太陽光発電所の『抑制』について。投資への影響、その対策と現状、未来。

土地付き太陽光発電の投資や売却、運用に関するブログ

いきなりですが。

太陽光発電所の『抑制』には2種類あります。

①電圧上昇抑制

②出力制御による抑制

①電圧上昇抑制とは?

これは、電圧の影響で太陽光発電所の出力が抑えられてしまう現象です。

『電気は水と同じで電圧の高い方から低い方に流れる』が基本です。

太陽光発電設備は、何もしなくても勝手に電気が売れていく仕組みです。

太陽光発電所の電圧は、周囲の送電線を流れる電気よりもやや高い電圧に設定されます。

だから何もしなくても発電された電気が電力会社に売れていくのです。

しかし。

多くの太陽光発電所が同じ送電線に接続されたり、周辺の電力の需要が一時的に大きく低下する事により、送電線側の電圧が上がってしまう事があります。

そうなると。

送電線に流れる電気の電圧が太陽光発電所から出力される電圧を上回ってしまいます。

そのため。

太陽光発電所で発電された電気が送電線に流れていかなくなってしまう。

これが電圧上昇抑制です。

この対策は、太陽光発電所側の電圧を上げる事で解決に向かいます。

ですが、太陽光発電所の電圧は、電力会社からの指定により定められています。

勝手に電圧を上げる事はできません。

一定期間の電力会社の調査機関を経て、その調査の結果次第で太陽光発電所側の電圧を上げることになります。

調査期間は2~3週間で、電力会社の混雑状況により2~3ヵ月かかる事もあります。

その間の売電ロス分は補償されないので、発電量が少ないなど気になったらすぐに施工店または電力会社に相談する様にしましょう。

②出力制御による抑制

1.そもそも。

出力制御とは何か。

電力の特性として、「基本的に溜める事ができない」ことから、

需要と供給のバランスは同時に同量の需要と供給を満たす必要があります。

原則としては、電力会社が火力発電所の出力を抑えることで、需給バランスを保っています。

しかし、原子力や水力、地熱など、出力のコントロールが難しい発電設備はベースロードと言われ、出力を抑える事はありません。

2012年7月のFIT制度開始以来、急激に増えた太陽光発電を始めとする再生可能エネルギーからの電力供給が原因で、場所や時間帯によっては火力発電所の出力を抑えるだけでは対応できない水準で需要が供給を上回る日時が発生する事態が予測される様になりました。

この状況を放置すると電気の供給過多による停電などが懸念されます。

そこで、太陽光発電所を始めとする再生可能エネルギーの出力を抑える必要性が生じ、その受給バランスの予測値に応じてルール化されました。

それが、出力制御の抑制です。

2.出力制御の抑制の種類

まず、整理して考えると。

太陽光発電所にかかるルールは下記に分かれます。

・無制限無補償

・360時間ルール(新ルール)

・30日ルール(旧ルール)

・抑制なし

このうちの、『無制限無補償』がいわゆる『抑制あり』物件として取り扱われています。

まずはこのルールの内容をしっかりと認識しましょう。

・無制限無補償。(指定ルール)

制限なく抑制して補償なし。

指定を受けた電力会社のみ実行可能。
※現在は東京電力、中部電力、関西電力の3電力会社以外は指定電力会社に該当。

接続申込みが接続可能量を超えた場合、それ以降に接続を申込んだ接続発電設備を対象に、上限時間なく無補償で出力を抑制するよう要請できるルール。
※接続可能量をすでに超えているのは、北海道電力、東北電力、九州電力の3電力会社のみ。

・360時間ルール。(新ルール)

電力会社が自社の発電設備を抑制しても供給が上回る場合に年間360時間を限度に無補償で出力を抑制することを要請できるルール

・30日ルール(旧ルール)

電力会社が自社の発電設備を抑制しても供給が上回る場合に年間30日間を限度に無補償で出力を抑制することを要請できるルール

・抑制なし

一見、30日ルールは720時間になるので、30日ルールの方が抑制が大きい様に感じますが、360時間の方が抑制は大きいです。

360時間ルールの場合は、発電がピークの時間のみの要請も可能なため、11時~15時ころの『良い時間帯』だけを指定されてしまう可能性も有るわけです。

3.抑制の対象となる発電所

出力制御の条件は、『管轄する電力会社』 『発電システムの規模』 『接続申込みなどの時期』によって変動します。

特にこの『接続申込みなどの時期』による変動が複雑です。

『接続可能量を超えた場合、それ以降に接続を申込んだ接続発電設備』が対象となるため『接続可能量を超えた日』と『申し込んだ日』を確認する必要があります。

また、みなし高圧(低圧の分譲案件)で九州電力の場合、負担金の請求日に左右されるなどのケースもあるため、どうしても個別の確認が必要です。

表にしてまとめると原則はこの様になります。

ブログ用_抑制まとめ

少し見難いかもしれませんが、、、

物件により、適用ルールが変わるので、確認が必要です。

特に、北海道電力、東北電力、九州電力では無制限無補償の対象があるため、金融機関も懸念しています。

しかし。

投資家の方々にとって。

無制限無補償がそこまで条件が悪いかと言うとそんな事はありません。

抑制対象の案件は、適用ルールがどうあれ、ルールの上限に達するまでは同じように抑制をかける運用になっています。

つまり。

30日ルール、360時間ルールの適用案件が上限まで抑制されたときに始めて、無制限無補償が他の抑制ルールに比べて不利になっていく仕組みです。

4.抑制への対策

その上で考えると、

投資家にとって無制限抑制の一番のデメリットは融資が付きにくい点です。

金融機関は、無制限無補償の物件を敬遠します。

響きの問題だと思うのですが、『一切収入が入ってこない可能性がある』というイメージが独り歩きしているのだと感じています。

そのため、無制限無補償の発電所は、割安で出ていることもあり、資金調達さえできれば、むしろ好条件の発電所になる可能性もあります。

それでも心配という方や、金融機関向けに。

その対策についてご案内いたします。

対策①抑制の保険に加入する。

あまり大々的に宣伝はされていないようですが、ぜひ、保険会社さんに問い合わせてみてください。

リスクを受け入れるか、またはヘッジするかで思わぬ好条件になるかもしれません。

なお、新電力の切替により、抑制がなくなると言う噂があるようですが、、、

それは現在の所ありません。

最近では、抑制の保険付きの太陽光発電所も出てきています。

対策②東京電力、中部電力、関西電力の低圧物件➤高圧物件➤その他の電力会社の物件を優先する

電力の需要が多い、東京電力、中部電力、関西電力の3社の管轄地域では低圧であれば抑制はありません。

大規模発電所でも抑制の発生する確率は低いです。

また、大規模よりも小規模発電所の方が抑制は発生しにくいという制度になっています。

対策③発電所の稼働状況と近隣の太陽光発電所情報を調べる

需要>供給であれば抑制は発生しません。

変電所単位で見て、電力需要の多い地域の方が有利です。

大規模な工業地域や、都心の近郊であれば、抑制の発生確率はそれだけで下がります。

過度に抑制を恐れずに、どれだけのリスクがあるか、慎重に考え、検討しましょう。

5.出力制御発生の影響度合いと発生の可能性

これは以前のブログでも触れましたが、JPEA(太陽光発電協会)では、ベースロード電源の大きさに応じたシミュレーションを出しています。

href=”http://www.jpea.gr.jp/pdf/150414_press_release_ver03.pdf”>http://www.jpea.gr.jp/pdf/150414_press_release_ver03.pdf

ここでいう、ベースロード電源の大きさは、いわゆる『原発』がどれだけ動くか。

を意味しています。

さらに。

現在、平成32年に向けて、電力会社の境界をなくし、電力のやりとりを出来る様にしようと『電力広域的運営推進機構』。が取り組んでいます。

https://www.occto.or.jp/koiki/koiki/index.html

これが実現されると、電力会社による抑制の差などはだいぶ無くなっていくと思われます。

ここでは、出力抑制の現状の発生状況の報告なども挙げられており、出力制御に関する最新データを取得できます。

http://occtonet.occto.or.jp/public/dfw/RP11/OCCTO/SD/LOGIN_login#

余談ですが、平成28年4月1日から始まった電力の全面自由化もこの組織が主体です。

この調査によると。

今現状で、出力制御が発生しているのは、種子島、壱岐の島の2か所のみです。

過度に恐れず、現実をしっかりと見据えて、太陽光発電所を選びましょう。

ソルセルでは、太陽光発電所の仲介事業を正しい知識と誠実な案内を通じて行い、公正な市場形成を目指しています。

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