太陽光発電メリット&デメリット | 2020年以降もソーラーパネルが”買い”のワケとは?

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2012年頃に大ブームを呼んだ太陽光発電投資。当時より売電価格が下がっていることから「今から初めても遅いんじゃないの?」と考える方も多いでしょう。
しかし、太陽光投資には今からでも遅くないメリットが多様にあります。本記事では、太陽光発電 (ソーラーパネル)を導入する際のメリットやデメリット等を解説していきます。

太陽光発電とは

太陽光発電(Photovoltaic Power Generation)とは、太陽電池を用いて太陽光エネルギーを電力に変える発電方式のでことす。1954年にアメリカで開発され、日本ではFITの制定を機に2012年頃から大きく注目されるようになりました。

太陽電池、太陽光パネル、ソーラーパネル、太陽電池モジュールなど様々な呼び名がありますが、中でも大規模なものはメガソーラーと呼ばれ、自宅や企業等様々な場面で活用されています。

太陽光は、石油や石炭とは違って有害物質を発しないクリーンなエネルギーであることから、環境汚染や地球温暖化といった環境問題が叫ばれる現代で最も注目されている再生可能エネルギーの1つです。また、寿命50億とも言われる太陽光を活用してエネルギーに変換するため、枯渇しない「再生可能エネルギー」としても非常に注目を浴びています。

太陽光発電の仕組み

太陽光発電(ソーラーパネル)の仕組み

小さな半導体で形成されている「太陽電池」が集めた光エネルギーを電力に変換しています。この「太陽電池」が集まったものが、建物の屋根や野立てに見られる「太陽光パネル(ソーラーパネル)」です。太陽光がパネルに当たることで半導体の電子が動き出し、電気が発電される仕組みになっています。

住宅用太陽光発電と産業用太陽光発電の違い

「太陽光発電に興味がある!」「ウチでも導入したみたい」とお考えの方にまず押さえておいて頂きたいのが、「住宅用太陽光発電」と「産業用太陽光発電」の違いについて。

出力 設置場所 固定買取期間 買取方法 売電価格 目的
住宅用太陽光発電 10kw未満 屋根 10年間 余剰電力のみ 24円または26円(2019年度) 光熱費節約&災害への備え
産業用太陽光発電 10kw以上 屋根・地面、他 20年間 余剰or全量可 14円(2019年度) 光熱費節約&投資

自宅に導入する場合でも、10kw以上の出力が見込めるパネルを設置するなら「産業用太陽光発電」という扱いになり、企業として導入する場合でも10w未満であれば「住宅用太陽光発電」という扱いになります。「どこに設置するか」ではなく、「どれだけの出電量があるか」という点がポイントです。

日本では、住宅用太陽光発電が約8割、産業用太陽光発電が2割の割合で設置されています。

10kwまるまる発電するのであれば、省スペースで発電力の高い東芝250Wのパネルを例に挙げると40枚分、およそ15坪ほどの広さが必要になります。住宅金融支援機構が発表したフラット35利用調査(2018年度)によると、注文住宅の場合の床面積平均は約38坪。屋根面積はもっと狭くなりますので、15坪のパネルを家庭に設置するのは容易ではありません。そのため、一般住宅に設置する場合には10kw未満の「住宅用太陽光発電」が選ばれることが多いです。(住宅用の太陽光発電は、3~5kwが平均的です)

もちろん、既に他の広い土地を持っているという方や、本格的に投資として運用する予定だという方は地面に設置する野立て方式を活用すれば、10kw以上の太陽光発電を設置することができます。運用方法・目的に合わせて選ぶことが大切です。

太陽光発電の選び方については下記記事で詳しく説明しています。是非チェックしてみてくださいね。

▷失敗しないための太陽光発電の選び方

太陽光発電の初期費用・イニシャルコスト

太陽光発電(ソーラーパネル)の導入時に必要なイニシャルコストは果たしてどれくらいかかるのでしょうか。

パネル数や土地の広さにもよりますが、三菱総合研究所が資源エネルギー庁に提出した報告書を参考にすると、10KW~50KWの規模でおよそ631,000円(税抜)とされています。

太陽光発電(ソーラーパネル)の初期費用

出典:太陽光発電に係る保守点検の普及動向等に関する調査三菱総合研究所

今回は、太陽光発電を地面に設置するもの(野立て)として、発電量10kW、太陽光パネルのメーカーを国内シェア数№1のPanasonic製、設置場所を年間平均発電量№1の山梨県とした場合の設置費用をシミュレーションしていきます。

項目 単価 小計
太陽光パネル(36台) 約50,760円 約1,830,000円
パワーコンディショナー(1台) 約300,000円 約300,000円
接続箱(2台) 約20,000円 約40,000円
架台(1台) 約260,000円 約260,000円
蓄電池(1台) 約1,200,000円 約1,200,000円
土地(甲府市/18坪) 約110,400円/坪 約1,987,200円
設置工事 約530,000円
電気工事 約320,000円
手続き他、諸手数料 約30,000円
調整値引(業者による) ▲1,000,000円
補助金 ▲0円
合計 約5,497,200円

土地も新規で購入するとなると、10kWの太陽光発電システムを設置するのにおよそ5,500,000万円近くかかる見込みです。今回シミュレーションした山梨県には補助金制度が設けられていませんでしたが、たとえば長野県の軽井沢市であれば上限40万までの補助金を受けることができます。

太陽光発電による発電が普及すれば排気ガスを抑えて地球温暖化対策に大きく貢献できるので、設置費用を支援する補助金制度が設けられています。補助金の金額や条件は各自治体によって異なりますので、「環境ビジネスオンライン」のような補助金一覧を掲載しているサイトで自治体の補助金を確認することをおすすめします。また、補助金制度は基本的に先着順での申込となってしまうので、補助金を活用して太陽光発電を購入したいとお考えの方は、お近くの自治体に受付可能かどうか確認する必要があります。

それでは、「費用は大体わかったけど、接続箱?蓄電池って何?」という方のために、下記で太陽光パネルの設置・導入に必要なものを簡単に説明していきます。

【①太陽光パネル】

太陽光発電(ソーラーパネル)

太陽光をエネルギーに変換してくれる太陽電池が集結したものです。太陽光モジュールとも呼ばれます。

【②パワーコンディショナー】

太陽光発電のパワーコンディショナー

PCS(Power Conditioning System)と呼ばれるもので、太陽光パネルによって造り出した電力を家庭で使う家電製品に対応できるよう「交流電力」へと変換する機械です。

太陽光発電システムで発電したものは「直流電力」と言い、そのままの状態だと家庭用電力として使用することができません。そのため、このような変換機械を使って電力を変換する必要があります。ただし、直流電力を交流電力へ変換する際には多少の電力ロスが発生してしまうので、パワーコンディショナーを選ぶ際は電力ロスをなるべく抑え、より多くの発電を行うために変換効率の高いものをびましょう。

【③架台】

太陽光発電の架台
出典:Amazon.co.jp

屋根ではなく地面に直接設置する際に必要なもので、ステンレス・スチール・アルミの3種類あります。耐久性と強度が最も高いのはステンレス製ですが、価格もステンレス>アルミニウム>スチールの順となっています。野立て設置を検討している方は、これも費用として事前に加えておきましょう。

【④接続箱】

太陽光発電の接続箱
出典:Amazon.co.jp

複数の太陽光パネルで発電したエネルギーを1つに集約し、パワーコンディショナーに届ける役割を持つ機器のことです。パワーコンディショナーと一体化しているものもあるため、購入の際は接続箱とパワーコンディショナーが別売りなのかセット売りなのかを確認しておく必要があります。

【⑤蓄電池】

太陽光発電の蓄電池

出典:Amazon.co.jp

充電式で何度でも使用できる電池です。太陽光パネルを導入しただけでは電力を貯めておくことができません。太陽光パネルを導入する際には蓄電池をあわせて活用することで夜間でも太陽光エネルギーで電力を賄えるようになります。

太陽光発電を導入すべき人

太陽光発電を導入すべき人は下記のようなタイプです。

【家庭用として運用する場合】

  • ●初期投資の資金があり、家庭の電気代を節約していきたい
  • ●時価に左右されない投資で副収入を得たい
  • ●長期的に資産を運用したいと考えている

 

【産業用として運用する場合】

  • ●環境問題に対して積極的に取り組み社会的な評価を受けたい(ESG対策)
  • ●企業の電気料金のコストを抑えたい
  • ●時価に左右されない投資で利益を得たい

太陽光発電の4つのメリット

太陽光発電(ソーラーパネル)

ここからは、太陽光パネルを自宅or企業に導入した場合のメリットを5つご紹介いたします。

①投資目的で活用できる

太陽光発電(ソーラーパネル)は、電気料金の節約や環境保全の目的で導入するイメージが大きいかもしれません。しかし、実は投資商品としてとても魅力的なものなんです。

2012年7月、国によってFIT(電力固定価格買取制度)が制定されました。これによって「太陽光などの自然エネルギーによって発電された電力」の売電価格が一定期間変わらないことが保証され、安定した収益を得られる投資性の確立という点で投資家たちからも注目を浴びました。FITの適用期間は20年あるため長期的な運用が可能です。

もちろん、FIT適用期間が満了しても電力会社への売電は継続することが可能。経済産業庁によって売電可能な電力会社一覧も紹介されていますので、FIT機関満了後はこちらを参考に各電力会社と契約を結ぶ形となります。

FIT適用期間中に太陽光発電で得た電力は、下記の条件で各電力会社に売電することができます。

システム容量 売電価格 条件
〜10kW未満 21円 余剰売電
10kW〜50kW未満 13円 余剰売電
50kW〜250kW未満 12円 全量売電
250kW〜 入札制度

②電気料金の節約になる

太陽光発電(ソーラーパネル)を導入することにより、電力会社に支払う電気料金を抑えることができます。蓄電池と組み合わせて活用すれば、陽の当たらない夜でも貯めた電力を活用できるので電気を全て自給自足・電気料金を0にすることも可能です。加えて家庭内で消費できなかった電力(余剰電力)は電力会社に売電することができるため、電気代を節約できて所得も得られるという金銭面でのメリットが大きい点は魅力的ですね。

③環境保全へ貢献できる(ESG投資対策)

太陽光は、石炭や石油とは違って二酸化炭素(CO2)や大気汚染の原因となる硫黄酸化物(SOx)などを排出しない、環境にやさしいクリーンなエネルギーです。太陽光パネルを導入するだけで環境問題へ大きく貢献できます。

また、ESG投資(※業績や財務状況に加えて「環境問題への取り組み」や「地域・社会への貢献度」「従業員の働き方への配慮」といった社会・企業統治面にどれほど注力しているかを重視する投資方法)も注目されている今、企業として太陽光発電を導入することで社会的評価を高める効果にも期待できます。

④災害・停電対策になる

台風の画像

災害時や非常時に停電が起こった場合に、備蓄しておいた電気を使って発電することも可能になります。太陽光発電に加えて別途蓄電池が必要になりますが、蓄電しておくことで企業であれば停電時でも営業を止めるリスクがなくなり、スマホやPCの充電も行うことができるためです。

東日本大震災での被害も記憶に新しい中、緊急時の電力確保は今後さらに重要視されていくと言えるでしょう。

太陽光発電の3つのデメリット

一方で、太陽光発電を選ぶリスク・デメリットもあります。この点をしっかりと考慮した上で導入を検討しましょう。

①設置費用が高い

太陽光発電は、新規から中古・土地付きなど様々な商品がありますが、「光熱費を節約したい」「投資を始めてみたい」と気軽に始めるには初期費用がネックとなってしまいます。

太陽光発電システムの導入コストはかつて3KW程度の小さな太陽光発電所でも600万~800万もの設置費用が必要でした。しかし2012年ごろから、生産設備への大規模な投資によって叶った安価な中国製モジュールの普及や、ヨーロッパの経済不況による太陽光システムの在庫過多によりシステムの導入価格は大幅に減少しています。

1kWhあたりの設置価格は2012年だと49.6万円でしたが、2016年時点では36.3万円、そして2019年時点で25~30万円程度(ソルセル調べ)にまで下がっています。価格が安くなっている一方で、暑さに弱いというパネルの弱点を補う新素材の開発や集光能力を上げる研究などが進められており、パネルの性能は向上し続けています。その結果、発電効率も上がっています。

太陽光発電設置価格推移
出典:資源エネルギー庁

また、一度導入してしまえばFITにより時価に左右されない安定した売電収益を長期的に得られるため、10~12年と比較的短期間で初期費用を回収できる点からも、太陽光発電システムの導入件数は2020年以降から再び増加すると予想されています。

太陽光発電の導入量推移
出典:資源総合システムHP

また、環境問題に配慮したエネルギーである太陽光発電は金融機関からも注目されています。そのため、法人だけでなく個人でも太陽光発電購入のための融資を受けられる機関も多いです。かつては年収1,000円以上でないと通りにくいと言われていた銀行融資ですが、昨今は貯金無し・年収400万からでも融資を受けられる可能性が高くなってきています。

「今は手元に資金がない」「いきなり大量のお金が手元から消えるのは不安だ」という方は融資を活用して太陽光発電システムを導入することも視野に入れてみてくださいね。

②売電価格の低落

固定価格買取制度(FIT)が制定された2012年は売電価格が42円でした。しかし価格は毎年下落しており、2019年時点で太陽光発電を購入した場合の売電価格は24円と半額近くまで低落しています。この事から、投資家たちの間では「今から太陽光発電投資を始めても手遅れ」といった意見が度々挙がっています。

しかし売電価格が下がっているとはいえ、初期費用の下落も相まって太陽光発電の平均実質利回りは5%~10%。株式投資の平均利回りは2%~5%なので、投資商品として見てもまだまだ魅力的と言えるでしょう。導入費用も10~13年程度で回収可能となってきているため、長期的な目で見ればメリットが大きい投資となっています。

③発電量の不安定さ

太陽光発電システムはその特性上、発電量が天候に左右されやすいというデメリットがあります。晴れの日の発電量を100%とした場合に、曇りの日は40%~60%、雨の日だと5~20%まで発電量が減ってしまい、夜間には発電自体できません。

しかし、これらは太陽光エネルギーから電気エネルギーへの変換時の「変換効率」を工夫することによって改善することができます。また、近年では耐熱や積雪に対応した太陽光パネルも開発・研究されていますので、今後は天候の影響もさらに少なくなっていくでしょう。

太陽光発電2020年以降の将来性

太陽光発電

太陽光発電システムが、「将来性が低い」と言われている理由には売電価格の下落に加えて、発電1kwあたりにかかる発電コストの高さなどが背景にあります。発電コストは、イニシャルコストやランニングコストの総計を、運用期間中の総発電量で割って算出されます。2013年頃には同じ再生可能エネルギーである風力発電のおよそ3倍ほどのコストがかかっていました。

これらの背景から「将来性が低い」と言われている太陽光発電。しかし、同時に太陽光発電システムの設置費用も同時にFIT制定当時の半額以下まで下がりつつあるというポイントを見落としている方も多いです。そのため必ずしも利益率が下がってしまうというわけではありません。

2020年以降は終了してしまうかもしれないと懸念されていたFIT制度も、調達価格等算定委員会より本年度も継続されることが発表されました。これにより、電気の自家消費だけでなく売電も引き続き安定した価格で行うことができます。

設備容量 売電価格 条件
~10kW 21円 余剰買取
10~50kW 13円 余剰買取かつ発電した電気のうち50%までが買取対象
50~250kW 12円 全量買取
250kW~ 入札制 未発表

また、日本で2016年に決定された「地球温暖化対策」では、2013年度を基準として温室効果ガスの排出を2030年までに26%、2050年までに80%削減といった目標を掲げています。

日本だけでなく世界の情勢にも目を向けてみましょう。2015年に産業革命前からの世界平均気温の上昇を「2度未満」に抑えること目的として採択されたパリ協定では、低炭素社会の実現に向けて日本同様に地球温暖化対策が進められている他、近年世界の石炭・天然ガス発電量が停滞しつつある中、再生可能エネルギーの発電量推移は上昇し続けているといった状況です。

太陽光発電を始めとする再生可能エネルギーは、今後ますます注目度が高まっていくと言えるでしょう。

まとめ

太陽光発電はデメリットもありますが、初期費用さえ用意できれば継続的に安定した収益を得ることのできる優秀な投資商品です。

地球温暖化や大気汚染といった環境問題にも益々世界で注目が集まっています。節約や投資目的だけでなく、環境保全にも繋がる太陽光発電。

ご自宅で、企業で、是非導入を検討してみてくださいね。

太陽光発電におけるFIT制度(固定価格買取制度)とは?買取期間が終了したらどうなる?

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