本サイトにはPRを含みます。なお、掲載されている広告の概要や評価等は事実に反して優遇されることはありません。

CSR(企業の社会的責任)とは?CSVのと違いや活動事例を解説

企業の社会的責任を意味する「CSR」への取り組みにはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

よく混同されるCSVなどの関連用語との違いや、企業のCSR活動事例もあわせて解説していきます。

CSR(企業の社会的責任)とは

CSRの正式名称は「Corporate Social Responsibility」です。

欧米には昔から「企業が存続するためには社会発展が持続しなければならない」という概念があり、CSRは「企業は社会的な責任を果たすべき」という概念に基づいて制定されました

年々国という枠組みを超えた企業活動が盛んになり、CSRにもあらゆる国に通じる統一の基準が求められるようになっていきました。

異なる文化を持つ国・企業・組織に適用されるCSRとして考案されたのがISO26000です。

2011年11月1日に、企業だけではなく公的機関・民間・非営利団体なども対象とする国際規格・ISO26000が発効され、CSRが国際社会全体に浸透する効果を発揮しています。

CSRの国際規格「ISO26000」

CSRの国際規格であるISO26000には7つの原則と7つの中核主題が定められています。ここでは7つの原則をメインに見ていきましょう。

  1. 説明責任:組織の活動の影響の説明
  2. 透明性:組織の意思決定と組織活動の透明性を保持
  3. 倫理的な行動:公平性・誠実性といった倫理観に基づく行動
  4. ステークホルダーの利害の尊重:色々なステークホルダー(その組織の利害関係者)へ配慮のある対処をすること
  5. 法の支配の尊重:法令を尊重・遵守する
  6. 国際行動規範の尊重:国際的に知れ渡り通用している規範を尊重すると共に遵守する
  7. 人権の尊重:重要・普遍的な人権を尊重すること

組織統治(ガバナンス)・人権・労働慣行・環境・公正な事業慣行・消費者課題・コミュニティへの参画及びコミュニティの発展が7つの中核主題と定められています。

参考:ISO26000 (国際標準化機構の社会的責任規格) | CSOネットワーク

CSR活動における諸外国との違い

ISO26000が発効されて10数年経った現在も、日本と諸外国のCSR活動への取り組みや活動内容の違いが見受けられます。

米国のAmazonを例に挙げると、Amazonでは社会貢献事業として、教育支援・食料支援・居住支援・災害援助のほか、小児がん患者の支援やウクライナへの支援など、幅広いCSR活動を行っています。

しかし、日本は助成金のサポートや環境への配慮をCSR活動と考えている企業が多く、米国をはじめとした諸外国のような幅広く多種多彩なCSR活動を行っているとは言えません

CSR活動に関する自企業のレポートの内容も、諸外国のレポートは問題提起などの記述が多いのに対し、日本企業は通り一遍の無難な報告しかないという指摘がありました。

日本と諸外国とのCSR活動の概念や内容、CSR活動への意識の差については企業活力研究所など様々な組織が提言しており、今後、この差を埋める努力が求められています。

CSRと混同されやすい関連用語

CSRは3文字の略称で語られることもあり、似た名称・概念の関連用語と混同されることが度々あります。

CSRと特に混同されやすい3つの関連用語とCSRの違いをチェックしてみましょう。

CSRとCSV(共有価値の創造)の違い

一番混同されることが多いのは、CSRとCSVです。

CSVとは「Creating Shared Value」の略称で、共有価値の創造を表す言葉です。

企業が事業活動をしていく過程で社会的課題を解決するという意味で、企業の価値と社会価値を両立させることを目的にしています。

CSRは社会的貢献が主題で、企業の事業活動と離れた奉仕活動もCSRに含まれています。

しかし、CSVの社会への貢献活動は企業の事業と関係のある活動で、企業戦略の構成要素として行われるので、CSRとはメインとしているテーマが異なるのです。

CSRとコンプライアンスの違い

コンプライアンスは、法令を守り、倫理の規範となるように規則・ルールに基づいて活動することを表します。

広義でとらえればCSRと共通した精神がありますが、企業が社会に貢献することを目的としているCSRに対し、コンプライアンスは企業内の規範を守ることを目標としている点で異なります。

CSRが企業の外への働きかけとすると、コンプライアンスは企業の内側への働きかけです。

企業内のルールを遵守するコンプライアンスはCSRに含まれているので、混同されがちですが意味は異なります。この違いを把握しておきましょう。

CSRとサステナビリティの違い

サステナビリティの訳は「持続可能性」で、世界の環境と人間の社会が調和・共栄し、発展し続けていくことを意味する言葉です。

社会的な貢献によって世界と人間をより良い方向へ導いていくという精神でCSRと一致していますが、CSRが企業における活動なのに対し、サステナビリティは人間の社会全部が対象という点が異なります

CSRとサステナビリティの精神は共通していますが、貢献する対象と範囲が違うのです。

「多くの企業がCSRを推進することにより、サステナビリティも拡大していく」と表現すると違いがわかりやすいです。

CSR活動に取り組むメリット

CSR活動は、企業の利益を向上させるよりも社会に貢献することを主軸にした活動ですが、CSR活動に企業が取り組むことで企業にもメリットがあります。

代表的なメリットを見てみましょう。

  • 企業のイメージアップに繋がる
  • 取引先とのつながりの強化が図れる
  • コンプライアンス違反が抑制される
  • 従業員の離職率低減にも役立つ

企業のイメージアップに繋がる

特に大きなメリットは、企業イメージが上昇することです。

CSR活動をしていることは社会に貢献していることだと理解している人は、企業に対して良いイメージをいだきます。

顧客や他の企業だけではなく、国外の企業に対してもアピールする力があるので、日本・海外共にCSR活動をしている企業は、自社のサイトにCSR活動をしていることとその内容を記載しています。

中にはPRに失敗している企業もありますが、ほとんどの企業はCSR活動を推進することで自社企業の利益につなげています。

東京商工会議所が行ったCSR関連のアンケートでは、企業の5割以上がCSR活動の理由に「企業イメージがよくなるから」と回答していました。

取引先とのつながりの強化が図れる

CSRには、企業と取引先のつながりが強化されるという効果もあります。

社会的貢献を果たしている企業が取引先と共にCSR活動を推し進めることで、企業の製品の取引以外でも取引先との関係を深められるのです。

前項で挙げた「企業イメージが上昇する」というメリットにより、企業及び取引先の製品の売上が上昇すれば、社会的地位だけではなく企業の利益も大きくなります。

そのメリットにより、企業と取引先企業が共に発展することで、両社のつながりがさらに強くなるのです。

コンプライアンス違反が抑制される

CSR活動には「コンプライアンス違反が抑えられる」というメリットも指摘されています。

企業としてCSRの7つの原則の1つである「透明性」を保つことにより、コンプライアンス違反をする人が減少するからです。

7つの原則の中の「倫理的な行動」もコンプライアンス違反の抑制に効果があります。

企業に属する人間が、透明性を保持しつつ倫理的に行動することにより、コンプライアンス違反は激減します。

そのことが企業の利益にもつながるので、これも非常に大きなメリットなのです。

従業員の離職率低減にも役立つ

CSRは、従業員の離職率を減らす効果も発揮します

CSR活動を活発に行っている企業は従業員にも良い印象を与え、愛社精神を向上させるからです。

CSRを行う企業は体外的なイメージも良いので、その企業で働いていること自体が従業員自身の武器にもなるので、離職率が低下します。

それだけではなく、新社会人になる大学生・仕事を探している社会人も良いイメージを抱くので、意識が高い人材ほどCSRを推進している企業を望むようになります。

結果的に、良い従業員が定着しやすく、良い従業員が新たに加わりやすくなるのです。

集まってきた上質の従業員が、CSR活動の質の向上に貢献すれば、企業全体のイメージと利益が大幅に向上する効果が期待できます。

CSR活動に取り組む際のデメリット・注意点

CSR活動にメリットがいくつもあることは前述の通りですが、デメリットもあります。

企業がCSR活動に取り組んだときに発生する可能性が高いデメリットや注意点をチェックしてみましょう。

  • 人件費等のコストが増加する
  • 人員不足に陥る可能性がある
  • 業績の向上に繋がらない可能性がある

人件費等のコストが増加する

CSR活動の最も大きなデメリットと言われているのは、人件費をはじめとしたコストが増加することです。

CSRは企業の利益を上昇させる活動ではありませんが、その活動にはコストも人手も必要です。

CSR活動に際して従業員を動員しなければなりませんが、従業員を無償で奉仕させられないため、人件費がかかります。

活動時に発生する費用もかかりますが、それに対する金銭的な見返りは期待できません。

利益が上がらない活動に企業のコストを注ぎ込まなければならないのです。

東京商工会議所が行ったアンケートでも、企業の大半がCSRのデメリットとして「コストが増えること」と回答しています。

人員不足に陥る可能性がある

コスト増加に次ぐデメリットに挙げられているのは、人員不足です。

企業は従業員を募集する際に、企業の仕事内容に応じた人数を確保します。

しかし、CSR活動は企業の仕事に含まれていないことが多いので、CSRに従業員を動員することにより、企業の本来の仕事に従事する人が不足する事態を招くのです。

大企業なら人的資源が不足することは少ないですが、最低限の従業員だけで運営している中小企業は、CSR活動によって慢性的な人員不足を引き起こします。

この人員不足現象も、東京商工会議所のアンケートでデメリットと言われていました。

業績の向上に繋がらない可能性がある

CSRは「業績の向上に繋がらない確率が高いのもデメリット」と言われています。

前述したコストの増加と人員不足により、業績がダウンする可能性もあります。

CSRに費やすコストや人員が限られている中小企業は、CSRが原因で企業の存続が難しくなる危険性があるので、CSRを始める前に自社の業績や従業員の数などを精査することが必要です。

しかし、CSR活動を企業イメージの向上や業績アップにうまく繋げられれば、中小企業でもCSRに取り組む意義があります。

CSR活動を自社利益に繋げることに成功している企業の事例をチェックした上で取り組みましょう。

CSR活動事例

CSR活動を進めている企業は自社サイトなどで活動事例を紹介しています。

具体的な活動事例を発表している4社のCSR活動事例を見ていきましょう。

東北電力

自社独自で「東北電力グループCSR方針」を打ち立てている東北電力グループ各社の活動事例をご覧ください。

①広瀬川流域一斉清掃

東北緑化環境保全株式会社は、広瀬川1万人プロジェクト実行委員会が行っている広瀬川流域の一斉清掃に毎年参加しています。

②とうはつの森の植樹活動

東北発電工業株式会社は、宮城県利府町にあるとうはつの森の植樹などの環境保全活動を行っています。

③みやぎクラフトマン21事業支援

株式会社ユアテックは、宮城県が高校生の技術力向上などを目標にした教育事業「みやぎクラフトマン21事業」を、高校生を自社に招き入れるという形で支援しています。

KDDI

2005年にCSR推進室(現=CSR・環境推進室)を総務部内に設置したKDDIでは、企業グループ各社で以下のようなCSR活動を行っていることを企業のサイトで公表しています。

①英国の災害復旧チームに参加

TELEHOUSE EUROPEは、英国・ロンドン災害復旧チームと電気通信業界地域災害復旧チームに加わり、解決案の策定活動に参加しています。

②沖縄県立博物館・美術館の支援

沖縄セルラー電話株式会社は、2007年に沖縄県立博物館と美術館が開館した折、琉球王国の歴史などを収録した映像DVD2作品を製作して寄贈しました。DVDは現在も小中学校の教材として活用されています。

富士フイルムホールディングス

富士フイルムホールディングスグループ各社でのCSR活動をご覧ください。

①乳がん予防のメッセージ発信

FUJIFILM Europe GmbH–Sucursal em PortugalはSNSから乳がん啓発月間に世界中に向けて乳がん予防のメッセージを発信しました。

②洪水被害を受けた小中学校に寄付

FUJIFILM VIETNAM Co., Ltd.は、2020年10月の洪水の被害に合った小中学校の支援を目的にオークションイベントを開き、集まった資金を全額寄付しました。

③地域への貢献を目指した環境保全活動を実施

北米グループ会社の従業員がボランティアキャンペーンでニューヨーク州とサウスカロライナ州の団体と連携し、公園のゴミ清掃などの美化活動を行いました。

セブン&アイ・ホールディングス

セブン&アイ・ホールディングス及びグループ各社のCSR活動も自社サイトで確認できます。

①盲導犬育成を支援

セブン&アイグループ各社で盲導犬育成の支援を行っています。そごう・西武などに犬型の募金箱を常設し、集まった募金を盲導犬育成団体に寄付しています。

②社会課題解決支援を目的にした募金箱を設置

イトーヨーカドーは、2016年から全国全店のレジに募金箱を常設し、子供未来応援基金や東日本大震災災害復興募金として寄付しています。

③商品寄贈

セブン-イレブン・ジャパンは、2017年から店舗を改装したときに出る酒類や鮮度管理商品を除く在庫商品をフードバンク団体・セカンドハーベスト・ジャパンに寄贈しています。

CSRに関するよくある質問

CSRについて考える際に、気になる点についてまとめました。

CSR調達とは?

CSR調達とは、調達先の企業を「CSRを果たしているか」という観点から選定し、サプライチェーン全体で社会的な責任を果たそうとする取り組みのことです。

自社ではCSR活動に力を入れていたとしても、調達先が環境保全や人権尊重に全く取り組まない企業であっては、突然の倒産や評価の降格などで自社にも悪影響を与えるリスクがあります。

持続可能な経営を続け、顧客や投資家から信頼を得るためにも、CSR調達を心がける必要があるでしょう。

CSR活動で中小企業に向いている活動は?

中小企業では、CSR活動に資金をかける余裕があまりないところもあるでしょう。その場合、ボランティア活動などのできるだけコストがかからない活動から検討してください。

おすすめなのが、自家消費型太陽光発電の導入です。

太陽光発電を導入することで再生可能エネルギー普及促進・脱炭素社会への貢献ができます。さらに、電気料金の削減・減価償却による法人税の節税・停電時への備えになるといったメリットが得られます。

初期費用をかけたくない場合は、PPAモデルでの太陽光発電設備導入という手もあります。初期費用0円で太陽光パネルを設置でき、PPA事業者に電気料金を支払うことで太陽光発電した電気を使用できます。

CSR活動をアピールするには?

CSR活動を行っても、社内外に周知できなければそのメリットが半減します。

CSR活動のアピール方法には以下のようなものがあります。

  • 自社ホームページ
  • SNS
  • 広報誌
  • 看板・ポスター
  • 活動への参加募集

最も手軽なのは、自社の公式サイトやSNSなどWEB上で周知する方法です。資金をかけずに、広く発信することができます。

広報誌などの冊子を発行する場合には、単なる報告書としてまとめるのではなく、読み物として魅力ある形にすることで、社内外のより多くの人の目に留まり効果的です。

植林や太陽光パネルの設置を行った場合には、現地に看板やポスターを設置することで訪れた方に活動を伝えられます。

ボランティア活動などを主催して社外からの参加を募ると、口コミでの広がりも期待できるでしょう。

まとめ

日本国内のCSR活動について諸外国との意識の違いなどを指摘されていますが、日本のCSR活動は問題点をクリアしながら進化し続けています。

資金力と人員が不足しがちな中小企業も積極的に取り組めるようになれば、日本全体のCSR活動がグレードアップするのではないでしょうか。

日本国内の企業が協調してCSRを推進し、世界の規範となるようなCSR活動を実現させるのを目標に取り組んでいきましょう。

関連記事

太陽光発電

記事一覧へ
記事一覧へ

節税・節約

記事一覧へ
記事一覧へ

資産形成

記事一覧へ
記事一覧へ

SOLACHIE presents

  • 太陽光投資の「失敗確率を下げるノウハウ」を一冊の本に!無料の限定資料をプレゼント

  • 投資スタートした場合の、実際の利回りシミュレーションをプレゼント

  • 太陽光投資プラットフォーム「SOLSEL」非公開物件をご紹介

SOLSELコンシェルジュに
太陽光投資の相談

コンシェルジュがサポートいたします。
まだサイトに掲載されていない投資物件も多数ございます。
ぜひお気軽にお問い合わせください。