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農地転用許可制度とは?費用や許可基準、転用できない土地についても解説

「農地転用」と聞いても、そもそも農地の定義が分からなかったり、許可基準や申請方法などが分からなかったりする方も多いのではないでしょうか。

「農地転用」を一言で説明するなら「農地を農地以外のものにすること」です。

農地を転用するには、都道府県知事または農林水産大臣の許可を得る必要がありますが、それぞれの農地区分によってそれは異なります。

記事前半では農地転用の費用や許可基準、農地転用できない土地について解説し、後半では農地転用の申請方法やよくある疑問にお答えします。

農地転用(農地転用許可制度)とは?

農地転用許可制度は「農地法」に基づく制度で、太陽光発電所・廃棄物処理施設・住宅・駐車場などを設置するために農地を農地以外の土地にすることです。

農地法による「農地」とは、「耕作の目的に供される土地」と定義されており、具体的には登記簿上の地目の「田」や「畑」となっている土地を指します。

また登記簿上で、地目が農地以外になっているにもかかわらず、実際には農地として利用している場合も農地扱いとなります。

農地転用の目的は以下の通りです。

  • 優良農地の確保
  • 適正な国土利用の実現
  • 資産保有目的・投機目的の農地取得を禁止
  • 公共施設の整備・地域開発のために必要な用地利用の円滑化

これらの目的と同時に、農業経営の安定を図るといった意図も含まれています。

農地転用の費用

農地転用をすると、手続きに伴う手数料が発生します。また、転用の許可が下りた後にも、土地の整備や登記に費用が発生する場合がある他、固定資産税の税率が変わります。

農地転用に伴い発生する費用を詳しく解説していきましょう。

転用許可にかかる費用

転用許可の申請には必要書類を揃えるための手数料がかかります。

自分で手続きする場合は、届出の場合が1〜10万円程度、許可の場合は10〜16万円程度です。

費用の詳細は以下の通りです。

法人の登記事項証明書 手数料:1通600円
オンライン手数料:1通480〜500円
土地の登記事項証明書 手数料:1通600円
オンライン手数料:480〜500円
土地の位置を示す地図 「都市計画図」「農業振興地域区域図」:数百円
「公図」:450円
施設の位置を明らかにした図面 専門家への報酬:数千円
残高証明書や融資証明書 残高証明書:700〜900円
融資証明書:数千円〜1万円
土地改良区の意見書 土地改良区の意見書:数千円
専門家への報酬:数千円〜1万円程度
その他参考書類 1万円〜20万円程度

また必要書類の専門性も高いため、行政書士に依頼する方も少なくありません。

工事にかかる費用

農地を農地以外にするには工事が必要ですが、宅地にする場合は、宅地造成工事をする必要があります

宅地造成工事は、農地の凸凹な土地を鳴らしたり、地盤を安定させたりする工事のことです。

東京都で公表されている平坦地の宅地造成費は以下のとおりです。

工事費目 金額
整地費 面積1平方メートルあたり700円
伐採・抜根費 面積1平方メートルあたり900円
地盤改良費 面積1平方メートルあたり1,700円
土盛費 体積1立方メートルあたり6,200円
土止費 面積1平方メートルあたり64,900円

また、農地転用のための工事にかかる費用は市町村により異なるため、各市町村に問い合わせる必要があります。

宅地転用後にかかる費用

宅地転用後にかかる費用には以下のようなものがあります。

<登記費用>

農地を宅地に転用した場合、登記を変更しなければなりません

この手続きは、自分で手続きをすればそれほど費用はかかりませんが、専門家に依頼した場合はそれぞれ以下の費用がかかります。

  • 土地家屋調査士に依頼する場合:4万円程度
  • 特別な手続きが必要な場合:30万円以上

<固定資産税>

農地から宅地に変更した場合、農地より宅地の方が収益性は高いため、宅地転用後は固定資産税が上昇します

この場合は届出が受理された時点で「宅地」として認定されるため、実際にはまだ農地だったとしても翌年から固定資産税は上がってしまうので注意しましょう。

農地転用の許可基準

農地を農地以外にする場合は、農地法に基づいて都道府県知事または農林水産大臣の許可を得なければいけません

それらの許可権者は、「立地基準」「一般基準」に基づいて審査し、許可・不許可の判断を下します。

「立地基準」は、農地の状況や市街地化の状況などから判断し、「一般基準」は、農地転用の確実性や周辺農地への支障がないかどうかといったことから判断します。

立地基準・一般基準のどちらにも該当しない場合は、許可はできません。

以下のケースでは許可が不要とされます。

  • 国や都道府県が転用する場合
  • 土地収用される場合
  • 農業経営基盤用化促進法による場合

立地基準

どんな農地でも農地転用ができるわけではありません。

農地法により定められた基準を満たした農地だけが農地転用の許可が与えられます

立地基準では、農地を5つに区分して、それぞれの許可方針が定められています。

  • 農用地区域内農地
  • 第1種農地
  • 甲種農地
  • 第2種農地
  • 第3種農地

このうち、農用地区域内農地・第1種農地・甲種農地は農地転用ができません。

農地転用が可能なのは、「第2種農地」と「第3種農地」です。

第2種農地 市街地化が見込まれる区域にある農地又は生産性が低い小集団の農地
第3種農地 市街地化が進んだ地域にある農地

一般基準

一般基準とは、転用事業の確実性や周辺農地への影響を考慮して農地転用の許可・不許可を判断するものです。

事業実施の確実性

農地転用は転用事業が確実に行われると認められない場合は許可がおりません。

目的がなく農地転用の許可だけとっておくことはできないということです。

この場合は、転用事業を行うための資金力があるかどうかや、転用するにあたって権利を有する者の同意を得ているか審査されることになります。

こういったことを事業計画書などの書類で証明していくことになりますが、資金力がないと判断された場合や、権利者からの同意を得ていない場合は不許可となります。

被害防除

農地転用する際、周辺に農地がある場合に、農地転用によって周辺農地に悪影響を及ぼす場合は許可が降りません

例えば、土砂の流出や崩壊を起こす可能性がある場合や、農地の日照に支障を及ぼす場合などがこれに該当します。

事業計画などで被害防除策を記載する必要があります。

被害防除は農地の保護が目的ですので、それに該当する場合に不許可となるのは当然とも言えるでしょう。

一時転用

一時的に農地を転用したい場合も、認められることがあります。

一時転用したあとに、農地を復元することを条件に一時的な転用を認めるものです。

ソーラーシェアリングは太陽光発電と営農を同時に行うものですが、農地の一時転用を活用することでも知られています。

原則3年間の一時転用許可を経て、期間が終了する前に更新するといった流れです。

ただし、営農状況によっては更新できない場合もあります。

農地転用できない土地

農地には農地転用できる土地とできない土地があります。

農地転用できない土地には「農用地区域内農地」「甲種農地」「第1種農地」がありますが、「甲種農地」と「第1種農地」は条件次第で転用可能です。

農地転用できない土地は、市民農園にしたり、農地を売ったりして有効活用する方法もあります。

農用地区域内農地

農用地区域農地とは、農振法に基づいて作成された農業振興地域整備計画において、農用地区域内と定められた農地のことをいいます。

農用地区域は、農地として利用するべく行政により定められているため、農地転用は原則として認められません。

今後10年以上にわたって農地を確保するため、農地以外への転用が厳しく法律で制限されています。

甲種農地

甲種農地とは、市街化調整区域にある農地のうち、特に良好な条件を備えている農地です。

甲種農地は優良な営農条件を備えているため、農地転用は原則として認められていません。

例外として、農業用施設や農産物の販売施設などを建てる場合は、農地転用が認められています。

第1種農地

農用地区域内にある農地以外の農地で、特に良好な条件を備えている農地です。

第1種農地も甲種農地と同様に、営農条件に優れているため、原則として農地転用が認められていません。

この場合も例外があり、公共性の高い事業の場合は、農地転用が認められるケースがあります。

農地転用の申請方法

農地が市街化区域内にある場合の農地転用手続きは、各市町村の農業委員会に書類を提出しましょう。

また、市街化調整区域は市街化を抑制する地域ですので、農地が市街化調整区域の場合は、都道府県知事からの許可が必要です。

さらに自分で所有している土地を転用する場合と、自分以外の土地を転用する場合で必要書類が異なります。

それぞれ解説します。

自己所有の土地の場合

自己所有の土地を農地転用する場合は、「農地法第4条」がそれにあたります。

「農地法第4条」は、農地を転用するときに所有権の移転がないときに用いられます。

必要書類

必要書類は以下のとおりです。

  • 申請書(4枚)
  • 住民票
  • 登記簿謄本
  • 公図
  • 利用計画書

転用後に事業を始める場合は、事業計画書なども必要になります。

これらの書類を収集して市区町村の窓口に申請しましょう。

届出や許可申請による費用はかかりませんが、必要書類を揃えるための手数料がかかります

専門性の高い書類が多いため、行政書士に依頼する方も少なくありません。

自分以外の土地の場合

「農地法第5条」が適用されるのは、農地を他人に売却または貸し出して、その買主または借主が転用する場合です。

例えば、不動産会社がマンションを建てるために農地を買う場合がこれに該当します。

必要書類

「農地法第5条」の許可申請には以下の書類が必要です。

  • 許可申請書
  • 申請地の全部事項証明書
  • 住民票・戸籍の附票など
  • 土地所有者の同意書
  • 許可申請書または通知書
  • 転用同意書
  • 法人の登記事項証明書
  • 法人の定款
  • 相続が確認できる書面
  • 位置図
  • 公図の写し
  • 周辺土地利用状況図
  • 現況写真
  • 地積測量図
  • 事業計画書
  • 施設の平面図・立面図
  • 排水計画図
  • 造成計画図
  • 資力を証明する書面
  • 見積書
  • 土地売買契約書の写し
  • 農地所有者・耕作者の同意書
  • 土地改良区の意見書
  • 水利権者の同意書
  • 農業振興地域整備計画の変更済証明書

転用の目的によって、これらに加えて他に書類が必要な場合があります。

農地転用に関するFAQ

ここでは農地転用に関するFAQを通して、よくある疑問を解説します。

100坪の土地を農地転用する際の費用は?

農地転用をした場合の費用は「転用前」と「転用後」に分かれますが、転用前は届出や許可の申請の際に書類費用が発生します。

農地転用後には「宅地造成工事費用」「固定資産税」「登記費用」がかかり、100坪の土地を農地転用する際の造成工事には、200万円〜500万円かかると言われています。

しかし、造成工事の費用は地域や土地の状態、業者によって異なるため、自分でできることは自分でするなど、安く抑える方法も知っておきましょう。

農地転用の申請をしないとどうなる?

農地転用をせずに農地を無断で転用すると、農地法違反となり、3年以下の懲役または300万円以下(法人に対しては1億円以下)の罰金が科されます

しかし無断転用を理解していない場合、故意ではなく農地を転用してしまうケースも少なくありません。

そのような場合は、農業委員会に正直に打ち明けることで何らかの対処をしてくれます。

実際に支持される内容は、地目の変更申請や、農地転用の許可申請です。

無断転用した農地について、農業委員会に問題ないと判断された農地は地目変更登記をすることを支持さ指示される場合があります。

そのような指示があった場合は、速やかに変更登記申請を行いましょう。

地目が変更となれば、農地ではなくなることを意味します。

宅地に転用するにはどれくらいの期間がかかる?

農地転用許可申請は、手続きを始めてから通知がくるまでの期間が、およそ6週間とされています。

また届出の場合は、審査開始から1〜2週間ほどで完了します。

農地除外などの案件では、転用許可が降りるまでに1年以上かかることもあるため、余裕を持ったスケジュールを計画しましょう。

農地転用するための抜け道はある?

転用したい農地が「市街化区域」だった場合、手続きは届け出のみで済みます。

しかし、「市街化調整区域」だった場合には、転用手続きの許可が必要となり、転用が難しくなったり、手続きが煩雑になったりします。

農地転用が難しかった場合には、以下の方法を検討してみてください。

  • 農業者になり事業に使用する目的で建物を建てる
  • 現況証明・非農地証明書などを取得する
  • 除外申請をする
  • ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)

農業者になり事業に使用する目的で建物を建てる

農地を所有している申請者が農家である場合、事業拡大のために事業用に使う施設を農地に建てたい場合は、建築面積が2アール(200㎡)未満であれば建設可能です。つまり、農地転用せずに農地の上に建物を建てられます。

現在農家でない方の場合でも、2023年の4月より農地法が改正されて農地取得の下限面積が狭くなっているため、農業者となるハードルが低くなっています。家庭菜園より少し広い面積から農業者取得が可能なので、検討してみる価値はあるでしょう。

現況証明・非農地証明書などを取得する

「現況証明」で現況が農地でないと確認する、または「非農地証明」ですでに森林化していたり災害等で復旧困難になっていたりすることが確認できれば、農地転用が可能となる場合があります。

どちらも農業委員会の調査が必要になり、自治体によって制度が異なるので、問い合わせてみてください。

除外申請をする

農地が「農業地区域」だと、転用は難しくなっています。しかし、「除外申請」を行い、農業地区域から除外できれば、農地転用の申請ができる可能性があります。

除外申請の申し出が認められる条件には以下のようなものがあります。

  • 農用地等以外の用途に供することが必要かつ適当であること
  • 農用地区域以外の区域内の土地をもって代えることが困難であること(代替性がないこと)
  • 農地の集団性、農作業の効率化、その他農業上の効率的かつ総合的な利用に支障を及ぼすおそれがないこと
  • 効率的かつ安定的な農業経営を営む者の、農地の利用集積に支障を及ぼすおそれがないこと
  • 農用地区域内の土地改良施設の有する機能に支障を及ぼすおそれがないこと
  • 土地改良事業等の工事が完了して8年を経過した土地であること

参考:行政書士佐藤雄太事務所

上記に当てはまりそうな場合は、自治体の窓口に相談してみてください。

ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)

太陽光発電設備の建設を検討している場合、ソーラーシェアリングであれば農地のままで太陽光パネルを設置することができます。

ただし、継続的に農業を営めるかなどの条件を満たす必要があり、経済産業省への事業計画認定の申請・電力会社との契約・農業委員会への一時転用許可申請をしなければなりません。

さまざまな用意がいりますが、農業での収入に加えて売電収入が得られ、さらに農業に必要な電力を自家発電で賄うことができるため、利益を増やせる可能性があります。

ソーラーシェアリングについて詳しく知りたい方は、下記記事もチェックしてみてくださいね!

【ソーラーシェアリングとは】向いている作物とメリット・デメリット、日本の活用事例を紹介

農地転用の許可が降りない場合はどうすればいい?

行政書士などの専門家に手続きを依頼するのがおすすめです。

農地転用の専門家として様々な案件を担当してきた行政書士であれば、必要な手続きを判断して自治体に申請してくれます。

お住まいの地域の農地に詳しい行政書士を探して、相談してみてください。

まとめ

農地転用とは、農地を農地以外の土地にすることで、国土の合理的な土地活用を図るものです。

農地転用は許可権者による許可が必要で、「立地基準」「一般基準」といった許可基準に基づいて審査します。

また、農地区分によっては農地転用できない土地もあるため、注意が必要です。

農地転用には、必要書類を収集するための費用、造成工事費、登記費用、固定資産税などが発生します。

農地転用の申請方法や必要書類を確認した上で、疑問点も解決し、農地転用の手続きを進めていきましょう。

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