太陽光パネルには遮熱・断熱効果あり!節電になると話題に
- 公開日:2024.11.29
- 更新日:2024.11.29

導入が活発化している太陽光発電システムですが、遮熱・断熱効果があることでも注目されています。
最近、電気代の高騰や、地球温暖化への問題意識を理由に太陽光発電システムを自宅に導入する方が増えました。
太陽光パネルを自宅屋根に設置すると、自家消費で電力会社から買う電気を減らせるのに加えて、遮熱・断熱効果のおかげで節電することもできるのです。
太陽光パネルの遮熱・断熱効果を中心に、太陽光パネル設置の費用・DIYでの設置方法や、太陽光パネルを設置する際のメリットなどを解説します。
目次
太陽光パネルに遮熱・断熱効果がある理由
太陽光パネルには、遮熱・断熱効果があります。
夏と冬で異なる効果があるという情報もありました。夏は家の中の気温上昇をさえぎり、冬は家の中の気温を暖かく保つ効果があるのです。
なぜそういった効果を発揮するのか、太陽光の夏期と冬期の遮熱・断熱効果の特徴から確認してみましょう。
太陽光パネルと家の中の温度上昇の関係
太陽光発電を設置すると、夏場の室内が涼しくなります。
理由として、太陽光パネルを設置することで直射日光を遮ることになるためだと考えられます。
この効果は、株式会社ボラス暮らし科学研究所が行った実験で立証されています。
屋根の表面温度は夏場70度まで上昇し、それに伴って野地板のり面温度が49度以上になりますが、モジュールを設置すると38度まで低下したのです。
室内の温度はここまで変化しませんが、2度から5度下がっています。
夏期における遮熱・断熱効果
太陽光パネルは直射日光の影響を受けることで、電気を発電しています。
また屋根への直接的な日光を遮断して温度が上昇するのを防いでくれる役割もあるのが特徴です。
そのため太陽光発電を設置したからといって、夏場に家の中が暑くなることは起こりにくでしょう。太陽光パネルを設置している方によると、屋根の温度が数度下がるといった報告もあります。パネルの影響で夏に家の中が暑くなることはないというのも、夏期の遮熱・断熱効果につながっています。
冬期における遮熱・断熱効果
冬期の遮熱・断熱効果は、夏期と違う効果を発揮します。
冬期は室内が暖かくなるのです。
前述したボラス暮らし科学研究所が冬期の屋根・野地板の裏面温度を測定した結果、冬期の屋根の表面温度は-5度となり、野地板裏面温度は約8度になりました。モジュールを設置すると13度以上になります。
夏期は気温が上昇するのに冬期の逆の効果がある理由を、ボラス暮らし科学研究所は「太陽光パネルを設置することで放射冷却が抑制されるから」と説明していました。
太陽光が遮られることによって室内温度が低下しますが、冷え込みが厳しい時間帯は放射冷却抑制効果で暖かくなるのです。
太陽光パネルとの組み合わせがおすすめな遮熱・断熱方法
太陽光パネルの遮熱と断熱効果をさらにアップさせるのにおすすめな方法を解説します。
これらの遮熱・断熱方法を活用して、太陽光パネルの遮熱・断熱の効果と節電効率を高めましょう。
遮光フィルムや遮光カーテンを活用する
太陽光パネルに組み合わせるのに特におすすめするのは、遮光フィルムと遮光カーテンです。
家中で最も熱が出入りする箇所とされている窓に遮熱フィルムを貼り付けたり遮光カーテンで覆ったりすれば、さらに高い遮熱・断熱効果が期待できます。
窓に遮熱フィルムを貼ると、従来より2割節電できます。
遮熱カーテンは遮熱フィルムよりも遮熱効果が劣りますが、窓に遮熱フィルムを貼るのに抵抗がある人、賃貸物件などで遮熱フィルムを貼れない人は、遮熱カーテンを利用しましょう。
部屋の内側にかけるカーテンではなく、外側にかけるレースのカーテンを遮熱カーテンにすると、遮熱効果及び節電効果が上昇します。
屋根の表面に遮熱・断熱シートを設置する
太陽光パネルを設置する際、屋根の表面に遮熱・断熱シートをあわせて設置するのも、非常に効果があります。
前章で夏期・冬期の遮熱・断熱効果を解説しましたが、屋根の表面を遮熱・断熱シートで覆うと、夏は涼しく冬は暖かいという効果がさらに向上するのです。
これらの効果によって冷暖房で消費する電力を大幅に節約できます。
余った電気を売電している人は、遮熱・断熱シートの導入をおすすめします。
屋根材に遮熱塗料を塗布する
太陽光パネル設置に伴って、遮熱塗料の塗布も推奨されています。
遮熱塗料は、太陽光を反射して建物に注がれる熱を軽減するために開発された塗料です。
屋根材に遮熱塗料を塗れば、屋根が受ける熱エネルギーが減少し、屋根材の温度の上昇が抑制されます。
それにより、家屋の室温も上がりにくくなるのです。
太陽光パネルを設置しない場合にもおすすめされる遮熱塗料は、太陽光パネルとも素晴らしいコンビネーションを発揮します。
遮熱・断熱シートを屋根に設置しない場合は、遮熱塗料を屋根材に塗布して節電効果を高めましょう。
築年数が経過しているなら断熱材の入れ替えを検討する
築年数が経過している家に太陽光パネルを設置する場合は、断熱材入れ替えの検討をおすすめします。
壁・床に断熱材を入れると、夏期に強い日差しが入ってくることを防ぎ、冬期は室内を暖めた暖房などの熱が冷めにくくなるという効果を表すからです。
断熱材には、結露やカビを防止する効果もあります。
「冷暖房の効きが今ひとつ」と感じる古い家は、断熱材が入っていない可能性が高いので、断熱材を入れて太陽光パネルの働きをさらに活性化しましょう。
太陽光パネルの遮熱効果で節電につながる理由
太陽光パネルを自宅の屋根に設置すると、遮熱・断熱効果以外にもメリットがあります。
電気代が削減できる
最近電気料金の値上げが相次いでいるため、高い電気代に悩む方も多いでしょう。
太陽光パネルを屋根に設置すれば、昼間は太陽光発電由来の電気を使うことができ、その分電力会社から購入する電気を減らすことができます。
昼間に多く電気を使う方は、よりメリットが大きいです。エコキュートなどの蓄熱機器や、蓄電池を併用すれば、昼間以外にも太陽光発電の電気を活用できます。
売電収入が得られる
自宅屋根で太陽光発電し、余った電力は売電して収入にできます。
太陽光発電は固定価格買取制度(FIT制度)の対象です。住宅用太陽光発電(10kW未満)の場合、10年間は市場より高い価格で売電できることが保証されています。
地球に優しい電気が使える
太陽光パネルを設置することで、自宅で二酸化炭素の排出量ゼロの電気を使うことができます。
二酸化炭素などの温室効果ガスは、地球温暖化の原因と言われており、世界的に削減が求められています。
日本の発電は化石燃料による火力発電が7割以上を占めており、再生可能エネルギーの割合は22%程度で、今後も普及が必要です。
まとめ
太陽光発電が全国各地で推進されている中、太陽光パネルを設置する家庭も増えてきました。
太陽光パネルには、夏期は涼しく冬期は暖かい・節電できるなどのメリットがありますが、以下のような注意点やデメリットもあります。
- 太陽光パネルの設置には費用がかかる
- 設置後も継続して維持費がかかる
- 外側断熱の屋根には設置できない可能性がある
- 屋根に穴を開けるため雨漏りのリスクが高まる
設置にも維持にも費用がかかり、設置できないタイプの屋根があったり雨漏りリスクが高まるなどのデメリットによって設置を迷う人が多いのですが、それ以上にメリットが多いため、設置する人は増える一方です。
太陽光パネルの設置を決める前に、太陽光パネル設置のメリットと注意点を十分に理解してから、信頼できる業者を探しましょう。
この記事を書いた人
ikebukuro