太陽光パネルのストリングとは?本数計算・電圧・組み方・ストリング図まで徹底解説【2026年版】
- 公開日:2026.06.29
- 更新日:2026.06.29
太陽光発電では、太陽光のストリングをどのように組むかによって、発電効率が変わってきます。
太陽光のストリングとは、太陽光パネルの構成単位を表す言葉です。一定の電流や電圧によって発電電力を取り出す目的で構成されており、太陽光パネルにより発電した電力は、各太陽光ストリングに接続箱で入力される仕組みです。
太陽光発電の導入を検討されている方は、太陽光のストリングについて十分に理解することが大切です。
太陽光のストリングの組み方や失敗しないための対策を十分理解した上で、導入を検討するようにしましょう。
- ストリング・セル・モジュール・アレイといった太陽光発電の構成単位と直列・並列接続による電圧・電流の仕組み
- パワコンの入力電圧から逆算するストリング本数の計算方法と冬の低温を考慮した温度補正の考え方
- ストリング図の見方や自分の発電所の構成確認、発電量低下時の不具合の見分け方
目次
太陽光におけるストリングとは


出典:株式会社TY
ストリングとは複数の太陽光パネルを直列接続した回路の単位で、発電した電力をまとめてパワコンへ送る構成を指します。
産業用の太陽光発電では、同じ日射条件が見込まれる場所に同じ種類のパネルを並べて設置するのが一般的です。出力の異なるパネルを同じストリングに接続すると、発電効率が低下する可能性があるため、基本的には同一製品のパネルで構成します。
また、発電効率を安定させるため、各ストリングに接続するパネルの枚数はできるだけ揃えることが重要です。
1ストリングのパネル枚数は、住宅用の太陽光発電であれば3〜8枚程度が一般的です。大規模な産業用太陽光発電所であれば、10枚や14枚で構成されている場合もあります。
太陽光のストリング以外の構成単位
太陽光発電の構成単位には、最小単位の「セル」、パネル1枚の「モジュール」、複数枚を並べた「アレイ」があります。
最小の単位を表す「セル」

出典:株式会社TY
太陽電池の基本単位を「セル」と呼びます。「セル」は、モジュールを分解した際に、これ以上は分解不可能な一番小さい単位で、太陽電池素子と呼ぶこともあります。
セルが太陽光によるエネルギーを電気エネルギーに変換できる割合のことを変換効率と呼び、セル1㎠あたりの変換効率は、セル変換効率と呼ぶのが一般的です。
2019年における世界で最高のセル変換効率は、ソーラーフロンティアとNEDOのプロジェクトによるCIS系の薄膜タイプで実現された23.35%です。
また、単結晶シリコンの6インチサイズでは、変換効率25.9%をシャープが達成しています。
セル単体の出力自体は、0.5W程度と少ないものであり、単体で大きなエネルギーを発生するのは不可能です。しかし、複数のセルを集めモジュール化させれば、実用に足りる電力が作成できます。
セルを結合して1枚にした「モジュール」

出典:株式会社TY
複数あるセルが接続された状態であり、太陽光パネル1枚を意味した単位です。セルの状態では、太陽光パネルとして完成されていない状態になりますが、モジュールの場合は太陽光パネル製品とし完成されています。
パネルには、セル以外にも耐久性確保のためのガラスや補強材などが組み込まれています。
モジュール自体のサイズは、メーカーやシリーズで変わるものの、縦1.5m×横0.9m×厚み3㎝前後に設計されているのが一般的です。重量は1枚あたり10〜18kgであり、メーカーにより大きく変動します。
モジュールを並べた1列は「アレイ」

出典:株式会社TY
屋根にパネルを設置する場合は、必ず架台に取り付け設置します。アレイとは、その屋根の架台にモジュールを複数の枚数、直列もしくは並列に繋いで架台などに設置したものです。
太陽電池モジュールを機械的、および電気的に複数架台に設置した太陽電池群です。太陽光発電所に関しては、アレイをいくつか設置することで、多くの量の電気を生産しています。
アレイに内蔵されているモジュールは、どこかのストリングに必ず接続されるので、アレイはストリングを並列接続した1つの塊とも言えます。
モジュールでの最も大きい出力を合計したものがアレイでの容量です。モジュールにより発電された電気は、ストリング内にあるすべてのモジュールを通り、最終的にパワーコンディショナーへ集められます。
アレイのサイズは、太陽光発電を置く土地の面積次第で変化します。一般的に縦の段数は、風圧の関係もあり3段〜5段で、横の列数は土地幅と他のアレイサイズとバランスを見て決められることが多いです。
直列・並列接続の電気的な仕組み(電圧・電流の計算)
太陽光パネルは、直列接続で電圧が加算され、並列接続で電流が加算される仕組みでストリングを構成します。
ストリング設計を理解するうえで欠かせないのが、直列接続と並列接続による電圧・電流の変化です。
この基本原理を押さえると、なぜパネルを一定枚数ずつ直列につなぐのか、なぜ電圧と電流のバランスが重要なのかが見えてきます。
直列接続では電圧が加算される
直列接続では各パネルの電圧が足し合わされ、電流は1枚分のまま変わらないのが基本的な仕組みです。
パネルを直列につなぐと、各パネルの電圧が合計され、ストリング全体の電圧になります。
一方で、電流はパネル1枚分のまま変わりません。
たとえば、開放電圧45Vのパネルを10枚直列につないだ場合、ストリングの開放電圧は次のようになります。
- 合計電圧:45V × 10枚 = 450V
- 電流:1枚分のまま(加算されない)
ストリングを構成する「直列枚数」は、この合計電圧がパワコンの入力電圧範囲に収まるかどうかで決まります。
記事内で前述した直列枚数の計算は、この仕組みにもとづいています。
並列接続では電流が加算される
並列接続では各ストリングの電流が足し合わされ、電圧は1ストリング分のまま変わらないのが特徴です。
複数のストリングを並列につなぐと、今度は電流が合計されます。
電圧はストリング1本分のまま変わりません。
たとえば、短絡電流9Aのストリングを3本並列につないだ場合は、次のようになります。
- 合計電流:9A × 3本 = 27A
- 電圧:1ストリング分のまま(加算されない)
並列につなぐ「ストリング本数」は、この合計電流がパワコンの最大入力電流を超えない範囲で決まります。
電圧を稼ぐのが直列、電流を稼ぐのが並列、という役割の違いを押さえておくとよいでしょう。
ストリング設計でなぜ電圧と電流のバランスが重要か
ストリング設計では、合計電圧と合計電流をともにパワコンの定格範囲に収めることが、安全と効率の両立に不可欠です。
パワーコンディショナーには、扱える電圧と電流にそれぞれ上限・下限が定められています。
直列枚数と並列本数は、この両方を同時に満たすように設計しなければなりません。
電圧と電流のバランスが崩れると、次のような問題が起こります。
- 合計電圧が高すぎる:最大入力電圧を超え、パワコンの故障や保護停止を招く
- 合計電圧が低すぎる:MPPT動作範囲を下回り、発電効率が低下する
- 合計電流が大きすぎる:最大入力電流を超え、超過分が活かしきれず無駄になる
特に電圧は、前述のとおり冬の低温時に上昇するため、温度補正を加味して上限に余裕を持たせる必要があります。
太陽光のストリングの計算方法

ストリングは、各モジュールの開放電圧と短絡電流の合計が、パワコンの規格上限を超えない範囲で枚数と列数を決めます。
太陽光パネルにおける、最小の単位でもあるセルの出力は約0.5Wです。
最近の主流として利用される60セルのモジュールでは、太陽光パネル1枚における主力は300Wになります。
また、組み方は運転での入力電圧と、最大の許容短絡電流の範囲内にすることを覚えておきましょう。
太陽光パネルから生成された電力は直流なので、パワーコンディショナーにより交流電力に変えられます。
開放電圧と短絡電流を合わせた値が、規格上限を超えない範囲にする必要があります。

例えば、公称短絡電流9Aで開放電圧35Vのモジュールを、縦に3列、横で7枚直列にストリングを並べた場合、以下の値を超える規格値のパワーコンディショナーの設置が必要です。
- 短絡電流:9A×3列=27A
- 開放電圧:35V×7枚=245V
規定値の上限を超えない範囲内で最も適した並列が、発電効率を良くするためのポイントになります。
ストリング本数の計算例(パワコン定格入力電圧から逆算)
ストリングの直列枚数は、パワコンの最大入力電圧をモジュールの開放電圧で割り、その範囲内に収めて決めます。
ストリング1本あたりの直列枚数は、パワーコンディショナーの入力電圧範囲から逆算して求められます。
たとえば、最大入力電圧1,000V・MPPT動作電圧範囲を200〜850Vとするパワコンに、開放電圧(Voc)45V・動作電圧(Vmp)37Vのモジュールを接続する場合を想定してみましょう。
- 直列枚数の上限:1,000V ÷ 45V ≒ 22枚(最大入力電圧を超えない枚数)
- 動作電圧の下限:200V ÷ 37V ≒ 6枚(MPPT下限を下回らない枚数)
この場合、計算上は6〜22枚の範囲で組めますが、後述する温度補正を加味すると、上限はもう少し低く設定するのが安全です。
(実際には、各メーカーが公開する設計ツールやストリング設計表を用いて最終的な枚数を決定します)
並列のストリング本数は、パワコンの最大入力電流を1ストリングの短絡電流(Isc)で割った値が目安になります。
電圧側の直列枚数と電流側の並列本数の両方を、パワコンの定格内に収めることがポイントです。
最大電圧・最低電圧の温度補正
結晶シリコンパネルは低温で電圧が上がるため、冬の最低気温時にパワコンの最大入力電圧を超えない設計が必要です。
太陽電池の出力電圧は気温によって変動し、温度が低いほど開放電圧が高くなる特性があります。
そのため、夏の標準条件(25℃)で計算した電圧だけで枚数を決めると、冬の早朝など気温が大きく下がった場面で、想定以上に電圧が上昇するおそれがあります。
開放電圧の温度係数を約−0.3%/℃とすると、設置地点の最低気温を−10℃と仮定した場合、25℃との差は35℃です。電圧は25℃時より約10%(厳密には約10.5%)上昇する計算になります。
先ほどの開放電圧45Vのモジュールであれば、低温時には1枚あたり約49.5V(10%換算の安全側概算)まで上がるため、直列枚数の上限は次のように補正します。
- 低温補正後の上限:1,000V ÷ 49.5V ≒ 20枚
このように、25℃基準の22枚ではなく20枚に抑えることで、冬季の電圧上昇でも最大入力電圧を超えないストリング設計になります。
ストリング図・回路図の見方
ストリング図は、太陽光発電所がどのように配線・構成されているかを示す設計図です。
ストリング図があれば、モジュールから接続箱・パワコンまでの配線を示した図で、発電所の回路構成を一目で把握できます。
ストリング図とは(系統構成図の役割)
先ほども触れた通り、ストリング図とは、複数のパネルがどのストリングを構成し、どの接続箱・パワコンへつながるかを示す系統構成図です。
発電所全体の配線関係を一枚で表した図で、系統構成図や単線結線図と近い役割を持ちます。
この図があることで、発電所が「パネル→ストリング→接続箱→パワコン」という流れでどう組まれているかを施工者でなくても把握できるようになります。
トラブル時にどの系統を確認すべきか判断する際の基礎資料にもなります。
ストリング図に書かれる情報(モジュール・接続箱・パワコン・電圧)
ストリング図には、モジュールの枚数や配置、接続箱・パワコンの構成、各部の電圧・電流などが記載されます。
▼ストリング図から読み取れるおもな情報
- モジュール:1ストリングあたりの直列枚数や、パネルの配置
- ストリング:系統の数と、各ストリングの接続関係
- 接続箱:どのストリングがどの接続箱に集約されるか
- パワコン:接続箱から各パワコンへの入力関係
- 電圧・電流:ストリングの開放電圧や短絡電流などの設計値
これらの情報がそろっていれば、設計上の発電容量やストリングごとの構成を確認でき、実際の発電量と照らし合わせる際の基準になります。
設計時・購入時にストリング図を確認するポイント
ストリング図は、記載情報の充実度・図面どうしの整合・実際の設備との一致を中心に確認することが重要です。
ストリング図は、新規に設計する場面と、中古発電所を購入する場面の双方で確認の対象になります。
▼ストリング図面を精査する際に押さえておきたいポイント
- モジュール・接続箱・パワコンの接続関係が明確に描かれているか
- 開放電圧や短絡電流などの設計値が記載されているか
- 凡例や記号の意味が示され、図面として読み取れる状態か
- 改訂日や版数が管理され、最新の内容に更新されているか
- 図面の内容が、実際に設置されている設備と一致しているか
特に中古物件では、増設や改修によって図面と現地の設備が食い違っているケースもあるため、可能であれば現地調査とあわせて整合を確認しておくと安心です。
太陽光のストリングの組み方とストリング図
ストリングの組み方には横組みと縦組みがあり、影の影響を抑えたい場合は縦に組むことで発電ロスを最小限にできます。
横に組むメリット・デメリット(一般的な組み方)

太陽光のストリングを横に組む場合のメリットは100%日照の場合にすべてのパネルが発電することで、デメリットは左端のパネルに影がかかってしまった場合にすべてのパネルの発電出力が落ちてしまうことです。
太陽光発電設備における発電効率を高めたい場合、以下2点を意識しストリングを設計するのが一般的です。
- ストリングが複数ある際は、ストリングの直列数を揃える
- できる限りモジュールを多く接続したストリングを設計する
このような繋ぎ方が可能なことが理想にはなりますが、木や建物等が周辺にある場合は、パネルの一部分が影になってしまうだけで発電効率が大幅に低下する可能性があります。
縦に組むメリット・デメリット(日影の影響を考慮した組み方)

太陽光のストリングを縦に組む際に期待できるメリットは、100%日照の場合にすべてのパネルが発電することと、左端のパネルに影がかかってしまった場合でも発電出力の低下を最大限に抑えられることです。
それに対して、設計や施工におけるノウハウが不可欠というデメリットがあります。
上記で解説した一般的な組み方以外に、日影による発電効率への影響を考慮した組み方もあります。
あらかじめ日影要因の発電損失の影響についてシミュレーションで求め、組み方に注意した方法です。
どこか1箇所の不都合での影響を全体に与えない面で、発電効率をより高められるストリングの組む方法といえます。
しかし、実はこの組み方は簡単ではなく、一般的な施工業者の場合でも太陽光発電における設計や施工のノウハウを所持していなければ最も適した設計を行うことは困難です。
シンプルに太陽光パネルを並列させるだけの場合は、経験が浅い場合でも可能ですが、発電効率を考慮したストリングの組み方は非常に困難で、専門的な知識や経験が必要になります。
太陽光パネルのストリングにはパワコンも関連する
ストリングを接続するパワコンには集中型と分散型があり、規模やメンテナンス方針に応じて選ぶことが重要です。
容量の大きい集中型は1台で多くのストリングを繋げられ、メンテナンスコストが削減できますが、設置時のコストや故障時の発電ロスが大きいです。
分散型は小型で繋げるストリングは少なくなりますが、設置時のコストが抑えられ、故障時に影響するパネル数が少なく発電ロスが抑えられます。
関連記事:パワーコンディショナー(パワコン)とは?太陽光発電を最大活用するための選び方やおすすめメーカー解説
集中型パワーコンディショナー

集中型とは、大きい規模で使用されることが多く、発電において効率が高いパワーコンディショナーの設置方法です。
集中型パワーコンディショナーのメリット
- 設置コストが削減できる
- 設置台数が少なくできる
- メンテナンスの工数が少なくできる
大きいサイズのパワコンであれば、1台の容量も大きいため、分散型と比較しkWにおける機器のコストが削減できる傾向があります。
FITの価格は年々下落を繰り返しており、入札により買取価格が決定する2MWを超える大規模の発電設備に関しては、さらにシビアにコスト管理することが求められています。
そのため、機器の導入コストを低くできるのは、大きなメリットです。
設置する台数の少なさに関しては、設置や保守に発生する工数の圧縮に結び付きます。分散型と違って、数台という少ない台数の設置のみで済むこともメリットになります。
大型パワコンの場合は、重量があるため重機などが必要になりますが、数十台の規模でパワコンを設置しなければならないため、そのような面でも工数を考慮した場合に負担が少なくなります。
また、すべてのパワコンではなく数台のパワコンをチェックするだけで良いため、メンテナンスにおける工数も削減可能です。
集中型パワコンのデメリット
- 1台故障すると発電ロスが大きい
- 1つのパワコンのサイズが大きく基礎工事が必要
その一方で、集中型パワコンは大きい容量のパワコンを少ない数設置するので、パワコン1台が持つ責任は大きいです。
定期的にメンテナンスを行っている場合でも、故障する可能性は排除できません。
集中型パワコンの場合は、パワコンが1つ故障してしまうだけで発電に大きな影響が生まれてしまいます。
ざっくりとした計算で例えると、パワコンが1台故障してしまった場合、設備がパワコン10台運用であれば、単純に発電量は10%下がりますが、もし2台運用であれば、発電量は半分の50%も低がるということです。
少数化すればするほど、故障した時の影響は大きくなることを理解し検討しなければなりません。
また、集中型パワコンでは1台における容量が大きいため、製品自体の単価は高額であり、設置をする際にもコンクリート基礎が必要になりますので、導入しようとすると費用がかさんでしまいます。
分散型パワーコンディショナー

一方で、分散型のパワコンであれば、太陽光パネルの近くに直接設置し、ぞれぞれのパネルの発電能力が最大限に引き出せます。
関連記事:パワーコンディショナー(パワコン)とは?太陽光発電を最大活用するための選び方やおすすめメーカー解説
分散型パワーコンディショナーのメリット
- 劣化や故障が発見しやすい
- 1つが故障したときの発電ロスが少ない
- 1つのパワコンの単価が安い
- サイズが小さく設置に基礎工事が不要
各パネルでモニタリングや制御が可能なため、劣化や故障が早期に発見できるため、すぐに対応可能です。
故障が発生した際にも、影響があるのは接続されているパネルだけで済むため、全体的に発電力が大きく下がってしまう心配が不要です。
分散型パワコンの場合、1台に接続されている太陽光パネルの数が少なく、また各パワコンが独立しています。
そのため、故障してしまった場合でも、その他のユニットへ影響がないので発電ロスが抑えられます。
さらに、分散型のパワコンで不具合があった際にも、不具合が生じている部分だけを換えることで改修が可能です。
分散型パワコンにはモニタリングや制御も各ユニットで実施できるため、故障してしまったり、劣化してしまったりした際に早期発見でき、対応可能なのも大きなメリットです。
小さくシンプルな構造の分散型のパワコンは、集中型のパワコンと比べると製造にかかるコストが比較的低くなり、単価を下げることが可能です。
分散型パワーコンディショナーのデメリット
- 設置・メンテナンスの工数が増える
集中型よりもパワコンの数が増えるため、設置工事の手間がかかります。
また、修理だけなら故障箇所のみの対応でいいのですが、全体のメンテナンスを行う際には全てのパワーコンディショナーを見る必要があるため、こちらも工数が増え費用もかかるでしょう。
ストリングの不具合・故障の見分け方
ストリングの不具合は、発電量データの監視と目視点検で、どのストリングに異常があるかを絞り込むことから始まります。
太陽光発電所の発電量が想定より低い場合、原因が特定のストリングに偏っているのか、設備全体の問題なのかを切り分けることが第一歩です。
特定のストリングだけ発電量が低下している場合の症状と原因
1ストリングだけ発電量が低い場合、影・モジュール故障・接続不良・断線など、その回路に限った原因が疑われます。
複数あるストリングのうち、特定の1系統だけ発電量が低い場合、設備全体ではなくそのストリング内に原因がある可能性が高いといえます。
- 発電量がゼロに近い:断線、コネクタの外れ、ヒューズ切れなど回路の遮断
- 発電量が一定割合だけ低い:バイパスダイオードの故障、一部モジュールの劣化
- 晴天時の特定時間帯だけ低い:周辺の建物・樹木による影の影響
- 日によって発電量が不安定:接続不良による接触抵抗の増加
まずはモニタリングデータでストリングごとの発電量を比較し、低下の「程度」と「時間帯のパターン」を把握することが、原因を絞り込む手がかりになります。
モジュール故障・接続不良・断線・バイパスダイオード故障の切り分け
各不具合は、発電量の低下幅・電圧電流の測定値・発生パターンの違いから、ある程度まで切り分けが可能です。
主な不具合は、症状の出方によって傾向が分かれます。
それぞれの特徴を整理すると、原因の見当をつけやすくなります。
- モジュール故障:該当パネルの出力が大きく低下。外観に変色・割れ・焦げが見られることがある
- 接続不良:発電量が日や気温で変動しやすい。コネクタや端子の緩み・腐食が原因になりやすい
- 断線:ストリングの発電量がゼロ付近まで落ちる。配線やコネクタの外れ、ケーブルの損傷が疑われる
- バイパスダイオード故障:影がないのに出力が一定割合だけ低下。モジュール内の一部ブロックが常時バイパスされている状態
なお、バイパスダイオードの故障には、常時バイパスされて出力が一定割合落ちる短絡故障と、影がかかった際に保護が効かず局所発熱を招く開放故障の2種類があります。
電圧・電流の測定や絶縁抵抗の確認まで行えば、より精度の高い切り分けができますが、これらは高圧直流を扱う作業のため、専門業者による点検が前提になります。
業者依頼が必要なケースと自己点検でできること
目視やモニタリング確認は自分でも可能ですが、配線の測定や開閉作業を伴う点検は専門業者への依頼が必要です。
太陽光発電は日中つねに高い直流電圧が発生しており、感電や火災のリスクがあります。
▼安全に自己点検できる項目
- モニタリングシステムでストリングごとの発電量を比較する
- パネル表面の汚れ・変色・割れ・草木による影を目視で確認する
- 異音・異臭・焦げ跡など異常の兆候がないか外観をチェックする
▼専門業者に依頼すべき項目
- 接続箱やパワコンを開けての電圧・電流測定
- コネクタや端子の抜き差し、配線の交換
- 焦げ跡や発熱が見られる、絶縁不良が疑われる場合
発電量の低下に気づいたら、状況を記録したうえで、点検・メンテナンスに対応できる業者へ早めに相談することをおすすめします。
自分の発電所のストリング構成を確認する方法
自分の発電所のストリング構成は、竣工時の図面・系統図や点検報告書、遠隔監視システムから確認できます。
確認の手段は大きく「書類で見る方法」と「監視システムで見る方法」の2つに分かれます。
図面・系統図・点検報告書での確認
ストリング構成は、竣工図書の単線結線図やストリング構成図、定期点検の報告書から読み取ることができます。
発電所の設計内容は、引き渡し時に受け取る竣工図書にまとめられています。
▼ストリングの組み方を確認できる書類
- 単線結線図(系統図):パネルからパワコンまでの接続関係を示した図
- ストリング構成図:どのパネルがどのストリングに属するかを示した図
- 定期点検報告書:点検時の測定値やストリングごとの状態の記録
これらの書類が手元にそろっていれば、設計上のストリング数や1ストリングあたりの枚数を把握できます。
遠隔監視システム・モニターでの確認
遠隔監視システムを使えば、ストリングごとの発電量をリアルタイムで把握し、異常の有無を確認できます。
多くの太陽光発電所には、発電量を記録・表示する遠隔監視システムやモニターが設置されているのが一般的です。
監視画面では、ストリングやパワコンごとの発電量を時系列で確認でき、ほかの系統と比べて極端に低いストリングがあれば、不具合の早期発見につながります。
中古太陽光物件購入前のストリングチェックポイント
中古物件の購入前は、ストリング図の有無・構成の均一性・監視の計測単位を確認することが重要です。
中古の太陽光発電所を購入する際は、稼働後のトラブルや発電量低下を避けるため、ストリングまわりを事前にチェックしておくと安心です。
▼購入前に確認しておきたいおもなポイント
- ストリング図・系統図が保管され、引き継ぎを受けられるか
- 各ストリングの直列数が揃った均一な構成になっているか
- 遠隔監視がストリング単位で計測できるか、パワコン単位までか
- 過去の点検報告書に、特定ストリングの異常履歴がないか
- 設計上の想定発電量と、実際の発電実績に大きな乖離がないか
これらの書類やデータがそろっている物件は、稼働状況を読みやすく、購入後のリスク評価がしやすい傾向にあります。
太陽光のストリングの組み方で失敗しないための対策

ストリングの組み方で失敗しないには、パネルの角度を最適化し、施工実績の豊富な業者へ依頼することが大切です。
太陽光パネルの形状・設置角度を工夫する
太陽光発電において、発電効率を上げるためには、太陽光パネルを適切な角度にすることがとても重要です。
一般的に、太陽光パネルの傾斜の角度は、太陽の高度により調整します。
しかし周囲の建物や障害物などの状況でパネルに影ができてしまう場合は、影に合わせて角度を調整し、影響ができるだけ少なくなるように調整する必要があります。
このように、太陽の光が最大限受けられるように、最も適した角度に太陽光パネルを調整すれば、発電効率が向上できます。
施工実績が多く経験豊富な業者を選ぶ
太陽光パネルは長期にわたって使用する設備なので、最適な発電効率を維持する必要があるので、導入時にストリングを正確に組むことが非常に重要です。
ストリングを組む際にはストリングの設計や複数のストリングの直列数を揃えるといった作業を行います。
しかし、太陽光パネルの周辺に建物や樹木などがあって影が発生するなどの事態を避けるため、設置前に環境チェックを入念に行った上で最適な設計をしなければなりません。
そのため、ストリングを含めて高度な技術を所持している、施工実績と経験が豊富な施工販売業者に相談するのが大切です。
ストリング設計が発電所の利回り・売却価値に与える影響
ストリング設計の良し悪しは年間発電量を左右し、利回りや売却査定額にも直結する、投資判断上の重要な要素です。
太陽光発電所を「投資対象」として見る場合、パネルやパワコンのスペックだけでなく、ストリングがどう設計されているかも収益性を大きく左右します。
ストリング設計の良し悪しが年間発電量に与える差
ストリング設計の差は、同じ設備容量でも年間発電量に数%の開きを生み、長期の収益に大きく影響します。
同じパネル枚数・設備容量であっても、ストリングの組み方次第で年間発電量には差が生まれます。
特に影の影響を受けやすい立地では、横組みと縦組みの違いだけで発電ロスが変わり、年間で数%、条件によってはそれ以上の差が出るケースもあります。
産業用太陽光は20年前後にわたって長期運用するため、わずかな発電量差でも累積すれば、規模によっては数十万〜数百万円規模の売電収入の違いにつながります。
売却査定時にストリング設計が見られるポイント
売却査定では、ストリング構成の均一性や影対策、図面の有無が、発電実績の信頼性として評価されます。
中古発電所の売買では、ストリング設計の良し悪しが査定額を左右する場合があります。
▼購入前のデューデリジェンス(資産の詳細調査)で見るポイント
- ストリング構成の均一性:各ストリングの直列数が揃っているか
- 影対策の設計:周辺の建物・樹木による影を考慮した組み方か
- ストリング図の有無:配線設計図が保管・引き継がれているか
- 発電実績との整合:設計上の想定発電量と実績が乖離していないか
ストリング図が整備され、設計と発電実績が整合している発電所は、買主にとってリスクを読みやすく、評価が高まりやすい傾向にあります。
太陽光発電所の購入・投資から、保有資産の売却査定、運用中のサポートまで、ストリング設計を含めた発電性能の見極めには専門的な視点が欠かせません。
判断に不安がある場合は、投資・売却の両面に詳しい専門家へ相談しておくと安心です。
ストリング 太陽光に関するよくある質問
太陽光のストリングについて、枚数の決め方やアレイとの違い、ストリング図の入手先など、よくある疑問をまとめました。
太陽光パネルのストリングの数はどう決める?
ストリングの数は、パワコンの入力電圧・許容電流の範囲内で、1ストリングあたりの枚数と全体のパネル数から決定します。
1ストリングに接続するパネル枚数は、住宅用で3〜8枚程度、大規模な産業用では10〜14枚程度で構成される場合もあります。
枚数を決める際は、直列接続したモジュールの開放電圧の合計と、並列数に応じた短絡電流の合計が、パワーコンディショナーの規格上限を超えないことが条件になります。
また、複数のストリングを設ける場合は、各ストリングの直列数をできるだけ揃えることが大切です。
直列数にばらつきがあると電圧差が生じ、発電効率の低下につながります。
ストリングとアレイは何が違う?
ストリングはパネルを直列接続した回路の単位で、アレイはそのストリングを並列に束ねて架台へ設置した太陽電池群を表します。
ストリングが「直列につないだ1列の回路」であるのに対し、アレイは「複数のストリングをまとめた1つの塊」と整理するとわかりやすいでしょう。
| 項目 | ストリング | アレイ |
|---|---|---|
| 意味 | パネルを直列接続した回路の単位 | 複数のストリングを束ねた太陽電池群 |
| 接続 | 直列 | ストリングを並列接続 |
| 単位の大きさ | 小(数枚〜十数枚) | 大(複数ストリングの集合) |
アレイ内のモジュールは必ずいずれかのストリングに属しており、アレイはストリングを並列接続した上位の構成単位という関係になっています。
ストリング図はどこで入手できる?
ストリング図は、太陽光発電設備を施工した販売・施工業者から、設計図書の一部として受け取るのが一般的です。
ストリング図とは、どのパネルがどのストリングに接続され、どのパワコンへつながっているかを示した配線の設計図です。
新規導入時は施工業者が作成し、引き渡し時に提供されます。
中古物件の取得やセカンダリー売買では、売主や管理会社が保管している設計図書一式に含まれているケースが多いため、契約前に確認しておくと安心です。
手元に図面がない場合は、施工業者やメンテナンス業者へ依頼すれば、現地調査をもとに再作成してもらえる場合もあります。
まとめ
太陽光パネル同士を接続し、構成した直流回路をストリングと呼びます。
太陽光のストリングは、一般的な組み方と日影の影響を考慮した組み方で発電効率が異なります。
また、パワーコンディショナーの選定も、発電効率を意識する上で非常に重要です。
太陽光発電の発電効率を意識し、できるだけ発電効率の良い設備を導入することが大切になりますので、太陽光ストリングの構造や組み方のメリット・デメリット、失敗しないための対策を十分理解した上で導入するようにしましょう。


