残せるという理由で、現実では税額控除よりも即時償却が選ばれています。

税額控除

税額控除では、取得価格の最大10%が税額から直接差し引かれます

個人事業主の場合には所得税、資本金3000万円超1億円以下の法人は7%の減額控除を受けられます。

長期的な節税を優先したいなら、税額控除がおすすめです。

関連記事:太陽光発電は減価償却できる!特別償却との違いや中古設備の計算方法について解説

即時償却と税額控除はどちらを選ぶべき?

即時償却と税額控除のどちらを選ぶべきかは、その年の利益や納税額、今後の資金計画によって変わります。即時償却は、設備の取得価額を初年度にまとめて経費計上できるため、利益が大きく出ている年の税負担を早く抑えたい場合に向いています。

一方、税額控除は法人税額から一定額を直接差し引けるため、長い目で見ると節税効果が大きくなりやすいケースがあります。

中小企業経営強化税制では、対象設備を取得した場合に即時償却または取得価額の10%、資本金3,000万円超の法人は7%の税額控除を選択できます。ただし、税額控除には控除できる税額の上限もあるため、どちらが有利かは事前にシミュレーションして判断しましょう。

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太陽光発電で中小企業経営強化税制を使うメリット

ここでは、太陽光発電で中小企業経営強化税制を使うメリットを3つに分けて詳しく解説します。

初年度の税負担を抑えやすい

太陽光発電で中小企業経営強化税制を活用する大きなメリットは、初年度の税負担を抑えやすいことです。対象設備を取得し、経営力向上計画の認定など必要な条件を満たすと、即時償却または税額控除を選べます。

即時償却を選んだ場合は、通常であれば数年かけて経費にする設備費用を、初年度にまとめて経費計上できます。そのため、利益が大きく出ている年に導入すると、法人税や所得税の負担を抑えやすくなるでしょう。

ただし、制度を使うには対象設備や申請期限などの条件があるため、導入前に確認しておくことが大切です。

手元資金を残しながら設備投資を進めやすい

中小企業経営強化税制を使うと、手元資金を残しながら太陽光発電設備への投資を進めやすくなります。即時償却や税額控除によって税負担を軽くできれば、その分の資金を運転資金や次の設備投資、借入金の返済などに回しやすくなります。

特に太陽光発電設備は導入費用が大きくなりやすいため、初期費用の負担をどう抑えるかが重要です。

自家消費型の太陽光発電であれば、電気代の削減にもつながる可能性があります。税制優遇と電気代削減を組み合わせることで、資金繰りへの負担を抑えながら導入を検討しやすくなるでしょう。

法人・個人事業主の節税対策として活用できる

中小企業経営強化税制は、条件を満たす中小企業者等が対象となる制度で、法人だけでなく個人事業主も活用できる場合があります。太陽光発電設備を事業に必要な設備として導入し、経営力向上計画の認定を受けることで、即時償却または税額控除を選択できます。

利益が出ている法人や個人事業主にとっては、税負担を抑えながら設備投資を進める方法のひとつになるでしょう。

ただし、太陽光発電なら何でも対象になるわけではなく、設備の種類や使い方、取得時期、申請手続きなどの条件を満たす必要があります。節税効果だけで判断せず、事前に税理士や施工会社へ確認しておくと安心です。

太陽光発電も対象になる中小企業経営強化税制の適用条件

中小企業経営強化税制 即時償却

ここからは、中小企業経営強化税制の適用条件について解説していきます。

  • 経営力向上計画を策定している
  • 青色申告を提出する中小企業・個人事業主
  • 対象事業に指定されている

上記を満たしている事業者であれば、中小企業経営強化税制を利用できます。

経営力向上計画を策定している

経営力向上計画を策定している場合は、税務申告において税制上の優遇措置の適用を受けることができます。

経営力向上計画は、人材育成やコスト管理、設備投資などの自社の経営力を向上するために実施する計画で、「経営力向上計画」を事業所管轄大臣に申請すると、中小企業経営強化税制だけでなくさまざまな金融支援が受けられます。

青色申告を提出する中小企業・個人事業主

一定の条件を満たす中小企業者であることであれば、中小企業経営強化税制の対象です。

中小企業経営強化税制の対象となる企業は、「青色申告書を提出する中小企業者等」です。

具体的には、以下の中小企業を指します。

  • 資本金又は出資金の額が1億円以下の法人
  • 資本金又は出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
  • 常時使用する従業員数が1,000人以下の個人

ただし、次の法人は資本金が1億円以下でも中小事業者には該当せず、中小企業経営強化税制の対象にはならないので、注意してください。

  • ①同一の大規模法人(資本金又は出資金の額が1億円超の法人、資本金又は出資金を有しない法人のうち、常時使用する従業員数が1,000人超の法人又は大法人(資本金又は出資金の額が5億円以上である法人等)との間に当該大法人による完全支配関係がある法人等をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。)から2分の1以上の出資を受ける法人
  • ②2以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受ける法人

また、青色申告を提出している個人事業主も、中小企業経営強化税制を活用できます。

参考:中小企業省 中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き 令和7年4月1日版

対象事業に指定されている

中小企業経営強化税制を利用できる企業として、対象の事業が設けられています。

中小企業経営強化税制の対象事業として分類されるのは、以下の業種です。

中小企業経営強化税制の対象事業(クリックすると開きます)
  • 製造業
  • 建設業
  • 農業
  • 林業
  • 漁業
  • 水産養殖業
  • 鉱業
  • 採石業
  • 砂利採取業
  • 卸売業
  • 道路貨物運送業
  • 倉庫業
  • 港湾運送業
  • ガス業
  • 小売業
  • 料理店業その他の飲食店業(料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブ、その他これらに類する事業を除きます。)
  • 一般旅客自動車運送業
  • 海洋運輸業及び沿海運輸業
  • 内航船舶貸渡業
  • 旅行業
  • こん包業
  • 郵便業
  • 損害保険代理業
  • 不動産業
  • 情報通信業
  • 駐車場業
  • 物品賃貸業
  • 学術研究
  • 専門・技術サービス業
  • 宿泊業
  • 洗濯・理容・美容・浴場業
  • その他の生活関連サービス業
  • 教育
  • 学習支援業
  • 医療
  • 福祉業
  • 協同組合(他に分類されないもの)
  • サービス業(他に分類されないもの)

中小企業経営強化税制を利用するうえで、上記の指定事業である必要があるので、事前に確認しておきましょう

ちなみに、電気業、水道業、鉄道業、航空運輸業、銀行業、娯楽業(映画業を除く)等は対象になりません。

設備の取得前に必要な手続きを進めている

中小企業経営強化税制を使うには、太陽光発電設備を取得する前に、必要な手続きを進めておくことが大切です。原則として、工業会等の証明書を取得し、経営力向上計画に設備内容を記載したうえで、主務大臣の認定を受けてから設備を取得します。

認定を受ける前に設備を購入してしまうと、税制の対象外になる可能性があるため注意しましょう。

例外的に、計画申請前に設備を取得する場合でも、申請書の到達日からさかのぼって60日以内の取得など、一定の条件があります。スケジュールを間違えると即時償却や税額控除を使えないため、契約前に流れを確認しておきましょう。

売電のみを目的とした太陽光発電設備は対象外になる可能性がある

中小企業経営強化税制では、売電のみを目的とした太陽光発電設備は対象外になる可能性があります。太陽光発電設備が対象になるのは、主に自家消費型や、自家消費率が一定以上ある余剰売電型とされています。

反対に、発電した電気をすべて売る全量売電型や、自家消費率が低い余剰売電型は、制度の対象にならないケースがあります。つまり、太陽光発電設備を導入すれば必ず即時償却や税額控除を使えるわけではありません。

自社の電気代削減につながる設備なのか、投資用として売電収入を得る設備なのかによって扱いが変わるため、導入前に施工会社や税理士へ確認しておきましょう。

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太陽光発電も対象な中小企業経営強化税制の対象設備

中小企業経営強化税制 即時償却

ここからは、中小企業経営強化税制の対象設備について解説していきます。

  • 生産性向上設備(A類型)
  • 収益力強化設備(B類型)
  • 【2025年度より対象外】デジタル化設備(C類型)
  • 経営資源集約化設備(D類型)

太陽光発電設備が対象となるのは「生産性向上設備(A類型)」と「収益力強化設備(B類型)」なので、この2つを主に解説していきます。

生産性向上設備(A類型)

A類型の生産性向上設備では、機械装置(160万円以上)、工具(30万円以上)、器具備品(30万円以上)、建物附属設備(60万円以上)、ソフトウェア(70万円以上)が対象設備になります。

このうち、太陽光発電設備は「機械装置」に該当するため、制度を利用可能です。

A類型の生産性向上設備の場合は他の設備とは条件(工具:測定工具又は検査工具に限る、ソフトウェア:設備の稼働状況等に係る情報収集機能及び分析・指示機能を有するものに限る)が異なるので、注意してください。

さらに、「生産性が旧モデル比平均1%以上向上する設備」という要件を満たす必要があります。

収益力強化設備(B類型)

B類型の収益力強化設備では、機械装置(160万円以上)、工具(30万円以上)、器具備品(30万円以上)、建物附属設備(60万円以上)、ソフトウェア(70万円以上)が対象設備になります。

このうち、太陽光発電設備は「機械装置」に該当しています。

さらに、「投資収益率が年平均5%以上の投資計画に係る設備」の要件を満たす必要があります。

経営資源集約化設備(D類型)についてはこちら

経営資源集約化設備(D類型)

D類型の経営資源集約化設備では、機械装置(160万円以上)、工具(30万円以上)、器具備品(30万円以上)、建物附属設備(60万円以上)、ソフトウェア(70万円以上)が対象設備になります。

さらに、(修正ROAまたは有形固定資産回転率が一定割合以上の投資計画に係る設備)の要件を満たす必要があります

経営規模拡大設備(E類型)

経営規模拡大設備(E類型)は、売上高100億円を目指すような成長意欲のある中小企業を後押しするための類型です。年平均の投資利益率が7%以上見込まれることに加え、経営規模の拡大につながる投資計画として、一定の要件を満たす必要があります。

E類型では、従来のB類型の対象機器に加えて、建物も税制措置の対象に含まれる点が特徴です。

ただし、通常の太陽光発電設備を導入するだけで必ずE類型に当てはまるわけではありません。設備投資が売上拡大や事業成長にどうつながるのかを整理し、事前に専門家へ確認しておきましょう。

太陽光発電設備で対象になり得る設備

太陽光発電設備で中小企業経営強化税制の対象になり得る設備には、太陽光パネル、パワーコンディショナー、架台、蓄電池、監視装置などがあります

これらが事業に使う設備として導入され、対象設備の要件や経営力向上計画の内容に合っていれば、即時償却や税額控除を受けられる可能性があります。ただし、太陽光発電設備であれば何でも対象になるわけではありません。

売電のみを目的とする設備や、自家消費率が低い設備は対象外になる場合があります。自家消費型として電気代削減や生産性向上につながる設備かどうかを、導入前に確認しておきましょう。

中小企業経営強化税制の申請方法

 

ここからは、中小企業経営強化税制の申請方法をA類型、B類型、D類型に分けてそれぞれ解説します

基本的な流れはあまり変わりませんが、申請に必要な書類などが異なります。

各様式は中小企業ホームページからダウンロードできます。

中小企業経営強化税制A類型の申請書類のダウンロードはこちら

中小企業経営強化税制B類型の申請書類のダウンロードはこちら

中小企業経営強化税制D類型の申請書類のダウンロードはこちら

A類型の申請方法

出典:中小企業省 中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き 令和7年4月1日版

中小企業経営強化税制A類型申請方法は、次の通りです。

  • ①証明書の発行
  • ②経営力向上計画の申請
  • ③設備の取得
  • ④税務申告

まずは証明書を発行し、依頼があった設備ユーザーに証明書を転送します。

次に、設備ユーザーは工業会等から確認を受けた経営力計画に記載し、工業会証明書の写しを添付して、主務大臣に計画申請してください。

認可を受けた場合、設備を取得して実際に事業で使用します。

その後、納税書類に証明書等をコピーして、税務申告をしてください。

B類型の申請方法

出典:中小企業省 中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き 令和7年4月1日版

中小企業経営強化税制B類型申請方法は、次の通りです。

  • ①事前調査
  • ②経営産業局による認定
  • ③経営力向上計画書の申請
  • ④設備の取得
  • ⑤税務申告

流れはA類型と基本的には同じです。

B類型は事前確認の時に公認会計士や税理士による計画の確認を受ける必要があります

その後経済産業局に計画と確認書を提出・説明し、確認を受けた後に主務大臣に経営力向上計画書を申請します。

設備を取得できたら、税務申告時にそれぞれの書類をコピーして申告してください。

D類型の申請方法

中小企業経営強化税制D類型の申請方法は、中小企業等経営強化法の改正後に発表されます。

ただし、A~Cと同様に経営力向上計画の認定を受けてから設備を取得する必要があります

D類型を活用する場合、事業承継等の実施後に設備を取得する必要があるため、新規申請の場合は例外措置の活用はできません。

E類型の申請方法

E類型を利用する場合は、まず経営規模の拡大につながる投資計画を作成し、認定経営革新等支援機関による事前確認を受けます。その後、経済産業局へ確認申請を行い、経済産業大臣の確認書を取得します。

確認書を取得したら、設備内容を経営力向上計画に記載し、主務大臣へ計画を申請しましょう。中小企業経営強化税制では、E類型を含む対象設備を導入して実施する経営力向上計画の認定が必要です。

また、確認書は設備の取得前に申請する必要があるため、契約や購入を先に進めすぎないよう注意しましょう。

経営力向上計画の申請から認定までの流れ

経営力向上計画は、自社の事業分野を確認し、事業分野別指針や基本方針に沿って計画を作るところから始めます。設備を取得する計画の場合は、申請前に工業会等の証明書または経済産業大臣の確認書を取得する必要があります。

その後、事業分野ごとの主務大臣へ申請書と必要書類を提出し、認定を受けてから設備を取得する流れです。

電子申請に対応している省庁では、経営力向上計画申請プラットフォームを使える場合があります。経済産業部局宛てのみの電子申請では、標準処理期間が約14日に短縮されます。

公式パンフレットや最新資料を確認する

中小企業経営強化税制を使うときは、公式パンフレットや最新資料を必ず確認しましょう

制度の対象設備、申請様式、必要書類、提出先は変更されることがあります。実際に中小企業庁のページでも、税制措置・金融支援活用の手引きやQ&A集などが随時更新されています。

古い情報をもとに進めると、必要な書類が不足したり、申請期限を誤ったりする可能性があります。とくに太陽光発電設備は、設備の使い方や売電割合によって対象可否が分かれる場合があるため、導入前に中小企業庁や経済産業局の資料を確認し、必要に応じて税理士にも相談しましょう。

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中小企業経営強化税制と中小企業投資促進税制の違い

ここでは、中小企業経営強化税制と中小企業投資促進税制の違いについて詳しく解説します。

中小企業経営強化税制は即時償却または税額控除を選べる

中小企業経営強化税制は、経営力向上計画の認定を受けたうえで対象設備を取得した場合に、即時償却または税額控除を選べる制度です。即時償却を選ぶと、設備の取得価額を初年度にまとめて経費計上できます。

税額控除を選ぶ場合は、取得価額の10%、資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%を法人税額などから差し引けます。初年度の税負担を大きく抑えたい場合は即時償却、税金から直接差し引く効果を重視したい場合は税額控除が選択肢になるでしょう。

どちらが有利かは利益額や納税額によって変わるため、事前に試算しておくことが大切です。

中小企業投資促進税制は特別償却または税額控除を選べる

中小企業投資促進税制は、対象となる機械装置などを取得した場合に、取得価額の30%の特別償却または7%の税額控除を選べる制度です

中小企業経営強化税制のように全額を初年度に償却できる即時償却ではなく、通常の減価償却に加えて一定額を前倒しで経費にできる点が特徴です。税額控除は、原則として資本金3,000万円以下の法人や個人事業主などが対象になります。

比較すると、中小企業経営強化税制のほうが節税効果が大きくなりやすい一方で、経営力向上計画の認定など手続きが必要です。設備や事業内容に合う制度を確認しましょう。

同じ設備に両方の制度を重複適用することはできない

中小企業経営強化税制と中小企業投資促進税制は、同じ設備に対して重複して使うことはできません

たとえば、同じ太陽光発電設備について、中小企業経営強化税制で即時償却を受けながら、中小企業投資促進税制で税額控除も受けるといった使い方はできないため注意しましょう。

国税庁でも、同じ資産について特別償却と税額控除の重複適用は認められず、他の制度による特別償却や税額控除との重複適用もできないとされています。どちらの制度を使うかは、取得前の段階で比較しておくことが大切です。迷う場合は、税理士にシミュレーションしてもらいましょう。

太陽光発電設備で節税効果を重視するなら対象可否を比較する

太陽光発電設備で節税効果を重視するなら、中小企業経営強化税制と中小企業投資促進税制のどちらを使えるか比較しておきましょう。一般的には、即時償却や最大10%の税額控除を選べる中小企業経営強化税制のほうが、初年度の節税効果は大きくなりやすいです。

ただし、経営力向上計画の認定や設備要件を満たす必要があり、売電のみを目的とした太陽光発電設備は対象外になる可能性があります。

一方、中小企業投資促進税制も対象設備や事業内容に条件があります。導入予定の設備がどちらに該当するか、取得前に確認しておくと安心です。

太陽光発電も対象の中小企業経営強化税制に関するFAQ

中小企業経営強化税制に関するよくある質問を最後にまとめて回答していきます。疑問を解消するためにも、ぜひ参考にしてください。

中小企業経営強化税制の即時償却はいつまでですか?

中小企業経営強化税制の適用期限は、2026年度末である2027年3月31日までです

対象設備を取得し、経営力向上計画の認定など必要な条件を満たすと、即時償却または税額控除を選択できます。太陽光発電設備で制度を使いたい場合も、原則としてこの期限までに対象設備を取得する必要があります。

ただし、制度は税制改正で延長や内容変更が行われることもあるため、過去の記事や古い資料だけで判断しないようにしましょう。導入時期が近い場合は、中小企業庁の公式情報や税理士に確認してから進めると安心です。

中小企業経営強化税制の即時償却のメリットは?

中小企業経営強化税制の即時償却のメリットは、対象設備の取得価額を初年度にまとめて経費計上できることです。通常、太陽光発電設備のような高額な設備は、数年に分けて減価償却します。

しかし、即時償却を使えれば初年度の経費を大きくできるため、その年の利益を圧縮し、法人税や所得税の負担を抑えやすくなります。

特に利益が大きく出ている法人や個人事業主にとっては、資金繰りを整えながら設備投資を進めやすい点が魅力です。ただし、将来の償却費を前倒しする仕組みでもあるため、翌年以降の利益計画も含めて判断しましょう。

中小企業経営強化税制の即時償却は個人事業主も対象ですか?

中小企業経営強化税制の即時償却は、条件を満たせば個人事業主も対象になります。対象となるのは、青色申告をしている中小企業者等で、経営力向上計画の認定を受け、対象設備を取得した場合です。

法人だけの制度ではないため、個人事業主が事業用に太陽光発電設備を導入するケースでも、要件を満たせば活用できる可能性があります。ただし、設備の使い方や事業内容、取得時期、申請手続きによって対象可否が変わります。

とくに売電目的の設備は慎重な確認が必要になるため、導入前に税理士や認定支援機関へ相談しましょう。

太陽光投資で中小企業経営強化税制の対象となる設備は?

中小企業経営強化税制の対象設備として、太陽光投資で対象になる設備は「自家消費型太陽光発電設備」と「余剰売電型太陽光発電設備(50%以上を自家消費)」です

電気の販売量が発電量の50%以上になると、中小企業経営強化税制の対象からは外れてしまうので、注意してください。

関連記事:太陽光発電投資を始めるメリット・デメリットは?2025年からでも遅くない理由と個人で始める方法を紹介

中小企業経営強化税制は売電のみを目的とした太陽光発電設備も対象になる?

投資用などの全量売電を行う太陽光発電設備の場合、電気業の設備とみなされ制度の対象外となります(電気業は指定事業に含まれていません。)

ただし、太陽光発電投資でも通常の減価償却を行うことで法人税を節税でき、FIT制度に裏付けされた安定的な収入が得られます。

40万円未満の設備は即時償却できますか?

40万円未満の設備については、中小企業経営強化税制とは別に、少額減価償却資産の特例で即時償却できる可能性があります。令和8年度税制改正大綱では、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額基準が、30万円未満から40万円未満へ引き上げられる内容が示されています。

ただし、この特例は青色申告をしている中小企業者等が対象で、年間合計額の上限などもあります。太陽光発電設備の本体のように高額な設備は、通常この少額資産の枠には収まりません。

40万円未満の周辺機器や備品を処理する場合は、制度の違いを確認して使い分けましょう。

経営力向上計画を使った即時償却はいつまでですか?

経営力向上計画を使って中小企業経営強化税制の即時償却を受ける場合も、現行の適用期限は2027年3月31日までです

単に設備を購入すれば使えるわけではなく、工業会等の証明書や経済産業大臣の確認書を取得し、経営力向上計画の認定を受ける必要があります。手続きは設備取得前に進めるのが基本で、順番を間違えると即時償却を使えない可能性があります。

太陽光発電設備は金額が大きく、対象可否の判断も複雑になりやすいです。期限ぎりぎりに動くと間に合わないこともあるため、導入を検討している段階で早めに準備しましょう。

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まとめ

中小企業経営強化税制は国から認定を受けた中小企業が、設備投資を行う時に税制上の優遇を受けられる制度です。

設備投資を促進することによる中小企業の強化や生産性向上を後押しする目的で制度が設けられ、設備投資を行いながら税制上のメリットが受けられるという大変魅力的な制度です

中小企業経営強化税制は個人の太陽光投資でも活用でき、節税をしながら将来的な利益を得るための投資ができます。

当記事の監修者
馬橋聖生

馬橋 聖生(Mabashi Sei)
SOLSEL Unit マネージャー

【専門分野・領域】
・太陽光発電所の売買契約およびコンプライアンス実務
・プロダクトの全体マネジメント

【経歴】
2022年にSOLSELへ参画。
参画後はわずか1年半でユニットマネージャーに昇格。
現在はマネージャーとして、案件全体の統括から契約実務までを幅広く担当。
投資家にとって最も安全で収益性の高い資産運用モデルの構築を徹底している。

【メディア掲載・登壇実績】
2025.08.29:Forbes Japan 掲載(掲載記事

【編集・監修ポリシー】
当メディアでは、太陽光発電投資や節税対策を検討される投資家の皆様へ、実務に即した正確な情報提供を徹底しています。
自社で太陽光関連事業を多角的に展開しているからこそ、シミュレーション上の収益性だけでなく、投資判断に不可欠なリスクや前提条件を明示。
実数値に基づいた「持続可能な資産運用と確実な出口戦略」をお届けすることを約束します。

執筆者

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ikebukuro

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