太陽光発電の耐用年数・寿命。ソーラーパネルの経年劣化とどう向き合うか?

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20年間の固定買取価格に支えられ、拡がりを見せた太陽光発電投資。

一方で20年間風雨にさらされる太陽光発電設備。

「ほんとに20年間もつの?」

「パワーコンディショナーは10年で交換と聞いたけど、壊れた時にかかる費用は?」

「長持ちさせるコツは??」

投資にあたってのリスク・不測の事態による発電量低下に関して触れてみたいと思います。

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1:ソーラーパネルは何年使えるのか

本来、太陽電池は設計上、20年はもちろん、30年、40年使える製品寿命を持っています。

皆さんの身近なものでいうと、電卓なども太陽電池が使われています。

古い電卓写真の電卓は、運営担当の実家で30年以上使い続けている電卓ですが、太陽電池が壊れる様子は全くありません。

太陽電池は、消耗して発電するものではなく、半導体の特性を利用している為、その寿命は半永久です。

磁石の様なイメージです。

しかし、太陽光パネルの場合は、炎天下にさらされ、夏場にはその表面温度は80度近くになります。

真夏、黒い車は熱くなりますよね。太陽電池も同様に熱を持ちます。

さらに、風雨にもさらされ続ける訳ですから、不具合が懸念されるわけです。

特に日本は、高温多湿な地域なので特に高湿度の影響による劣化リスクがヨーロッパ諸国と比較した場合に高いと言えます。

🔴ソーラーパネルの寿命は20~30年?

国で設定している法定耐用年数は17年。

メーカーで出している出力保証は今や25年が当たり前になりました。

中には30年の保証を付けているメーカーもあります。

現実的には35~40年でももつと考えられます。

各メーカーはその半永久性を見越して保証期間を設定している訳です。

しかし、実際に10年前に太陽光発電を見かける事は稀です。

フィールド実績が少ないと言う事実もあり、いざ投資となると不安になりますね。

参考までに。数は少ないのですが、国内でも20年以上稼働している太陽光パネルをご紹介します。

🔴20年以上稼働している太陽光パネルの例

*佐倉ソーラーセンター

佐倉ソーラーセンター稼働開始:1984年8月(32年経過)※2016年時点

メーカ    :京セラ

出力    :43kw

劣化率  :10%前後

場所    :千葉県佐倉市

世界に向けて情報発信する。という想いの元、成田空港からアクセスの良い佐倉市で設置されたパイロットプラントです。

国内施工会社に向けた研修はもとより、毎年100~200人単位で海外研修生に向けて太陽光発電普及のための研修を行っております。

詳しくは経済産業省の見学レポートなどもご覧ください。

*壷阪寺

壷阪寺稼働開始:1983年(33年経過)※2016年時点

メーカ    :シャープ

出力    :1,4kw

劣化率  :6.4%前後

場所    :奈良県高市郡高取町

自然エネルギーで観音様を照らしたい。

当時の住職の強い想いから設置されたソーラーパネル。

当然、蓄電のシステムも併用されています。

民間で使われた世界最古の太陽光発電システムとして、注目を集めています。

上記の2点は国内でも非常に有名な長期稼働実績のある太陽光パネルです。

品質が良いという事もあると思いますが、30年以上前の商品で10%に満たない劣化率です。

半永久機関と言われるのもうなずけます。

しかし、すべての太陽電池が安心かと言うとそういう訳でもなさそうです。

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2,経年劣化の現状及び経年劣化が発生する理由とその原因

太陽光発電の出力はどの程度低下するの

2011年に太陽光パネルの出力地の経年劣化について、ドイツで興味深い研究成果が上がっています。

フランホーファー

このグラフ、「あれ?見たことある!」って方も多いと思います。

はい。京セラの太陽光発電のCMで使われていたあの表です。

これ、加速度検査といって、太陽光パネルを過負荷な環境において、短期間で長期耐久性を図る検査の結果です。

2011年6月に発表されたこのデータ。

ドイツのフランホーファーという研究機関が発表したもので太陽光パネル13社のうち、劣化が見られなかったのはわずか4社という辛辣な結果が出ています。

この検査の後、メーカー各社長期耐久性を重要視する様になりました。

自社製品に対しての検査基準を厳しくしたり、当時の条件以上の検査を実施しているメーカーが殆どです。

しかし、太陽光パネルは劣化したり、故障する物だと言うのは念頭にいれておくべき課題です。

🔴太陽光パネルに経年劣化が発生する要因

微小な劣化は、導線接続の弱まりなどが主な要因と考えられます。

年間1%にも満たないので、気にする必要はありません。

深刻なのはソーラーパネルの製造工程や設計上の問題から生じる劣化です。

急激な劣化の主な要因は湿気、はんだ付けの不良、セルのクラックです。

【太陽光パネルの構造】

ソーラーパネルの構造

太陽光パネルの構造は、発電素子である『セル(半導体)』を、湿気、高温、衝撃からセル守り、確実に電気を流す事を目的として設計されています。

構成部材はセル(規格にもよりますが、1枚のパネルに60枚くらいのセルを使います)、保護材(エバ、バックシート)、強化ガラス、配線関係部材、フレームです。

セルの発電出力の均一性、バックシート、EVAの防湿性及び衝撃吸収性、ガラスの強度、配線関係の密閉性、フレームの耐荷重。などがソーラーパネルの長期耐久性を支えています。

代表的な異常劣化には下記の様なものがあります。

【ホットスポット】

ホットスポットとは?

パネルが部分的に熱を持つ現象ホットスポットといいます。

*配線

🔴はんだ付けの不具合

セル同士をつなぐ導線のはんだ付けが甘く、負荷がかかったときに剝れ、抵抗を生んでしまう状態です。

発生原因は、EVAやバックシートの保護力や防湿性に起因します。

外見上は発見が難しく、電流が遮断されてしまい、漏電による火災などに繋がるケースもあります。

*剥離

🔴水分が付着することで、太陽光パネルと電池の合成樹脂が剝れる

EVAの密着力不足の影響で剥離が発生し、パネルが全体的に白っぽくなります。

スネイルトレイルと言われるこの現象は、目視で確認もしやすく、日本国内でも多く発見されています。

放置すると

間に空気が入ることで、電気抵抗が発生し、ホットスポットの発生・発電出力の低下につながる事も。

【ガラス表面の汚れ】

🔴黄砂やPM2.5、花粉や排気ガスなどの粉塵

特にPM2.5などは、放置すると汚れが落ちなくなる事もあるようです。

水道水で洗浄した為に、カルキの付着によりガラス面が白濁したり、

ブラシでこすったために、ガラス表面が傷だらけになる事もあります。

こうした場合の発電出力の低下は5~10%程度です。

🔴ジャンクションボックスの発熱等によりパネルが変形することがある

ジャンクションボックス内でも電流の漏れが生じると発熱し、時には火災にもつながります。

主な原因は水蒸気や水の侵入です。

中国製の太陽光パネルを使っているけど大丈夫?

最近は中国製のパネルでもあまり心配されるケースはありません。

ただ、メーカーによっては危ないメーカーもあります。

最近、中国製パネルがあまり問題視されなくなった大きな要因として

慣れた(実績も出てきた)という理由の他に

パネル製造の全自動化が進んだ。

という背景があります。

以前は、半自動が殆どで、はんだ付けの作業やシートによるセルの封入処理を

手作業でやっているメーカーも多かったのです。

 

そのため、太陽光パネル内部に気泡が発生していたり、はんだ付けの際に

セルを割ってしまったり。なんてことも起こり得ていました。

 

これらが全自動化され、人為的ミスによる不具合リスクがなくなったのです。

ただ、未だに全自動化に至っていないメーカーもあります。

全自動化しているかどうか。パネルメーカーを見るときに要確認事項です。

また、全自動化の機械のメーカーまで調べられれば安心材料になります。

 

【パワコンの経年劣化によって、出力が下がるケースも多い】

🔴パワーコンディショナは10年程度で交換が必要と言われています。

メーカー保証が10年ついているケースもあるので、9年目で壊れたらラッキー。

なんて言われることもあります。

実際のところ、パワーコンディショナーに関しては、唯一機械的な要素が大きいので確かに壊れる可能性は高い部材です。

パワーコンディショナーの交換費用。

低圧の太陽光発電所の場合で1kw3万円くらい。※5.5kwパワコンなら15~20万円。

高圧の太陽光発電所で1kwあたり1.5~3万円くらい。※500kwパワコンで1200万円くらい。

もちろん、修理も可能で、基盤交換ですめばコストは交換の1/3~半分程度です。

パワーコンディショナーは電気製品なので、当たりはずれがあります。

10~15年で半分くらいは壊れると見込んでおくと良いと思います。

また、変換効率(ロス発生率)が新品の場合2~5%程度ですが、

変換効率が下がる可能性も否定は出来ません。

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3,経年劣化とどう向き合うか。

太陽光パネルの経年劣化は避けられません。

ただ、経年劣化には大きく分けて2つの種類がある事を念頭に入れておいてください。

*自然劣化

🔴これは、文字通り自然に劣化していくことです。

事前のシミュレーションに想定しておけば計画に狂いは生じない程度です。

年度ごとの日射量の違いなど、誤算の範囲で収まる程度の劣化です。

*異常劣化

🔴通常の劣化の範囲を超えて劣化している状態です。

発電量は低下しますが、規模の大きな発電所になると発見は難しく、定期的な検査を行う事で初めて発見できます。

ただ、その頻度に関してはコストとの見合いもあるので、慎重に検討する必要があります。

例えば、低圧50㎾程度の発電所で一度の検査で経費が4万円かかり、不具合が1枚発見されたと仮定します。

かけたお金4万円+修理費用3万円と仮定すると、、、

7万円の出費に対し、パネル1枚の1年での発電量は売電換算で5000円~12000円くらいです。

発電量低下の度合いにもよりますが、こまめな点検が費用対効果として必ずしも良いわけではありません。

🔴しっかりと発電量のチェックから不具合の発見を!

太陽光パネルの性能評価は大変難しいのが実情です。

かといって、頻度高くデータ測定などを行う事はあまり良い選択肢ではありません。

*発電量の定期的な監視と、周囲の発電所との比較を行いましょう

なるべく細かな単位で発電量の監視を行うことは理想的です。

ストリング(1回路)単位でも十分かもしれません。

パワコン単位で見ておいても良いでしょう。

パネル接続枚数が同じなのに、発電量が異なる場合など不具合の可能性が考えられます。

小型の発電所であれば、監視装置を付けるよりも、

毎月の検針データを見る事で十分なケースもあります。

周囲の発電所との比較など、発電量低下からの異常発見の方法については、

過去ブログ (太陽光発電は本当に儲かるか?)

でも触れているので、こちらもご覧ください。

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4,劣化を想定し、予め考慮しておく!

事業を行う上で抑えておきたいのは、この2点です。

  • 劣化と想定外の出費を考慮したシミュレーションを。

太陽光発電所は経年劣化し、時には修繕も必要です。

しっかりと想定し、パワーコンディショナーの交換を含め、ある程度の修繕積立金を用意しておくようにしましょう。

  • 発電所の異常発見が出来るしくみを!

目視では見えにくく、発見が遅れがちな太陽光パネルの不具合。

早期発見の為にも、毎月の売電データのチェックと周辺発電所との比較。

規模に応じた定期的な点検を行うようにしていきましょう!

最近では、ドローンを使ったパネル洗浄とサーモカメラでのチェックを行う低コスト検査サービスもあります。

太陽光発電所の健康状態が気になる方はぜひ、こちらのブログもご覧ください.

ドローンを使った太陽光発電所の維持管理

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過去ブログもぜひご覧ください!

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