【ZEH住宅のメリット・デメリットとは?】これからはエネルギーを創る時代に

【ZEH住宅とは】実現のための3つの基準
資源エネルギー庁のサイトでは、ZEHを「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」と定義しています。
(参照:ZEHに関する情報公開について)
具体的には、以下の3点が必要になります。
①高断熱
外壁や窓枠などに断熱性の高い素材を使うことにより、外気の温度の影響を受けにくく、家の中を快適に保てます。
冷暖房の効率が良くなり、消費エネルギーを抑えることが可能です。
②省エネ
HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を使って、家全体で消費・発電しているエネルギーを見える化し、省エネ効果を高めます。
また、「空調」「照明」「給湯」「換気」の4項目で、基準より2割以上省エネ効果の高い設備が必要です。具体的には、省エネタイプのエアコンや、消費電力の少ないLED照明、高効率な給湯システムなどを導入します。
③創エネ
太陽光発電システムを導入します。家庭用燃料電池や蓄電池などを組み合わせることで、太陽光発電できる晴れた日の昼間だけでなく、夜間や災害時にも活躍が期待できます。
ZEH住宅を建てるメリット・デメリット
デメリット
①初期費用が高い
ZEH住宅には、太陽光発電システムやHEMSなどの最新の高効率設備を導入する必要があります。そのため建築にかかる費用が一般の住宅より100万円~300万円程度高くなってしまうでしょう。イニシャルコストを下げたいという方には向いていません。
②メンテナンスコストがかかる
高価な設備を導入するので、メンテナンス費用も上がりやすくなっています。
メーカーによっては一定期間の保証がついているところもありますので、内容を確認する必要があるでしょう。
③補助金申請のため、ハウスメーカーや着工時期に制約がある
国はZEH住宅の普及を推進しています。基準を満たせば、補助金を受け取ることが可能です。ただし、ZEHビルダー・ZEHプランナーとして登録された企業のみが、補助金を申請できます。大手メーカーの場合には心配ありませんが、建築を希望する企業が登録されていない場合もあるかもしれません。
ZEHビルダー・ZEHプランナーは、一般社団法人環境共創イニシアチブ(以下SII)によって登録されており、以下のサイトから確認することができます。企業が受注した住宅の中で、ZEH住宅が占める割合を見ることもできますので、参考にしてください。
(参照:ZEHビルダー/プランナー)
また、補助金の申請期間に合わせて、建築のスケジュールを立てる必要があります。引っ越しなど特別な事情がない場合は、余裕をもって計画できるので問題はないでしょう。
メリット
①光熱費が削減できる
太陽光発電で発生した電気を自宅で使うことで、電力会社から購入する電気が大幅に減ると期待できます。使いきれずに余った電力は売電できるので、収入を得ることもできるでしょう。
また、HEMSで家全体のエネルギー収支をモニターすることが可能です。どこで電気を使いすぎているのか、節電の効果はどのくらいかなどが、目に見えて分かるため、効率的に電気を使うのに役立ちます。
ただし、夜間や悪天候の日などの太陽光発電ができないときには、電力会社から電気を買うことになるので、光熱費がゼロになるというわけではありません。
②快適性が向上する
断熱性が高い住宅なので、家の中全体が快適な温度に保たれます。「冷房がなかなか効かずに暑い!」「リビングは暖かいけど、一歩廊下に出ると寒い!」といった悩みは解消されるでしょう。
室内の寒暖の差が招く急激な血圧上昇「ヒートショック」を防ぐこともでき、健康への好影響が期待できます。
③災害に強い
太陽光発電システムに加えて、蓄電池も一緒に導入することで、停電時にも電気を使うことができるようになります。
④地球に優しい
太陽光発電由来の再生可能エネルギーを使うことで、二酸化炭素排出量の削減が可能です。高断熱の家と高効率設備のおかげで、使う電力量そのものも大幅に減らせます。
また、発電所の電気は遠くから送られてくるため、送電される間に5%程度がロスしてしまいます。ZEH住宅の仕組みは、電気を自宅で作り自宅で使うという、最もロスのないエネルギー消費と言えます。
【2021年】ZEH住宅は補助金制度の対象になる?
個人の新築住宅が対象の補助事業は、「ZEH支援事業」と「次世代ZEH+実証事業」の2つです。さらに、「先進的再エネ熱等導入支援事業」の補助金も併せて申請できます。
補助金の申請は、ZEHビルダーもしくはZEHプランナーに登録されているハウスメーカーのみすることができます。補助金申請は面倒なようにも思えますが、実績のあるZEHビルダー・ZEHプランナーであれば、手続きをおまかせできるので安心です。
詳しくは、SIIの公式サイトを確認するか、ZEHビルダー・ZEHプランナーに相談してみてくださいね。
ZEH支援事業・次世代ZEH+実証事業
ZEH種類 | 対象・交付要件のポイント | 補助金額 |
ZEH支援事業 |
||
ZEH | 一般的なZEH(一定以上の断熱性能・一次エネルギー消費量20%以上・再生可能エネルギー導入100%以上) | 60万円 / 戸 |
Nearly ZEH | 寒冷地・低日射地域・多雪地域のみ対象。断熱性能・省エネ性能はZEHと同等。再生可能エネルギー(太陽光発電システムなど)が75%以上導入で可。 | |
ZEH oriented | 都市部狭小地や多雪地域のみ対象。断熱性能・省エネ性能はZEHと同等。再生可能エネルギー(太陽光発電システムなど)を未購入でも可。 | |
ZEH+ | ZEHの条件に加えて、一次エネルギー消費量25%以上削減。さらに次の項目のうち2つ以上を導入。 ①外皮性能の更なる強化 ②高度エネルギーマネージメント ③電気自動車を活用した充電設備または充放電設備 |
105万円 / 戸 |
Nearly ZEH+ | Nearly ZEHの条件に加えて、一次エネルギー消費量25%以上削減。さらに次の項目のうち2つ以上を導入。 ①外皮性能の更なる強化 ②高度エネルギーマネージメント ③電気自動車を活用した充電設備または充放電設備 |
|
次世代ZEH実証事業 |
||
ZEH+ | 上記のZEH+の条件に加えて、以下のいずれか1つ以上を導入。 ①蓄電システム ②燃料電池 ③V2H充電設備(充放電設備) ④太陽熱利用温水システム |
105万円 / 戸 ①2万円/kWh、経費の1/3または20万円のいずれか低額の方 ②定額2万円加算 ③経費の1/2または75万円のいずれか低額の方 ④液体式:17万円、空気式:60万円 |
Nearly ZEH+ | 上記のNearly ZEH+の条件に加えて、以下のいずれか1つ以上を導入。 ①蓄電システム ②燃料電池 ③V2H充電設備(充放電設備) ④太陽熱利用温水システム |
先進的再エネ熱等導入支援事業
ZEH支援事業・次世代ZEH+実証事業のいずれかの交付を受けた場合、適用されます。
対象の設備・建材 | 補助額 |
直交集成板(CLT) | 90万円/戸 |
地中熱ヒートポンプ | |
PVTシステム | 液体式:65万円/戸もしくは、80万円/戸 空気式:90万円/戸 |
液体集熱式太陽熱利用システム | 12万円/戸もしくは、15万円/戸 |
蓄電システム | 2万円/kWh、補助対象経費の1/3又は20万円のいずれか低い額を加算 |
SII登録済のおすすめハウスメーカー3選
①一条工務店
「ZEHをはるかに超えた、超ZEH」を掲げる一条工務店。もともと、超高気密高断熱住宅を売りにしており、ZEHの断熱条件は標準性能でクリアしています。
さらに、大容量の屋根一体型太陽光パネルの採用で、屋根のスペースを無駄なく発電に利用可能です。
2020年の新築件数の中でZEHが占める割合は、北海道地域で99%、それ以外の地域で96%と非常に高く、信頼できる実績があると言えますね。
(参照:一条工務店公式サイト)
②セキスイハイム
ZEHの断熱条件は標準性能でクリアしており、家の中はいつも快適。セキスイハイム独自のHEMS「スマートハイムナビ」なら、気象警報に合わせて自動的に蓄電池やエコキュートの運転を制御してくれたり、家中の機器と連携してアプリやAIスピーカーから操作できたり、省エネを効率的に実現できます。
2020年の新築件数の中でZEHが占める割合も高く、北海道地域で57%、それ以外の地域で85%です。補助金申請手続きなどを安心して任せられるでしょう。
(参照:セキスイハイム公式サイト)
③ダイワハウス
「外張り断熱通気外壁」で高い断熱性能を実現しており、冷暖房に消費する電力もぐっと削減されます。独自のHEMS「D-HEMS」では、エネルギー収支や省エネ情報だけでなく、気象情報や避難情報も配信。スマホからも操作でき、帰宅前に冷房をつけておいたり、お風呂を沸かしておいたりもできます。
2020年の新築件数の中でZEHが占める割合は、北海道地域で13%、それ以外の地域で50%です。
(参照:大和ハウス工業公式サイト)
まとめ
ここまで、ZEH住宅について解説しました。
ZEH住宅は、自宅で使うエネルギーを自宅で創る、エネルギー収支ゼロの家です。断熱性が高く、家の中をいつも快適に保つことができます。太陽光発電システムで光熱費を大幅に削減でき、余剰電力があれば売電収入も得られます。
初期費用は一般の住宅よりもかかりますが、ZEHビルダー・ZEHプランナーの申請で補助金を受けることが可能です。
この記事を、マイホームの建築にぜひ役立ててくださいね。
関連記事
▶︎SOLSEL「まとめてソーラー」はスマホでチェックできる無料発電量監視ツール!
▶︎【2021年版】公務員の副業におすすめの投資8選!安定して儲かるのはどれ?
▶︎太陽光発電所の売却方法を解説!太陽光が高値でも売れる価格とは?
▶︎太陽光発電投資でローリスクに稼ごう!失敗を防ぐ方法と利回りを解説
▶︎太陽光発電のメリット・デメリットを解説!将来性と今後の課題は?
▶︎太陽光発電はつけないほうがいい?おすすめしない人の5つの特徴
▶︎太陽光発電へ屋根を貸すのは本当にお得?仕組みや賃料など解説
▶︎太陽光発電(ソーラーパネル)の発電量計算方法と発電効率を上げる方法
▶︎太陽光パネルの価格相場と寿命は?国内産と海外産のメーカーを比較
SOLACHIE presents
-
太陽光投資の「失敗確率を下げるノウハウ」を一冊の本に!無料の限定資料をプレゼント
-
投資スタートした場合の、実際の利回りシミュレーションをプレゼント
-
太陽光投資プラットフォーム「SOSEL」非公開物件をご紹介