太陽光パネルは燃えやすい?感電・火災のリスクや事前対策を解説
- 公開日:2025.11.03
- 更新日:2025.11.04
太陽光パネルが原因の感電や火災などの災害について解説します。感電事故を防ぐ方法や、太陽光パネルの感電リスクがある場面とはどのようなものなのかについても紹介するので、参考にしてください。
太陽光発電設備では、太陽光パネルが破損したりケーブルが断線したりすると、漏電することがあります。感電や火災の原因となり、とても危険です。
また、太陽光発電設備の火災がニュースで話題になったこともあり、太陽光パネルは燃えやすいのではと不安を感じる方もいるでしょう。
太陽光パネル自体は燃えにくいのですが、一度火災が発生すると消火しづらいケースがあるのは事実です。
目次
太陽光パネルで感電してしまうのはこんな時

正常に稼働中の太陽光パネルや配線の場合、触っても感電することはありません。しかし、施工不良や経年劣化で故障が生じていた場合、漏電が発生し、感電の可能性が出てしまいます。
漏電とは、電気回路に絶縁不良が生じ、電気が漏れてしまうことです。太陽光パネルでは、主に以下のような理由で漏電が発生するおそれがあります。
- 施工不良による感電
- 災害による感電
- 水害によって水没したことによる感電
- 火災発生時の感電
- 稼働中の太陽光パネルや配線への接触による感電
施工不良による感電
太陽光パネルの施工不良には、配線の不良・接続の不良・絶縁の不良・防水の不良などが考えられます。これらの施工不良が生じると、太陽光パネルから漏電が発生するおそれがあります。
太陽光パネルの設置工事は、専門業者が実施することが必要です。しかし、そうした場合でも施工不良が発生する可能性があります。施工不良が発生すると、太陽光パネルから漏電が発生し、感電する可能性があります。
太陽光パネルの設置工事は信頼できる業者に依頼することがとても重要です。
災害による感電
太陽光パネルは、災害によって破損するケースがあります。その際に感電のリスクが高まるのです。太陽光パネルが破損して電気回路が露出すると、感電するおそれがあります。
また、太陽光パネルが破損すると、水が侵入する場合があります。水が電気回路に触れると、感電する可能性が高いです。
太陽光パネルが破損した場合は、すぐに電源を切って、専門業者に修理を依頼しましょう。素人が自分自身で修理をすると、感電する危険があります。
また、太陽光パネルが設置されている場所に、近づかないようにしてください。太陽光パネルが破損しているかどうかわからない場合も、近づかないようにしましょう。
水害によって水没したことによる感電
水害によって水没した太陽光パネルに触れると、感電する危険性が高まります。
水害によって太陽光パネルが水没すると、電気回路が水に浸かってしまいます。水に浸かると、電気回路がショートし、感電する可能性が高いです。また、水が太陽光パネルの接続部に浸かると、接続部が腐食し、感電するおそれがあります。
水害によって太陽光パネルが水没した場合は、すぐに電源を切って、専門業者に修理を依頼してください。素人が自分の手で勝手に修理すると、感電する危険があります。
また、太陽光パネルが水没している場合、設置場所に近づかないようにしてください。水たまりを通じて感電することがあるためです。どうしても必要な場合は、ゴム長靴やゴム手袋を着用し、感電対策をとってください。
火災発生時の感電
火災が発生した際に太陽光パネルに触れると、感電する危険性が高いです。火災が発生すると、太陽光パネルが熱くなり、発火することがあります。発火した太陽光パネルに触れると、感電する可能性があります。
また、火災によって太陽光パネルが破損すると、電気回路が露出することがあります。電気回路に触れると、感電する可能性があります。さらに、火災の際の消防活動が感電を引き起こすリスクも考えられます。消火活動においては放水車などによる消化活動で水を大量に使用するためです。
太陽光パネルは火災で燃えやすい?

太陽光パネルが特に燃えやすいというわけではありません。しかし、一度火災が発生すると消火が難しい場合があります。具体的に紹介していきましょう。
太陽光パネルの火災によくある原因
太陽光パネルの火災によくある原因は、下記の通りです。
- 施工不良
- 製品の不具合
- 設備の老朽化
- 自然災害
ケーブルから出火した火災のうちほとんどが施工不良が原因。その内容は、ケーブルの挟み込み又は不適切なケーブルの中間接続若しくは延長接続による異常発熱やアーク放電による出火です。
また設置後の経過年数が古ければ古いほど、火災が発生しやすいです。
火災が起きたときの対策
火災が起きたときの対策は、下記の通りです。
- 消防に通報する
- 水で消火する(感電注意)
- 消火器で消火する
- 再燃のリスクを考慮する
太陽光パネルで火災が起きた場合、水で消火できます。消防庁では「普通の火災同様、放水で消火」と発表しています。
しかし、パネルで火災が起きている場合は直接水をかけると感電の恐れがあります。ゴム長靴をはいたり、ゴム手袋をしたり、感電対策を忘れないでください。
乾燥粉末消火器や二酸化炭素消火器であれば、安全に初期消火を行えるでしょう。
また、一度火が消えたように見えても、太陽光パネルの発電は続いている場合があり、再度火災が発生することもあります。消火後の、プロによる点検作業や修理が不可欠です。
太陽光パネルの感電事故を防ぐための対策

上述したように太陽光パネルの感電事故はさまざまな場面で発生する可能性が考えられます。そのため、太陽光パネルの感電事故を防ぐための対策は極めて重要です。
太陽光パネルなどの発電設備にむやみに触らない
太陽光パネルの感電事故を防ぐための対策として、普段から発電設備にむやみに触らないようにしましょう。
正常に稼働している太陽光パネルの場合、触っても感電することはありません。しかし、老朽化や自然災害で漏電している可能性もあります。
太陽光パネルなどの発電設備に触れる必要がある場合は、ヘルメット・絶縁手袋・ゴム長靴などの装備を着用してください。発電設備に触れる際には、電気を遮断することも大切です。
また、フェンスの設置や出入口の施錠で、部外者が太陽光発電設備に近づけないようにしてください。
破損・水没した発電設備に近づかない
破損したり水没した発電設備には近づいてはいけません。設備に触れなくても、地面の水たまりを通じて感電する可能性があります。
壊れているように見えても、太陽光パネルに光が当たっている限り発電は続いています。
太陽光発電設備や太陽光パネルが自然災害で破損した場合には、雨で設備や地面が濡れていることがほとんどで、特に感電のリスクが高いです。近づかずに専門業者の対応を待つようにしてください。
どうしても近づく必要がある場合には、ヘルメット・絶縁手袋・ゴム長靴などの装備を着用が必須です。
太陽光パネル・発電設備の定期メンテナンスを行う
太陽光パネルの感電事故を防ぐためには、専門業者に定期的なメンテナンスを依頼することも重要です。電気工事や電圧・電流の測定、設備の異常チェックなどは、専門資格を保有している技術者以外では対応できません。
専門業者ではメンテナンスだけでなく、太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの動作に対する異常の確認、接続ケーブルの絶縁状態・配線ミスなどのチェック、発電量のモニタリングや緊急時における対応なども実施してもらえます。
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万が一太陽光パネルに感電した時の対処法

太陽光パネルにさまざまな対策を取っていても、感電事故が起こってしまった場合、急いで以下のような対処法を取ってください。
- 被害者を設備から引き離す
- 電源を切る
- 発電を止める
- 救急車を呼ぶ
- 応急処置を行う
まずは1秒でも早く感電している人を設備から引き離します。感電する時間が長ければ長いほど被害が大きくなるためです。
漏電しているものに手で触れて感電すると、筋肉が硬直して自分で手を離すことができなくなります。素手で引き離そうとすると救助者も感電してしまうので、感電者を靴で強く蹴とばし、漏電している設備から速やかに引き離してください。
救助者もゴム手袋やゴム長靴などの装備が必要です。安全が確保できない場合は、二次被害を防ぐため近づいてはいけません。
また、速やかに設備の電源を落とす必要があります。ブレーカーをオフにしてください。太陽光パネルの発電は光が当たる限り続きます。パネルに覆いをかぶせて光を遮断すれば発電を止められます。
すぐに救急車を呼びましょう。被害者の状況や電圧などを伝えてください。
感電した人の呼吸が止まっている場合は、心肺蘇生を行います。近くにAEDがあれば利用してください。
太陽光パネルの感電リスクに関するFAQ
太陽光パネルの感電リスクに関する主なFAQは以下の通りです。
太陽光パネルは火災が起きても消火できない?
太陽光パネルは火災が発生すると、簡単に消火できない場合があります。
太陽光パネル自体は、ガラスや金属でできており、燃えにくい素材です。しかし、火災が起きても発電が止まらないため、放水時に感電の危険があり、消火活動を妨げてしまいます。
また、太陽光パネルは屋外に設置されていることが多いため、風の影響で周囲に火が燃え広がりやすいことも理由です。
太陽光パネルの火災が発生した場合は、すぐに消防に通報することが重要です。また、消防が到着するまでの間は、なるべく太陽光パネルから離れて、周囲の人に危険を知らせるようにしましょう。
太陽光パネルの火災を防止するためには、定期的なメンテナンスを実施することが極めて重要です。メンテナンスでは、太陽光パネルの汚れやほこりを除去し、電気配線の劣化を確認します。
また、太陽光パネルの周囲に燃えやすいものを置かないようにすることにも注意しましょう。
太陽光パネルで感電したらどうなる?
太陽光パネルで感電すると電流が体内を流れることで、心臓が止まったり、呼吸が止まったりするおそれがあります。また、皮膚や筋肉が損傷することもあります。
太陽光パネルで感電を防ぐためには、以下の点に注意してください。
- 太陽光パネルに触れない
- 濡れた手で太陽光パネルに触れない
- 太陽光パネルに触れた場合は、すぐに電源を切る
- 太陽光パネルの周囲に物を置かない
太陽光パネルには、直流電気が流れています。直流電気は、交流電気よりも感電の危険性が高いです。もし、太陽光パネルで感電してしまった場合は、すぐに電源を切って、救急車を呼んでください。
壊れていない太陽光パネルは触っても大丈夫?
壊れていない場合は、太陽光パネルや架台・電線に触っても、絶縁されているので関電の心配はありません。
しかし、熱いためむやみに触らないようにしてください。
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まとめ
太陽光パネルは、太陽光を電気に変換する装置です。しかし、太陽光パネルには感電のリスクが存在します。特に、災害時や火災の際には、感電の危険性が高まります。
太陽光パネルは、直流電気を生成します。直流電気は、交流電気よりも感電の危険性が高いです。
また、太陽光パネルは屋外に設置されていることが多いため、雨や雪で濡れてしまうことがあります。濡れた太陽光パネルに触れると、感電するおそれがあります。
災害時や火災の際には、太陽光パネルに近づかないようにしてください。もし、太陽光パネルに触れた場合は、すぐに電源を切ってください。また、太陽光パネルの周囲に物を置かないでください。
太陽光パネルは、地球にやさしいエネルギー源です。しかし、感電のリスクがあることを認識し、安全に使用することがとても重要です。
この記事を書いた人
ikebukuro



