ESG投資とは?企業の持続可能性を評価する投資手法を徹底解説

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太陽光発電を始めとした再生可能エネルギーも関係しているESG投資。

現在、地球規模の課題となっている環境問題や社会構造の複雑化によって、機関投資家はこうした負の外部要因を避けるポートフォリオを構築し、長期的なリターンを上げることを目指しています。

そのため、機関投資家は今までの財務状況だけの定量的な情報のみに捉われず、非財務状況という要素も評価することが重要であると考えるようになりました。

こうした投資環境の変化を背景に、企業のサスティナビリティ(持続可能性)を評価する概念が普及し初めており、それらを具体的な基準を設けて評価し、定量化したものがESG投資です。

この記事では、ESG投資の特徴やメリット・デメリット、そしてその魅力について紹介すると共に、ESG投資と密接に関係するSDGsについても解説します。

SDGS

(出典:https://22nd-century.jp/)

ESG投資とは

ESG投資とは、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の3つの頭文字から取った名称で、これらの観点から企業を評価して投資先を選別する投資手法です。

ESGという概念が知られるようになったのは、2006年に国連のコフィ―・アナン事務総長(当時)が機関投資家向けに提唱した責任投資原則がきっかけでした。

この責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)は2008年に起きたリーマンショック後に、短期的な利益追求が批判されたことでPRIに署名する機関投資家が増加し、2019年度末には大規模な投資機関が署名を始めました。

日本においては、年金の積立金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2015年に署名したことで広がりを見せ、今後も需要度が高まることが予想されています。

2019年3月末時点では、GPIFのほか米国のカルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)など大規模なアセットオーナー(資産運用機関)が署名し、その数は2,400あまりに達しています。

特に年金基金の署名は432機関に達し、その運用資金残高の合計は約20兆ドルにのぼっています。

ESGに関する要素の例
E:環境 気候変動・水資源・生物多様性など
S:社会 ダイバーシティ・サプライチェーンなど
G:ガバナンス 取締役会の構成・少数株主の保護など

国連責任投資信託(PRI)

PRIは、投資にESGの認識を組み入れることを原則として掲げ、投資にESGの仕組みを組み入れることからなる投資原則をいい、この原則に賛同した投資機関は署名し、順守状況を開示・報告する義務を負います

全世界のPRI署名機関は2019年10月時点で2,372機関に達しており、ESG資産運用額は約30.7兆ドル(2018年時点)に上っています。

PRIの原則

日本ではGPIFが国連の指針に従って6つの原則を作りました。押さえておくべき主な原則は以下の3つです。

  1. 私たちは投資分析と意思決定のプロセスにESGの課題を取り込みます
  2. 私たちは活動的な所有者になり、主有方針と所有慣習にESG問題を組み入れます
  3. 私たちは投資対象の主体に対してESGの課題について適切な開示を求めます

つまり、GPIFのような年金積立金という巨額な運用資産に頼るユニバーサルオーナーは、長期に渡って安定したパフォーマンスをあげることが求められるため、ESGへの投資は長期的なリターンを改善する効果が見込めると考えているのです。

 PRIとSDGsとの関係

投資機関はESGの原則を順守し推進することで、投資する企業からのリターンを期待し、企業は事業増を図るという正にウイン・ウインの関係にあります。

また投資機関は、PRI(責任投資原則)とSDGsの連携により、持続可能な社会の創造を実現することを最終的な目標としています。

SDGs(Sustainable Development Goals:国連の持続可能型開発目標)

SDGsは国連に加盟する193ヵ国全てが採択した貧困撲滅・格差の是正・気候変動対策など国際社会に共通の17の目標を達成するとしています

SDGsの大きな特徴は、これらを行政が担うのではなく、民間機関を課題解決の主体としておいている点にあります。

このため、日本でも経営戦略として取り組む企業が増え、事業拡大のチャンスと捉える動きが見られています

つまり、国連が進めるこうした社会的問題の解決に向け、民間企業が積極的に参加することで、出資する投資機関は大きなリターンを得るチャンスが生まれ、企業は事業資金を調達できるというわけです。

企業と投資家のための共通言語「価値協創ガイダンス」

ESG投資とSDGsの関係を構築する上で重要となるのは、企業と投資家のより深い理解であり、そのための共通のガイダンス(言語)が必要となります。これが「価値協創ガイダンス」です。

このガイダンスによって企業は投資家に伝えるべき自社の経営理念やビジネスモデル、戦略やガバナンスを情報開示し、投資家とのコミュニケーションの質を高めることが容易になります

企業はガイダンスの各項目を形式的、また固定的に捉えるのでなく、自社の強みや今後の戦略を説明する上で重要な項目を選択し、自らの企業価値をアピールすることが可能となります。

ESG情報開示の現状

GPIFが2018年に行った企業のESGに対する調査によると、情報開示に消極的な企業が圧倒的に多いことが分かりました。

これは企業規模や業種によっての差異であるともいえますが、そもそも何故自社の情報を開示する必要があるのかといった懐疑的な意見が多く聞かれました。

また、企業によってはどんな情報を開示すればいいのか分からないといった現状から、情報開示に根強い疑問を抱いています。

こうした疑問のうち、前者の場合は情報を開示することによって、機関投資家へのアピールに繋がるといった考えから、ESG情報の利用が急速に広がりつつあり、IR(インベスター・リレーションズ)の観点から、情報開示の重要性が徐々にですが広がり始めています。

一方、何を開示すればいいのかといった疑問に対しては、いまだ明確な回答は得られていません。

なぜなら「ESG情報開示基準等」が次々と策定されるため、企業側を混乱させているからです。

数多く存在するガイドラインが混乱を招く原因に

世界の主要なESG情報開示基準等には、グローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)が示した「GRIガイドライン」がありますが、国際統合報告協議会(IIRC)の「国際統合報告フレームワーク」やサスティナビリティ会計基準準備会(SASB)が策定した「SASBスタンダード」も存在します。

また、金融安定理事会の要請を受けた気候関連情報開示タスクホース(TCFD)が策定した提言書など、多くのガイドライン・提言書が存在しており、これが企業を悩ませる原因となっているのです。

日本でも経済産業省の「価値協創のための統合的開示・対話ガイダンスーESG・非財務情報無形資産投資の促進ガイドライン」や、環境省による「環境報告ガイドライン」が策定されています

ガイドラインごとの特徴

投資先企業が経済や環境、社会に与える影響を重視するインパクト投資が拡大を見せており、投資家の投資判断において、企業が経済、環境、社会に及ぼす影響の情報が必要不可欠となっています。

現在はインパクト投資に対する明確な定義はありませんが、ESG情報開示基準の中には経済、環境、社会に与えるインパクトを目的とするものもあり、代表的なものとしては「GRIガイドライン」が存在します。

そのほか情報開示基準の累計では、企業各社の調査かつ独自の情報に強みを持つ「国際統合報告フレームワーク」が位置し、標準化された情報・定量化(スコアリング)や比較可能性のために「SASBスタンダード」が策定されています。

機関投資家による市場への影響

ESG投資はユニバーサル・オーナーと呼ばれる巨額の資産を持つ公的年金機構などを中心に行われており、情報開示についても年次報告書やESG投資実績書などを発行しています。

投資資産を保有するユニバーサル・オーナーは顧客、受益者、投資先オーナーの順では上位に位置し、市場に対して常に大きな影響を与えています。

アセットオーナーによる情報開示

主なアセットオーナー、特に年金機構などのユニバーサルオーナーが情報開示を行う動機は以下の3つです。

  • 説明責任を果たすこと
  • 透明性を高めること
  • 影響力を及ぼすこと

ひとつ目の説明責任については、受益者に対するもので、投資結果の説明責任を果たすために行っています。

この場合、受益者は必ずしも専門的な知識を持っているとはいえませんので、できるだけ平易な表現を用いるように工夫しています。

透明性については、受益者のみに限らず、より広い社会やステークホルダーに対して、投資手法などの透明性を高めることが重要であると考えているからです。

最後の影響力は運用委託先の運用機関や、ESG評価機関に対して取り組みの強化を促すなど、何らかの影響力を及ぼすために行っています。

運用におけるマテリアリティ(重要課題)

アセットオーナーが情報開示で重要視する「影響力」に関して、環境・社会・ガバナンスの3つにマテリアリティ(重要課題)が多く見られます。

①環境問題

  • 気候変動
  • 水不足
  • エネルギー効率
  • 大気汚染
  • 廃棄物

②社会

社会関連のマテリアリティとしては、子どもや労働者に対する人権問題が最も多く、労働安全衛生や労働環境に関する課題が主に言及されています。

③ガバナンス

腐敗防止と報酬についての課題が多く、サイバーセキュリティ問題にも言及しています。

これらの情報だけでは、各アセットオーナーがどういう基準で企業を評価しているかは分かりませんが、共通のマテリアリティであることから考えれば運用において重視する課題であるといえるでしょう。

運用期間における情報開示

運用期間はインベストメントチェーンの中で、アセットオーナーと企業の間に位置する存在で、法令で義務付けられているもの以外、この間に情報開示をすることはほとんどありません。

ただ、これらは一般に公開されないというだけであって、企業に対しては十分な情報を開示、提供されています。

しかし、あくまで運用機関の情報開示は能動的な場合が多く、企業に向けて積極的な情報開示を行っている運用機関は少ないのが現状です。

・運用機関が情報開示をしている理由

  1. 透明性を高めるため
  2. アセットオーナーの理解を深めるため
  3. 投資先企業とのエンゲージメント(愛着心)を高めるため

・運用機関が情報開示をしない理由

  1. 企業ごとにESG課題が様々で一律にすることが困難
  2. アセットオーナーに対して個別に報告している
  3. 企業自らがESG課題を考えなくなる恐れがある

投資戦略と情報ニーズの関係

投資家が採用するESGの投資戦略は多様化してきており、求められる情報も異なると考えられ、具体的には以下の3つが挙げられます。

  1. ジャッジメンタル運用においてESG情報を活用する投資家においては、企業個社に役立つESG情報のニーズが高く、国際統合フレームワークに親和性が高い
  2. システマティック運用やパッシブ運用等においてESG情報を活用する投資家に於いては標準化され、比較可能性に優れたESG情報のニーズが高く、SASBスタンダードに親和性が高い
  3. インパクト投資においては、企業が経済・環境・社会に与えるインパクトに関する情報のニーズが高く、GRIスタンダードと親和性が高い。ただし、GRIスタンダードはネガティブなインパクトを発信することに注意が必要である

ESG投資のメリット

ESG投資は短期的に大きなリターンを期待する投資スタイルではなく、長期的に安定したパフォーマンスを目指す資産運用で、株式や債券等との価値連動性が低いオルタナティブ投資ともいえます。

SDGsに基づいて分析・評価し、持続可能性のある企業に投資する手法です。

投資家はESG投資を通じた投資により、環境問題やダイバーシティ、女性の活躍推進といった社会的な課題の解決を後押しすることができます

ESG投資のデメリット

今までの財務状況を判断材料として来た投資とは違い、SDGsに基づいた活動を行っている企業か否かを見極める必要があるため、様々な分野の十分な知識が要求されます

つまり、どういった要素で投資を行うかの判断が難しく、個人には不向きな投資手法ともいえます

また、ESG投資はSDGsと密接に結びついているため、長期的な視点で企業の成長を見込むことから、短期でのリターンは期待できません。

ESG投資の現状

昨年12月、日本投資顧問協会は同月18日の会員調査の結果を公表しました。

それによると、ESGを考慮して運用を行っている会社は75.5%に上っており、これは前年調査比12.6ポイントの増加となりました。

同協会では、顧客からの要請が増えていることをその要因として挙げています。

また、機関投資家の行動指針である「スチュワードシップ・コード」を受け入れている239社の内、調査に応じた機関投資家のESG投資残高は、同年6月末時点で約73兆円までになっています。

SDGsアクションプラン2020のポイント

2016年12月のSDGs 推進本部会合で決定されたSDGs 実施指針は、2030年までにSDGs を達成するための中長期的な国家戦略として位置づけられています。

そのポイントは以下の3つです。

  • 日本は豊かで活力のある誰一人取り残されない社会を実現するため、人ひとりの保護と協力関係に焦点を当てた「人間の安全保障」の理念に基づき、「世界の国づくり」と「人づくり」に貢献。SDGsの力強い担い手となる日本の姿を国際社会に示す
  • 「SDGsアクション2020」では、改定されたSDGs実施指針の下、今後の10年を2030年の目標達成に向けた「行動の10年」とすべく、2020年に実施する政府の具体的な取り組みを盛り込んだ
  • 国内実施・国際協力の両面において、次の3本柱を中核とする「日本のSDGsモデル」の展開を加速させる
  1. ビジネスとイノベーション
  2. SDGs を原動力とした地方創生・強靭かつ環境に優しい魅力的なまちづくり
  3. SDGs の担い手としての次世代・女性のエンパワーメント

政府はこれらを柱とする日本の「SDGs モデル」を掲げ、政府がリーダーシップをとり各ステークホルダーの取り組みと連携、協力してSDGs を実現させるとしています

2015年に国連で採択されて以来、日本国内においても、SDGs の認知度は向上しており、現状国民の4人に1人が認知しているといわれています。

日本は教育やイノベーションの分野で高い評価を受けている一方で、今後強化すべき取り組みとして、ジェンダー・生産と消費・気候変動などが指摘されています。

日本は、これまで世界のロールモデルとなってきましたが、引き続き世界に日本の「SDGモデル」を発進しつつ、国内実施、国際協力の両面において世界を持続可能なものに変革し、2030年までに国内外においてSDGを達成することを目指すとしています。

SDGsはその性格上、分野横断、省庁横断的な面があるため、内閣総理大臣を本部長、官房長官及び外務大臣を副本部長、全閣僚を構成員とする推進本部を設置し、SDGs実現に向けて取り組んでいく方針です。

環境省のESGへの取り組み(環境情報開示基盤整備事業)

環境省が設置するESG対話プラットフォームとは、CSR、IR、経営企画等の担当者から環境情報を投資家に送り、企業と投資家が直接対話する機会を獲得するコミュニケーションツールです。

企業は他社との比較、経年比較による自社の現状を把握でき、投資家は企業評価に向けた比較、分析を実施するためのツールとして利用できます。

ESG対話プラットフォーム(事例)

【企業】

大手百貨店は2016年にESG推進部門を立ち上げたばかりで、ESG投資家とコミュニケーションを取る機会がなく、そもそもどこに相談していいのか分かりませんでした。

同社は世の中の変化に応じて環境や社会、ガバナンスを重視するESGの未来志向を踏まえ、本業が社会に役立つ取り組みを進めていきたいと考え、レポートを作成しました。

企業としては、期待する内容やテーマ、デザイン、改善点などの意見や指導を受けたいと考えています

そして、投資家からのアドバイスは会社トップをはじめ、経営企画、総務、IR、広報などで全社に共有し、作成途中のレポートも投資家と相談しながら作成することにより、投資家の意見や要望を反映しながら少しずつ取り組みを進めています。

【投資家】

地域への貢献度をアピールし、この地域だからこの店をオープンしたというこだわりの事例を挙げて企業価値を高める取り組みを始めています。

また、主要データ表に中長期目標も併記するべきで、アパレル業界に関してはサプライチェーン上のリスクが懸念されることから、課題や会社の認識、取り組みについても共有するべきであるとされています。

ESG対話の促進

ESG対話プラットフォームとは、データベース機能と直接対話機能を一体化した世界初のシステムで、前述のような投資家と企業との対話を支援しています。

企業の環境情報にアクセスする際の利便性も向上し、比較・分析や企業と投資家とのESG対話を促進するツールにもなっています。

まとめ

ESG投資は、財務状況という定量的な判断材料ではなく、社会的貢献度など企業のサスティナビリティ(持続可能性)を投資の判断材料とするところに難しさがあります。

しかし、ここまで紹介してきたように、世界各国が取り組んでいるSDGsに間接的に関わるというステータスを得ることができます。

日本の企業はESG投資を将来のビジネスチャンスとして捉えており、企業にとっては株価引き上げ以上の意味合いを持つようになっています

こうした動きが広がることで、ESGへの取り組みに対する詳細な評価と情報開示の一体化が進み、投資活動が活発になると共にSDGsへの取り組みも加速されていくことが予想されます。

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